迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

文字の大きさ
204 / 223
終・迅雷上等!

─迅─②※

しおりを挟む



 雷にメロメロな俺にはたまんねぇ殺し文句に、握った分身と心臓がドクンと脈打った。


「迅~?」
「…………ッ」


 熱くなった顔面を見られまいと、雷をころんとうつ伏せにしたのはいいが、女豹のポーズで振り返ってきやがってさらに煽られた。

 これを全部、まるっと、すべて、無意識にやってのけるんだから参る。


「迅~? どした~? 早く早く~」
「…………」


 やめろ。急かすな。

 無邪気と無防備の合わせ技を繰り出してくんじゃねぇ。

 自分でもムスコのガチガチ具合に引いてんだ。てか言われなくても〝早く〟挿れたいに決まってんだろ。

 でもガッツけねぇんだって。

 これまで雷をいじりまくった後の抜きっこ大会で満足してた俺は、この据え膳状況でも〝挿れなくてOKかも〟と思っちまうガチ紳士に成り下がってる。

 濁点付きの、ちっとも色気の無え声で「苦しい」って言うじゃん。それがまた可愛くてムリに挿れ込むと、切なく俺の名前呼ぶじゃん。

 躊躇すんだよ。

 こんなに、我を忘れそうなほど雷の全部に煽られるなんて思ってなくて、甘く見てたから。

 余裕ぶってダセェったらありゃしない。

 ……マジでこんなの初めてだ。


「迅ー? なんで挿れねぇの? 後ろからヤりてぇって言ったの迅だろー? ほーら、雷にゃんのお尻が待ってるぞ~」


 コイツはコイツで、こうしてガンガン煽ってくるし。

 今日が初体験のヤツに、女豹のポーズで「ぷりぷり~♡」とケツを振りながら挑発された俺はどうすりゃいいの。


「……バカ。煽るな」
「ええッ? あ、ああ煽ってねぇやいッ! おしりムズムズすっから早く挿れろって言ってるだけ……ン゙ッッ!」


 まだ何かピヨピヨ喋ってたが、問答無用だ。

 華奢な背中を押して黙らせると、細え腰を持ち上げて両手でケツを開くなり、濡れたアナルに先端をグッと押し込んでみた。


「んくッ! ちょッ、迅……ッ! いきなりは……卑怯だ……ンンッ!」


 紳士な王子様になんかなれるか。

 散々煽りやがって。バカ雷にゃんめ。

 これが欲しかったんだろうが。


「可愛いのも大概にしろ、バカ雷にゃん」
「んにゃァァッ!?」


 ムズムズするって言ってたのはマジらしく、待ってましたとばかりに亀頭にキツくまとわりついてくるナカは、ちょっと例えようが無えくらい気持ちよかった。

 とはいえ狭すぎる。締め付けがハンパ無え。

 動きたくても、こんなにギチギチだと腰だけじゃムリだ。


「あッ……ダメッ! 腰持つな!」


 雷のアナルは、遅漏なはずの俺をみこすり半でイかそうとする。根元まで埋めてねぇのに、脳ミソがぶっ飛びそうなくらい興奮する。

 今までのヤリチン伝説なんかガチで何もアテにならねぇ。

 性欲発散のためだけにヤってたセックスってもんの概念が、覆されたんだ。

 ……戸惑ってるよ。人並みに。


「あ゙ッ……! コラッ、迅! またガシガシ動く気だ……あぁッ!」
「当たり前だろ」
「ン゙ッ……ん゙にゃッ……!」


 雷にしては察しが良かった。

 雷の腰を持った俺は、浅いピストンを開始する。引っかかるから今挿れてる以上先にはいけねぇが、充分だった。

 痛えくらいの締め付けがクセになりそうだ。

 自分で〝桃尻〟と言うだけあって、雷のケツはぷりんぷりん。モチモチなそれを揉みながらの不自由なピストンも、悪くない。


「うッ……うぅッ……! はぅッ……!」
「これがバックだ。どう?」
「ど、どうって……!? どういう、うぅッ!」
「この方が楽?」
「ン゙ッ! ま、まぁ、たぶんッ?」
「たぶんか」


 「ぐるじい」って言わねぇから、ちょっとだけ安心した。だが振り返りざまに首を傾げるという高等技術を、俺はどう受け止めりゃいいんだ。

 軽く揺さぶる程度にしか動いてねぇのに、ほっぺた真っ赤になってて可愛かった。

 小せえ体をくねらせて、俺の動きに合わせて呻いてる様はめちゃめちゃエロいと思った。


「たまんねぇな、雷にゃん」
「ふ、ン……ッ! ン゙ッ! んむぅッ……!」
「悪い。このまま一回イかせて」
「いッ!? うッ!? んぐぅ……ッ?」


 いつもの高い啼き声もいいが、やっぱこの呻きもそそる。

 雷の承諾は得てない。でも腰が勝手に動いた。

 両手はガッチリ、細え腰をホールド。好きに突きまくるわけにいかねぇ制限されたピストンも、興奮を高めてる気がする。


「……ッ」


 ──あぁ……やべぇ……気持ちいい。



「迅……ッ、あッ! だめッ……ンな、ハードに動いたら……ッ、おれ壊れる……ンッ!」


 うるせぇ。お前が一言喋る度にこっちは限界ギリギリなんだよ。

 これでもソフトに動いて我慢してんだ。

 俺のどこにこんな優しさあったんだろってくらい、めちゃめちゃ配慮してやってんだぞ。

 アナル初体験じゃムリだと分かってても、〝俺と同じくらい気持ちよくなりやがれ〟と切実に願いながらキツいナカを犯した。

 浅い挿抜でも、グチュッ、グチュッ、グチュッというやらしい音は響く。狭すぎるナカを擦るごとに、ソレと雷の声が大きくなった。


「ン゙ッ! ン゙ンッ……! ンッ……!」
「……雷にゃん、イってい?」
「い、いい、けど……あッ! ンなこと、聞かれても……うッ!」
「俺の名前、呼んでくんない?」
「へッ?」


 唐突なお願いに、今度は耳まで真っ赤になった雷がじわりと振り返ってくる。

 雷は必ず俺の名前を呼びながらイくだろ。些細なことだが、その叫びに近い掠れた声が俺は好きなんだ。

 イく時はぜひそれが欲しい。


「ダメ?」
「いや……別にダメなわけじゃ……ッ! わ、分かった、呼べばいいんだなッ?」
「あぁ、頼む」
「ヒィッ……! おまッ、呼ばせる気、ねぇだろ……あぁッ♡」


 若干ハードめに突くと、雷はそれどころじゃなくなった。

 枕にしがみついてる華奢な腕に、血管が浮いている。雷もそれだけ必死だっつー事だ。

 感じるまではいかなくても、今まさに俺に愛されてるって実感がコイツの心ン中で湧いてるといい。

 この俺が何かを強請るなんて初めてなんだからな。


「だめッ……だめッ……! 迅ッ! ハードの上を、いくなッ……! うぁッ……♡」
「名前、もっと呼べ」
「あンッ♡ てめぇッ……! イケボすぎぃ……ッ」
「呼べっつの」
「あぁッ♡ 迅……ッ! 迅ッ、迅……! しゅきッ! 大しゅきッ! 迅……ッ!」


 不意打ちの絶叫告白で、俺の心臓は鷲掴みにされてたちまち震えた。


「…………ッッ」


 ついでに腰もぶるっと震えて、ナカに留まったまま堪えることなくゴム越しに欲を吐く。

 些細なお願いが、とんでもなくデケェ想いになって返ってきた。

 さすが、俺の想像のはるか斜め上をいく雷にゃん。

 おかげさまでイくまでの最短記録、更新したわ。




しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

もう一度言って欲しいオレと思わず言ってしまったあいつの話する?

藍音
BL
ある日、親友の壮介はおれたちの友情をぶち壊すようなことを言い出したんだ。 なんで?どうして? そんな二人の出会いから、二人の想いを綴るラブストーリーです。 片想い進行中の方、失恋経験のある方に是非読んでもらいたい、切ないお話です。 勇太と壮介の視点が交互に入れ替わりながら進みます。 お話の重複は可能な限り避けながら、ストーリーは進行していきます。 少しでもお楽しみいただけたら、嬉しいです。 (R4.11.3 全体に手を入れました) 【ちょこっとネタバレ】 番外編にて二人の想いが通じた後日譚を進行中。 BL大賞期間内に番外編も完結予定です。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

学校一のイケメンとひとつ屋根の下

おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった! 学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……? キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子 立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。 全年齢

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

処理中です...