迅雷上等♡─無欠版─

須藤慎弥

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⑯仕返し……!?

─雷─⑦※

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🐾 🐾 🐾



 他人のベルトを外すのもお手の物な迅が、俺のチン○をダイレクトに握って耳たぶを舐めてくる。

 密着してゴソゴソとやらしい行為に走る彼ピッピのエロモードは、もう誰にも止められない。

 迅に触られて嬉しいチン○から、クチュクチュ音がする。さっそくカウパー垂れ流して喜んでんだ、俺のムスコは。


「あッ……だめ……ッ♡」
「だめ、じゃねぇだろ。こんな俺の手ぬるぬるにしといて」
「やぁ……ッ♡」
「感じてんなら素直にそう言えよ」
「ひゃうぅ……ッ! やだぁ……♡」


 迅のイケボとテクニシャンな手付きのダブルコンボで攻められると、貧弱な俺は立ってることさえ出来なくなる。

 ていうか狭いって。トイレの個室は狭すぎるんだって……!


「ちょ……ッ、迅……ッ! こんなとこで……盛んなッ……あぁッ♡」
「いやいや、誘ったのは雷にゃんじゃん」
「誘って、ねぇよ……ッ!」


 真冬のヒヤッとした冷気と、迅のあったけぇ手のひらで体感温度がバグりそうだ。

 なんでいきなりこうなった?

 ……そんなの俺が一番聞きてぇよ!!



🐾 十分前 🐾



 放課後の俺のお楽しみ、おやつタイム。

 秘密基地で迅から毎日餌付けされること早半年……おぉ、もうそんなに経ったのか。

 迅の優しさで、貰えるおやつは日替わり。時にはしょっぱいの、時には甘いの、ってな具合に俺が飽きねぇようラインナップも豊富。


『雷にゃん、これ半分にしとけ。また晩メシ食えなくなるぞ』


 はぁ~?

 迅が買ってきてくれたくせに、半分だけなんて何を言いやがるんだ。

 ちなみに今日は焼きそばパンだ。おやつにしてはガッツリだけど、不思議と迅は俺のその日の気分をピタッと当ててくる。

 引っ込めようとした迅の手首を掴んで、ガブッとかぶりつく。んめぇ♡ 腹減りにはたまんねぇぜ♡


『もぐもぐ……。俺は少食じゃないですー。ちゃんと晩メシも残さず食ってますー』
『子ども用の茶碗で、だろ』
『うるせぇな!! あれは思い出の茶碗だから愛着あって……!』
『猫の足あと柄なんだっけ』
『そうだよ! バカにすんならすれば!』
『バカになんてするかよ』


 雷にゃんにお似合いじゃん、フッ……って、それはもう思いっきりバカにしてるぞ!?

 うっかり口滑らせて、猫の足あと柄なのも知られちまって……いやいや、六歳の頃から家で使ってる俺の茶碗の大きさなんか、どうだっていいじゃん!

 俺から焼きそばパンを奪うな!


『いいから残りもちょーだい! もぐッ……』
『フッ……小せぇ口。てかさ、同棲始めたらその茶碗持ってくんだろ?』
『えッ……ゴホッゴホッ……! ど、同棲!? いつそんなの決まったんだ!? てかいつから同棲するつもりだったんだよ!?』


 な、なななななんでいきなりそんな話になるんだ!

 俺はただ、椅子になった迅から与えられたおやつを堪能してただけなのに、急に同棲話になってむせちまった。

 ポンポン、と背中を叩いてくれる優しさには感謝だけど、突拍子もねぇことぶっ込まれた俺は冷静でいられるはずがねぇッ!


『ハタチになるまで金貯めるから……うまくいけば三年後?』
『えぇッ!? 三年、後……!』
『何、イヤなの?』
『いや、いやいや、いやいやいや、そんなことはねぇ、けど……! ちょっとビックリして……』
『イヤとは言わせねぇけどな』


 ……あ、えッ? 迅さんってば……ガチで言ってたのか……?

 薄ら笑いで『信じるなよバーカ』くらい言われんのかと思ったのに、迅は焼きそばパン片手に真顔のイケメン面で俺をジッと見ていた。

 マジ? 三年後に俺たち……一緒に暮らすの? 迅はもう、そんな計画立ててたんだ?

 ……ビックリだよ、そりゃ。

 俺たちはホントのエッチをすることが目先の目標で、今が楽しけりゃいいってスタンスのDKカップルじゃん。

 だから俺……そんなの考えたこともなかった。迅がそういう計画をコッソリ立ててたことも、知らなかった。

 迅の家に入り浸る冬休みの予定にドキワクしてた俺は、お子様だって揶揄われても何も言えねぇや。

 てかそれ以前に、毎朝毎晩こんなイケメンと過ごす耐性が俺には無いんだけど。

 イケてるうえに甘やかし王者なんだぞ、迅は。

 俺……色々と我慢できっかな……?


『迅と一緒に住んだら、俺ずっと発情しちまうかもしれない……』
『は?』
『だってさ、冷静に考えて迅と暮らすってヤバくね? 俺心臓持ちこたえれっかな? 毎日ドキドキメロメロキュンキュンしちまって、早死にするかも……わふッ?』


 ごく、と咀嚼したパンを飲み込んだと同時に、勢いよく抱きしめられてそのまま抱っこされた。

 ヘッ?と目を見開いた俺は、立ち上がった迅の首に慌ててしがみつく。

 すると迅は、スタスタ歩きながら透明人間と化していた人物に声をかけた。


『翼、今のはダメだよな』


 あ、そういや翼も居たんだっけ。

 最近すぐ気配消すじゃん。


『……どうぞ行ってらっしゃーい。お邪魔虫は先に帰りまーす』
『じゃあな』
『おう』
『えッ……翼、もう帰……ッ?』
『覗き見と盗み聞きは半殺しの刑なんだよ』
『そういう事』
『……ッッ!?』


 そんな法律あった!? それって迅オリジナルだろ!?

 俺らがずっと、イチャイチャイチャイチャしてっから翼がハブられてる気になって、ちょっと拗ねちまってる。

 空気を読んで薄い鞄を脇に挟んだチャラ男が、シッシッと追い返す真似をしてきた。

 抱っこされてる俺は、翼のそれがバッチリ見えて、しかもそれがバイバイに見えたんだ。だからさ、俺も〝バイバイ〟って手を振り返すじゃん。

 そしたらアイツときたら、舌ピアスをカチャカチャ鳴らして「おめでたいヤツ」と笑いやがった。

 その時はまだ、翼の半笑いの意味が分かんなかったんだよ。





 ──これが十分前の出来事だ。


「俺がいつ誘ったんだーーッッ!!」


 俺は少しも、迅を煽るようなこと言ってないぞ!

 おとなしく焼きそばパン食べてた俺が、なぜにいきなりチン○シコシコされなきゃなんねぇんだ!

 気持ちいいけど……ッ。放課後なのをいいことに、遠慮なくあんあん言っちまってるけど……ッ。


「無自覚お疲れ、雷にゃん」
「わぁぁん……ッ!」


 テクニシャン迅は、いっっつも容赦が無い。

 あっという間にのぼりつめて、膝とお尻をガクガクプルプルさせてる俺は壁に手をついてるのがやっとだ。

 そういう雰囲気じゃなくても、後ろから迅にギュッてされるだけで「はぅッ♡」もんなのに。

 ダイレクトな刺激に抗えるわけない。

 一番質が悪りぃのが、たまに耳舐めの合間にイケボで囁いてくるの……マジ勘弁。

 〝雷にゃん用のSサイズコンドーム持ってんのに、着けるの忘れた〟って……。

 うるせぇよ!!




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