506 / 541
〜十月某日〜(全十話)
8♡〜倉田ちゃんはヒヨコちゃん〜※
しおりを挟む視界が真っ暗だ。
呼吸もなかなか整わない。
指先も、腕も、足も、至るところが小刻みに震えてる。
聖南はまだ中に入ってるけど構わずに、俺は全身から力が抜けてベッドに体重を預けた。
あまりに我慢し過ぎてたから、イった時、違うものが一緒に漏れちゃったかと思った。
───気持ち良かった。
今まで体感したの事ない、強烈な射精感だった。
「すげ、顎まで飛んでる」
「……ん……」
ペロ、と俺の顎を舐めた聖南が、荒く呼吸する唇に噛み付いてきた。
大きく口を開かされて、聖南の元気な舌を受け入れていると、またゆるやかに腰を動かし始めている。
う、嘘……っ! もう二回目、……っ?
「ん、むっ……ん、待って……休憩……させて……」
「無理だな」
「……っ? ……ま、まだ、……息が……っ」
「きついなら寝バックやろ。 背中触ってやる」
今日はどうしたのってくらい、聖南が性急だ。
繋がったままコロンと体を反転させられた俺は、枕にしがみついてとにかく呼吸を整える事に専念する。
まだ下半身が疼いてて敏感なのに、聖南はゆるゆると抜き差ししながら背中にたくさんキスをしていた。
バックが好きじゃない俺を安心させてくれようとしていて、それはもう、たくさん。
チュッ、チュッ、って背後から聞こえて、その啄む音にも聖南の唇の温度にもすごく興奮する。
腰に引っかかったままのナース服が邪魔だったけど、脱がしてくれる様子はまったくなかった。
キスを落とした背中をさらさらと撫でてた聖南は、ナース服の下に手のひらを忍ばせて腰もさらりと撫で回す。
……どうしよう……また、ドキドキしてきた……。
「なぁ、さっきイったのどんな感じだった? 気持ち良かった?」
「んっ……っ」
背中に覆い被さってきた聖南が、俺の耳元で囁く。
俺が聖南の声に弱いって知ってて、わざとそうやって甘い声を出すんだ。
ドキドキしてる心臓がもっと早く脈打ち、それさえ腰を疼かせるほど、思わず耳を塞ぎたくなっちゃうくらい、とっても甘い声。
……気持ち良かったに決まってる。
聖南ってば、そんな事、聞かなくても分かってるくせに……っ。
「倉田ちゃん、聞いてる?」
「ん、っ……っ……だめ、耳……やめっ……」
「そうだ。 俺、明後日から出張なんだけど」
「……えっ、出張? え、? なに……っ?」
聖南が言ってる出張って、泊まりロケの事、かな……?
なんで急にそんな……?
振り返った俺の唇を食んだ聖南が眼鏡を外し、それをサイドテーブルに置いてニヤリと笑っている。
「一人同伴付けていいらしいんだよ。 ナースの中であみだくじやるみたいだから、倉田ちゃんじゃない子と行くかもしんない」
「え……っ?」
わ、忘れてた……!
まだイメプレが継続中だったとは思わなくて、ぐん、と奥を突かれた衝撃も相まって一瞬頭が働かなかった。
「そのあみだくじに倉田ちゃんは参加したの?」
「……っしてない、です……」
「そうなんだ。 あいつら分かりやすいな。 他にヤな事されてない?」
「ううん、されてない……と思う、けど……あぁっ」
「いっそバラしちまうか。 それか、倉田ちゃん除け者にするような奴らは全員クビにするか」
「えぇっ? だ、だめ、俺だけじゃ仕事……回んないです……!」
「だよなぁ。 でも考えてみろよ。 うちは個人医院なのに非常勤と親父合わせて五人も医師が居るんだから、何とかなるんじゃね? 倉田ちゃんは受付に居てくれたらそれでいい」
「そんな……っ、だめです、絶対、だめですよ……っ」
俺は他のナース達からやっかみを受けてる(設定)のか……。
それでも、全員クビにするなんて発言は、雇う側の私情で簡単に言っちゃいけないと思う。
……って、イメプレの世界の設定なんだから、そんなに真剣に考える事もないのかもしれないけど。
二回目なのに強度が全然変わらない聖南のものが、俺のお尻を何度も出入りしている。
だめだ、また……会話する余裕無くなってきちゃう……。
「ナース同士仲良くやれとは言わないけどさ、そういう分かりやすい仲間外れ的なの俺キライなんだよねー。 俺の恋人がそんな目にあってて見過ごすはずないだろ」
「ふっ……っ、んっ、んっ……あっ……」
「ナースは倉田ちゃん以外全員解雇な。 その代わりに真面目そうな理学療法士入れて治療には支障が出ねぇようにする。 電子カルテ一本にして俺らがカルテ管理もしたらいい。 何もかも俺のパソコンでシステムを一貫する。 どうよ」
「ちょっ、……あっ……なに、言ってるかさっぱり……っ」
「ふっ……そうだった。 倉田ちゃんはまだ新米だったな。 かわいーヒヨコちゃん」
「ひ、ひよこ……っ? 何を言って……っ」
背後で聖南が微笑んだ気配がする。
さっきから怒った顔しか見てないから、あの優しくて綺麗な笑顔を見たいって思ったのに俺は振り返る事も出来なかった。
会話をしながらでも聖南がガンガン腰を振って、俺のいいとこをたくさん擦ってくるからだ。
「あっ……んん、っ……んっ……!」
「日向先生もう二回目出したいんだけどいい? ヒヨコちゃん」
「んぁぁっ、あっ……なに、……っ?」
「あれ、倉田ちゃん飛んでんの? ……あぁ、またイったのか。 ……締め過ぎ」
聖南が俺の耳元でカッコいい声聞かせるから、俺はあっという間に二回目をベッドに放ってしまっていた。
枕を握り締めてる手のひらが痛い。
掴まれてる腰も痛いし、聖南が背中にもいっぱい吸い付いてたからそれもチクチクして、──痛い。
3
お気に入りに追加
302
あなたにおすすめの小説
潜入した僕、専属メイドとしてラブラブセックスしまくる話
ずー子
BL
敵陣にスパイ潜入した美少年がそのままボスに気に入られて女装でラブラブセックスしまくる話です。冒頭とエピローグだけ載せました。
悪のイケオジ×スパイ美少年。魔王×勇者がお好きな方は多分好きだと思います。女装シーン書くのとっても楽しかったです。可愛い男の娘、最強。
本編気になる方はPixivのページをチェックしてみてくださいませ!
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21381209
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
【BL】SNSで人気の訳あり超絶イケメン大学生、前立腺を子宮化され、堕ちる?【R18】
NichePorn
BL
スーパーダーリンに犯される超絶イケメン男子大学生
SNSを開設すれば即10万人フォロワー。
町を歩けばスカウトの嵐。
超絶イケメンなルックスながらどこか抜けた可愛らしい性格で多くの人々を魅了してきた恋司(れんじ)。
そんな人生を謳歌していそうな彼にも、児童保護施設で育った暗い過去や両親の離婚、SNS依存などといった訳ありな点があった。
愛情に飢え、性に奔放になっていく彼は、就活先で出会った世界規模の名門製薬会社の御曹司に手を出してしまい・・・。
【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】
海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。
発情期はあるのに妊娠ができない。
番を作ることさえ叶わない。
そんなΩとして生まれた少年の生活は
荒んだものでした。
親には疎まれ味方なんて居ない。
「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」
少年達はそう言って玩具にしました。
誰も救えない
誰も救ってくれない
いっそ消えてしまった方が楽だ。
旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは
「噂の玩具君だろ?」
陽キャの三年生でした。
EDEN ―孕ませ―
豆たん
BL
目覚めた所は、地獄(エデン)だった―――。
平凡な大学生だった主人公が、拉致監禁され、不特定多数の男にひたすら孕ませられるお話です。
【ご注意】
※この物語の世界には、「男子」と呼ばれる妊娠可能な少数の男性が存在しますが、オメガバースのような発情期・フェロモンなどはありません。女性の妊娠・出産とは全く異なるサイクル・仕組みになっており、作者の都合のいいように作られた独自の世界観による、倫理観ゼロのフィクションです。その点ご了承の上お読み下さい。
※近親・出産シーンあり。女性蔑視のような発言が出る箇所があります。気になる方はお読みにならないことをお勧め致します。
※前半はほとんどがエロシーンです。
そばにいてほしい。
15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。
そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。
──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。
幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け
安心してください、ハピエンです。
αなのに、αの親友とできてしまった話。
おはぎ
BL
何となく気持ち悪さが続いた大学生の市ヶ谷 春。
嫌な予感を感じながらも、恐る恐る妊娠検査薬の表示を覗き込んだら、できてました。
魔が差して、1度寝ただけ、それだけだったはずの親友のα、葛城 海斗との間にできてしまっていたらしい。
だけれど、春はαだった。
オメガバースです。苦手な人は注意。
α×α
誤字脱字多いかと思われますが、すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる