78 / 541
17♡
17♡2※
しおりを挟む揺すられてもなかなかイくにイけなくて、射精感には抗えずに自ら扱いちゃえと手を伸ばしかけると、気付いた聖南に腕を取られて頭上に追いやられてしまう。
何で触らせてくれないんだって怒りの目で聖南を見るも、彼の瞳は欲にまみれて視点が定まらないほど激しく興奮してるようだった。
「っ……あ、ぁあっ……ッッ……ちょっ、せなさんっ……おねが、っ……触ら、せて……イきたい……っ」
「俺のだ、触んな」
「そん、な……っ……んっ……ぁんっ……」
自分から出てるとは思えない甘ったるい声が、さっきから部屋中に響いてる。
イきたいのに触らせてもらえないし、中を何度も擦られてお尻とお腹がビショビショだし、腰を振る聖南はカッコよすぎるし、もうほんとにおかしくなりそうだった。
「一緒にイこ」
「……あ、……やぁぁっ……待っ、ん……あぁぁあ……っっ」
宣言通り、俺のものを握って扱き始めた聖南は、先ほどよりもさらに早く内壁を擦り上げた。
凄まじい快感の波と待ちに待った直接的な刺激に、やっとイけそうだと下半身に力が入った矢先、扱いてくれてた掌が無情にも昂ぶった俺のものをギュッと握る。
「うっ……なん、なん……で……あっ……はぁ、っん……」
突然堰き止められた欲の行き場が無くなり、それは涙となって溢れた。
「や、もうイくの、惜しいなーと思って」
「はぁ……っ? やっ、ちょっ……もうイき…たい……んっ……のに!」
「まだまだやる気なんだけど、ほら、これ、記念すべき俺らの初エッチだろ? もったいねぇっつーかさ」
聖南も随分ツラそうなのに、喋りながらも尚突いてくる器用さに、これが経験の差なのかと天を仰いだ。
初エッチだろ?と言う聖南の笑顔は、今まで見たどんな人のそれも霞んでしまうほど美しくてカッコイイ。
だけど、今それは言わなくていいと思う。
ゆるゆると孔を貫く聖南の腰付きはこんなにも射精を促してるのに、このまま堰き止められてたら、変になってしまう。
早く手を離してほしい。
どうやったらイかせてくれるかな……。
ひっきりなしに声をあげてるせいか、やけに喉が痛くなってきた。
頬擦りしてくる聖南の背中を抱いて、俺のものを握る手のひらに扱いてほしいと懇願したくても、声は掠れてるし何よりちょっと恥ずかしい。
イきたい、イきたい……と背中を波打たせていた俺は、あ、と閃く。
勇気を出して、おもむろに聖南の両頬に手をやり、なんと自分からキスをしてみた。
「ん……ふ、っ……んんっ……」
「……はるー、よそでそんな事すんなよー」
「あっ、……あっ、んっ、……早っ……っ……や……やっぁぁぁ……!」
キスが大好きな聖南へ、俺からの初めてのキスはよほど効果があったみたいで、ようやく俺は射精できた。
脳ごと揺れたかと思うほど激しく腰を打ち付けられて、ちょっとだけ視界が真っ暗になる。
同時に、聖南も一際早く抜き差しした後、荒い息遣いのまま俺の体に倒れ込んだ。
「はぁ……はぁ、……はぁ……」
「大丈夫? 痛かった?」
「…………大丈夫、です……」
「良かった……。 好きな人とすんのってこんな気持ちいいのか……」
まるで女性側のような台詞を呟いた聖南は、チュッとまたキスを落としてきて、行為の後の恥ずかしさも相まって俺はひたすら照れた。
これが、セックスというものなんだ──。
肌を重ねるとか、交ざり合うとか、そういう表現がピッタリだった。
オナニーすらほとんどしてこなかった俺には、刺激が強過ぎたのかもしれない。
聖南の大きな体を受け止めた俺は、ベッドに全体重を沈ませて天井を見詰め、しばらく動く事が出来なかった。
「ヤバ……ゴム変えなきゃなのに出たくねぇ」
「……か、変えるって……?」
中に入ったままの聖南のものが、このほんの少しの間にまた元気を取り戻してきてハッとする。
出たくないと駄々をこねてる間にも、さっきと同じ存在感が中を押し拡げ始めた。
「え、……聖南さん、あの……」
俺はその性の深さに驚くというより、続ける体力が保たなくて愕然としてしまった。
戸惑う俺に、聖南はアイドルらしいキラキラな笑顔を向ける。
「もう少し付き合って?」
「……ん、っ? んぁぁ……っ」
ズルっと一気に引き抜かれ、また俺はあられもない声を上げた。 自分は一体どうしちゃったんだろうと怖くなるくらい、簡単に喉を潰してしまう。
聖南が新しいコンドームに変えている様を力無くぼんやり眺めていると、手慣れたその動作に悲しくなった。
けれど再び覆い被さってきた聖南に強く抱き締められたら、途端に快楽の波に攫われて思考が働かなくなる。
悲しい気持ちは、与えられる快感でその時は忘れていられた。
聖南が俺で興奮してくれて良かった。 すごく嬉しかった。
何も考えられないくらい目まぐるしく抱かれた俺は、聖南の背中越しに見える月をたまに見詰めながら、長い長い「もう少し」の間中 掠れた声を上げ続けた。
15
お気に入りに追加
323
あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
Sweet☆Sweet~蜂蜜よりも甘い彼氏ができました
葉月めいこ
BL
紳士系ヤクザ×ツンデレ大学生の年の差ラブストーリー
最悪な展開からの運命的な出会い
年の瀬――あとひと月もすれば今年も終わる。
そんな時、新庄天希(しんじょうあまき)はなぜかヤクザの車に乗せられていた。
人生最悪の展開、と思ったけれど。
思いがけずに運命的な出会いをしました。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しい少年ジゼの、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です(笑)
本編完結しました!
『伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします』のノィユとヴィル
『悪役令息の従者に転職しました』の透夜とロロァとよい子の隠密団の皆が遊びに来る、舞踏会編はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
舞踏会編からお読みいただけるよう、本編のあらすじをご用意しました!
おまけのお話の下、舞踏会編のうえに、登場人物一覧と一緒にあります。
ジゼの父ゲォルグ×家令長セバのお話を連載中です。もしよかったらどうぞです!
第12回BL大賞10位で奨励賞をいただきました。選んでくださった編集部の方、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです。
心から、ありがとうございます!

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる