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しおりを挟む喉が渇いたと言っていたわりには、ペットボトルの中身があまり減っていなかった。
少しの合間にも窄んでしまう内壁を押し拡げるように腰を動かしていた聖南は、ふわりと葉璃を抱き上げて膝に乗せる。
んっと啼いた葉璃の口内に、ペットボトルの飲み口をあてて無理やり水を含ませた。
「んぷ……っ」
「もう一回な。 今度は飲むなよ」
「んっ?」
葉璃に飲ませた後、もう一度口に含ませた水を聖南が直に吸い上げていく。
わざわざ葉璃経由で水分補給した聖南は、葉璃の顎に滴る水を舐め取って微笑んだ。
「んは……っ、! お、溺れそうになったんだけど……っ」
聖南が葉璃にベタベタするのは今に始まった事ではない。
この口移しでの水分補給も二人の間では珍しくはなかった。
「溺れたら俺が助けてやるから心配すんな」
「え、ちょっ、……っん、んぁっ……!」
ニヤッと笑った聖南は、葉璃の体を抱き上げてまったく衰えないそれで一気に貫く。
この体位も体重がかかって苦手だと豪語していた葉璃の喉が、いやらしくのけ反って掠れた嬌声が上がる。
奥をこじ開けるように葉璃の体を深く沈み込ませると、根元までギッチリと埋め込まれた性器があまりの気持ち良さでややビクついた。
「……やっ、せな、さん……っ、これ、……これやばい、だめ……っ」
「奥あたってる?」
「あた、ってる……わかんな、……っそんなの、分かんな……」
「最長記録更新と、新たな扉を開くの、どっちがいい?」
「なに……っ? なに、それ……あ、っ」
「んー? ……俺もやった事ねぇから分かんねぇんだけど、……」
「……あっ、? だめ、そんな、そんなに揺らさない、で、……! やっ、やっ……っ」
下から突き上げながらある場所を求めて腰を回すと、抱き締めた葉璃の背中が大きくしなって向こうへ倒れてしまいそうになった。
同時に中もぎゅうっと締まってしまい、感じているのだと分かってはいても動けなくなるほど締め上げられては開拓出来ない。
何時間も離さず散々疲れさせた罪悪感もあり、これ以上可愛がると本気で葉璃から嫌われてしまうかもしれない懸念が脳裏によぎる。
「っ……葉璃、そんなに絞ろうとするな」
「してな、っ! そん、なの……あっ、あっ、できなっ……」
「じゃ、無意識ってことだよな? 葉璃ちゃん?」
「やっっ、……お腹、くるし……っ……あっ、んっ……っ!」
聖南にしがみついていた腕が、お腹辺りを摩って苦しそうに目尻に涙を溜めていた。 甘えるように聖南の胸に頭をコツンと乗せた葉璃を、下から容赦なく突き上げていく。
何度目かの律動でピクピクっと内側が痙攣し、萎れたままの葉璃の性器から透明な液体がトロッと溢れ二人の間を流れ落ちた。
射精の余韻なのか、入り口がまだビクビクと収縮を繰り返している。
「イったの、葉璃? まだ残ってたんだ」
「……っ、……っ」
「葉璃、舌」
「……ん……。 んっ……む、っ……」
『あー……かわい。 ぜんぶかわいー……』
魅惑の瞳が、聖南をとろんと見詰めている。 目尻の上がった大きな瞳は今、睡魔と快感の狭間を行ったり来たりしていて虚げだ。
目元はピンクに染まり、その欲情に濡れたトロ顔を見ただけで聖南はイってしまいそうだった。
何時間にも及ぶ行為に必死についてくるし(堕ちてもすぐに叩き起こすせいでもある)、聖南の愛をこの小さな体が受け止めてくれているのだと思うと、心が温かなもので満たされて終いには溢れ出してくる。
『あぶねっ、ここはマズイよな』
感情のままに悶え泣く葉璃の喉に吸い付こうとして、慌ててやめた。
ほんの少し鬱血した跡を見ながら、こんなにも分かりやすい場所にキスマークを付けたと知られると「外を歩けない、もうエッチ禁止」などといよいよ葉璃から本気で叱られてしまう。
「あっ……せなさ、んっ……あっ、あっ、やっ、もう……ゆるし、てっ……」
「何を? 別に俺怒ってねぇけど?」
「これ、っ……これ、やめて、おねがい……!」
「これ? これって何?」
きっともう、葉璃はヘトヘトなのだ。
大きく揺れる体とは対称的に、力なく聖南にしがみつく腕も手のひらも完全に脱力しきっている。
すべて分かっているのに、聖南は意地悪く葉璃の下唇を甘噛みした。
「これってなんだろーなぁ?」
「……あっ……んんッ、や、……なんでっ……?」
「分かんねぇなー。 なんだろうなーこれってー?」
「……っ……これ、つかれた! ……エッチする、の、っ……もう、つかれたの!」
「ふふっ……」
───可愛い。
言わせたい台詞が聞けて、思わず聖南は笑ってしまった。
言っている事も、言葉も、話し方も幼いのに、目の前で聖南に貫かれている葉璃はこんなにも美しく乱れている。
『興奮するなっつー方が無理だろ』
疲れた、と本気で文句を垂れ始めた葉璃を抱き続ける、紛うこと無き絶倫の聖南は、優しくしたい、やめてあげなきゃと思うのに己の尽きることのない欲望に従うしかなかった。
それもこれも、目の前の可愛い人に聖南がメロメロだからだ。
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