243 / 541
40♡
40♡7※
しおりを挟むさっきの行為のおかげって言うのも変だけど、あんまり前戯しなくても痛みはほとんどなくて、多少の圧迫感だけが俺の顔を歪ませる。
聖南はキスを仕掛けてきながらベッドへ俺を押し倒すと、指先でくるくると孔を弄ったあとすぐにゴム無しで挿入してきた。
聖南はコンドームを付ける時と付けない時がある。
気分によってなのか、何か他に理由があるのかはちょっと分からない。
不慣れな俺でも気持ちよくなれるように、聖南は毎回たっぷりと汗をかきながら傷付けないよう慣らしてくれる。
中の洗い方も、解し方も、俺は聖南からぜんぶ体で教わった。
「俺以外の男にここ触らせたら相手殺すから♡」なんて怖い笑顔を浮かべて、架空の浮気相手に嫉妬する聖南の愛が、俺には恐ろしくて愛おしい。
「早く入りたくてたまんなかったー……。 さいこー」
あの大量の料理達は、綺麗に二人の胃袋に収まって、すぐさまこんな事になってる。
俺も結構食べたけど、今日は聖南もかなり食べてくれててほんとに安心した。 いつも食が細くて心配してたから、ちゃんと食べる時は食べるんだ……って。
眼帯のせいで料理を取りづらそうに、食べづらそうにしてたのはちょっと可愛くて癒やされた。
「聖南さん、……さっきのお酒、……あっ……美味しそうでしたね」
シュワシュワした綺麗な色のジュースみたいな飲み物を、聖南は無表情でグラス一杯だけ飲んでいた。
キスをした時にその甘いお酒の味がして、ビールよりも美味しそうな風味に何度も聖南の舌を追ったくらいだ。
「あれ? スパークリングだから飲みやすいけど、やっぱ美味いとは思わねぇな。 葉璃もハタチになったら飲んだらいい。 美味い酒たくさん用意してやるから」
「楽しみです、聖南さんと飲むの」
「……俺は飲まねぇけど」
「……あっ、……そんな、……っ……付き合ってよ……っ!」
「かわいー葉璃のお願いでも、それだけはイヤ」
聖南は飲めないのに、美味い酒をどうやって判断するんだろって考えたら可笑しくて、揺さぶられてる最中なのに笑いが溢れてしまった。
甘やかすようにちゅっと喉に吸い付かれながら、少しずつ俺の中への侵入を進めている。
「お、葉璃ちゃん余裕じゃん。 かわいー顔してどしたの」
「……いえ、なんでもな……あぁっ……いま、意地悪な顔した……!」
「痛てっ! 締めるなよ」
何故かニヤリと笑った顔が、とっても意地悪なのにかっこよく見えて、憎らしくなった俺は少し孔に力を込めてみたらうまく締まったみたいだ。
余裕ぶった表情が消えた事に、俺も少しは聖南を気持ち良くしてあげられるかもって嬉しくなった。
「ふふっ……ちょっと感覚分かってきた」
「やめろって。 いくら酒飲んでも保たなくなるじゃん。 んな事覚えるな」
「……あっ……だからってそんな……んんっ……やっ……あっ…」
「煽った葉璃が悪い」
聖南を気持ち良くしてあげられると喜んだ矢先、ゆっくりと挿入してくれていた聖南の腰付きが荒くなる。
試しに締めてみたそれが煽った事になったらしいと分かって、急いでガッシリとした肩にしがみついた。
意図せず聖南の中の雄のスイッチを押してしまった俺は、その後朝まで啼かされる羽目になった。
俺の思う休憩なんか、やっぱり無かった。
13
お気に入りに追加
319
あなたにおすすめの小説

ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
【完結】嘘はBLの始まり
紫紺
BL
現在売り出し中の若手俳優、三條伊織。
突然のオファーは、話題のBL小説『最初で最後のボーイズラブ』の主演!しかもW主演の相手役は彼がずっと憧れていたイケメン俳優の越前享祐だった!
衝撃のBLドラマと現実が同時進行!
俳優同士、秘密のBLストーリーが始まった♡
※番外編を追加しました!(1/3)
4話追加しますのでよろしくお願いします。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる