わけあり荘の大家さん

ノアメロ

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わけあり荘の大家さん第一章

隣人

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ハルはチェイスの前から立ち台所へ向かう仕草をし言った
「あの、お腹空きませんか?」
「えっ…あぁ。…うん。空いた」
チェイスは、正座にをしたまま待っていると台所の奥から食器の当たる音や物をつぐ音が聞こえてくる。
「できた(ボソッ)」
奥からハルのできたの声で顔を出す手には料理が乗ったお盆を持ちある事に気づいた。
「あっ。あの、チェイスさん、ちょとお頼みが…」
「?」
「テーブルを出して貰っても?よろしいですか?」
ハルの目線を追ってチェイスも左に向いた。ハルが言っているテーブルは、コタツの事だった、コタツは壁に立て掛けられていた。
「分かった」
チェイスは、こたつを持ち上げた。コタツを引きハルが持っていたお盆の料理が並べられていく。
「す、凄い…これ全部ハルが作ったのか?  」
チェイスの目の前に並んでいくのは、小さいお皿に入ったなくあんにメインの鯖の塩焼きに汁物の白味噌の味噌汁、白米にほうれん草のおひたし素朴なご飯だが暖かい料理が並ぶ。

「はい…」
料理が並び終えるとハルはテーブルの前に座り手を合わせチェイスも一緒に手を合わせる
「では。いただきます。」
「…いた、だきます。」

チェイスは、初めに白味噌の味噌汁を口にした。「ズルルルル」
そしてチェイスの目からは1粒の涙がこぼれる。

「チェイスさん…」
ハルが心配そうにチェイスの顔を覗き込む。チェイスは、急いで涙を拭った。

「すみません…なんか…暖かいなって…こんな人の暖かい味久々味わってから…なんか涙が…」
チェイスは、目を擦りなながら淡々と語る
ハルの方を見ると静かに聞いていた。

それからチェイスは、涙が止まるまで泣き続けた。ハルもチェイスが泣き止むまで静かにチェイスの話を聞いていた。

「…はぁ…すみません…」
「いいえ。少し冷めましたが食べますか。」
「はい。」

そう言うとハルとチェイスはまた食事を始めたがチェイスは、あることに気づいた。味噌汁を、持つ手でも被っている箱はとろうとしない。

「ハル?箱取らないの?」
「はい!気にしないで下さい!」
「…は、はい。」
すると『カツン』
味噌汁のお椀は箱にあたり口に運ぶことが出来なかった。
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