あなたがそれを望むなら! ~私はストーカーをしてしまう人に全力の愛を贈ります~

極限環境微生物

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第2話 ゲームセンター山田 (コメディ回)

【2話 終】 志帆! クロスファイアだよ! 【エピローグ付き】

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「ずっと志帆のプレイを見てきて、私やっと気付いたの」北原がする力強い説明はギャラリーにも聞こえた。「これ、『ペイアウトサポート』は最初から発動しているよ」

 なにっ!? と会場に驚く声が響く。

「ククっ。そうですか、“金額”は“足りて”いたということですね」

「ああ。結果的ではあるが、『ハイエナ』成功だ……!」

 プレイヤーの絶望と観客の落胆によりお通夜になっていた会場で、クロウとガイアが水を得た魚のように解説役に戻る。

 しかし一回目は正攻法では持ち上がる事はなかった。アームがあまりにも弱すぎるのだ。そうした場合何か工夫をしなければならない。

「そして、この美少女フィギュアは、重心がやけに奥……“底”の方にある」北原の説明に、村井は納得したように頷く。「私は志帆のおかげでそこ・・を知った。だから狙える。イメージは志帆、……その技、少し借りるね」

 本当に電波少女になっちまったか。ギャラリーはそう捉えるかもしれないが、少なくとも山田達は違った。

 北原は筐体の横や正面からなど、移動しながら見ていたことで、実際に操作していたプレイヤーとは違う視点を持っていた。
 つまり村井よりも得られる情報が彼女の方が多かったのだ。だからこそ“狙える”。

 そして村井の針の穴を通すような精密なプレイングを勉強させてもらった。それを使わせてもらうと言ったのだ。

 何て自信なんだ。しかし、山田は彼女を信じた。
 その説得力は今までのプレイングで見えていた。

 ――ゲームのプレイスタイルは稀に、プレイヤーの背景バックボーンを透かせて見せる。
 山田が彼女を信じられる根拠は、遠くから見てきた北原と今の真剣な北原。そのどちらもゲーム魂は、いつも眩しいほどに輝いていたからだ。



 細く透明な論理の糸をたぐり寄せ、得た情報を織り合わせて到達した勝ちへの“方程式”。
 そこに至るまでの村井の努力を証明するために、彼女はアームを動かす。

 会場は驚くほど静かだった。他の客が遊ぶゲーム音が遠くに聞こえる。
 みんな先程の絶望から立ち直れないのか、息を呑むように黙っていた。

「……ここだ」北原の、村井が乗り移ったかのような集中力は、景品の重心を捉えた。

 持ち……上がったっ。会場の一人が言う。しかしまだ静かだ。
 クロウはビューティホー……。とつぶやく。しかしフロアはまだ、静かだった。
 全員が集中しすぎている、ここにいると目が乾いて息がっ……詰まるっ。山田がそう思っていると、

「あっ!」村井の声が出る。

 景品は、獲得口の寸前で、アームから滑りおちた。


 ――残り回数「2」




――――――――――――


〈先輩、絶対やばいですって! ペイサポがあってもあのアームは緩すぎます。あんなキツいの見せつけられたら誰もやらなくなります! 近くには泣いている少年までいるんですよ!〉

〈ダメだ。彼女たちはまだ三百円分しか使ってないんだろう。だったら手を出すべきではない〉

〈……分かりました。いまは客が散るまで見ています〉

〈了解〉

――――――――――――


 うおぉおおおお!!!! おしい~~~~!! 次で行けるぞぉ!!
 会場のボルテージが一気に上がる。先程の絶望を目の当たりにさせられたのは、全てがこのためだったと思わせるような芸術的な演出。
 山田達も盛り上がらないはずがない。

 その熱は、書店やショッピングを目的に『原初大爆発』に来店した主婦たちでさえもが囲みだすステージと化し、誰もが彼女達のプレイに共感し熱くなっていた。

「もう一度やらせて。私を信じてほしい。次は落とせる」

「ああ! お前を疑ったことなんかないさ」

 村井が北原の背中をポンと叩き、隣の位置についた。

 北原は微笑んで、クレーンゲームのボタンを押す。先程こぼれた景品は、あと一歩というほどに景品獲得口のへり・・にまで来ていた。

「来たっ! ドンっっピシャぁあっ! “核心”へのアプローチは寸分の狂いもないーーっ!」

 先程と同様に景品の中央ではなく、重心の中央を捉えている。これは持ち上がる。

 そう思ったガイアの実況に熱がこもる。会場にいるギャラリーは、大きく口を開けた爪が景品を持ち上げるその瞬間を心から待ちわびている。しかし。



 ぎゃ――――――ッッ!!?

 女性の悲鳴や、男性の怒声。それらが集まり大きな声となる。そんな聞くだけで不安になるような大声が、ゲームセンターに響いた。
 山田は頭を抱えた。なぜ僕の予想はこんなことを当ててしまうんだと。

 台は奥側に傾いている。言い換えれば景品を乗せる台は、手前側が歪に持ち上がってしまっていた。そのためアームの爪が滑り止めに干渉している。
 これじゃあ、アームの爪が“景品の下”に“入らない”じゃないか。

 ……それは奇しくも、村井の『シェイク』という起死回生のアイデアから産まれたゲームセンター界の不条理。

 ――『 獲 得 不 能 店員さん、コレおねがいします』を意味する。
 そしてそれは、せっかく動かした景品や台を元の状態に戻さなければならないということだ。

 何も持たずに景品獲得口で大きな口を開けるアームは、会場に居た人の心を折るのに十分なほど空虚だった。店員が大量の汗を流しながらインカムで話している。
 数名の観客が、こんなのもう見たくない、というように立ち去った。そうさせるのに、十分だったんだ。



 ――残り回数「1」



――――――――――――



〈もう限界ですっ! 俺ちょっと「位置お直ししますねー」――景品がすぐ落とせる場所に設置しなおす、『人力ペイアウトサポート』のこと――してきます!!〉

〈ダメだ! お前は……今までそのクレーンゲームで散って行った先人達に申し訳ないと思わないのか!!〉

〈……!?〉

〈今お前が彼女達を救うことは容易い。しかしそれでは先人たちの悔しさはどうなる。……今お前は『仕事』をしているんだ。俺達は三千円分投入されるまで“救済”してはいけない。それが会社のルールで『仕事』だ。〉

〈でも先輩……おれ、こんなの悔しいっすよ……〉

〈お前も子供を見守れる大人になれ。毎日腹を空かせている人に必要なのは“パン”ではない。本当に必要なのは、そのパンを買う金を得るための、作って他の空腹な人にも分け与えるための『知識』だ。彼女達も、クレーンゲームは獲れないという経験で理解し、成長するんだ。〉

〈う……ぐっ。…………承知しました……。〉


――――――――――――



「ごめんね、志帆。私にはもう……“彼女”を救い上げる力は、無いみたい」

 村井の胸にもたれ掛かり「たはは」と力なく笑う北原は、これから死ぬのかと思うほどか細い声で言った。

「ばか言うな! お前はよくやった。……でも、こんな所で諦めきれるか、私は諦めてやらないぞ」

 村井は彼女と、自分を励ます。言葉の力強さとは裏腹に、その声はあまりにもか弱い、女の子の涙声だった。
 その光景に、クロウとガイアは涙を流していた。
 山田の心にも何か感じる物があった。彼女達には何か人を巻き込む力がある。会場の観客の数を見てもわかった。しかし村井は大悪党――

「私こんなもの、全然欲しくないのに、悔しいよ。本気でやってもどうにもならないことが悔しいんだ」

 ……! 村井の熱い言葉が耳に入ったと同時に、山田の心の中には、緑の草原を思わせる爽やかな風が吹いた。
 いま彼女は、「こんなもの」といった。「全然欲しくない」と言った。
 ――村井は極悪犯罪組織『美少女フィギュアカツアゲ強盗団』のボスなどでは無かったんだ。

 自分の勘違いに気が付いた瞬間、山田は彼女達が心から大好きになった。
 だって本気でゲームを楽しむ彼女達は、僕達の『仲間とも』だから。


 ◇

「……ゲームは老若、男女がお互いのプライドをかけて同じ条件で戦えるんだ。それだけじゃなくて、常に誰かの発想で新しい戦術が産まれる。だからこそ『誰も』が本気で遊べる楽しいものなんだ」

 ◇

 これは僕の言葉だっただろ。『誰も』っていうのは“プレイヤーが”って意味じゃないよな。これは楽しもうとする『みんなが』って意味だったんだろ。
 だったら言ったことくらい、自分が知っているゲームの楽しさくらい、彼女達にも教えてやれよ。それがやまだなんだろ――。


「“押せ”ーー!! 押せば落ちる、“押す”んだよーーーー!!」


 山田の応援は、あの日の、全校応援を思い出させた。
 ガイアは涙を流しながら、「でかい声だなぁ」と大きく笑った。クロウも山田に同調するように、頑張ってくださいと叫んだ。

 村井が驚いた顔で山田を見た後、意を決したような表情で大きく頷いた。〈その“想い”、受け取った。〉と聞こえた気がした。

 いつの間にか、ギャラリー全員が応援している。さっきまでは、何かが起きたら声を出す程度だったのに。
 店員は二人に増え、最後列のテーブルの上に移動している。
 メガホンを使って、「他のお客様に御迷惑になります。ゲームの“観戦が終わった後”はお静かにお願いします」と言っていた。


「志帆! クロスファイアだよ!」

「分かってる!」

 観客の応援を聞いて、北原が素早く筐体横の位置につく、そして村井が操作をした。
 その陣形は見事な十字砲火クロスファイアだった。

 アームが動き出す。

「誤差を忘れるな!」

「分かってる!!」

 北原の合図を頼りに、寸分たがわずアームを景品に寄せる村井。
 その爪が大きく口を開ける時、人やゲームの音でうるさいかった会場はピタ――と、時が止まったかのような静寂で覆われた。

 観客はその瞬間・・を見ることにエネルギーを注ぎ、声を出せなくなっていたこと。
 そして誰も、彼女達の声とクレーンゲームの音以外聞いていないからだ。

 そして静寂は、時の流れを遅くさせた。
 
 山田には、ゆっくりと流れる時の中、自分の心臓の鼓動すら聴こえない。
 世界に存在するはずのない『無音』が聴こえていた。

 そしてその『無音』の中に、彼女達の声だけが沁み入る。

「志帆……本当にありがとう」

 アームの爪先が景品を通り過ぎる。会場の一人が悲鳴を上げた顔をした。

「私を信じていてくれて」

「言ったろ? 疑ったことなんかないって」

 通り過ぎたアームの爪先から続く“腕”の部分。爪よりも大きく広がったその“腕”が、景品の箱をぐ……っと押し込む。

 ――景品獲得口に、“彼女”は落ちた。




――――――――――――





 アームが口を大きく開けた時から、村井は静かにギャラリーの方へ振り向いていた。背中越しに、北原と話しをしている。

 会話が終わると同時に、両の拳を高く高く突き上げる。まぶたをキツく閉じ、大きく口を開けたため、彼女の顔がくしゃくしゃになった。
 そこに至るまでの『無音』の時間が、山田には溶けてしまうほど長く長くゆっくりに感じた。

 村井がその顔で叫ぶ前に、――ゴトン。
 と景品が落ちる音が聞こえ、それを見た店員達がテーブルの上で静かに抱きしめ合う。

「獲ったああああぁぁぁああ!!!!!」

 ッッ――わあぁぁぁぁああああああ――――!!!!

 彼女の絶叫から一拍おいて産まれた、観客の割れんばかりの歓声は店内を轟き、大気までもが震える。
 山田の周りには両手を高く掲げる者、狂ったよう頷きながら拍手をする者、涙しながら隣の人と抱きしめあう者々であふれた。

 それは宇宙に飛び立った英雄達が、地球に迫り来る隕石を破壊した瞬間の地球防衛基地の光景だった。
 彼女達はその日、『英雄』となった。

「ぐすっ……先輩、僕ら仕事してないっすね」

「バーカ。俺達のサービスで子供が楽しんでいるんだ。それを全力で喜ぶのも、俺達『大人』の『仕事』だよ」

「はは、それ、鼻水垂らしながら言われても説得力ないっすよ……ぐすっ」

 感動に震え涙が止まらなくなっていた山田。その隣で、大きな体をしているガイアは、もう泣いてはいなかった。
 彼はあの日、三振してしまった時と同じ顔で、「あー、楽しかったなぁ。」とつぶやいた。山田はその顔と思い出に誘われて、また落涙した。

「ぐひっ……ゲーセンに通ってよかった……」クロウも顔が汁っ気でぐちゃぐちゃだ。

 彼女達は景品を取り出す前に、満足そうな顔で向かい合った後、力強く抱きしめる。
 英雄同士が背中をポンポンと叩き合う姿は、地球ここが平和になったんだ実感させてくれた。

 そして二人で美少女フィギュアを取り出す。店員が走ってきて、袋は使われますかと聞いたが、彼女達は断った。

 その景品を村井は高く掲げると、会場は拍手で包まれる。
 そして二人は並び、永遠かと思われるほど長く、ギャラリーに頭を下げた。



――――――――――――



 六本目 ○●○●xチーム《北村》 ●○●○xチーム《ビギニング オブ ザ ワールド》

 ――勝者、チーム《ビギニング オブ ザ ワールド》。



「そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。」北原は山田に向かって言った。

 店を出てすぐの駐車場で、彼女と村井はシラーっとした目で山田を見ている。彼の手には六個の、昔から人気があるキャラクターのぬいぐるみが乗せられていた。

 勝敗は獲得した景品の金額で決める、しかし村井は、獲った景品を合算しないとは言っていなかった。
 彼女達の手にあるフィギュアはネットで千五百円で売られており、山田のぬいぐるみは一つ五百円だった。合算すればダブルスコアの圧倒的大差で山田の勝利だった。

「山田は『実力機』で無双できるからなぁ……」

「もうクレーンゲームを選んだ時点で勝ったと思うと、彼女達を応援せずにはいられませんでしたねぇ……」

 ガイアとクロウが言う。そんなこと言ったらさっきまでの感動がうすっぺらくなるだろう! と山田は怒りたかったが、今その権利は彼にない。

「でも今日は楽しかったよ、ありがとね」

「お腹空いたからもう帰る。じゃあな」

「ちょぉ!! ちょっとまって!!」山田が大声を上げる。

 二人がそのまま帰ろうとするのを山田は絶対に阻止しなくてはならない。

「俺達の願いを叶えてくれるんだろ。そういう約束だ」

「私達はずーっと何をシてもらうか考えていましたよホホホホ」クロウは奇妙な笑いをした。

「クロウくん、さすがにそこまで向こう側に行かれると私も笑えない」

「あ、すみません。戻ります」

 それからは各自その場でかわいい願いを叶えて貰っていた。始まる時はあんなに欲望にまみれていたのに、いざ言う時はみんな素直になれないみたいで可愛いな、と山田は思った。

 いや、分かっていたよ? おっぱいを触らせてなんて言った日には次から学校に居場所がなくなるのはみんな分かりきっている。
 “一度だけ何してもいいよ”というシチュエーションを頂けただけで***もんの一生の***ですよ。

「山田くんは? なにしたいの?」

 北原のセリフにドキッとさせられる。

「僕は、みんなで写真を撮りたい」

 あぁくっそぉ!!!! 手を繋ぎたい好きって言いたい付き合いたい。

「今日の日のこと、忘れない思い出にしたい」

 あああああ!!!! 村井さんに消された北原写真集をもっと良いものにするんだ。村井のうんち!

「いいよ」

 北原はきらきらとした笑顔で応えてくれた。村井がスマホを貸せと言った。
 背景も何も考えずに天気の良い屋外で撮った写真だが、これは一生の宝物になる。山田はそう確信していた。

 ◇ 【エピローグ】

 彼女達と別れたその後は、ガイアも部活があると言って帰り、山田もクロウと一緒に帰路について解散した。
 山田は家に帰ってから、彼女達から貰った美少女フィギュアを飾る。彼は獲ったぬいぐるみを彼女達に全部渡していた。

「ユニフォーム交換っぽいね」あのときの北原の突っ込みで、みんなで笑った。

 自室で何枚か撮った写真を見返すと、写真下手とかのレベルじゃないくらい、そのほとんどのデータは悲惨だった。
 女子は自撮りって得意そうなのに、村井は何を思ってスマホを貸せと言ってきたんだ。今まで何をして生きてきたんだと山田は憤慨した。
 みんなの顔が写っていると認識出来るのは、たったの一枚だけだった。

 ……いや、そもそもクロウは基本的に村井の影に隠れていて(たぶんポニテの匂いを嗅いでる)、ガイアは全ての写真で地面や壁の色と同化し、辛うじて日焼けした顔が浮き出ているだけだった。しかしホワイトバランスの関係であまり表情は確認出来なかった。

 これは仕方ないことだ。一枚だけでも集合写真が撮れたことを喜ぼう。
 山田が納得しようとしようとするが、何か違和感があった。

 よく見るとその中に一枚だけ、不自然な写真がある。

 クロウもガイアも消えているのは仕方ないことだが、村井すらも自身の親指で消えてしまっている。

 そうして出来た写真は、山田と北原が二人笑顔で、縦に並んだツーショットのようになっていた。

「村井さん、写真撮るの上手だなぁ」

 山田は笑って言った。


第2話 「ゲームセンター山田」 終
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