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第2話 ゲームセンター山田 (コメディ回)
クロウ、きみをこんなに頼もしいと思ったことはない
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次は彼らがゲームを選ぶ番だ。作戦会議の結果はシンプルに、自分達が一番得意なジャンルを相手にぶつけることだった。
――二本目【麻雀ゲーム】
「俺が選ぶのは麻雀だ」
まずはガイアが前に出た。山田は、彼は卑劣だが賢いと思った。彼女達が麻雀のルールを知らなければ勝つことは出来ないし、そもそもゲーム内で協力することは出来ない。
そしてこの選択は彼らにとって最良のものだった。彼女達はルールを知らなかった。しかしそれとは別にガイアを心の底から卑劣な男だと山田は思った。
例え彼女達がルールを知っていても、このゲームは課金アイテムにより戦局を有利に運べたからだ。ガイアは何も言わずにそれを使用していたのだ。
二本目 ○●チーム《北村》 ●○チーム《ビギニング・オブ・ザ・ワールド》
「よし、見たかお前ら! 振り出しに戻したぞ!」
ガイアは彼女達の前で麻雀牌を持つには重たそうな太い腕を振り上げる。
そうやって全力で喜んでいたが、山田はシラーっとした目でガイアを見つめた。
……次は彼女達がゲームを選ぶ番だった。
三人は緊張した面持ちで何を選択されるか待っていた。
――――――――――――――
――三本目【クイズ】
「ちょぉ!! ちょっとまって!!」
「え、なに?」
山田が大声をあげると、北原は悪気もないようにさらりと答える
「なんでそんな冷静なの!? ダメでしょこれ! ずるいよ!!」
「「インチキ! インチキ!」」ガイアとクロウの援護が入る。
こんなのを許せば北原の身体を触ったり舐めたり出来なくなる。そうならないためにも、山田は全力で非難した。
三本先取制のため、このまま進めば負けが確定するからだ。
「ずるじゃないよ。あんたらがルールを決めたんじゃん。それにちゃんと従ってるよ。しかもここ、あんたらの家みたいなもんなんでしょ」村井はあっさりと正論を言う。「私達はそれを承知で飲んだ。こっちも真剣な勝負がしたかったからな」
山田は彼女達との出会い頭でイキってしまったことを深く後悔した。まさか掘り返されるとは。
だが彼は最初から気が付いていた。二人はゲームによる勝敗ではなく、真剣勝負を望んでいたんだった。
北原はすでに席について、にやにやしながら筐体にコインを出し入れしている。
こんなの、北原さんじゃない……悪魔いや、堕天使か……。
山田は自分の甘い考え方によって、チームが敗北の危機に立たされてしまったことに気付いて、何でも良いからルールを変更するしかない。
しかし変な考えが邪魔をして作戦が思いつかない。土下座でもすればいいのかと山田は焦っていた。
「たしかに勝手にルールを決めたのは俺達だったが、身勝手をしたのは君達もだよ」“思わぬ伏兵”が前に出て喋りだす。「ルールを了承した後に、無断で試合の先攻権利をとったのは社長。きみだ」
――黒ずくめのクロウが、村井に反抗した。彼女はそれを黙って聞くようだった。
「先取制の試合において先攻の権利はとても大きい。それを我々は良しとも言わずにきみは勝手にしたんだ、そうだろう?」
ぐっ……ぐっ……! クロウ、きみをこんなに頼もしいと思ったことはない……!
「で、何が言いたいんだ?」中々出ない結論に村井は高圧的に言った。
「お願いだから一度選んだジャンルはもう出来ないというルールを加えてください。別のタイトルだからセーフってのもなしでお願いします」
「いいよ」
――“繋がった”。
村井を恐れて敬語になったクロウの提案に、北原はまた即答した。
ルールが変わり、いちゃいちゃ出来る事が決まったかのように三人は喜んだが、山田は彼女達の余裕がまだ気になった。
続く
――二本目【麻雀ゲーム】
「俺が選ぶのは麻雀だ」
まずはガイアが前に出た。山田は、彼は卑劣だが賢いと思った。彼女達が麻雀のルールを知らなければ勝つことは出来ないし、そもそもゲーム内で協力することは出来ない。
そしてこの選択は彼らにとって最良のものだった。彼女達はルールを知らなかった。しかしそれとは別にガイアを心の底から卑劣な男だと山田は思った。
例え彼女達がルールを知っていても、このゲームは課金アイテムにより戦局を有利に運べたからだ。ガイアは何も言わずにそれを使用していたのだ。
二本目 ○●チーム《北村》 ●○チーム《ビギニング・オブ・ザ・ワールド》
「よし、見たかお前ら! 振り出しに戻したぞ!」
ガイアは彼女達の前で麻雀牌を持つには重たそうな太い腕を振り上げる。
そうやって全力で喜んでいたが、山田はシラーっとした目でガイアを見つめた。
……次は彼女達がゲームを選ぶ番だった。
三人は緊張した面持ちで何を選択されるか待っていた。
――――――――――――――
――三本目【クイズ】
「ちょぉ!! ちょっとまって!!」
「え、なに?」
山田が大声をあげると、北原は悪気もないようにさらりと答える
「なんでそんな冷静なの!? ダメでしょこれ! ずるいよ!!」
「「インチキ! インチキ!」」ガイアとクロウの援護が入る。
こんなのを許せば北原の身体を触ったり舐めたり出来なくなる。そうならないためにも、山田は全力で非難した。
三本先取制のため、このまま進めば負けが確定するからだ。
「ずるじゃないよ。あんたらがルールを決めたんじゃん。それにちゃんと従ってるよ。しかもここ、あんたらの家みたいなもんなんでしょ」村井はあっさりと正論を言う。「私達はそれを承知で飲んだ。こっちも真剣な勝負がしたかったからな」
山田は彼女達との出会い頭でイキってしまったことを深く後悔した。まさか掘り返されるとは。
だが彼は最初から気が付いていた。二人はゲームによる勝敗ではなく、真剣勝負を望んでいたんだった。
北原はすでに席について、にやにやしながら筐体にコインを出し入れしている。
こんなの、北原さんじゃない……悪魔いや、堕天使か……。
山田は自分の甘い考え方によって、チームが敗北の危機に立たされてしまったことに気付いて、何でも良いからルールを変更するしかない。
しかし変な考えが邪魔をして作戦が思いつかない。土下座でもすればいいのかと山田は焦っていた。
「たしかに勝手にルールを決めたのは俺達だったが、身勝手をしたのは君達もだよ」“思わぬ伏兵”が前に出て喋りだす。「ルールを了承した後に、無断で試合の先攻権利をとったのは社長。きみだ」
――黒ずくめのクロウが、村井に反抗した。彼女はそれを黙って聞くようだった。
「先取制の試合において先攻の権利はとても大きい。それを我々は良しとも言わずにきみは勝手にしたんだ、そうだろう?」
ぐっ……ぐっ……! クロウ、きみをこんなに頼もしいと思ったことはない……!
「で、何が言いたいんだ?」中々出ない結論に村井は高圧的に言った。
「お願いだから一度選んだジャンルはもう出来ないというルールを加えてください。別のタイトルだからセーフってのもなしでお願いします」
「いいよ」
――“繋がった”。
村井を恐れて敬語になったクロウの提案に、北原はまた即答した。
ルールが変わり、いちゃいちゃ出来る事が決まったかのように三人は喜んだが、山田は彼女達の余裕がまだ気になった。
続く
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