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1話 21世紀の精神異常者
男子ウケを狙ってるだけ
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今朝は久しぶりに風が冷えていて肌寒い。歩きながら空を見上げれば、雨がふりそうな気配の暗く重い鉛色だった。
私の朝が早いのはストーカー被害を受けて以来いつものことだったが、今日は特に早かった。
閑静な住宅街にある家の郵便受けに、一枚の紙を投函するためだった。
そこには財宝の在り処についてヒントが印字されている。……ふふ。これを見て驚いてくれるだろうか。
いつもの通り、教室についてすぐに鞄を最後方の荷物入れに設置する。
そしていつもの通り、まるで前日のことなんて何も無かったかのように、私は授業に耳を傾ける。
いつもの通り隣の席で元気にすやすやしている葵。彼女は半分寝ながらも板書をするふりは完璧だった。不真面目なのに器用だから怒られないことが微妙に腹立たしい。
……夜、眠れないのだろうか。私は昨日もエゴサーチをしていたが、その間はひっきりなしにスマホのチャットアプリに着信が届いた。
彼女のストッキングは、こういう寒い日には実用性があって良いかもしれな……むっ!?
今日の葵の黒ストッキング、美しい幾何学模様があしらわれているじゃないか!
私はふと志帆の顔を思い浮かべた。彼女とおしゃれのセンスが似ているのかもしれない。
その黒ストはよく見ないと一見ただの薄い黒色に見えた。
そんな奥ゆかしさを感じる小さい“主張”だが、私の心にはカワイイが溢れていた。
くっ……ただ単に男子ウケを狙ってるだけかと思いきや、しっかりおしゃれしてるじゃないか葵。――やり、おる。
私は彼女に賞賛と居眠りに対する戒めの気持ちを込めて、消しゴムのかけらを力いっぱい弾き、ペシッと葵の頬にぶつけた。
「ふがっ!? ??? ……んぐんぐ」葵は驚いて周りを見渡した後、半目になって口の中で舌を動かす。「くーっ……くーっ」そして目を閉じ、再び眠る。
「……っ! くふっ……っ!」
春は近くの席のため一連の流れを見ていたらしいく、笑いをこらえ切れなかったようだ。すぐに先生の低い声が飛んでくる。
「仁科ー。お前、目立ちたいみたいだなぁ。教壇に立ってみるかぁ?」
「いっいえっ違うんですっ。 すみません!」
私の視野の端っこで、春が赤い顔をして私達を睨んでいることに気付いたが、私は何も知らないフリをして黒板の文字を書き写していた。
こんな風にいつもの一日が過ぎていった。
「あ」、二つだけいつもじゃないことがあったな。一つは朝のホームルーム前に東が教えてくれたんだった。
「北原、その、吉川なぁ。泣きながら下着は盗んでないって言ってたわ。お前に謝りたいとも言っていた」
東からは、もし吉川と話しをする気があるなら俺か、誰かと一緒に居たほうがいい。と付け加えられた。
彼は嘘をついてる。私にとってはどうでも良いことを教えてくれた。私が知りたいのはそんなことじゃない。
二つめは昼休みに、志帆とご飯を食べに行くため教室を出ると、本日出席していた吉川が私に話しかけてきた。
私はたしか、気持ち悪いから近寄らないで。って伝えたんだったっけ。その後は教室にはいなかったな。
ともあれ。「あ」っという間に放課後だ。昨日は行けなかった部活の課題曲を練習をしなくては。今日はピアノの練習室が借りられる日だった。
私は職員室で練習室の鍵を借りる。今日は吉川先生が私に丁寧に対応してくれた。
「北原、変わりはないか。例の、その、着替えを盗まれた件だ」
……デリカシーの無い質問が飛んできた。職員室が急に静かになる。
高田先生はちゃんと職員会議の議題に取り上げてくれていた。じゃなければ他の教師が無関心を装いながら私達の話に耳を傾けたりはしないだろう。
教員には情報は行き渡っていた。しかし生徒に知らせる気配はないのが少し不服だったが、最低限の仕事はしてくれたと思った。
「何か進展があったんですか」私はわざとらしく明るい口調で返答した。
「いや、そういうわけではないんだ。なんだ、その、すまなかったな」
吉川先生から鍵を受け取り、職員室を出た。
私は週三回、決められた曜日の放課後は校舎別館――通称:部活棟に向かう。
部活棟と呼ばれている建物は、新しく校舎――現在私達が授業を受けている校舎――を建てたため、古い校舎がまるまる残ってしまっていた。
それをいつごろからか文化部の活動用として使われるようになったそうだ。
放課後の部活棟に人はいるけど出入りは多くない。新しい校舎に活動部屋を取れなかった生徒しかいないからである。
そんなこともあって、部活棟内の壁に貼られたポスターがもう10年以上前のものだったりする。廊下が明るいことだけが救いだった。
一人で歩いていると廃墟を探索する際の、過去の営みに気をとられ自分の現実がどことなくぼんやりに感じる、そんな雰囲気のある建物だった。
ただ驚くべきは、その部活棟には輝くように磨かれたグランドピアノが入った広い練習室があり、防音設備も文句なしに施されていたのだ。
しかし、その部屋の内装はボロボロだった。室内の天井や壁、床に至るまで全て黒色に着色されていたため目立ちはしないが、よく見れば天井からは何か重いものを吊り下げるために穴を開けたり、テープを乱暴に剥がした跡がべたべたとこびりついていた。
また壁面には、全周に渡ってハサミで裁断されたようにふちがガタガタの、重そうな暗幕がはられている。
床にもドラムを置く位置や、アンプやマイクを設置するために黒いテープでばみり――人やマイク、カメラなどの位置を指定するための目印――がされており、やはり位置を修正したテープの跡や機材運搬の際の傷跡がこれでもかというほど残っていた。
「なんか、汚い部屋だな。」人からはそう思われるかもしれない。
でも私はそう思えなかった。
……なぜならこれらの跡は、放っておけば誰かがイタズラで勝手にやっていくような事では決してないからだ。
本当に音楽が大好きで、本気で楽器を練習してきた人達だけが残せる、数えきれないほどの試行錯誤の跡なんだ。
時間の経過だけではなく、人の手によって使い込まれ美しく汚れていったこの練習室には、そこに至るまでの物語がたしかにあった。私はそれらに思いを馳せると、いつも切ないような羨ましいような気持ちになった。
私は週三回、決められた曜日にグランドピアノを使用して練習をするため、いつもどおり一人で練習室に入る。そのはずだったのに。
私が入室した直後、内側から施錠をする間もなく、吉川が練習室に押し入りドアの前に立つ。
「……は? 吉川くん何してんの」私は思わず笑いながら言った。しかし目は笑うことは出来なかった。
吉川は昨日と同じ切羽詰まった顔をしているが、前日と様子が違い呼吸は冷静だった。そのため私は警戒を強めた。
ここは防犯ブザーで助けを求める事は期待出来ない。スマートフォンは「カチャリ」……鞄の中だ。
扉の鍵を掛けられた音が聞こえた。
「話し合いにきたんだ」
吉川は落ち着いた口調で言う。冷静な人ほど対応は柔軟だということは知っていた。それゆえに緊張感が高まる。
「そうなんだ」
そう言って私は出口の扉へと近づく。彼が驚いた様子で何かを言った気がした。
「うっ!! ……っんぐ!!?」
腹部への衝撃は、体を前かがみにさせてしまう。素早い動きで私の腕がもつれる。
そして首が締まった。これは――前方首固めだ。
丁寧に、気道ではなく頸動脈を締めるつもりだ。血液によって脳に運ばれる酸素を断つためである。
脳内の酸素濃度が低下した場合、生命維持のために脳が自ら肉体活動を一時的に停止する。
つまり失神だ。
脳への酸素供給が断たれ、意識を失うまでの時間は、およそ七秒。
私は前かがみになってしまった腰を持ち上げ、後ろに体重をかけて下がろうとする。
それをすればするだけ、首が締まっていった。
七秒間の長い、長い、絶望。
「ぎっ……! ぶぶっ……! ぶ……! …………。」
そして糸が切れたように、その体は地面に倒れた。
私の朝が早いのはストーカー被害を受けて以来いつものことだったが、今日は特に早かった。
閑静な住宅街にある家の郵便受けに、一枚の紙を投函するためだった。
そこには財宝の在り処についてヒントが印字されている。……ふふ。これを見て驚いてくれるだろうか。
いつもの通り、教室についてすぐに鞄を最後方の荷物入れに設置する。
そしていつもの通り、まるで前日のことなんて何も無かったかのように、私は授業に耳を傾ける。
いつもの通り隣の席で元気にすやすやしている葵。彼女は半分寝ながらも板書をするふりは完璧だった。不真面目なのに器用だから怒られないことが微妙に腹立たしい。
……夜、眠れないのだろうか。私は昨日もエゴサーチをしていたが、その間はひっきりなしにスマホのチャットアプリに着信が届いた。
彼女のストッキングは、こういう寒い日には実用性があって良いかもしれな……むっ!?
今日の葵の黒ストッキング、美しい幾何学模様があしらわれているじゃないか!
私はふと志帆の顔を思い浮かべた。彼女とおしゃれのセンスが似ているのかもしれない。
その黒ストはよく見ないと一見ただの薄い黒色に見えた。
そんな奥ゆかしさを感じる小さい“主張”だが、私の心にはカワイイが溢れていた。
くっ……ただ単に男子ウケを狙ってるだけかと思いきや、しっかりおしゃれしてるじゃないか葵。――やり、おる。
私は彼女に賞賛と居眠りに対する戒めの気持ちを込めて、消しゴムのかけらを力いっぱい弾き、ペシッと葵の頬にぶつけた。
「ふがっ!? ??? ……んぐんぐ」葵は驚いて周りを見渡した後、半目になって口の中で舌を動かす。「くーっ……くーっ」そして目を閉じ、再び眠る。
「……っ! くふっ……っ!」
春は近くの席のため一連の流れを見ていたらしいく、笑いをこらえ切れなかったようだ。すぐに先生の低い声が飛んでくる。
「仁科ー。お前、目立ちたいみたいだなぁ。教壇に立ってみるかぁ?」
「いっいえっ違うんですっ。 すみません!」
私の視野の端っこで、春が赤い顔をして私達を睨んでいることに気付いたが、私は何も知らないフリをして黒板の文字を書き写していた。
こんな風にいつもの一日が過ぎていった。
「あ」、二つだけいつもじゃないことがあったな。一つは朝のホームルーム前に東が教えてくれたんだった。
「北原、その、吉川なぁ。泣きながら下着は盗んでないって言ってたわ。お前に謝りたいとも言っていた」
東からは、もし吉川と話しをする気があるなら俺か、誰かと一緒に居たほうがいい。と付け加えられた。
彼は嘘をついてる。私にとってはどうでも良いことを教えてくれた。私が知りたいのはそんなことじゃない。
二つめは昼休みに、志帆とご飯を食べに行くため教室を出ると、本日出席していた吉川が私に話しかけてきた。
私はたしか、気持ち悪いから近寄らないで。って伝えたんだったっけ。その後は教室にはいなかったな。
ともあれ。「あ」っという間に放課後だ。昨日は行けなかった部活の課題曲を練習をしなくては。今日はピアノの練習室が借りられる日だった。
私は職員室で練習室の鍵を借りる。今日は吉川先生が私に丁寧に対応してくれた。
「北原、変わりはないか。例の、その、着替えを盗まれた件だ」
……デリカシーの無い質問が飛んできた。職員室が急に静かになる。
高田先生はちゃんと職員会議の議題に取り上げてくれていた。じゃなければ他の教師が無関心を装いながら私達の話に耳を傾けたりはしないだろう。
教員には情報は行き渡っていた。しかし生徒に知らせる気配はないのが少し不服だったが、最低限の仕事はしてくれたと思った。
「何か進展があったんですか」私はわざとらしく明るい口調で返答した。
「いや、そういうわけではないんだ。なんだ、その、すまなかったな」
吉川先生から鍵を受け取り、職員室を出た。
私は週三回、決められた曜日の放課後は校舎別館――通称:部活棟に向かう。
部活棟と呼ばれている建物は、新しく校舎――現在私達が授業を受けている校舎――を建てたため、古い校舎がまるまる残ってしまっていた。
それをいつごろからか文化部の活動用として使われるようになったそうだ。
放課後の部活棟に人はいるけど出入りは多くない。新しい校舎に活動部屋を取れなかった生徒しかいないからである。
そんなこともあって、部活棟内の壁に貼られたポスターがもう10年以上前のものだったりする。廊下が明るいことだけが救いだった。
一人で歩いていると廃墟を探索する際の、過去の営みに気をとられ自分の現実がどことなくぼんやりに感じる、そんな雰囲気のある建物だった。
ただ驚くべきは、その部活棟には輝くように磨かれたグランドピアノが入った広い練習室があり、防音設備も文句なしに施されていたのだ。
しかし、その部屋の内装はボロボロだった。室内の天井や壁、床に至るまで全て黒色に着色されていたため目立ちはしないが、よく見れば天井からは何か重いものを吊り下げるために穴を開けたり、テープを乱暴に剥がした跡がべたべたとこびりついていた。
また壁面には、全周に渡ってハサミで裁断されたようにふちがガタガタの、重そうな暗幕がはられている。
床にもドラムを置く位置や、アンプやマイクを設置するために黒いテープでばみり――人やマイク、カメラなどの位置を指定するための目印――がされており、やはり位置を修正したテープの跡や機材運搬の際の傷跡がこれでもかというほど残っていた。
「なんか、汚い部屋だな。」人からはそう思われるかもしれない。
でも私はそう思えなかった。
……なぜならこれらの跡は、放っておけば誰かがイタズラで勝手にやっていくような事では決してないからだ。
本当に音楽が大好きで、本気で楽器を練習してきた人達だけが残せる、数えきれないほどの試行錯誤の跡なんだ。
時間の経過だけではなく、人の手によって使い込まれ美しく汚れていったこの練習室には、そこに至るまでの物語がたしかにあった。私はそれらに思いを馳せると、いつも切ないような羨ましいような気持ちになった。
私は週三回、決められた曜日にグランドピアノを使用して練習をするため、いつもどおり一人で練習室に入る。そのはずだったのに。
私が入室した直後、内側から施錠をする間もなく、吉川が練習室に押し入りドアの前に立つ。
「……は? 吉川くん何してんの」私は思わず笑いながら言った。しかし目は笑うことは出来なかった。
吉川は昨日と同じ切羽詰まった顔をしているが、前日と様子が違い呼吸は冷静だった。そのため私は警戒を強めた。
ここは防犯ブザーで助けを求める事は期待出来ない。スマートフォンは「カチャリ」……鞄の中だ。
扉の鍵を掛けられた音が聞こえた。
「話し合いにきたんだ」
吉川は落ち着いた口調で言う。冷静な人ほど対応は柔軟だということは知っていた。それゆえに緊張感が高まる。
「そうなんだ」
そう言って私は出口の扉へと近づく。彼が驚いた様子で何かを言った気がした。
「うっ!! ……っんぐ!!?」
腹部への衝撃は、体を前かがみにさせてしまう。素早い動きで私の腕がもつれる。
そして首が締まった。これは――前方首固めだ。
丁寧に、気道ではなく頸動脈を締めるつもりだ。血液によって脳に運ばれる酸素を断つためである。
脳内の酸素濃度が低下した場合、生命維持のために脳が自ら肉体活動を一時的に停止する。
つまり失神だ。
脳への酸素供給が断たれ、意識を失うまでの時間は、およそ七秒。
私は前かがみになってしまった腰を持ち上げ、後ろに体重をかけて下がろうとする。
それをすればするだけ、首が締まっていった。
七秒間の長い、長い、絶望。
「ぎっ……! ぶぶっ……! ぶ……! …………。」
そして糸が切れたように、その体は地面に倒れた。
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