月の婚約者

akira

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 約束の日までを、涼平はできるだけふだんどおりに過ごした。大学に行って、絵を描いて、大学に行って、絵を描いて、その合間にひたらすら澄玲のことを考えた。
 これまでだって好きになったひとはいた。だがそれはみな涼平にとって受動的なものばかりだった。別に恋愛に興味がなかったわけじゃないが、自分から行動に移したり、積極的に動いたりすることはなかった。
 その人間としてのおもしろさというものを決めるとき、その人間のなかで積み上げた引き出しが大きく関わってくると涼平は考えている。その引き出しに何が詰まっているのかというと、それまで経験した出来事や、さまざまな人間との出会いだ。
 そしてその引き出しは、当然絵を描く上でも当然重要になってくる。涼平の引き出しはというと、空っぽの状態だ。まだ二十歳なのだから当然だと言われればそうなのかもしれないが、まだではなく、もう二十歳だ。
 とはいえ、引き出しがどれほどたくさんあったところで、詰まっているのがガラクタだらけでは意味がないことはわかっている。恋愛だって経験だって、ひととの出会いだって数が大切なのではない。その中身だ。
「彼女いないんだ。モテそうなのにな」
 そう言ったのは、食事会でとなりに座った女の子だった。
 約束の日までに涼平は、大学に行って、絵を描いて、澄玲のことを考えるほかに、瑠璃川に誘われて食事会にも参加した。洒落たイタリアンレストランで、男が六人、女も六人集まっての、俗的に言えばいわゆる合コンだ。瑠璃川はといえば、テーブルの中央で場を盛り上げている。知り合いは瑠璃川だけだ。ほかの男はみんな知らない者ばかりだった。全くよくやるよな、と、涼平は覚えたばかりのビールを流し込みながら彼を眺めた。
「じゃあ、私が涼平くんの彼女さんに立候補しちゃおうかな」
 彼女の本気なのか、冗談なのかよくわからない誘いをどうかわそうかという考えを頭のすみに寄せると、涼平は目を閉じて、瞼の裏に澄玲の姿を思い浮かべた。
 もし叶うのなら、彼ともっと話をしてみたい。涼平はそんなことばかりを考えている。彼はこれまで出会ったどの人間とも違っている。男だとか女だとかそんな小さなカテゴリーにはおさまりきらない。
 あれからも涼平は澄玲の絵を描いた。写真もなにも必要ではなかった。彼を形作っている線のそのすべてを涼平は熟知している。わからない線といえば、服を脱がなければ知り得ない部分くらいだ。
 そこで涼平はおもわず唸った。顔が熱いのはビールのせいではない。こめかみをおさえて、どうにかいらぬ妄想を掻き消す。
 二次会はカラオケだというので、涼平はパスをして帰ることにした。
「来いよ。おまえがいないとつまらない」
 瑠璃川が珍しくそんなことを言ったが、涼平の決心はかたかった。
「食事会に参加しただけでも褒めてくれ」
「いや、無理強いをするつもりはないんだ。今度お礼に何かおごるよ」
「楽しみにしてる」
「ああ、そういえば。ずっと訊こうと思ってたんだけど」
 と、彼が唐突に話題を変える。
「すみれさんの端末はどうなったんだ?」
 とつぜん澄玲の話題を出されて驚いた。ほかひとの口から飛び出す「すみれ」という名前には、涼平が知っているあの澄玲とはまるで別人のような響きがある。
「無事に送り届けた」
「やっぱり綺麗なひとだったのか?」
「さあ、ひとの容姿なんて好みによってそれぞれだろう」
「おまえの好みだったかって訊いてるんだ」
 しばらく考えてから、
「まあ、綺麗なひとだったんじゃないかな」
 と、答えると、瑠璃川が口笛を吹いた。
「連絡先は交換したんだろう? また詳しく聞かせてくれよ」
 瑠璃川が団体の元へと戻っていく。なかにはもうカップルになっているペアもいるらしい。たった数時間で相手のなにがわかるんだと思いかけて、首を振った。その件に関しては、いまの涼平にひとのことは言えなかった。

 待ち遠しすぎて、永遠にこないのではないかとまで思われた約束の日は、あとから思えばあっという間にやってきた。
 涼平は予定の時間より、十五分も前にサーカスの前に到着していた。さすがに浮かれすぎている。面接が楽しみなのではない。確かに本来の目的はそれなのだが、そこに澄玲がいるのだと思うと自然と気持ちが先走った。
 階段をおり、格子が施された扉を押すと、ドアチャイムが澄んだ音を鳴らした。なかを覗き込んだとたん、涼平はおもわず、わあ、と声を上げていた。店内の内装は見事にヨーロピアン・アンティーク調で統一されていた。
 まず目に飛び込んでくるのが、天井からのダウンライトを弾き返す立派なケヤキのカウンターだ。その上にはワイングラスが逆さに収納されている。カウンターの奥には酒のボトルが整然と並べられていた。店の奥に一つだけあるソファ席を、小ぶりなシャンデリアが見下ろし、窓からオリーブの木と、アイビーの葉が覗いていた。どうやら外は吹き抜けになっていて、席数は少ないがテラス席も用意されているようだった。
 この店には無駄なものが一切ない。壁にかかった写真だって、棚に飾ってある何を入れるのかよくわからない食器だって、手入れがよく行き届いた観葉植物だって、まるでこの世界ができたころから、この店のこの位置にあったかのように自然だ。きっとこの店なら、誰も気が付かないようなテラス席の隅の隅や、レストルームの至るところにまでこだわりのアンティークでそろえているに違いない。これは誰の趣味なのだろう。澄玲と知り合ってまだ日は浅いが、彼の趣味とはまた少し違うように思った。
 涼平はまるで美術館にでも来たかのように、店のなかを仔細に観察した。自分がこの店を絵に描きとめるとしたら、いったいどこからどの場所を描くだろう。やはりケヤキのカウンター越しに並んだ酒のボトルだろうか。いや、シャンデリアがあるソファー席も捨てがたい。テラス席から見た店内にも興味があった。涼平の頭のなかで、何十通りものデッサンが仕上がっていく。
 やがて涼平はリュックをおろすと、なかからクロッキー帳と鉛筆を取り出すなり、カウンターからスツールを引き出して腰かけ、無我夢中になって描きはじめた。
 頭のなかで描いたとおり正確にとは言えないが、それでもなかなか悪くない線だ。ダウンライトの陰影、カウンターの質感。細かく仕上げるつもりのないいわば落書きだ。しかし、落書きほど心が躍るものはない。
 何分くらい描いていただろう。さほど時間はかからなかったように思う。勢いに任せて描いたせいで自分の悪い癖が出たことは出たが、それもいまはさほど気にならない。涼平は満足していた。
 ひととおり絵を眺めてから顔を上げたとき、涼平はそこでようやくソファ席に澄玲が座っていることに気が付いた。
「澄玲さん」
 声をかけると、頬杖をついて窓からテラスを眺めていた彼が振り返った。澄玲は涼平と目を合わせると、花が綻ぶようにほほ笑んで「やあ」と言った。
「君があまりに夢中になって描いていたものだから、声をかけそびれてしまった」
 彼の笑顔を真正面から受けとめてしまったせいで、すぐに言葉が出てこなかった。
「すみません。勝手にお邪魔してしまって」
「構わないさ。何か飲むかい?」
「でもそろそろ面接が」
「オーナーから連絡が入ったんだ」
 腰に黒いバーエプロンを結びながら、澄玲がカウンターのなかに入る。
「予定が変わって、少し遅れているらしい。面接は予定通り行うから、このまま待っていてほしい、だそうだ。あと三十分くらいで到着するみたいなんだが、待てるかな?」
 涼平はぽかんと口を開けたまま澄玲を見つめた。三十分。それだけのあいだ、彼とふたりきりでいられるというわけだ。返事は決まりきっていた。
「もちろん待ちます」
「決まりだ。アイスコーヒーでいいかい?」
「そんなものがあるんですか?」
「メニューにはないよ。スタッフが休憩中に飲むものだから、レイラのように本格的ではないけど。君の口に合うかな?」
「何だって平気です」
 あなたがそこにいてくれるなら。心のなかでそう付け加えた。
 差し出されたグラスに口をつけながら、開店準備をする澄玲の姿を眺めてみる。
 白い開襟シャツは外で見たときには爽やかに感じられたが、いまこうして酒瓶やグラスが並ぶカウンター越しに見ると目のやり場に困るほどセクシーだ。胸元には何のアクセサリーもない。それがアーティスティックな形をした鎖骨と、ほっそりとした首を際立たせている。天井からの間接照明に照らされるとさらに艶めかしかった。
 こうして見ていると、いやでも彼が夜の男なのだと思い知らされる。夜といっても、ホストといった女性をターゲットにする男とはまた違う。
 女性をターゲットにする男は、もっとオブラートに包まれている。ここまで生々しくはない。だがしかしそれは、決して澄玲に品がないという意味ではなかった。
 澄玲のこの格好は極端に装飾品が少ない。目立っているものといえば右耳のピアスくらいだろう。素材がいいぶん着飾る必要がないといえばそれまでだが、いい年をした男が見せるこの無防備さこそが、生々しさの一番の理由だ。
 これでは店の客も素通りはできないだろう。藤岡という男がどんな人間なのかは知らないが、澄玲にのめり込んでしまったことだけは共感できる。
 そのときだった。
「レイちゃーん」
 ドアチャイムが鳴ると同時に、野太い男の声が聴こえてきた。そこに立っているのは、驚くほど濃い顔をした小太りの男だった。髪を短く刈り上げ、両方のたぷんとした耳たぶに大きな輪のピアスをつけている。
「やだ、遅くなっちゃった。ごめんなさい」
 彼は歌舞伎の女形のようになよなよとした動きでカウンターまでやってくるなり、
「これ、お土産よ。空いてる時間にみんなで食べてちょうだい」
 と、澄玲にクッキー缶を手渡した。
「いつもありがとうございます」
 いったい何が始まったのだと目を丸める涼平と違って、澄玲は慣れた様子でそれを受け取っている。
「もう、いいのよお礼なんて。アタシとレイちゃんの仲じゃないの。ほんと大変だったのよ。すごい渋滞なんだから。参っちゃうわ。アタシがちょっと外に出るといつもこう。きっと神様がいじわるをしてるのね」
 このまま放っておけば延々と喋り続けそうだと思った矢先、澄玲が話の腰を折った。
「それでオーナー。彼が面接の学生で、橘涼平くんです。涼平くん、こちらが……」
 澄玲の言葉尻をオーナーが引き取る。
「オーナーの純矢じゅんやです。純矢の純は純情の純ね。よろしく」
 返事をする間もなく、オーナーが話しはじめる。
「このバーと、お弁当屋のオーナーを務めていて、あと自分の店もこのすぐ近くに持っているの。んもう、レイちゃんったらオーナーじゃなくて、ジュンちゃんって呼んでっていつも言ってるじゃない。なんだったかしら。ああ、そう、面接ね」
 オーナーが改めてこちらを見た。おもわず後ろに引いてしまいそうになる。
「じゃあ、面接を始めるわ」
 彼が上から下まで、まじまじと涼平を観察しはじめる。赤くてかてかと光るシャツ。首にはゴールドのネックレス。左右の指の全部に派手でごつい指輪がついている。開いた胸元からはわずかに胸毛が覗いていた。化粧をしていないぶんどこからどう見ても男だが、所作はどんな女性よりも女性らしい。いまだって二つに割れた顎に指を添え、じっくりと涼平を見極めている。
「あの、履歴書を持ってきたのですが」
 おそるおそる切り出すと、オーナーが首を振った。たぷんと耳たぶが揺れる。
「そんなものはアタシの店では必要ないの。そんな紙切れに用はないわ。アタシが知りたいのは、あなたに傷があるのか、ないのか、ただそれだけよ」
「傷?」
 涼平は訊ね返した。
「この街にやってくる男なんてのはね、たいていみんな多かれ少なかれ傷を持っているものよ。その傷のぶんだけ男は魅力的なの。目を見ればわかるわ。アタシはこの街で何人もの男を見てきてるんだから」
 インド象みたいな長い睫毛を瞬かせ、オーナーが涼平の目を覗き込んでくる。傷どころか、魂ごと抜き取られそうだ。
「……いい目だわ。まだ若いけど、磨けば宝石になる目をしてる。アタシには感じるの」
 十秒ほどしてから「合格よ。あしたの夕方からさっそく来てちょうだい」と、言った。
「このあいだ辞めた男がひどかったのよ。好みの男にはお惣菜タダで渡しちゃうし、客との色恋沙汰はあるし、店前でイチャイチャしはじめるし。女は信用してないけど、のんけの男ならひとまず安心よね。四時に店に来てちょうだい。分からないことは先輩に聞いてね。お給料は月末で手渡し、タイムカードを忘れずに押してね」
 そこまでを早口で言うと、もう涼平なんて忘れたかのようにくるりと澄玲に向き直り、
「レイちゃん、ちょっと痩せたんじゃない?だめよ、ちゃんと食べなきゃ。今度アタシの店に顔見せなさい。いいわね。それじゃあ涼平くん、あしたからよろしくね。じゃあね。ありがとう、レイちゃん」
 と、身振り手振りをつけながらドアに向かい、そのまま出て行った。その場がしんと静まる。嵐のようにやってきて、嵐のように去っていってしまった。いったい何が起こったのか涼平にだってよくわからない。
「とりあえず、おめでとう」
 澄玲がそう言って、涼平はそこでようやくドアから目を引きはがして彼を見た。
「好き嫌いのはっきりしたひとだけど、君のことはすごく気に入ったみたいだ」
 果たしてそうなのだろうか。何をそんなに気に入られたのかは分からないが、何はともあれありがたいことに変わりはない。もしかしてこの店の趣味は彼の趣味なのではないだろうか。それが頭にちらついたときだ。
「じゃあ、乾杯といこう」
 気が付けば澄玲の手にもグラスがあった。淡いゴールドの飲み物がどういうお酒なのか、涼平にはよくわからない。まだぼうっとしている涼平のグラスにそれをこつんとぶつけると彼が「頑張って」と、ほほ笑んだ。顔が熱くなる。気の利いたせりふなんて一つも浮かばなかった。グラスに口をつける澄玲の、上下に動く喉仏に目が釘付けになる。目のやり場に困って、涼平はあわててグラスの中身を飲みほした。
 この街にやって来る男にはみんな傷がある。オーナーはそう言った。
 澄玲もそうだったのだろうか。
 作業に戻る彼を見つめながら、涼平はぼんやりとそんなことを考えた。
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