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はねむしって枕にしてやるわ。
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あの後2人して母様から一生分の説教を聞かされた後、罰として一日中、日が暮れるまで物置小屋の掃除をすることになった。
時刻はまだ昼前、埃が沢山出て来てむせるし色んな荷物がぎゅうぎゅうに詰められてるから掃除する前に品目事に仕分けしないとと行けないしで本当に最悪
オマケにお腹が減ってやる気が出て来ないから本っ当に嫌になってくる
……よし、サボろう。
そういえば古い本が転がってたし昼まで読むとしよう。
本に手を伸ばした瞬間、コンコンコンと木箱を叩く音が聞こえてきた、が気にせず手に取ってホコリを払うと題名が見えてきた。
本の題名は【大地の歩き方】どうやら地上について纏められた本らしい。うん、時間を潰すには十分面白そうな本だ
ゴホンという咳払いが聞こえるが無視して丁度いい木箱を見繕って腰掛けて読もうと開こうとしたら本をむんずと横からかっさらわれてしまった。
「読むのは良いけどやる事やってからにしてくれる?」
声のする方へと振り向くとイズルメが掃除道具片手にちょっと不機嫌そうな感じで立っていた
髪の毛やら翼のあちこちにホコリが付いていて彼女にしては珍しく真面目に掃除をしているらしい
と言うかイズルメは真面目に掃除をしないと家に帰っても飯も風呂も使わせて貰えないから必死なだけなのだ。
そんなイズルメに肩を竦めてから本を奪い返そうを手を伸ばすが手は空を切る
今度は少しだけタイミングをずらして手を伸ばクソ見破られた。次はフェイントを……
「こっの…私はアンタのせいで不幸に巻き込まれた可哀想な被害者よ?だから返しなさい…この返せ、返せって言ってるでしょおバカ!」
「掃除したら読んでもいいって言ってるでしょ!アンタだって私の羽毟りとったじゃん被害者はこっちのってまた毟ろうとするのやめてよ!!」
「返さないならこのまま鳥皮にして暫く出歩けない姿にしてやるわ!」
「やれるもんならやって痛ッ?!ホントにやったわね!」
返せ返さない毟るな毟る、やってみろやってやるのすったもんだの言い合いから始まってアルスリヤが本当にイズルメの羽を毟って、やったわねとイズルメがアルスリヤの羽を毟ったのが始まりで……
兎に角、本と掃除をめぐる言い争いはヒートアップ。
最終的には殴る蹴るの喧嘩に発展して積み上げられてた木箱にぶつかって中身が盛大にぶちまけられたり、飾ってあったよく分からない掛け軸が広げられた翼でビリビリに破かれたりと物置小屋は酷い有様へと変貌していた。
「私の命令に黙って従いなさいよ従者の分際で生意気!」
「誰が従者よクソ王女。アンタの方こそ英雄の末裔である私に頭を垂れてお願いしたらどうかしら?」
「ただ運が良くてウチのジィちゃんと旅を共にしただけのババアが英雄?冗談は程々にしてよ」
「旅の途中でアンタのジジイの童貞貰ってやって自信付けて上げたのはウチの婆様なんだけど?婆様が居なかったらアンタなんて産まれてないんですけど。」
「嘘つくのやめなさいよ。みっともないなぁ?アンタのババアが彼女ぶって世話してたんでしょうが。」
「あ?ウチの婆様が嘘ついてるって訳?」
「やんの?逆にウチのジジイが嘘をつくとでも?」
はるか昔、と言っても50か100ちょっとの昔だ。
戦乱荒れ狂う混沌としたスフィアを収めるために空から遣わされた二人の男女が何やかんやで平和な世を作り、何やかんやで王になったり英雄と言われたりした…その末裔がこのイズルメとアルスリヤである。
となれば二人の仲はとても、とても、とっても良い筈……のだが目の前の2人は睨み合いながら「くたばれ!クソ王女!!」だの、「くたばるのはアンタの方よ能無し!!」と言った感じで言い合いをして疲れが取れたらまた殴る蹴るの喧嘩を再開の繰り返しをずっと続けている。
あんのクソバカ王女。なにが「私は王女」よ。王女(笑)でしょうが。
大体いっつもクソバカ王女のやらかしの尻拭いをさせられてるんだから本くらい呼んだっていいじゃないのよ。
この前だって呼び出されてみれば食料庫のつまみ食いを手伝わされて余裕で見付かったら「アルスがやろうって言ってた」とか勝手に罪を擦り付けてきたし
見回り仕事を眠いからって私に全部丸投げしてぐーすかぴーすか寝息を立てやがってたし……あーもうやだ。
決めた、今すぐこのクソバカ王女をシバキ倒して羽を毟って袋に詰めて枕にして打ってやるわ。
クソバカ王女の事だからきっとふわふわの羽で高く売れるでしょ。
そうと決めた取っ組み合い中のアルスリヤはイズルメを蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされたイズルメはドンガラガッシャンと派手な音を立てながら辛うじて無事だった荷物へとぶつかった。
アルスリヤはそんな光景を目にもくれず近くにあった掃除道具、ホウキを掴見上げると重心を落とし、剣を構えるように中段へと構えた。
そして、ざまぁみろと言わんばかりにニンマリと笑って見せたのだった
時刻はまだ昼前、埃が沢山出て来てむせるし色んな荷物がぎゅうぎゅうに詰められてるから掃除する前に品目事に仕分けしないとと行けないしで本当に最悪
オマケにお腹が減ってやる気が出て来ないから本っ当に嫌になってくる
……よし、サボろう。
そういえば古い本が転がってたし昼まで読むとしよう。
本に手を伸ばした瞬間、コンコンコンと木箱を叩く音が聞こえてきた、が気にせず手に取ってホコリを払うと題名が見えてきた。
本の題名は【大地の歩き方】どうやら地上について纏められた本らしい。うん、時間を潰すには十分面白そうな本だ
ゴホンという咳払いが聞こえるが無視して丁度いい木箱を見繕って腰掛けて読もうと開こうとしたら本をむんずと横からかっさらわれてしまった。
「読むのは良いけどやる事やってからにしてくれる?」
声のする方へと振り向くとイズルメが掃除道具片手にちょっと不機嫌そうな感じで立っていた
髪の毛やら翼のあちこちにホコリが付いていて彼女にしては珍しく真面目に掃除をしているらしい
と言うかイズルメは真面目に掃除をしないと家に帰っても飯も風呂も使わせて貰えないから必死なだけなのだ。
そんなイズルメに肩を竦めてから本を奪い返そうを手を伸ばすが手は空を切る
今度は少しだけタイミングをずらして手を伸ばクソ見破られた。次はフェイントを……
「こっの…私はアンタのせいで不幸に巻き込まれた可哀想な被害者よ?だから返しなさい…この返せ、返せって言ってるでしょおバカ!」
「掃除したら読んでもいいって言ってるでしょ!アンタだって私の羽毟りとったじゃん被害者はこっちのってまた毟ろうとするのやめてよ!!」
「返さないならこのまま鳥皮にして暫く出歩けない姿にしてやるわ!」
「やれるもんならやって痛ッ?!ホントにやったわね!」
返せ返さない毟るな毟る、やってみろやってやるのすったもんだの言い合いから始まってアルスリヤが本当にイズルメの羽を毟って、やったわねとイズルメがアルスリヤの羽を毟ったのが始まりで……
兎に角、本と掃除をめぐる言い争いはヒートアップ。
最終的には殴る蹴るの喧嘩に発展して積み上げられてた木箱にぶつかって中身が盛大にぶちまけられたり、飾ってあったよく分からない掛け軸が広げられた翼でビリビリに破かれたりと物置小屋は酷い有様へと変貌していた。
「私の命令に黙って従いなさいよ従者の分際で生意気!」
「誰が従者よクソ王女。アンタの方こそ英雄の末裔である私に頭を垂れてお願いしたらどうかしら?」
「ただ運が良くてウチのジィちゃんと旅を共にしただけのババアが英雄?冗談は程々にしてよ」
「旅の途中でアンタのジジイの童貞貰ってやって自信付けて上げたのはウチの婆様なんだけど?婆様が居なかったらアンタなんて産まれてないんですけど。」
「嘘つくのやめなさいよ。みっともないなぁ?アンタのババアが彼女ぶって世話してたんでしょうが。」
「あ?ウチの婆様が嘘ついてるって訳?」
「やんの?逆にウチのジジイが嘘をつくとでも?」
はるか昔、と言っても50か100ちょっとの昔だ。
戦乱荒れ狂う混沌としたスフィアを収めるために空から遣わされた二人の男女が何やかんやで平和な世を作り、何やかんやで王になったり英雄と言われたりした…その末裔がこのイズルメとアルスリヤである。
となれば二人の仲はとても、とても、とっても良い筈……のだが目の前の2人は睨み合いながら「くたばれ!クソ王女!!」だの、「くたばるのはアンタの方よ能無し!!」と言った感じで言い合いをして疲れが取れたらまた殴る蹴るの喧嘩を再開の繰り返しをずっと続けている。
あんのクソバカ王女。なにが「私は王女」よ。王女(笑)でしょうが。
大体いっつもクソバカ王女のやらかしの尻拭いをさせられてるんだから本くらい呼んだっていいじゃないのよ。
この前だって呼び出されてみれば食料庫のつまみ食いを手伝わされて余裕で見付かったら「アルスがやろうって言ってた」とか勝手に罪を擦り付けてきたし
見回り仕事を眠いからって私に全部丸投げしてぐーすかぴーすか寝息を立てやがってたし……あーもうやだ。
決めた、今すぐこのクソバカ王女をシバキ倒して羽を毟って袋に詰めて枕にして打ってやるわ。
クソバカ王女の事だからきっとふわふわの羽で高く売れるでしょ。
そうと決めた取っ組み合い中のアルスリヤはイズルメを蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされたイズルメはドンガラガッシャンと派手な音を立てながら辛うじて無事だった荷物へとぶつかった。
アルスリヤはそんな光景を目にもくれず近くにあった掃除道具、ホウキを掴見上げると重心を落とし、剣を構えるように中段へと構えた。
そして、ざまぁみろと言わんばかりにニンマリと笑って見せたのだった
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