52 / 117
第二章 始めてのクエスト
19話 ニンジン
しおりを挟む
朝食の際、二人分の食事を貰って、みんなに断ってから席を立つ。
「ごめん、今日の朝はリンと食べてくるから」
それを聞いたシャルとアリスちゃんは少し驚いた顔をしたあと、安心したような表情で笑った。
ユーキくんは僕が二人分の食事をお願いしたときから、もうニッコニコだ。
問題はノゾミちゃんで……。
「えーっ!ノゾミもリンちゃんと食べるっ!!」
まあ、そうなるよねぇ……。
ちょっと怒った顔までしてしまっている。
「えっとね、ご飯のときに連れてくると、大騒ぎになってご飯どころじゃなくなっちゃうからね?」
リンに会いたがるノゾミちゃんをまたせすぎたせいではあるんだけど、ノゾミちゃんのテンションが上っちゃうのが目に浮かぶように想像できる。
「ぶーっ!やだっ!!一緒に食べるっ!!」
実際、もうすでに今までになかったくらい駄々をこねている。
「あのね、ご飯食べ終わったらちゃんと連れてくるから、お願いだからもう少しだけだけ我慢してくれないかな?」
「…………ほんと?」
「ほんとほんと、ご飯食べ終わってお外の時間のときには絶対に連れてくるよ」
リン本人も会いたがっているし、騒いでいい時間になれば会わせることになんの問題もない。
…………無いはずだ。
「…………それならもう少しだけ我慢する……」
ノゾミちゃんはむくれた顔のままだけど、そう言ってくれた。
「ありがとう、ノゾミちゃん」
「絶対だからねっ!」
……うん、絶対。
ノゾミちゃんのお許しをいただけたので二人分の食事を持って部屋に戻る。
「リン、お待たせ」
部屋に入ると、リンはベッドの上の「ここで待て」と言った位置から寸分も動くことなく僕を待っていた。
……リンになにか言うときはちょっと考えて言わないとダメだな。
僕を見たリンの短い尻尾が激しく揺れてるけど、あれはネコ的なやつじゃないといいけど。
まあ、リンの表情を見る限りイヌ的なやつだと思う。
「王、オカエリデス」
「朝食を持ってきたからこっちに……いや、リンは今までどんな格好でご飯食べてた?イスとテーブルを使ったことは?」
少なくとも洞窟にはテーブルセットはなかったけど、どうやって食べてたんだろ?
「エト、ジメン スワルデス。
テブル?ワカル ナイデス」
なるほどねー。
んー……まあ、とりあえずはゆっくり慣れていけばいいか。
「それじゃ、こっちおいで。
ご飯食べよ」
そう言って、絨毯の上にお盆に乗った食事を置くとそのまま座り込む。
リンも嬉しそうに駆け寄ってくると僕の隣に腰を下ろした。
……前じゃないんだ。
まあ、そういうのは好きにすればいい。
「あーっと……カトラリー……ナイフとかスプーンとかフォークとかは使う?」
「……ナイフ スプーン ツカウデス。
フォーク?ワカル ナイデス」
「なるほど。
ま、とりあえずは好きに食べていいよ。
それじゃ、いただきます」
今日の朝食はパンと野菜のスープ、鹿肉を焼いたものだ。
とりあえずコップに口をつけるけど……リンはなにを食べるでもなく僕を横目で見ている。
なんだろうと思って、しばらく僕もリンの様子を伺ってるけどいつまで経っても僕を見たまま食べようとしない。
あ、そうか。
「リン、食べていいよ」
僕の許可を待っているのかと思ったんだけど。
「……エト、王、タベル ハジマル、他、タベル ナイデス」
「えーと…………王が食べ始めるまで他のゴブリンはみんな待ってる、ってこと?」
「ハイ、ソデス」
なーるほどねー。
群れの動物だとかはそんな感じだって聞いたことある気がする。
それなら、と思ってとりあえず一口肉に手を付けると、リンはホッとしたような顔をしたあと嬉しそうに肉を手に持ってかじりつき始めた。
習慣が違うとなかなか大変だ。
リンは肉が好きみたいで他のものには目もくれずに肉にかじりついてる。
お行儀は悪いけど、可愛い顔をしているせいもあって微笑ましくも見えるんだけど……。
「リンは肉好き?」
「ハイ、スキデス」
「…………人間は食べたことある?」
肉を嬉しそうにかじっていたリンが固まる。
そして、手に持ち続けていた肉を置くと、僕の顔をまっすぐに見て口を開いた。
「アルデス」
「美味しかった?好き?」
「ニク ナンデモ オイシイ スキデス」
「リンはなんの肉が好き?」
「トリ、ウサギ、スキデス。
イノシシ イチバン スキデス。ホントデス」
「人間はどれくらい好き?」
「ニク ミンナ オナジデス。ホントデス」
…………ちょっと口から出すのに勇気がいる。
「人間を食べなくても我慢できる?」
「ガマン ナイデス。
ニンゲン ニク ミンナ オナジデス。
ニク ヒトツ ナクナル オナジデス。
ニンゲン タベル ナイ ガマン ナイデス。
ホントデス。ウソ ナイデス」
リンにしては長い言葉はそれだけ必死で説明してくれているんだと思う。
はっきりとは分からないけど、人間もただの肉と変わらないから我慢するとかそういうものじゃない、といいたいんだと思う。
僕にしてみれば今食べている鹿肉が明日から食べられなくなるようなもの。
他の肉があればなんの問題もない……。
数多にある食料の種類の一つでしかなく、我慢とか無く食べなくてもなんの問題もないもの。
…………。
そして、食料の一つとしてカテゴライズされている事になんの悪気も疑問も持たないもの。
それがゴブリン族にとっての人間。
そのことは忘れちゃ駄目なんだと思う。
「そっか……。
それじゃ、リンは野菜嫌い?」
パンは少しはかじってるのに野菜スープは一口も手を付けてないみたいだけど。
「………………スキナイデス」
リンの渋い顔は少し面白かった。
好き嫌いはダメということで、頑張ってできるだけ食べるように言ったら、リンは渋い顔をしながらだけど最後まで野菜スープを食べきった。
一応聞いてみたけど、他のゴブリンは普通に野菜を食べていたらしいので種族的に食べられないとかではないらしい。
単純にリンが嫌いなだけみたいだ。
食器を返しに行くと、ノゾミちゃんとユーキくんが食器を洗っていた。
「あ、せんせえっ!
リンちゃんご飯食べたっ!?」
「うん、全部食べたよ。
ただ、お肉は好きだけど野菜は嫌いみたい」
肉の話を出した僕をユーキくんが緊張した顔でちらりと見たあとちょっと安堵したような顔をしていた。
ユーキくんのことだから、僕の言葉と様子から色々察してくれてるんだと思う。
「ノゾミもお野菜あんまり好きじゃなーい。
ニンジンきらーい」
ニンジンは今日の野菜スープにも入っていたから、なにか思うところがあったのだろう。
「それじゃ、二人共好き嫌いを直さないとね」
「…………」
黙り込んじゃったノゾミちゃんが可愛かった。
「ごめん、今日の朝はリンと食べてくるから」
それを聞いたシャルとアリスちゃんは少し驚いた顔をしたあと、安心したような表情で笑った。
ユーキくんは僕が二人分の食事をお願いしたときから、もうニッコニコだ。
問題はノゾミちゃんで……。
「えーっ!ノゾミもリンちゃんと食べるっ!!」
まあ、そうなるよねぇ……。
ちょっと怒った顔までしてしまっている。
「えっとね、ご飯のときに連れてくると、大騒ぎになってご飯どころじゃなくなっちゃうからね?」
リンに会いたがるノゾミちゃんをまたせすぎたせいではあるんだけど、ノゾミちゃんのテンションが上っちゃうのが目に浮かぶように想像できる。
「ぶーっ!やだっ!!一緒に食べるっ!!」
実際、もうすでに今までになかったくらい駄々をこねている。
「あのね、ご飯食べ終わったらちゃんと連れてくるから、お願いだからもう少しだけだけ我慢してくれないかな?」
「…………ほんと?」
「ほんとほんと、ご飯食べ終わってお外の時間のときには絶対に連れてくるよ」
リン本人も会いたがっているし、騒いでいい時間になれば会わせることになんの問題もない。
…………無いはずだ。
「…………それならもう少しだけ我慢する……」
ノゾミちゃんはむくれた顔のままだけど、そう言ってくれた。
「ありがとう、ノゾミちゃん」
「絶対だからねっ!」
……うん、絶対。
ノゾミちゃんのお許しをいただけたので二人分の食事を持って部屋に戻る。
「リン、お待たせ」
部屋に入ると、リンはベッドの上の「ここで待て」と言った位置から寸分も動くことなく僕を待っていた。
……リンになにか言うときはちょっと考えて言わないとダメだな。
僕を見たリンの短い尻尾が激しく揺れてるけど、あれはネコ的なやつじゃないといいけど。
まあ、リンの表情を見る限りイヌ的なやつだと思う。
「王、オカエリデス」
「朝食を持ってきたからこっちに……いや、リンは今までどんな格好でご飯食べてた?イスとテーブルを使ったことは?」
少なくとも洞窟にはテーブルセットはなかったけど、どうやって食べてたんだろ?
「エト、ジメン スワルデス。
テブル?ワカル ナイデス」
なるほどねー。
んー……まあ、とりあえずはゆっくり慣れていけばいいか。
「それじゃ、こっちおいで。
ご飯食べよ」
そう言って、絨毯の上にお盆に乗った食事を置くとそのまま座り込む。
リンも嬉しそうに駆け寄ってくると僕の隣に腰を下ろした。
……前じゃないんだ。
まあ、そういうのは好きにすればいい。
「あーっと……カトラリー……ナイフとかスプーンとかフォークとかは使う?」
「……ナイフ スプーン ツカウデス。
フォーク?ワカル ナイデス」
「なるほど。
ま、とりあえずは好きに食べていいよ。
それじゃ、いただきます」
今日の朝食はパンと野菜のスープ、鹿肉を焼いたものだ。
とりあえずコップに口をつけるけど……リンはなにを食べるでもなく僕を横目で見ている。
なんだろうと思って、しばらく僕もリンの様子を伺ってるけどいつまで経っても僕を見たまま食べようとしない。
あ、そうか。
「リン、食べていいよ」
僕の許可を待っているのかと思ったんだけど。
「……エト、王、タベル ハジマル、他、タベル ナイデス」
「えーと…………王が食べ始めるまで他のゴブリンはみんな待ってる、ってこと?」
「ハイ、ソデス」
なーるほどねー。
群れの動物だとかはそんな感じだって聞いたことある気がする。
それなら、と思ってとりあえず一口肉に手を付けると、リンはホッとしたような顔をしたあと嬉しそうに肉を手に持ってかじりつき始めた。
習慣が違うとなかなか大変だ。
リンは肉が好きみたいで他のものには目もくれずに肉にかじりついてる。
お行儀は悪いけど、可愛い顔をしているせいもあって微笑ましくも見えるんだけど……。
「リンは肉好き?」
「ハイ、スキデス」
「…………人間は食べたことある?」
肉を嬉しそうにかじっていたリンが固まる。
そして、手に持ち続けていた肉を置くと、僕の顔をまっすぐに見て口を開いた。
「アルデス」
「美味しかった?好き?」
「ニク ナンデモ オイシイ スキデス」
「リンはなんの肉が好き?」
「トリ、ウサギ、スキデス。
イノシシ イチバン スキデス。ホントデス」
「人間はどれくらい好き?」
「ニク ミンナ オナジデス。ホントデス」
…………ちょっと口から出すのに勇気がいる。
「人間を食べなくても我慢できる?」
「ガマン ナイデス。
ニンゲン ニク ミンナ オナジデス。
ニク ヒトツ ナクナル オナジデス。
ニンゲン タベル ナイ ガマン ナイデス。
ホントデス。ウソ ナイデス」
リンにしては長い言葉はそれだけ必死で説明してくれているんだと思う。
はっきりとは分からないけど、人間もただの肉と変わらないから我慢するとかそういうものじゃない、といいたいんだと思う。
僕にしてみれば今食べている鹿肉が明日から食べられなくなるようなもの。
他の肉があればなんの問題もない……。
数多にある食料の種類の一つでしかなく、我慢とか無く食べなくてもなんの問題もないもの。
…………。
そして、食料の一つとしてカテゴライズされている事になんの悪気も疑問も持たないもの。
それがゴブリン族にとっての人間。
そのことは忘れちゃ駄目なんだと思う。
「そっか……。
それじゃ、リンは野菜嫌い?」
パンは少しはかじってるのに野菜スープは一口も手を付けてないみたいだけど。
「………………スキナイデス」
リンの渋い顔は少し面白かった。
好き嫌いはダメということで、頑張ってできるだけ食べるように言ったら、リンは渋い顔をしながらだけど最後まで野菜スープを食べきった。
一応聞いてみたけど、他のゴブリンは普通に野菜を食べていたらしいので種族的に食べられないとかではないらしい。
単純にリンが嫌いなだけみたいだ。
食器を返しに行くと、ノゾミちゃんとユーキくんが食器を洗っていた。
「あ、せんせえっ!
リンちゃんご飯食べたっ!?」
「うん、全部食べたよ。
ただ、お肉は好きだけど野菜は嫌いみたい」
肉の話を出した僕をユーキくんが緊張した顔でちらりと見たあとちょっと安堵したような顔をしていた。
ユーキくんのことだから、僕の言葉と様子から色々察してくれてるんだと思う。
「ノゾミもお野菜あんまり好きじゃなーい。
ニンジンきらーい」
ニンジンは今日の野菜スープにも入っていたから、なにか思うところがあったのだろう。
「それじゃ、二人共好き嫌いを直さないとね」
「…………」
黙り込んじゃったノゾミちゃんが可愛かった。
10
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる