無属性魔法を極めた俺は異世界最強!?

ないと

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Bランク試験

28話 訓練2

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「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、」

Fランクの狩り場である森の中、息を乱しながらも走り続ける三人の姿があった。ユウ達だ。

辛い・・・レベルアップでかなり体力は増加していたはずなのに、30分走っただけで体力の限界を感じてしまう。今の身体をフル活用できていない。無駄な動作が多すぎる。これが真一の言っていたことか・・・・・

 時は少しさかのぼり真一が訓練の提案をしてきた直後のことだ。


「「訓練?」」

「そうだ。普通努力の成果っていうのは数カ月立ってから現れるものだが、この世界にはレベルというシステムがある。形だけでいいんだったら訓練してレベルを上げれば良いんじゃないか?と思ったんだ」

そうか、たしかに真一の言うとおりだな。

「でも、訓練って言ったて何をするんだ?魔物を狩りまくるとか?」

「まぁそれは俺に任せてくれ。こう見えても俺、武術オタクなんだ。実際に柔術とか剣術とか習ってたし効率の良い鍛え方は知っているつもりだ」

真一が武術オタクだということは前に聞いたことがある。レッドゴブリンに固め技を掛けた時も手際が良かったし、もしかしたらレベル差はあるにしても戦い方を知っている真一のほうが今の俺より強いのかも知れない。

「で、具体的にどんな訓練をするんだ?」

俺の質問に真一は少し考え込んだ後結論を出した。

「やっぱ走る、だな」

「走る?」

走るってあの走るだよな。俺の言えたことでは無いが、なんだかそんな訓練で成果が得られるのか?と思ってしまう。

「そんな嫌そうな顔するなよ。この訓練にも意味があるんだぞ?」

「どんな利点があるんだ?」

「そうだな・・・・まず1つ目に基礎体力を簡単に上げられるってところだな。これは多くのスポーツに言えることだが身体を動かす上で基礎体力はこの上なく大切だ。だから手っ取り早く体力を底上げできるランニングは必要になってくる。それともう一つは一番かんたんに今の身体に慣れることが出来るってところだな。いきなり難しい動きをしてもそう上手くは行かない。だけど走るというかんたんな動作ならすぐに慣れることが出来るだろう」

なるほど、たしかに理にかなっている。

「だけど、レベルアップした俺達に体力を上げる必要はあるのか?」

「それはやってみないと分からない」


俺の質問に真一がニヤッとしながら答えたところで意識が戻る。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、」

辛い・・・まさかここまで今の身体に慣れていないとは思わなかった。足に上手く力が入らず、前進する度に力の抜ける感覚がして体力がごっそりと持っていかれる。

気合を入れるために声をあげようとしても腹に力が入らない。それは隣を並走している二人も同じようで苦渋に顔を歪ませながらも必死に今のペースに食らいついている。

しかし・・・・・

ザッっと音を立てながら前の草むらからゴブリンが姿を現す。

それを俺はわずか0.1秒で認知し、『魔力放出』と『魔力性質変換』を組み合わせて魔力の銃弾を心臓に向けて放つ。

数秒後、ドサッっとゴブリンが地に伏したのを確認して、俺は速度を戻した。

ここは狩り場だ。魔物が現れるのは当たり前のこと。しかしこの訓練はそれも考慮した上でさらなる成果が得られる。

確かにめっちゃ辛いけど・・・・頑張るしか無いな!

俺は一秒でも早く今の身体に慣れるため、全力で足を動かした。

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