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復讐
25話 復讐(笑)
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「ん?何だ」
俺が思わずそいつの名前を口にしたら、そいつ、強田龍はこちらの方を向いて言った。
「お前ぇ、どっかで見た事あるなぁ」
え?
「だけど思い出せねぇ、まぁお前で良いや、金よこせや」
まさか、こいつ、もう俺のことを忘れたのか?あんなに虐めておいて?
自分が予想以上にモブキャラ扱いだったことに驚愕していると、金を強奪する為に強田が近寄って来た。
途端にブワッとキツイ酒の匂いが漂って来る。
「ウッ」
俺は思わず吐きそうになるのを堪えて強田と視線を合わせた。
「最近気分が悪りぃんだよ。あのジジィも酒を寄越さないしよぉ、お前、金持ってんだろ寄越せや」
こいつ、目の焦点があっていない。完全に酔ってる。
というか未成年が酒を飲んで良いのかよ。マジで臭い。
「強田、もう酒は止めろよ」
手始めに会話で交渉してみる。
「何だよ、お前も金田みたいなこと言うのかよ、ウゼェ」
うわぁ、これは無理そうだな。神国側もこんな奴を抱えるなんてたまったもんじゃ無いな。もはやかわいそうにさえ思えて来た。
「未成年の飲酒は百歩譲って良いとして冒険者から金を巻き上げるのは止めろよ」
「あぁ~ん?やんのか?」
俺の制止を強田は宣戦布告と受け取ったらしく喧嘩腰で詰め寄ってくる。
途端に酒場全体の空気が凍りついた。おそらく皆Cランク冒険者が返り討ちにされた時のことを思い出したのだろう。
これは一度痛い目見せないとダメそうだな。一応鑑定をしておこう。
・・・ふむ、カスだな。
レベルは4になってるけど全ステータス値は俺の方が上だし強そうなスキルも酔っているこいつには使いこなすことなど到底無理な話だろう。だけどもし酔って無かったら良い勝負が出来るかもしれない位には恵まれているステータスだ。足元を救われない様気を付けよう。
「お前がどうしてもその悪行をやめないと言うなら俺は手段を問わずお前を殺るぞ」
するとどうやら今の言葉が相当刺さったらしく強田の額に血管が浮かぶ。
「殺す!」
強田はそう一声叫び殴りかかって来た。
うわぁ、こりゃ相当おこだな。感情に任せてまともな攻撃が出来ていない。そんなに俺を殺したいならその腰に掛かってる剣を使えよ。
しかし俺の心の声を強田が聞き取れるはずもなく、そこそこ破壊力のありそうな拳が飛んでくる。
まぁ所詮感情任せの攻撃だからな、少し破壊力があっただけでは俺を殺すことはできない。
俺は飛んできた拳を片手で受け止めた。もちろん魔力は放出していない。魔力を放出するまでもないからだ。
「ん?」
突然止められた自分の手に強田は顔を驚愕に染めるが、俺は容赦せず続けて腹のど真ん中に魔力を放出している平手を食い込ませた。
「ぐホォ!?」
少々力を入れすぎたのか強田は白目を剥きながらギルドの入り口まで吹っ飛んでいった。
途端にその光景を見た冒険者たちは言葉を失い、あらん限りに目を見開いていたが、その目には誰もが喜びの感情を滲ませていた。余程気持ちが良かったのだろう。
俺はそんな期待に満ちた視線を浴びながら強田の安否を確認しに行く。幾らウザいからって殺人はよく無いからね。
「死んでは・・・無いな」
強田は気絶しているだけで脈は止まっていなかった。うん、良かった。
こうして俺は念願?の復讐を果たしたのだった。
俺が思わずそいつの名前を口にしたら、そいつ、強田龍はこちらの方を向いて言った。
「お前ぇ、どっかで見た事あるなぁ」
え?
「だけど思い出せねぇ、まぁお前で良いや、金よこせや」
まさか、こいつ、もう俺のことを忘れたのか?あんなに虐めておいて?
自分が予想以上にモブキャラ扱いだったことに驚愕していると、金を強奪する為に強田が近寄って来た。
途端にブワッとキツイ酒の匂いが漂って来る。
「ウッ」
俺は思わず吐きそうになるのを堪えて強田と視線を合わせた。
「最近気分が悪りぃんだよ。あのジジィも酒を寄越さないしよぉ、お前、金持ってんだろ寄越せや」
こいつ、目の焦点があっていない。完全に酔ってる。
というか未成年が酒を飲んで良いのかよ。マジで臭い。
「強田、もう酒は止めろよ」
手始めに会話で交渉してみる。
「何だよ、お前も金田みたいなこと言うのかよ、ウゼェ」
うわぁ、これは無理そうだな。神国側もこんな奴を抱えるなんてたまったもんじゃ無いな。もはやかわいそうにさえ思えて来た。
「未成年の飲酒は百歩譲って良いとして冒険者から金を巻き上げるのは止めろよ」
「あぁ~ん?やんのか?」
俺の制止を強田は宣戦布告と受け取ったらしく喧嘩腰で詰め寄ってくる。
途端に酒場全体の空気が凍りついた。おそらく皆Cランク冒険者が返り討ちにされた時のことを思い出したのだろう。
これは一度痛い目見せないとダメそうだな。一応鑑定をしておこう。
・・・ふむ、カスだな。
レベルは4になってるけど全ステータス値は俺の方が上だし強そうなスキルも酔っているこいつには使いこなすことなど到底無理な話だろう。だけどもし酔って無かったら良い勝負が出来るかもしれない位には恵まれているステータスだ。足元を救われない様気を付けよう。
「お前がどうしてもその悪行をやめないと言うなら俺は手段を問わずお前を殺るぞ」
するとどうやら今の言葉が相当刺さったらしく強田の額に血管が浮かぶ。
「殺す!」
強田はそう一声叫び殴りかかって来た。
うわぁ、こりゃ相当おこだな。感情に任せてまともな攻撃が出来ていない。そんなに俺を殺したいならその腰に掛かってる剣を使えよ。
しかし俺の心の声を強田が聞き取れるはずもなく、そこそこ破壊力のありそうな拳が飛んでくる。
まぁ所詮感情任せの攻撃だからな、少し破壊力があっただけでは俺を殺すことはできない。
俺は飛んできた拳を片手で受け止めた。もちろん魔力は放出していない。魔力を放出するまでもないからだ。
「ん?」
突然止められた自分の手に強田は顔を驚愕に染めるが、俺は容赦せず続けて腹のど真ん中に魔力を放出している平手を食い込ませた。
「ぐホォ!?」
少々力を入れすぎたのか強田は白目を剥きながらギルドの入り口まで吹っ飛んでいった。
途端にその光景を見た冒険者たちは言葉を失い、あらん限りに目を見開いていたが、その目には誰もが喜びの感情を滲ませていた。余程気持ちが良かったのだろう。
俺はそんな期待に満ちた視線を浴びながら強田の安否を確認しに行く。幾らウザいからって殺人はよく無いからね。
「死んでは・・・無いな」
強田は気絶しているだけで脈は止まっていなかった。うん、良かった。
こうして俺は念願?の復讐を果たしたのだった。
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