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雷雪
#4【R】※この回には性的表現があります。
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薄暗い部屋の中で、激しい息遣いがする。
布団が擦れる音に合わせて、重なる2人の体が大きく揺れた。
若い体が梶川の腕の中で跳ねる。
翔は腰を震わせて喘いだ。
「はぁ……はぁ……」と――
息をつきながら両腕で梶川にしがみ付くと、喉の奥で切ない悲鳴をあげた。
「あ、あ、……」
亀頭から溢れ出た先走りの体液で、互いの性器をすり合わせて絶頂へと向かう。
既に弾ける限界まで来ていた翔は、「もうダメ、イッちゃう」と梶川に懇願した。
「いいよ……イけ」
「ダメ。エージ君も一緒」
一緒にイこう――そう囁かれ、梶川は大きく息をつくと、互いのモノを握りしめていた手を激しく動かした。
待つまでもなかった。
「あぁ――――!!」
翔の体が大きく跳ねて、腰をヒクつかせる。
ビクンビクンと、固く膨らんだ亀裂が弾けてドロリとした精液がほとばしる。
その後を追う様に、梶川も果てた。
外は再び、雪が降り出していた。
せっかく除けた雪も、新たに降り積もる新雪に覆われ、再び白い世界に変わっていく。
気のせいか……
どこか遠くの方で雷鳴が聞こえたような気がした。
「世界の終わりみたい……」
放心した様に翔が呟き、微かに笑みを浮かべる。
その上に、梶川もグッタリと覆いかぶさると、「……そうだな……」と低く呟いた。
朝から続く疲労感に、目を開けていられない。
手足が鉛のように重くなり、ものを考えるのも億劫だった。
(こんな事――バレたら本当に、世界の終わりだ)
梶川はそう思って苦笑した。
寒さからなのか、恐怖からなのか……分からないが、なぜだか身震いがした。
「エージ君……震えてるの?」
翔がそう言って、自分に覆いかぶさる梶川を両腕で優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ。怖がらないで」
そう言いながら、片手で頭を撫でる。
梶川は目を閉じた。
泥のような深い眠りに堕ちる。
このまま、本当に世界が終わってもいい。
今なら本気でそう思えた。
――2013年、4月。
梶川は勤務を終えると、足早に退庁していく。
その様子を、佐倉は不思議そうに眺めていた。
「最近ますます付き合いが悪いな」
佐倉の台詞に、矢島は「女でも出来たんじゃないか?」と無粋な笑みを浮かべる。
「早く帰って彼女の手料理が食いたいんだろう」
「そんな可愛い理由ならいいんだがな……」
佐倉はそう言って顔をしかめた。
自分の耳に、剱崎隼人と個人的な付き合いがあるようだという情報が入っている。
妙な裏取引がある様な雰囲気ではないが、組の頭と突っ込んだ付き合いはリスクが大きい。
梶川の私生活を詳しく調べるつもりはないが、派手な生活をしている様には見えないし、そこまで心配すことではないのかもしれないが……
以前とは少し違って見える。
その変化が何かと言われれば難しいのだが……
敷いて言うなら、毎日が楽しそうだ。
佐倉がそう言うと、矢島は笑った。
「いいことじゃねぇか。毎日楽しくて充実してる――やっぱり女が出来たんだろう」
「そうかな」
2人の会話を背後で聞いていた内田が、フンッと鼻を鳴らして笑った。
そしてゆっくりと席を離れると、廊下に出て携帯電話を取り出す。
どこかにメールを打ち、返事を待っていると、数秒して返事が返ってきた。
それを確認すると、内田は小さく笑った。
「いい気になるなよ……クソ野郎」
内田はそのまま廊下の先まで歩いて窓の外を見た。
隣の警察庁の姿に目を細め、低く呟く。
「どっちが賢い犬か、教えてやる」
布団が擦れる音に合わせて、重なる2人の体が大きく揺れた。
若い体が梶川の腕の中で跳ねる。
翔は腰を震わせて喘いだ。
「はぁ……はぁ……」と――
息をつきながら両腕で梶川にしがみ付くと、喉の奥で切ない悲鳴をあげた。
「あ、あ、……」
亀頭から溢れ出た先走りの体液で、互いの性器をすり合わせて絶頂へと向かう。
既に弾ける限界まで来ていた翔は、「もうダメ、イッちゃう」と梶川に懇願した。
「いいよ……イけ」
「ダメ。エージ君も一緒」
一緒にイこう――そう囁かれ、梶川は大きく息をつくと、互いのモノを握りしめていた手を激しく動かした。
待つまでもなかった。
「あぁ――――!!」
翔の体が大きく跳ねて、腰をヒクつかせる。
ビクンビクンと、固く膨らんだ亀裂が弾けてドロリとした精液がほとばしる。
その後を追う様に、梶川も果てた。
外は再び、雪が降り出していた。
せっかく除けた雪も、新たに降り積もる新雪に覆われ、再び白い世界に変わっていく。
気のせいか……
どこか遠くの方で雷鳴が聞こえたような気がした。
「世界の終わりみたい……」
放心した様に翔が呟き、微かに笑みを浮かべる。
その上に、梶川もグッタリと覆いかぶさると、「……そうだな……」と低く呟いた。
朝から続く疲労感に、目を開けていられない。
手足が鉛のように重くなり、ものを考えるのも億劫だった。
(こんな事――バレたら本当に、世界の終わりだ)
梶川はそう思って苦笑した。
寒さからなのか、恐怖からなのか……分からないが、なぜだか身震いがした。
「エージ君……震えてるの?」
翔がそう言って、自分に覆いかぶさる梶川を両腕で優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ。怖がらないで」
そう言いながら、片手で頭を撫でる。
梶川は目を閉じた。
泥のような深い眠りに堕ちる。
このまま、本当に世界が終わってもいい。
今なら本気でそう思えた。
――2013年、4月。
梶川は勤務を終えると、足早に退庁していく。
その様子を、佐倉は不思議そうに眺めていた。
「最近ますます付き合いが悪いな」
佐倉の台詞に、矢島は「女でも出来たんじゃないか?」と無粋な笑みを浮かべる。
「早く帰って彼女の手料理が食いたいんだろう」
「そんな可愛い理由ならいいんだがな……」
佐倉はそう言って顔をしかめた。
自分の耳に、剱崎隼人と個人的な付き合いがあるようだという情報が入っている。
妙な裏取引がある様な雰囲気ではないが、組の頭と突っ込んだ付き合いはリスクが大きい。
梶川の私生活を詳しく調べるつもりはないが、派手な生活をしている様には見えないし、そこまで心配すことではないのかもしれないが……
以前とは少し違って見える。
その変化が何かと言われれば難しいのだが……
敷いて言うなら、毎日が楽しそうだ。
佐倉がそう言うと、矢島は笑った。
「いいことじゃねぇか。毎日楽しくて充実してる――やっぱり女が出来たんだろう」
「そうかな」
2人の会話を背後で聞いていた内田が、フンッと鼻を鳴らして笑った。
そしてゆっくりと席を離れると、廊下に出て携帯電話を取り出す。
どこかにメールを打ち、返事を待っていると、数秒して返事が返ってきた。
それを確認すると、内田は小さく笑った。
「いい気になるなよ……クソ野郎」
内田はそのまま廊下の先まで歩いて窓の外を見た。
隣の警察庁の姿に目を細め、低く呟く。
「どっちが賢い犬か、教えてやる」
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