24 / 30
Side.B・テツとエージのにゃんこ★すたぁ【R-18】
#14
しおりを挟む
廊下に出ると佐倉がいた。
「サク?」
驚くエージに手を上げて近づいてきた。
「店に行ったらここだって聞いて」
佐倉はそう言うと心配そうに病室の方を見た。
「彼、どうしたの?」
エージと2人。時間外の待合室の椅子に座って、佐倉は話を聞くと、眉間に深い皺を寄せて言った。
「そうか……それはひでぇな」
「近くに住んでるのは知ってた。もっと早く対応しとくべきだった……完全に俺の落ち度だな」
「で?どうする?被害届は?」
それを聞かれてエージは苦い顔をする。
「本人が訴えないと意味がない。でもアイツは嫌がるだろうな」
「まぁ報復ってのもあるしな。言いたくないことも聞かれるだろうし」
「……」
「男とはいえ、性被害に遭えば無傷じゃいられない」
「でも、だからって泣き寝入りは違うだろう?」
エージはそう言うと、激しい怒りを抑えるようにじっと俯いた。その横顔を佐倉が見つめる。
互いの脳裏に、共通の面影が一瞬浮かんで――消えた。
「なぁ……」
佐倉が聞いた。
「哲弥を傍に置くのは、過去の罪滅ぼしの為か?」
そう聞かれてエージは苦笑した。
「そんなんじゃない。ただ俺は……もう後悔したくないだけだ」
「……」
「アイツを助けてやりたい。それが出来なきゃ、何のためにこんな事してるのか―――!」
そう言うと、突然椅子から立ち上がりエージは歩き出した。佐倉も立ち上がると「エージ」と声を掛けた。
「無茶なことはするな。今のお前を……俺は守ってやれんぞ」
それを聞くと、振り返ってエージは笑った。
「分かってるよ。心配すんな」
病院を出て行くエージの背を、佐倉は不安な面持ちで見つめていた。
午前2時。
賑やかに笑いながらアパートの階段を上っていく3人の男を、エージは通りの向かい側からじっと眺めていた。
しばらくして、2階の角部屋の明かりがつく。
それを確認すると、エージはゆっくりとアパートに近づいた。
「サク?」
驚くエージに手を上げて近づいてきた。
「店に行ったらここだって聞いて」
佐倉はそう言うと心配そうに病室の方を見た。
「彼、どうしたの?」
エージと2人。時間外の待合室の椅子に座って、佐倉は話を聞くと、眉間に深い皺を寄せて言った。
「そうか……それはひでぇな」
「近くに住んでるのは知ってた。もっと早く対応しとくべきだった……完全に俺の落ち度だな」
「で?どうする?被害届は?」
それを聞かれてエージは苦い顔をする。
「本人が訴えないと意味がない。でもアイツは嫌がるだろうな」
「まぁ報復ってのもあるしな。言いたくないことも聞かれるだろうし」
「……」
「男とはいえ、性被害に遭えば無傷じゃいられない」
「でも、だからって泣き寝入りは違うだろう?」
エージはそう言うと、激しい怒りを抑えるようにじっと俯いた。その横顔を佐倉が見つめる。
互いの脳裏に、共通の面影が一瞬浮かんで――消えた。
「なぁ……」
佐倉が聞いた。
「哲弥を傍に置くのは、過去の罪滅ぼしの為か?」
そう聞かれてエージは苦笑した。
「そんなんじゃない。ただ俺は……もう後悔したくないだけだ」
「……」
「アイツを助けてやりたい。それが出来なきゃ、何のためにこんな事してるのか―――!」
そう言うと、突然椅子から立ち上がりエージは歩き出した。佐倉も立ち上がると「エージ」と声を掛けた。
「無茶なことはするな。今のお前を……俺は守ってやれんぞ」
それを聞くと、振り返ってエージは笑った。
「分かってるよ。心配すんな」
病院を出て行くエージの背を、佐倉は不安な面持ちで見つめていた。
午前2時。
賑やかに笑いながらアパートの階段を上っていく3人の男を、エージは通りの向かい側からじっと眺めていた。
しばらくして、2階の角部屋の明かりがつく。
それを確認すると、エージはゆっくりとアパートに近づいた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる