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Side.B・テツとエージのにゃんこ★すたぁ【R-18】
#9【R】※この回には性的表現があります。
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普段は、割と落ち着いて見えるテツだったが、ふとした時にフラッシュバックを起こす――
この日も、キッチンから派手な音がして、エージはパソコンから手を離すと慌てて立ち上がった。
「どうした?」
テツが床に散乱している皿の破片を拾っている。
「大丈夫?」
そう声を掛けた瞬間、テツはビクッと体を飛び上がらせると、「ごめんなさい!」と謝りながら身を引いた。
「わざとじゃないの!お願い信じて!」
「え……?」
怪我を心配して近寄ろうとしたが、テツは身を縮めて蹲ると、「お願い!ごめんなさい!」と悲鳴を上げた。
「てっちゃん――」
「ぶたないでお願い!ごめんなさい!」
ごめんなさい、ごめんなさい……と繰り返すテツを、刺激しない様にエージはゆっくりしゃがむと、「うん」と小さく頷いた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
身を守るように蹲るテツの手にそっと触れながら、「うん。大丈夫。ぶったりしないよ」と声を掛けた。
「……」
怯えて震えるテツの目を見て、エージは優しく笑いかけた。
「手、見せて。怪我してない?」
「……」
「俺が片付けるから、向こう座ってな」
テツは泣きながらエージの方へ腕を伸ばすと、「ごめんなさい」と言いながら抱きついてきた。その体をギュッと抱きしめて、エージは言った。
「大丈夫だよ、てっちゃん。ここにはお前を傷つける奴はいないから」
「……エージ君」
誰かに頼らなければ生きていけない。
だから必要以上に従順で大人しい。
相手の機嫌を損ねない様に、常に顔色を伺いながら話をする。
すぐに謝るのは最初の防御。
悪いのは自分。
叩かれるのは自分のせい。
そうさせてしまう自分が、悪いから――
「エージ君……エージ君……」
自分の体にしがみ付くように甘えてくるテツを、エージは優しく抱き寄せた。
テツの白い裸体が、明け方の薄闇の中、蒼白く揺れる。
聞こえるのは、シーツの擦れる音と互いの息遣いだけ。
行為で満たされるのは、ほんの一瞬だが、でもその一瞬の快楽を共有することで、この繋がりを永遠に保てるなら――と、2人は激しく互いの体を求めあった。
仰け反るテツの白い首筋を舌でなぞりながら、エージはゆっくりと身を起こした。
開いた股の間に体を入れて、テツの腰を押さえる。
腹の上に横たわっていたテツのペニスが、徐々に躍動し始めた。
腰を動かすたびに、短い悲鳴のような声で喘ぐ。
苦しそうな表情を見て一度抜くが、「ダメ、お願い……やめないで」と腕を掴んできた。
上になり、下になり。
互いに体位を変えながら、何度も昇り詰めては滑り落ちてゆく。
「エージ君……」
テツは、ハァハァ……と喘ぎながら、エージの頬に手を当てると言った。
「僕……ずっとエージ君の傍にいてもいい?」
エージは「あぁ」と頷くと「もちろん――」と囁いて、深く、奥まで貫いた。
「ぁあ―――ッ!」
両手でシーツをきつく掴んで、テツが仰け反る。
その細い腰を掴んで、エージは目を閉じた。
互いに果てて崩れ落ちるまで……
何度も、何度も。
濁った時間の中を漂い続けた。
この日も、キッチンから派手な音がして、エージはパソコンから手を離すと慌てて立ち上がった。
「どうした?」
テツが床に散乱している皿の破片を拾っている。
「大丈夫?」
そう声を掛けた瞬間、テツはビクッと体を飛び上がらせると、「ごめんなさい!」と謝りながら身を引いた。
「わざとじゃないの!お願い信じて!」
「え……?」
怪我を心配して近寄ろうとしたが、テツは身を縮めて蹲ると、「お願い!ごめんなさい!」と悲鳴を上げた。
「てっちゃん――」
「ぶたないでお願い!ごめんなさい!」
ごめんなさい、ごめんなさい……と繰り返すテツを、刺激しない様にエージはゆっくりしゃがむと、「うん」と小さく頷いた。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
身を守るように蹲るテツの手にそっと触れながら、「うん。大丈夫。ぶったりしないよ」と声を掛けた。
「……」
怯えて震えるテツの目を見て、エージは優しく笑いかけた。
「手、見せて。怪我してない?」
「……」
「俺が片付けるから、向こう座ってな」
テツは泣きながらエージの方へ腕を伸ばすと、「ごめんなさい」と言いながら抱きついてきた。その体をギュッと抱きしめて、エージは言った。
「大丈夫だよ、てっちゃん。ここにはお前を傷つける奴はいないから」
「……エージ君」
誰かに頼らなければ生きていけない。
だから必要以上に従順で大人しい。
相手の機嫌を損ねない様に、常に顔色を伺いながら話をする。
すぐに謝るのは最初の防御。
悪いのは自分。
叩かれるのは自分のせい。
そうさせてしまう自分が、悪いから――
「エージ君……エージ君……」
自分の体にしがみ付くように甘えてくるテツを、エージは優しく抱き寄せた。
テツの白い裸体が、明け方の薄闇の中、蒼白く揺れる。
聞こえるのは、シーツの擦れる音と互いの息遣いだけ。
行為で満たされるのは、ほんの一瞬だが、でもその一瞬の快楽を共有することで、この繋がりを永遠に保てるなら――と、2人は激しく互いの体を求めあった。
仰け反るテツの白い首筋を舌でなぞりながら、エージはゆっくりと身を起こした。
開いた股の間に体を入れて、テツの腰を押さえる。
腹の上に横たわっていたテツのペニスが、徐々に躍動し始めた。
腰を動かすたびに、短い悲鳴のような声で喘ぐ。
苦しそうな表情を見て一度抜くが、「ダメ、お願い……やめないで」と腕を掴んできた。
上になり、下になり。
互いに体位を変えながら、何度も昇り詰めては滑り落ちてゆく。
「エージ君……」
テツは、ハァハァ……と喘ぎながら、エージの頬に手を当てると言った。
「僕……ずっとエージ君の傍にいてもいい?」
エージは「あぁ」と頷くと「もちろん――」と囁いて、深く、奥まで貫いた。
「ぁあ―――ッ!」
両手でシーツをきつく掴んで、テツが仰け反る。
その細い腰を掴んで、エージは目を閉じた。
互いに果てて崩れ落ちるまで……
何度も、何度も。
濁った時間の中を漂い続けた。
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