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プラントハンター、通い妻する。
恋人が可愛くて、今日も人生が楽しい 4
しおりを挟む市場では収穫物の販売許可もらうため、先に受付をすませる。
「手続きがあるのでリリは好きに見てきてください」
「俺も手伝っていいですか」
「もちろんです。ありがとう」
市場は賑やかだ。
リリが活動するのはいつも山奥や森の中なので、活気溢れる人の姿は新鮮だ。
マワーがもらってきた許可証を販売スペースに置き、商品を並べる。
マワーの商品は人気で、あっという間に売れてしまった。
「さ、帰りましょう」
「はい」
「どこか寄りたいところはありますか」
「あ、はい。研師のところへ」
「わかりました」
市場の外れに鍛冶屋がある。
道中でふたりは、フルーツをたっぷり使ったパンと豆を挽いた飲み物を買った。
洞窟の前に、木組みのこじんまりした建物があった。
木組みのほうへ入っていく。
「こんにちは」
「らっしゃい、用件は」
「はい、この鋏とナイフを研いで欲しくて」
「どれどれ」
研師の助手がリリの鋏とナイフを受け取り、師匠に渡す。
「使い込んでるね」
「商売道具だからね」
「でもモノは良い。研ぎがいがあるよ」
「ありがとう、頼むよ」
外の木陰に座り、さっき買ったパンを食べながら研ぎ終わるのを待つ。
「おいしい」
甘すぎない果実を使っていて、リリの口に合った。
「そうだね…あ、リリ」
「はい」
口の端に小さなパンくずが付いている。
マワーは、ちょいと摘んで口に入れた。
「あ…ありがとうございます…」
みるみるうちにリリの頬が赤く染まる。
かわいい。
「いいえ、いつでもしてあげますよ」
「いえ、き、気をつけます」
つれないリリに気を悪くした風でもなく、マワーもパンを千切って口に運ぶ。
空は雲ひとつない快晴だ。
明後日には、リリはまた旅に出てしまう。
「今度はどの辺りへ行く予定ですか」
「ラフィーネクロの辺りを行こうかと」
大陸の西の果てである。
「そうですか、なるべく早く帰って来てくださいね」
「はい」
見つめ合って、ふたりの顔が近づいて…。
「お客さん、できましたよ」
「あ、はい」
「ちっ」
「ま、マワーさん…」
「もう少しだったのに…、さあリリ続きはまた今度、行きましょう」
「はい」
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