短編集

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優しさを紐解いて

本当の告白①

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4月

「新入生、なに飲む? それより名前教えて?」
「あ、深山千尋です……りんごジュースを……」
「りんごかぁ、最近飲んでないな。俺もそれにしよ。りんご二つ追加してーー」
「ありがとうございます。先輩の名前を教えてくれますか」
「ん、松本直己。よろしくな」
「松本……直己、先輩……よろしくおねがいします」


5月

「千尋ぉ、来てくれてサンキュな」
「それはいいですけど……先輩、俺がバイトでいないとか考えなかったんですか」
「……ごめん」
「良いですよ、また振られたんですか」
「またって言うな」
「だって何回目……?」
「う……そんなこと言うなら帰ってくれていい……」
「拗ねるのやめてください。……もう……」


6月

「安田のやつ、わざわざ彼女ができたって自慢しに来てさぁ! くそーこっちはあれからぜんっぜんだっていうのに」
「先輩もちょっと良い感じになりそうな人がいたんじゃなかったですか」
「そーだったんだけど、バイトが忙しいみたいで……、それより千尋はどーなの、彼女くらいいるんだろ?」
「いません」
「え……マジ? お前モテそうなのに」
「好きな人はいます」
「えええぇ、でも、やっぱりなぁ。告白とかした?」
「してません」
「どーして? 千尋なら告白さえすれば一発だと思うけどなぁ」
「……、結構アピールしてるつもりですけど……、俺の好きな人は、ちょっと鈍感な人だと思います」
「鈍感って言っても悪いやつじゃないんだろ。真面目に告れば伝わるんじゃね」
「そう……ですかね」
「ああ! お前いいヤツだからな、絶対いける」
「わかりました……、先輩」
「ん?」
「告白してみようと思います」
「! 良いじゃないか! 彼女ができても俺とも遊んでくれよな」
「そんなこと……、はい、先輩お願いがあります」
「なに? 俺にできることなら協力するぜ」
「告白して気持ちを伝えたいですけど、うまく言えるか自信がないので、練習したいな……って」
「練習か! いいんじゃないか!」
「はい、お願いしても良いですか。先輩」
「ああ! いいぜ!」

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