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将来の夢は、畳の上での老衰?
しおりを挟む王太子殿下、
眉間のシワが、折角の美貌に差し障りまっせ~~なんて、言える状態でない……ですな?
「あ、あの……、もしかしたら、ケイトリン嬢のことでしょうか?」
「はっ?おまえごときが、ケイトリンの名前を?くっくっく。笑止!」
「も、申し訳ございませんっ!」
もうしばらくの間、頭と、胴体がくっついて貰いたいですっ。
切にお願いしたいねん~!
オイラ、男の子だもん、怖くても、泣いてないねん。
王妃様に似た、鋭利な美貌でもって睨みつけられると、なんちゅうか、怖すぎて現実逃避ちゅうもんをしちゃいます。
「も、申し訳ございませんっ!」
ひたすら、頭を下げまくりまっせ!
だって、胴体から、頭を離したくないねんもん。
「コホン、ケイトリンは、昔から、性格がな……。学園での噂は、知っているだろう?
まあ、ケイトリンも、此度のことは、単なる気まぐれで、たまたま側にいた君が、目にとまっただけだと思うがな。
それで、君は、アブデン公爵家からは、なんと?」
ガクブル。
「いえ、その………なにも聞いてないような、あるような??」
王太子殿下ともあろうと、情報なんて、ツーツーで入手済みでっしゃろ?
個人情報保護法を、この世界でも是非是非、法案設立方向でよろしくお願いしますねん。
だから~、麗しのカンバセの眉間にシワを寄せるのは、やめましょうよ~~~!
さっきから、怖すぎて、男として大事なとこまで縮み上がってますぅ~。
えっ、下ネタは、いらんって?
いやいや、頭と、胴体がまだ繋がってるよなっ?
いやや!畳の上で老衰するまでは、頭と、胴体が繋がっていて欲しい!
切にお願いしたいねん!って、畳なんて、あるかいなっ?
なにやら、ブツブツと呟いて、いらっしゃる殿下を前に、何を言っているんだろうって、聞いてみる勇気のある人?
はいっ!ほな、どうぞ~~って、そんな勇気いらへんわっ!
なにやら、ドアの前が騒がしくなってきた…。
侍従の方が入ってこられて、「殿下、アブデン公爵令嬢がお目見えになられております」
「えっ?ケイトリンが?」
なんだか、殿下の顔色が悪くなってきたような……。
ドアが開くとそこは?雪國だった…いやいや、どっかのお偉い文豪の方が名作で書かれていたのと違って、
ドアが開くと~、からの~、アブデン嬢が……。
「ご機嫌うるわしゅう、ミカエル様。
ペロン様を呼ばれて、なにやら、楽しそうなことをされているとか?」
ケイトリン嬢、もしやもしや、お手に持ってられるのは、レースの扇でなく、鉄扇?
社交界の麗花と謳われてる御方が、まさかの?
ミカエル殿下、
顔色が、本当に悪うございますよっ?
もう一度言います……。
畳の上での老衰を、希望いたします。
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