地味な俺がなぜに異世界かっ？

目覚めたら四畳半ってオチは、ナシでしょうか？

「それに、わたくしには、すでに将来を誓い合った方が…」

ケイトリン嬢の美しい瞳がこっちを見て…ませんよね～、

そうですよね～？

あはは、オレは、モブです。壁です。


思わず後ろを振り向いて確かめてみると…やっぱり、オレではないと思ったよ～～、恥ずかしいなあ～。

オレの真後ろには、青みがかったプラチナブロンドの侯爵家令息、サイモン殿と

その横には、武闘派、騎士団長令息らしく、ホワイトブロンドにマッチョなアンディ殿がいるではないかっ！

やっぱり？

オレっ、お呼びでないねんっ！

エセ関西弁で、独りボケにツッコミに入れてみました～☆☆


あれれ？なにやらオレの左腕に、白くて美しい手が添えられて……

えっと？この状況は、どうなってるんだ？

ヒールを履いているせいか、平均以下の身長と認めたくないオレの目線より、少し見上げる美女が～～～！

これは、ケイトリン嬢？

しかもっ、見事なお胸が腕に当たってるような、モゴモゴ。

柔らかくて、いい匂いまでしてくる…。


まず、落ち着け自分。

これって、なんのご褒美ですかっ？


振り返ると、後方にいたイケメンズは、さりげなく距離を置いてるではないかっ？！

誰か～！


「ケイトリン、どういうことかな？詳しく聞かせていただこうかな？」

ひ、ヒイッ！

我が国の王太子様が、微笑みながらこちらに近づいてくるのは、気のせいではないですよねっ？


「ふふっ。ミカエル様、わたくし達は、これにて失礼させていただきましょうか」

今まで、遠目でしか見たことがない、絶世の美女の瞳を間近で見たが、こういうのが国宝級っていうんだろうな～って、近い近い、美女に見つめられ、オレの鼻の下って、地にめり込むくらい伸びとんとちゃう？


周りに気づけば、先程までの賑やかさが嘘のような静けさが…


このまま意識を失っても、かまいませんでしょうかっ？



絶世の美女に、引き摺られるように詰めこまれた先は、公爵家の紋章入りのきらびやかな馬車！

只今、信じられないくらいフカフカしたクッションにめり込みつつ、乗り心地を満喫しております。

前世でいうと～、我が男爵家の馬車が、軽四だとすると、こちらは高級車って、とこですかっ？！

いやいや、軽四は、小回りきいて、低燃費でお手頃でっせ～～！


現実逃避しても、目の前で、これまた高級そうな扇子で、口元を押さえてる美女は、消えません……。

「えっと……アブデン嬢、どういうことなのでしょうか？」


「ケイトリンでも、ケイトでも、どちらでもお好きなほうで呼んでくださって、かまいませんですことよ？」


そうだ、これは夢だな？

目が覚めたら四畳半の布団の中とかってオチだよなっ？

きっとそうに違いない！