とある文官のひとりごと

きりか

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とある文官のひとりごと

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世の中ってさ、不条理というかさ、

納得いかないことって、たくさんあると思わないか?


自分でいうのもなんだけど、

可愛いって言われてるけどさ、こう見えても一応

僕って、男なんだよっ!

これってさ、

なんだかなぁ~。


小さい頃からさあ、可愛いって言われまくっていてさ。

ん?今でも十分ちっちゃいって?


そんなことないぞっ!

まだ伸びてるもん!

去年より、5ミリも伸びたんだぞっ!へへっ。


えっ?測るときに背伸びしたんじゃあないのかって?

ぐぬぬぬ。

測るときに、見てたのかよっ?!


コホン。

まあ、いいかな?


僕、ノア・マクシムは、

去年の春、学園を優秀な成績で出て(凄いって?照れるなあ)

王宮か騎士団かで悩んだんだけどさ、

超イケてる軍団として、市井で人気のある騎士団に入団したんだ~。

えへへ、カッコイイかな?


ごめん、見栄を張りました。


正直に言うと、騎士団には、文官として入団したんだ。


武官を目指していたんだけど、試験を受けに行ったら、

文官の試験に回されたんだ……。

なんでかって?

それがさ、それが……身長がさ……。


あっ、そこでハッキリとチビ!って言ったらダメなんだぞ!

くっそー、泣いてなんかないぞ!


まあ、武官になるには、身長がちょっと足らなくてさ。

(ちょっとだよ、ちょっと。そこは割愛だな。)

優秀な僕だから、文官でもいいかな?って

思ってそちらに行った訳よ。うんうん。


率直に言えば、たとえ身長が足りていても、筋肉部隊は無理かな~って、ちょっとは思ったけどさ。体力的にな。

ちょっとだけだぞっ!


でもさ、やっぱ憧れるよなっ!

演習の一般公開のときなんて、

平民や、貴族の綺麗どころから、歓声を浴びてるのってさ、

羨ましいよな?

まあ、なかには野太い声も混ざるが、混ぜるな危険!ってもんでもないしさ。

うちの国は、同性婚も、ありっちゃあ、アリだからな。


同性婚といえば、うちの団長、キラキライケメンなんだけどさ、

文官の新人と、電撃結婚したのには驚いたよ!

だってさ、団長って、公爵家の嫡男だしさ、

昔から、男女問わずにモテまくっていたのに、

アッサリ、クッキリ、振りまくってたんだぜ?


まあ、僕も、団長には憧れていたけど……。

団長ってさ、公爵家嫡男だし、身分違いも甚だはなはだしいしさ……。

うちなんて、貧乏子爵だし…って、最初から諦めてたんだ。

こんなことなら……って、後悔したさ。


だってさ、団長の相手って、男爵家の出だし(でも、身分が上でも、我が子爵家のほうが貧乏)

学園の成績は、僕のほうが上だし(でも、皆の人気はアチラが上)

文官としても、僕のほうが仕事ができるし(やはり、上司に可愛いがられてるのはアチラ…)

身長だって……あっ、身長は、僕のほうが低かった!

どのくらいかって?

ちょっとだけなっ!

これは、本当に、ちょっとだけなんだからなっ!


まあ、いっけどさ。

アイツ、いいヤツだし、団長も幸せそうだしさっ。


僕は、可愛い女の子と結婚して、子沢山になるって夢があるしさ。

子爵っていっても、兄さんが継ぐし、まあ、貧乏だから、継ぐほどのものもないけどさ……悲しいぜ。

貧乏でもいい!って子を募集してるけど、なかなかな……。

貧しくても、可愛い奥さんと、子供達に囲まれたら幸せだろうな…。


可愛い女の子といえば、

この春入団した子なんだけど、なかなか強い武官のエレインって子がいいなって、今、思っているんだけどさ…。

太陽の下で、輝く銀髪に、紫色の瞳!

弓が得意らしく、つい見とれてしまったら、目があってさ!

微笑んでくれるんだよ?

思い切って、ゴハンでも…と、誘いたいんだけど、給料日までピンチだし…。貧乏だしね……。


それに、なんといっても、話しかけようとしたら、

憎き天敵が、いつも邪魔をするんだぜっ!


エレインちゃん(心の中でそう呼んでいる)の兄で、

エレインちゃんと同じ銀髪に紫の瞳だけど、

全然!ち・が・う!

可愛らしさの欠片もないっ!


僕よりたった2才上なだけなのに、

学園の頃から、やたらと

「お前は食べないから、小さくて細いんだ!」って、

食堂で僕を見つけるなり、自分の皿から肉とか、肉とか肉とか?やたらと移してくる悪魔のような奴!

そう、憎っくき天敵!アベル・エメ!


アイツに、こんなキレイな妹がいたなんて、知らなかったし……。

まあ、学園の頃なんて、アベルのことなんて、完全無視だったしな!

アウトオブ眼中?ってカンジだった。



はっ、しまった!

この書類、副団長のサインがまた抜けてる。

副団長って、いい方なんだけど、事務仕事が苦手らしいからな…。


ちょっくら、副団長室に行ってくるなっ!




中庭を囲むような建物は、複雑な作りだけど、やたらと迷子になる奴がそういえばいたな……って、つい、ニヤニヤしながら歩いてたら、

ゲッ、やっべぇ。

噂をすれば、天敵アベル・エメ!!

ここは、熊に遭遇したみたいに、ゆっくりと距離を計りながら後ずさり~かな?


「オイッ、ちょこまかと、何、ひとの顔を見て逃げようとしてんだ?」

「はあ?誰がお前を見て逃げなくちゃあ~、ならないんだ?」


「キャンキャンと吠えるなって。  あいかわらずだな。

しかし、俺に向かってお前呼ばわりなんて…失礼な奴だな……。

一応、俺は、先輩なんだが? 

オイオイ、また小さくなったか?ちゃんとメシ食ってるか?」


「う、うるさいなっ、お前なんて、お前で十分だろっ!細かいことを気にするなんて、器が小さいぞっ!」


「ん?アソコなら小さくないが? なんだったら、見てみるか?ノアだけ特別にだぞ?」


ゲッ、セクハラのパワハラじゃん!


なんでこんな奴が、花形騎士団の部隊長なんだっ!

裕福な伯爵家の出身で、イケメンで、筋肉も程よくついていて、なにより腹立たしいのは、背が高いとこだっ!

なんだバカヤロー!!

高身長でイケメンで、金持ちなんて、滅びろ!!


「んなもん見るかっ!お、お前のブツなんて見ねえよ!!

バカーっ!!爆ぜろ~~~っ!」

ゼイゼイゼイ。


笑いながら、後ろ手を振りながら去っていく姿も、腹ただしいくらいのイケメンぶりだ。


くっそー、からかいやがって~! やっぱり滅びろ!!

後ろ姿に、軽~く、エアー蹴りを、かましてみた。

怖いから、振り返らないと確認してからなっ!


ん?どこからか聞こえてくる?

「クスクスクス」


えっ?と振り返ると、エレインちゃんが!!

笑いながらこちらを見てるではないかっ!チャンスだろ?これ?

神様、ありがとう!!


「兄さんったら、素直でないんだから………。マクシム様でいらっしゃいますか?  

時々お会いいたしますよね?

わたくし、アベル・エメの妹、エレインと申します。兄がいつもご迷惑をおかけいたしまして……。

失礼な兄を、許してくださいませ。」


はい?素直って?

アベル・エメの素直って?

一瞬、理解できなかったよ。


はい、迷惑をかけられてま~す って、言えるハートの持ち主でないんだなコレが。

僕って、チキンハートなもんで……。  


「存じております、エレイン嬢。

エレイン嬢の弓は、本当に素晴らしい!

 来月の一般公開の演習、頑張ってくださいね!」

やっぱり、弓矢でのって参加だよな?

エレイン嬢の、弓って、的の真ん中にスパーンって刺さるから、カッコイイのなんの!見に行きたいなあ~!



「ありがとうございます。マクシム様は、来月の演習に来られますか?」

くう~~!練習の時のキリリとした姿もいいが、マジ可愛いなあ。

もしかして、これって、誘われてるのかな?

えっ?チャンスですかっ?これ?


しっかし、こうやって間近でみると、アベルより瞳の色が薄いんだな~。

アベルの瞳はもっと、濃い紫で、銀髪も、深い銀色で……って、

ゲロゲロ~~~、なぜに今、アベルが出てくるんだっ!

呪いかっ?きっとそうに違いない!うんっ。


「見に行きたいのは、山々なのですが……。いかんせん、仕事でどうなるか…。でも、せっかくですし、仕事の調整をしてみようかと思ってはいます。」

なあんて、デキル男アピールしとこうかな?

今から、サクサク仕事片付けて、来月の演習に、行くぞー!!


「お手隙のときにでも、是非!!兄さまの剣筋、見惚れてしまうほどなんですよ!」

んん?なぜにアベルが??ここに?

待て待て。


「それでは、これにて。失礼いたします。 来月、楽しみにしていてくださいませ。」


啞然あぜんとなってるうちに、エレインちゃんも去っていった。

我に返り、慌てて副団長を捕まえ、書類にサインをもらい、

第1書記室に戻ると、

隣の室の、リュカ君がいて(補足だが、彼は方向音痴で、よく部屋を間違えている)

「ノア先輩、先程、面談室にお客様が来られていましたよ?」

なんでそこが疑問系? おかしくないか?

イヤイヤ、リュカ君は、団長の伴侶。 僕は、長いものには巻かれる主義だよ?


それにしても、誰だろう?

うちの親って、貧乏暇なしで、忙しくしていて、騎士団には来たことないしな……。

それどころか、僕が子供の頃ですら、学園に来たことがないしな。

奨学金制度が無かったら、通えなかったくらいだからなあ…。

自分で言ってて哀しくなってきたぞ。


面談室に来客を待たせているなら…と、慌てて向かうが、そこには目付きの悪い男性が1人。

ん?

「これは、これは、マクシム家のご自慢の御子息様でいらっしゃいますか?花の騎士団に所属されているとは、

いやあ~、流石ですね。」


はっ?いきなりなんなんだ?

「どのような用件でしょうか?」胡散臭い相手に、硬い表情になっても仕方ないよね?


「これは、失礼いたしました。

私、御父上のマクシム子爵と取り引きをさして頂いております、ヒッポ商会のパダム・ヒッポと申します。

まあ、

早い話し、マクシム子爵にお貸しした金額が、積もりにつもりまして……。

どうも子爵は、お支払いができない状態なようで…。

つきましては、御子息様にお願いしたくて、まいりました。」


ナンテコッタ!!!

うちの騎士団は、酒場のツケくらいは、暗黙の了解で大目にみてもらえるが、基本は、借金は厳禁で……。バレたら即クビ!!

もう、どうしたらいいのやら………。


目の前に提示された書類の全てをチェックしてみたが、借用書には、抜けがなく、そして、間違いなく、オヤジのサインが……。


頭が混乱しすぎて、気付けば面談室に、一人取り残されていた。


仕事に戻っても、ミスを連発し、隣室所属の、あのリュカ君にさえ心配される始末…。


上司のススメで早退さしてもらい、数日の休みをいただき、実家に聞いてみようと、乗り合い馬車で帰ったところ……。


ちょっと見ない間に、増々痩せ細った両親に涙ながらに謝られてしまい…… 「大丈夫、こう見えても騎士団所属だし、なんとかするから。」ってしか言えず、

騎士団の宿舎にトンボ返りした。


僕の周りで、お金を立て替えてくれるような金持ちなんて、アベルくらいなもんだよ……なんて、冷静に考えてみたら、アイツに頼める訳ないじゃん。 

僕ってバカだなあ~。なんで、アベルなんかを思い出したんだろう?


それより、来週までには、利息分だけでも払わなくては……。


騎士団に、借金を秘密にしているのと、返済をどうしようかと悩みまくり、眠れない夜が続きまくり、 

ただでさえ食の細い僕は、数日で痩せていってしまった。



「オイッ!ノア。話しがあるんだが?」

アベルだ……。

今は、アベルに会いたくない。

自分がなんだか惨めすぎる。


「アベル…僕は、話したいことなんてないよ。 

悪いけど。」

その場を去ろうとした僕の右腕を、いきなり掴んできて、

「目の下に隈くま作って、ちゃんと食事もとってないだろう?」

「離してくれ……。お前には関係ない。」

「俺は、心配するのも許されないのか?」

アベルの瞳には、傷付いた色が浮かんでいて、なぜだか僕の胸のか奥が傷んだ。

「なあ、もしかして、数日前に…お前を訪ねてきた人が関係あるのか?

俺に話してみないか?力になりたいんだ。お願いだ。」


僕の両肩に手を置き、背中を丸めて僕の顔を覗きのぞきこんで、

心底、心配でならないって風に言われた。

そんな様相のアベルに、精神的に追い詰められていた僕はヤケクソになって、つい、

「先週来たのは、父の作った借金の取り立てさっ。

もう、どうにもならないくらいになっててさ…。

 笑いたければ笑えよ…。

どうせ団に知られたら、僕はクビだし…。 目障りなのがいなくなったら、セイセイするだろう?」

今、鏡で自分の顔が見れたら、さぞかし醜いだろうな……。


自分でも、卑下ひげした笑いを浮かべて言ったんだろう。

みると、アベルの顔色が、朱を捌けたはけたように、サッと紅くなり

「そんなハズがないだろう……? お前のいない日々なんて……。考えたくもない………。」吐きだすように言い、まるで愛おしむように、僕の頬を包み込む。

僕は、アベルの濃い紫の瞳に吸い込まれるように魅入られみいられた。

そして、アベルの顔が近づき、綺麗きれいな顔だなあ~と、見惚れていると、焦点が合わなくなり……。ギュッと目を閉じてしまうと、

あれ?

今、僕の唇にアベルの唇が触れてる??

どうしてだっ??

喰むはむように唇を味わわれ、チュッと音をたて離れていった。

そして、額をコツンとあわせて

「なにも案ずるな……。俺に任せておけ。お前を必ず護るから…。絶対に……。」

あれれ?何気なにげにアベルに抱きしめられてる?

えっ?この状況は、なんですかっ?


身長差のせいか、僕の顔は、アベルの胸に埋もれてる。

硬い筋肉に抱き込まれ、なぜかキュンキュンしてる自分がいてビックリ?

心の片隅にいる冷静な自分が、『オイッ、なにときめいている!あの、アベルだぞっ!』って言っているが、あえてガン無視しちゃいます。

僕の頭や、顔に、キスを何度も落とし、名残惜しげにしながら離れ、最後に、僕の両手を取り、交互に口付けを落とす。

キザな仕草もサマになる。

さすがは、イケメン!!

相手が僕というのが、解せないが…?


そのあと、どうなったかって?

さすがは王家の懐刀ふところがたなと囁かれたささやかれたエメ伯爵家の当主(アベルは、いつの間にか跡取っていた事実!ビックリだよね?)

わずか数日でヒッポ商会を締めあげ、違法な利子を消さして、

元本だけの返済を取付けた。


それでも、なかなかの金額、そうそう返せれない…。

エメ伯爵が代わりに一括返済し、返して行く先が、エメ伯爵に代わっただけなんだけど……。

今までの僕の態度が酷かったひどかったのに、申し訳なさに、これでよかったのか……? と、悩む。


騎士団のほうにも、父が勝手に借用し、僕は一切知らなかったとしてくれていた(まあ、事実だけど?でも、マジにありがたい!)


しかも、父には、新しい職まで紹介してくれていて…。

両親の喜びようをみると、自分の無力さと、アベルに大して申し訳なさすぎて…ジレンマ。

でも、頑張って、ちゃんと返済していくよ?


アベルは、持参金と思えばいいとか、嫁に来たら返さなくていいとか、言うけどね。いやいや。



そのときの僕は、知らなかった……。

翌月の一般公開の演習で、剣技の部門で優勝したアベルに、公開プロポーズを受けて憤死しそうになることを。


それでどう答えたかって?

それは……ね、ご想像におまかせしますっ!






    
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