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第41話 両親との別れ (生後54日目)
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前回のあらすじ
眷属化は保留することにした。さすがに生き方が完全に変わるから、返事はすぐには出来ない。その選択で、余計精霊に気に入られ、助けたこともあってかプレゼントとして首輪を貰った。有希ちゃん達は首輪の機能を見て、凄く気に入ったみたいだけど、俺は知らない。一体何なの?
☆☆☆
翌日、取材攻勢が激しくなることを考慮して記者会見が開かれた。俺は、その記者会見を楓ちゃん達と見ていたが、有希ちゃんは小学生とは思えない程、しっかりとした口調で、警察関係者や工事関係者にお礼を言っていた。その人達の捜索があってこそ、両親は川の深みに車ごと入ってしまったという通常では考えられない仮説を思いつき、懇意にしていた和葉ちゃんや依澄ちゃんが金属探知器を用いて協力してくれたことで、仮説を立証することに成功したことを話していた。記者達は話す内容に皆関心していた。ゴールデンウィークが明けたら、学校で質問攻めになるんじゃないか、心配だな。
司法解剖も終わり、事件性はないことがわかった。今日は取材攻勢で忙しいため、遺体の引き渡しは、明日行われることになった。有希ちゃん達が一息付けたのは、夜20時になってしまった。さて、俺も十分休めたし、遠方憑依をしますか。
☆☆☆
(有希ちゃん、お疲れ様。大変だったね。)
有希ちゃん、和葉ちゃん、依澄ちゃん、さすがに3人とも疲れていた。無理もない。
有希 「ラッキーは、ゆっくり休めたみたいね。」
和葉 「羨ましい。私も、ゆっくり休みたい。」
依澄 「明日からは取材もないだろうし、多少は休めるんじゃないかな?」
こんな時に、あの事を言っていいのだろうか?でもな、言わないと旅館の女将さんも困るだろうから言わないとね。
(あのさ、疲れてるところ悪いんだけど、俺、思い出したんだ。)
有希 「何を思い出したの、ラッキー?」
(掘り起こした物、もう1つあったよね。)
----------しばらく、部屋全体がシーンとなった。始めに話しだしたのは依澄ちゃんだった。
依澄
「は、はは、だ、大丈夫だよ。あんな古い箱だよ。中身だって鉄くずになってるよ。」
和葉 「そ、そうね。ここにきて、また騒がれるのはもう嫌なんだけど。」
有希
「確認するのは明日にしませんか。お祖父様も明日の朝には、こちらに到着しますし。」
みんな、うんざりした顔になってるよ。
(そうだね、最悪、騒がれる前に、この町に寄付しちゃえばいいしね。)
有希・和葉・依澄 「「「それだ!」」」
和葉 「そうよ。ここで掘り起こしたんだから、最悪、この町に寄付しましょう。」
とりあえず、この話は、ここで打ち切りになった。考えたくないんだろう。
--------しばらく、雑談をしていたら扉の音が聞こえた。入ってきたのは、征次郎。さんと明希さんだった。
有希 「お祖父様!」
征次郎
「皆、お疲れ様。明希から話は聞いたよ。かなり大変だったみたいだな。改めて、お礼を言わせて貰おう。ラッキー・和葉・依澄、有希に協力してくれてありがとう。そして有希、頑張ったな!」
征次郎さん、到着は明日と聞いていたけど。
和葉 「征次郎さん、到着が早いですね。明日の朝と聞いていたのですが。」
征次郎
「先方に無理を言ってね。早々に仕事を終わらせて、急いでこちらに来たんだ。さっき、
隆之と茜の遺体を見たよ。安らかな顔をしていたな。」
有希
「お祖父様、眷属化の件ですが申し訳ありません。私が自分のことばかり思っていて、ラッキーの事を考えていませんでした。」
征次郎
「それは仕方あるまい。眷属化に関しては、ラッキーときちんと相談し判断すれば良い。」
有希
「はい、精霊様からプレゼントを貰いましたので、それを利用して2年考えたいと思います。」
ここでプレゼントか。
征次郎
「ふふ、明希から聞いたよ。なかなか面白い物を貰ったな。あれは、ラッキーのためにもなるし、勉強になるだろう。」
(あの首輪に付属されてる機能、一体どういうものなんですか?)
和葉 「それは秘密よ。」
依澄 「そうそう」
(えー、俺だけ!)
その時、部屋の窓から、そよ風が吹いた。そして部屋の雰囲気が変わった。
窓を見ると、有希ちゃんの両親がいた!
有希 「お父様、お母様!」
和葉 「えと、どういうこと?亡くなっているのだから、ゆ、幽霊!」
依澄ちゃんは、口をパクパクとしている。驚きすぎだな。
征次郎 「どうやら間に合ったみたいだな。」
隆之
「はい、ギリギリのところでした。父さん、母さん、有希、ごめんね、先に死んでしまって。そして、有希・和葉・依澄・ラッキー、よく俺達を見つけてくれた。」
茜 「本当にありがとう。有希、頑張ったわね。」
隆之さんは、爽やかなイケメンて感じだ。
茜さんは、有希ちゃんと似てて、大和撫子て感じだな。
そうか、最後の別れを言いに来たんだ。
有希ちゃんが触ろうとしたけど無理だった。
やはり、幽霊だから触れないか。そうだ!俺の力で一時的に実体化出来ないかな。
術名は【実体化】、効果範囲は、この部屋のみ、今の俺の霊力だと10分が限界か、十分だ。
(有希ちゃん、今から隆之さんと茜さんに術をかけるよ。術名は【実体化】、効果時間は10分、少しの間だけど触れ合えるよ。)
皆、びっくりしていた。
有希 「ラッキー、ありがとう。お父様、お母様、う、うぐ、ぐす。」
有希ちゃんは両親に抱きついていった。
俺・和葉ちゃん・依澄ちゃんは、お邪魔だから部屋を出た。
依澄 「もう、ラッキーは、なんでもありだね。」
(そんなことはないよ。今の俺の霊力だと、出来ることは限られるからね。)
和葉
「それでも、凄いわ。幽霊を実体化させるなんてね。10分でも、今の有希にとって十分な時間だわ。」
(俺、有希ちゃんと出会えて良かったよ。今後も護っていきたいね。眷属化は別として。)
依澄 「焦ることはないよ。2年あることだし。」
(うん、あと俺も有希ちゃんの両親の葬式に出れるかな?)
和葉 「さすがに、犬はちょっと無理ね。」
だよな。有希ちゃんに遠方憑依して参加しよう。今頃、楽しんでいるかな、有希ちゃん。
和葉 「そうそう、ラッキーに言いたい事があったのよ。私達を呼び捨てで言いなさい。」
依澄 「私も、それ思った。子供じゃないんだから、呼び捨てで呼んでね。」
(ごめんよ。そんなつもりはなかったんだが気をつけるよ、和葉・依澄)
「「宜しい!」」
有希ちゃんから通信が来た。もう10分経過したのか、早いな。
部屋に戻ると、皆、笑顔で迎えてくれた。
隆之
「ラッキー、有希から色々と聞いたよ。君がいなければ、私達は悪霊になっていただろう。言霊使い、聞いたことはあったが、ここまでの術が使えるとは先が楽しみだ。眷属化については、君自身が有希ときちんと相談して決めればいい。君自身の問題だからね、無理強いはしないよ。」
茜
「ラッキーが人間の男の子で生まれてくれれば、跡取りの心配もなかったんだけど、ちょっと残念ね。」
有希 「お母様、何言ってるの!」
有希ちゃん、顔が赤いぞ。
征次郎 「まあ、有希の結婚は、まだまだ、先の話だ。」
(ですね。俺がしっかりと見極めるので安心して下さい。)
あれ、2人の姿が薄くなってきた。現世に留まる時間の限界がきたのか。
これで本当のお別れだ。
隆之
「ああ、わかった。もう時間みたいだ。父さん、母さん、有希の事、宜しくお願い致します。」
征次郎 「安心しろ。命に代えても護ってやる。」
明希 「あなた達は、安心して天国で見ていてちょうだい。」
茜
「ラッキー・和葉・依澄、有希の事、お願いします。有希、これから色々な経験をするでじょう。別れもあれば、新たな出会いもある。挫けず頑張りなさい。私達は、天国であなたをいつでも見守っているからね。」
有希ちゃん、涙を必死で抑えてるな。最後は笑顔で別れたいんだろ。
和葉と依澄は、涙でボロボロになっている。
有希
「はい、見ていて下さい。陰陽師として、1人の人間として頑張って生きていきます。」
有希ちゃんは、今までにない最高の笑顔だった。
和葉 「有希ちゃんの事は任せて下さい。しっかりとフォローしていきます。」
依澄 「任せて下さい。」
(俺も、有希ちゃんを必ず護ります。まだまだ未熟ですけど、有希ちゃんと協力して、2人で強くなっていきます。)
時間がきたのか、2人の姿が完全に消えてしまった。
有希ちゃんを護るため、俺は、もっと強くなるぞ!
見ていて下さい。
眷属化は保留することにした。さすがに生き方が完全に変わるから、返事はすぐには出来ない。その選択で、余計精霊に気に入られ、助けたこともあってかプレゼントとして首輪を貰った。有希ちゃん達は首輪の機能を見て、凄く気に入ったみたいだけど、俺は知らない。一体何なの?
☆☆☆
翌日、取材攻勢が激しくなることを考慮して記者会見が開かれた。俺は、その記者会見を楓ちゃん達と見ていたが、有希ちゃんは小学生とは思えない程、しっかりとした口調で、警察関係者や工事関係者にお礼を言っていた。その人達の捜索があってこそ、両親は川の深みに車ごと入ってしまったという通常では考えられない仮説を思いつき、懇意にしていた和葉ちゃんや依澄ちゃんが金属探知器を用いて協力してくれたことで、仮説を立証することに成功したことを話していた。記者達は話す内容に皆関心していた。ゴールデンウィークが明けたら、学校で質問攻めになるんじゃないか、心配だな。
司法解剖も終わり、事件性はないことがわかった。今日は取材攻勢で忙しいため、遺体の引き渡しは、明日行われることになった。有希ちゃん達が一息付けたのは、夜20時になってしまった。さて、俺も十分休めたし、遠方憑依をしますか。
☆☆☆
(有希ちゃん、お疲れ様。大変だったね。)
有希ちゃん、和葉ちゃん、依澄ちゃん、さすがに3人とも疲れていた。無理もない。
有希 「ラッキーは、ゆっくり休めたみたいね。」
和葉 「羨ましい。私も、ゆっくり休みたい。」
依澄 「明日からは取材もないだろうし、多少は休めるんじゃないかな?」
こんな時に、あの事を言っていいのだろうか?でもな、言わないと旅館の女将さんも困るだろうから言わないとね。
(あのさ、疲れてるところ悪いんだけど、俺、思い出したんだ。)
有希 「何を思い出したの、ラッキー?」
(掘り起こした物、もう1つあったよね。)
----------しばらく、部屋全体がシーンとなった。始めに話しだしたのは依澄ちゃんだった。
依澄
「は、はは、だ、大丈夫だよ。あんな古い箱だよ。中身だって鉄くずになってるよ。」
和葉 「そ、そうね。ここにきて、また騒がれるのはもう嫌なんだけど。」
有希
「確認するのは明日にしませんか。お祖父様も明日の朝には、こちらに到着しますし。」
みんな、うんざりした顔になってるよ。
(そうだね、最悪、騒がれる前に、この町に寄付しちゃえばいいしね。)
有希・和葉・依澄 「「「それだ!」」」
和葉 「そうよ。ここで掘り起こしたんだから、最悪、この町に寄付しましょう。」
とりあえず、この話は、ここで打ち切りになった。考えたくないんだろう。
--------しばらく、雑談をしていたら扉の音が聞こえた。入ってきたのは、征次郎。さんと明希さんだった。
有希 「お祖父様!」
征次郎
「皆、お疲れ様。明希から話は聞いたよ。かなり大変だったみたいだな。改めて、お礼を言わせて貰おう。ラッキー・和葉・依澄、有希に協力してくれてありがとう。そして有希、頑張ったな!」
征次郎さん、到着は明日と聞いていたけど。
和葉 「征次郎さん、到着が早いですね。明日の朝と聞いていたのですが。」
征次郎
「先方に無理を言ってね。早々に仕事を終わらせて、急いでこちらに来たんだ。さっき、
隆之と茜の遺体を見たよ。安らかな顔をしていたな。」
有希
「お祖父様、眷属化の件ですが申し訳ありません。私が自分のことばかり思っていて、ラッキーの事を考えていませんでした。」
征次郎
「それは仕方あるまい。眷属化に関しては、ラッキーときちんと相談し判断すれば良い。」
有希
「はい、精霊様からプレゼントを貰いましたので、それを利用して2年考えたいと思います。」
ここでプレゼントか。
征次郎
「ふふ、明希から聞いたよ。なかなか面白い物を貰ったな。あれは、ラッキーのためにもなるし、勉強になるだろう。」
(あの首輪に付属されてる機能、一体どういうものなんですか?)
和葉 「それは秘密よ。」
依澄 「そうそう」
(えー、俺だけ!)
その時、部屋の窓から、そよ風が吹いた。そして部屋の雰囲気が変わった。
窓を見ると、有希ちゃんの両親がいた!
有希 「お父様、お母様!」
和葉 「えと、どういうこと?亡くなっているのだから、ゆ、幽霊!」
依澄ちゃんは、口をパクパクとしている。驚きすぎだな。
征次郎 「どうやら間に合ったみたいだな。」
隆之
「はい、ギリギリのところでした。父さん、母さん、有希、ごめんね、先に死んでしまって。そして、有希・和葉・依澄・ラッキー、よく俺達を見つけてくれた。」
茜 「本当にありがとう。有希、頑張ったわね。」
隆之さんは、爽やかなイケメンて感じだ。
茜さんは、有希ちゃんと似てて、大和撫子て感じだな。
そうか、最後の別れを言いに来たんだ。
有希ちゃんが触ろうとしたけど無理だった。
やはり、幽霊だから触れないか。そうだ!俺の力で一時的に実体化出来ないかな。
術名は【実体化】、効果範囲は、この部屋のみ、今の俺の霊力だと10分が限界か、十分だ。
(有希ちゃん、今から隆之さんと茜さんに術をかけるよ。術名は【実体化】、効果時間は10分、少しの間だけど触れ合えるよ。)
皆、びっくりしていた。
有希 「ラッキー、ありがとう。お父様、お母様、う、うぐ、ぐす。」
有希ちゃんは両親に抱きついていった。
俺・和葉ちゃん・依澄ちゃんは、お邪魔だから部屋を出た。
依澄 「もう、ラッキーは、なんでもありだね。」
(そんなことはないよ。今の俺の霊力だと、出来ることは限られるからね。)
和葉
「それでも、凄いわ。幽霊を実体化させるなんてね。10分でも、今の有希にとって十分な時間だわ。」
(俺、有希ちゃんと出会えて良かったよ。今後も護っていきたいね。眷属化は別として。)
依澄 「焦ることはないよ。2年あることだし。」
(うん、あと俺も有希ちゃんの両親の葬式に出れるかな?)
和葉 「さすがに、犬はちょっと無理ね。」
だよな。有希ちゃんに遠方憑依して参加しよう。今頃、楽しんでいるかな、有希ちゃん。
和葉 「そうそう、ラッキーに言いたい事があったのよ。私達を呼び捨てで言いなさい。」
依澄 「私も、それ思った。子供じゃないんだから、呼び捨てで呼んでね。」
(ごめんよ。そんなつもりはなかったんだが気をつけるよ、和葉・依澄)
「「宜しい!」」
有希ちゃんから通信が来た。もう10分経過したのか、早いな。
部屋に戻ると、皆、笑顔で迎えてくれた。
隆之
「ラッキー、有希から色々と聞いたよ。君がいなければ、私達は悪霊になっていただろう。言霊使い、聞いたことはあったが、ここまでの術が使えるとは先が楽しみだ。眷属化については、君自身が有希ときちんと相談して決めればいい。君自身の問題だからね、無理強いはしないよ。」
茜
「ラッキーが人間の男の子で生まれてくれれば、跡取りの心配もなかったんだけど、ちょっと残念ね。」
有希 「お母様、何言ってるの!」
有希ちゃん、顔が赤いぞ。
征次郎 「まあ、有希の結婚は、まだまだ、先の話だ。」
(ですね。俺がしっかりと見極めるので安心して下さい。)
あれ、2人の姿が薄くなってきた。現世に留まる時間の限界がきたのか。
これで本当のお別れだ。
隆之
「ああ、わかった。もう時間みたいだ。父さん、母さん、有希の事、宜しくお願い致します。」
征次郎 「安心しろ。命に代えても護ってやる。」
明希 「あなた達は、安心して天国で見ていてちょうだい。」
茜
「ラッキー・和葉・依澄、有希の事、お願いします。有希、これから色々な経験をするでじょう。別れもあれば、新たな出会いもある。挫けず頑張りなさい。私達は、天国であなたをいつでも見守っているからね。」
有希ちゃん、涙を必死で抑えてるな。最後は笑顔で別れたいんだろ。
和葉と依澄は、涙でボロボロになっている。
有希
「はい、見ていて下さい。陰陽師として、1人の人間として頑張って生きていきます。」
有希ちゃんは、今までにない最高の笑顔だった。
和葉 「有希ちゃんの事は任せて下さい。しっかりとフォローしていきます。」
依澄 「任せて下さい。」
(俺も、有希ちゃんを必ず護ります。まだまだ未熟ですけど、有希ちゃんと協力して、2人で強くなっていきます。)
時間がきたのか、2人の姿が完全に消えてしまった。
有希ちゃんを護るため、俺は、もっと強くなるぞ!
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