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第33話 仮説を立証するには?(生後51日目)
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前回のあらすじ
色々な鳥達と話しましたが、手掛かりを得ることは出来ませんでした。しかし、最後のチゴハヤブサさんと話したことで、ある1つの仮説が生まれました。あとは、その仮説を立証すればいいのですが------。
☆☆☆
今は、夜20時、夕食を食べ、皆んなと遊びまくり、大分、俺の精神も落ち着いた。さて、2人に今日あったことを話さないとね。有希ちゃんに遠方念話で連絡したところ、どうやら明希さんと有希ちゃんは、夕食も食べ終わって、部屋でくつろいでいるらしい。許可をもらい、有希ちゃんに遠方憑依し、鳥達から聞いたことを2人に話した。
(すいません。有力な手掛かりというものは得られませんでした。)
有希ちゃんを見ると、残念そうな顔をしていた。ごめんよ。
「ラッキー、ありがとう。色々な鳥達に聞いてくれたのね。」
「ラッキー、こんなに動いてくれてありがとう。お祖母様、少し気分を落ち着けたいので、お風呂に入ってきます。」
そう言うと、有希ちゃんは落ち込んだ表情のまま、お風呂に入りに行った。
「さて有希はいなくなったわ。手掛かりはなかったけど、あなた自身思うところがあったんでしょう。話してちょうだい。」
(やはり、わかりますか。確かに手掛かりは見つかりませんでしたが、俺なりに仮説を立てることができました。ただし、この仮説が成り立つ可能性は、ほぼゼロです。それでも聞きますか。)
「ええ、勿論よ。今は、どんなことでも聞きたいわ。」
俺は、鳥達から聞いたことをまとめた結果、ある1つの仮説に辿り着いた。その内容を聞いた明希さんは、予想以上に驚いていた。
「そんな仮説、よく思い付いたわね。確かに可能性は殆どないわね。でも、警察・鳥達の話を総合するとありうるわ。」
(この仮説、有希ちゃんに言った方がいいでしょうか?)
「あら、ラッキー、自信がないの?」
(いえ、自信はあります!ただ、-----)
「ふふ、あなたは優しいわね。有希なら大丈夫よ、信じなさい。そして、自分が言ったことに自信を持ちなさい。」
そうだな。曖昧な言い方をしても、有希ちゃんを不安にさせるだけだ。自信を持って有希ちゃんに言おう!
(わかりました!自信を持って、有希ちゃんに言います!)
-----30分後、有希ちゃんが戻って来た。
「さて、ラッキー、隠している事、言う気になってくれた?」
「ふふ、有希にはわかってたみたいね。ラッキーが隠し事をしているのを。」
「はい、だから私がお風呂に入ってる間に、気分転換してくれたらと思って。」
ぐ、わかってたのかよ。
(うう、ごめんよ。ちょっと、自分の仮説に自信が持てなくてさ。明希さんに意見を貰っていたんだ。)
「仕方ないわね。これからは隠し事はしないでね。」
(はい、わかりました)
俺は、さっきの仮説を自信をもって、有希ちゃんに話した。
「なるほどね。確かに通常ならあり得ないわね。」
(ああ、でも、警察や工事関係者が土砂を取り除き、捜索しても見つからないこと、チゴハヤブサが教えてくれた川底の深みのことを考えると、それしか考えられない。ただ、------)
「そうね、土砂崩れで、川が長さ約60m程埋まってしまった。今は除去されて流れも戻っている。そこから川底の土をさらに除去しないといけない。」
(そう、川底を闇雲に掘っても、車を見つけるのに相当な労力と時間を要する。)
「じゃあ、どうするの?何か手はあるの?」
(ある!海底探査用の金属探知器を使う。これは、海外のトレージャーハンターが海底にある沈没船の宝石を探索するのによく使われている物なんだ。)
「海底用の金属探知器、よく思いついたわね。でも、それをどうやって調達するの?」
(ふふふ、こんな時にこそ、和葉ちゃん達の力を借りるのさ。山路財閥なら、高性能な金属探知器なんて、簡単に手に入るはずだ。)
「呆れた。そこは、私達を頼りなさいよ。」
(何言ってるんだ。南条家より山路財閥の方が人脈もある。言葉は悪いけど、利用できる者は何でも利用すべきだ。和葉ちゃん達だって、カイが持つ念話・索敵を利用して、家のセキュリティを高めているだろ。せっかく、友達にもなれたんだ。使わない手はない。)
「う、その通りなんだけど、ラッキーがそんな事を言うとは思わなかったわ。」
(ふ、俺も色々な経験をしたからね。大人の世界はそんなものだよ。でも、和葉ちゃん・依澄ちゃんが、大切な友達なのは本当だよ。)
「そうね、大切なお友達ね。わかったわ、早速連絡しましょう。」
そう言って、有希ちゃんがスマホで和葉ちゃんに電話した。
明希さんは、そんな俺と有希ちゃんを微笑ましい表情で見ていた。
(ラッキー、あなたが居てくれて、本当に良かったわ。あなたと有希には、絆が生まれつつあるわね。)
(絆ですか?)
(ええ、陰陽師にとって、絆はとても大切なことなのよ。今は、深く考える必要はないわ。)
絆か。いいね、俺は有希ちゃんを守りたいし、なにより彼女の笑顔が見たい。
これからも、もっともっと頑張って、絆を深めたいな。
--------和葉ちゃんとの電話が終わり、有希ちゃんは一息ついた。
(有希ちゃん、和葉ちゃんはなんて言ってたの?)
「明日朝一で、業者に連絡して金属探知機2台を購入する手筈になったわ。それで、和葉さんと依澄さんも、購入後すぐにこちらに来てくれることになったわ。」
(え、2人とも来てくれるの?それに金属探知機2台を購入!ちなみに、代金は?)
まさか、俺が払うてことはないよね?
「安心して。和葉さんと依澄さんが自腹で買ってくれるそうよ。」
マジですか!
「ラッキーには、誘拐事件で命を助けて貰ったから、ここで少しでも恩を返したいんですって。」
ありがたい!でも、防水された金属探知機て、いくらするんだ?
後で、俺からもお礼を言っておこう。
「明日から忙しくなるわよ、ラッキー。必ず、お父様とお母様を見つけ出すわ。」
(ああ、必ず見つけ出そう!!!)
色々な鳥達と話しましたが、手掛かりを得ることは出来ませんでした。しかし、最後のチゴハヤブサさんと話したことで、ある1つの仮説が生まれました。あとは、その仮説を立証すればいいのですが------。
☆☆☆
今は、夜20時、夕食を食べ、皆んなと遊びまくり、大分、俺の精神も落ち着いた。さて、2人に今日あったことを話さないとね。有希ちゃんに遠方念話で連絡したところ、どうやら明希さんと有希ちゃんは、夕食も食べ終わって、部屋でくつろいでいるらしい。許可をもらい、有希ちゃんに遠方憑依し、鳥達から聞いたことを2人に話した。
(すいません。有力な手掛かりというものは得られませんでした。)
有希ちゃんを見ると、残念そうな顔をしていた。ごめんよ。
「ラッキー、ありがとう。色々な鳥達に聞いてくれたのね。」
「ラッキー、こんなに動いてくれてありがとう。お祖母様、少し気分を落ち着けたいので、お風呂に入ってきます。」
そう言うと、有希ちゃんは落ち込んだ表情のまま、お風呂に入りに行った。
「さて有希はいなくなったわ。手掛かりはなかったけど、あなた自身思うところがあったんでしょう。話してちょうだい。」
(やはり、わかりますか。確かに手掛かりは見つかりませんでしたが、俺なりに仮説を立てることができました。ただし、この仮説が成り立つ可能性は、ほぼゼロです。それでも聞きますか。)
「ええ、勿論よ。今は、どんなことでも聞きたいわ。」
俺は、鳥達から聞いたことをまとめた結果、ある1つの仮説に辿り着いた。その内容を聞いた明希さんは、予想以上に驚いていた。
「そんな仮説、よく思い付いたわね。確かに可能性は殆どないわね。でも、警察・鳥達の話を総合するとありうるわ。」
(この仮説、有希ちゃんに言った方がいいでしょうか?)
「あら、ラッキー、自信がないの?」
(いえ、自信はあります!ただ、-----)
「ふふ、あなたは優しいわね。有希なら大丈夫よ、信じなさい。そして、自分が言ったことに自信を持ちなさい。」
そうだな。曖昧な言い方をしても、有希ちゃんを不安にさせるだけだ。自信を持って有希ちゃんに言おう!
(わかりました!自信を持って、有希ちゃんに言います!)
-----30分後、有希ちゃんが戻って来た。
「さて、ラッキー、隠している事、言う気になってくれた?」
「ふふ、有希にはわかってたみたいね。ラッキーが隠し事をしているのを。」
「はい、だから私がお風呂に入ってる間に、気分転換してくれたらと思って。」
ぐ、わかってたのかよ。
(うう、ごめんよ。ちょっと、自分の仮説に自信が持てなくてさ。明希さんに意見を貰っていたんだ。)
「仕方ないわね。これからは隠し事はしないでね。」
(はい、わかりました)
俺は、さっきの仮説を自信をもって、有希ちゃんに話した。
「なるほどね。確かに通常ならあり得ないわね。」
(ああ、でも、警察や工事関係者が土砂を取り除き、捜索しても見つからないこと、チゴハヤブサが教えてくれた川底の深みのことを考えると、それしか考えられない。ただ、------)
「そうね、土砂崩れで、川が長さ約60m程埋まってしまった。今は除去されて流れも戻っている。そこから川底の土をさらに除去しないといけない。」
(そう、川底を闇雲に掘っても、車を見つけるのに相当な労力と時間を要する。)
「じゃあ、どうするの?何か手はあるの?」
(ある!海底探査用の金属探知器を使う。これは、海外のトレージャーハンターが海底にある沈没船の宝石を探索するのによく使われている物なんだ。)
「海底用の金属探知器、よく思いついたわね。でも、それをどうやって調達するの?」
(ふふふ、こんな時にこそ、和葉ちゃん達の力を借りるのさ。山路財閥なら、高性能な金属探知器なんて、簡単に手に入るはずだ。)
「呆れた。そこは、私達を頼りなさいよ。」
(何言ってるんだ。南条家より山路財閥の方が人脈もある。言葉は悪いけど、利用できる者は何でも利用すべきだ。和葉ちゃん達だって、カイが持つ念話・索敵を利用して、家のセキュリティを高めているだろ。せっかく、友達にもなれたんだ。使わない手はない。)
「う、その通りなんだけど、ラッキーがそんな事を言うとは思わなかったわ。」
(ふ、俺も色々な経験をしたからね。大人の世界はそんなものだよ。でも、和葉ちゃん・依澄ちゃんが、大切な友達なのは本当だよ。)
「そうね、大切なお友達ね。わかったわ、早速連絡しましょう。」
そう言って、有希ちゃんがスマホで和葉ちゃんに電話した。
明希さんは、そんな俺と有希ちゃんを微笑ましい表情で見ていた。
(ラッキー、あなたが居てくれて、本当に良かったわ。あなたと有希には、絆が生まれつつあるわね。)
(絆ですか?)
(ええ、陰陽師にとって、絆はとても大切なことなのよ。今は、深く考える必要はないわ。)
絆か。いいね、俺は有希ちゃんを守りたいし、なにより彼女の笑顔が見たい。
これからも、もっともっと頑張って、絆を深めたいな。
--------和葉ちゃんとの電話が終わり、有希ちゃんは一息ついた。
(有希ちゃん、和葉ちゃんはなんて言ってたの?)
「明日朝一で、業者に連絡して金属探知機2台を購入する手筈になったわ。それで、和葉さんと依澄さんも、購入後すぐにこちらに来てくれることになったわ。」
(え、2人とも来てくれるの?それに金属探知機2台を購入!ちなみに、代金は?)
まさか、俺が払うてことはないよね?
「安心して。和葉さんと依澄さんが自腹で買ってくれるそうよ。」
マジですか!
「ラッキーには、誘拐事件で命を助けて貰ったから、ここで少しでも恩を返したいんですって。」
ありがたい!でも、防水された金属探知機て、いくらするんだ?
後で、俺からもお礼を言っておこう。
「明日から忙しくなるわよ、ラッキー。必ず、お父様とお母様を見つけ出すわ。」
(ああ、必ず見つけ出そう!!!)
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