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第25話 カイ・ランド・タロウの新たな飼い主決定
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前回のあらすじ
和葉ちゃん、依澄ちゃんが無事家に帰ってこれました。でも、俺の知らないところで、色々と動いているみたいです。
☆☆☆
あー、よく寝た。昨日は朝から大変だったからな。あ、楓ちゃんも今起きたみたいだ。
「みんな、おはよう」
「「「ワンワン」」」 訳『楓ちゃん、おはよう』
『アリー母さん、レオ、リルも日本語、大分理解出来てるんじゃないか。』
レオ『兄ちゃんのおかげだよ。簡単な言葉なら分かるようになったんだ。』
リル『私もだよ。』
『ラッキーのおかげで、私も大分理解できるようになったわ。おかげで、散歩する時が楽しみなのよ。』
レオ『母さん、いいなー。僕も早く公園とかに行って走り回りたいよ。』
リル『うん、あと2ヶ月も待たないといけないんでしょ。長いよ~。』
2匹の気持ちもわかる。俺は遠方憑依のおかげで間接的に散歩しているけど、やっぱり自分の身体を動かしたいよ。
『レオ・リル、散歩は、必ずしも良いことばかりだとはいえないんだぞ。』
リル『どういうこと?』
『本に書いてあったんだが、散歩する時はいくつか注意点があるんだ。』
1) 飼い主より前に行ってはいけない。必ず少し後方にいて、飼い主のペースに合わせる。守らないと、自分が怪我をする可能性あり!
2) 道路に出る時は要注意。ペースを守らず、急に飛び出すと車に轢かれて死亡する。
3) 公園デビューの時は、色々な犬がいるから必ず挨拶をして接していくこと。無闇やたらに近づくと、引かれて友達になってくれない。
レオ・リル『えー、お母さん、本当?』
『本当よ。ペースを守らない犬は、他の犬達から行儀が悪いと判断されて敬遠されるかもしれない。』
レオ『わかった、気をつけるよ。色々あるんだね。』
なんか、このほのぼのとした会話、久しぶりな気がする。というか、一昨日と昨日が異常なんだよ。「殺す」とか「奪う」とか殺伐とした会話ばっかりだったからな。でも、今日の昼には和葉ちゃん達に連絡しないと、カイ・ランド・タロウのことがあるからね。昼までは、このほのぼのとした会話を楽しもう。
☆☆☆
さて、お昼ご飯も食べたし一眠りしますか(見た目だけ)。まずは和葉ちゃんに念話だ。
(和葉ちゃん、聞こえますかラッキーです。応答をお願いします。)
(ラッキー、待ってたわ。隣に依澄もいるから繋いでくれない。)
(わかった、依澄ちゃん、聞こえますか。)
(えー、聞こえるよ、ラッキー、やっと普通に話せるね。)
(これまでが異常な雰囲気での話だったからね。せっかくだし、どちらかに遠方憑依していいかな?)
2人とも驚いてたけど、和葉ちゃんから許可を貰えた。
(和葉ちゃん、どうかな?もう、憑依してるんだけど?)
(なんかわかるわ。自分の中に、もう1人別の誰か、この場合ラッキーなのね。不思議な感覚だわ!)
(姉さん、いいなー。ラッキー、次は私にもやってみてね。)
(わかったよ。次、連絡する時は依澄ちゃんに遠方憑依するね。周りに誰も居ないみたいだし、普通に声を出しても大丈夫だよ。)
「あ、そうね。これまで周りが動物やら警察やら色々居たから、つい心の中で話してしまうわね。そういえば、依澄は怖くないの?幽霊苦手でしょ。」
「ラッキーは幽霊じゃないから大丈夫!」
なんだ、依澄ちゃん、幽霊苦手なんだ。話をする時は気をつけよう。それにしても、部屋が広い!ここが和葉ちゃんの部屋なのか、凄く豪華だ。なんか、西洋の人形も置いてあるし、見事な洋室だ。
(ここは和葉ちゃんの部屋なの?凄く広いんだけど。)
「ええ、そうよ。私達が住んでいる屋敷自体が凄く大きいから、カイ・ランド・タロウの3頭が来ても全く問題にならないわ。基本、犬達は防犯のため、外で放し飼いにしているわ。カイ達が来てくれたら、他の犬ともコミニュケーションがとれるし、ストレスも最小限に抑えれるでしょう。勿論、来てもらうからには、こちらの躾けに従ってもらいますけどね。」
(それが聞けて良かった。カイ達も喜ぶよ。いつ連れてきていいかな?)
「そうね、私達も学校があるから、2日後の夕方17時なら大丈夫よ。それまでに、準備を整えておくわ。」
(わかった、カイ達に伝えておくよ。)
よし、カイ達の飼い主決定だな。ふと、依澄ちゃんを見ると、何か考え込んでいるな。
(依澄ちゃん、どうしたの?)
「ねえ、ラッキーは生後1ヶ月なんだよね。新しい飼い主は見つかったの?」
あ、俺の心配をしてくれてるのか。ちゃんと言っておかないとな。
(大丈夫、見つかってるよ。今のご主人、楓ちゃんの友達で南条有希ちゃんていう子が、俺の新しい飼い主なんだ。2ヶ月後には、そっちに引っ越す予定だよ。)
あれ、どうしたんだ、依澄ちゃん?なんか凄い驚いてるんだけど?
「姉さん、南条有希ちゃんて、もしかして陰陽師の---。」
え、陰陽師!もしかして2人とも知ってるのか!
「ラッキー確認だけど、陰陽師の南条有希ちゃんで間違いないわよね?」
(うん、そうだけど、2人とも有希ちゃんのこと、知ってるの?)
「知ってるわよ。初めて会ったのは5年前のパーティーなんだけど、南条家は陰陽師として、とても格式の高い家なのよ。私達、財閥関係でも、とてもお世話になっているわ。昨日、話していた時に有希ちゃんて言葉を聞いたから、もしかしてとは思ったけど。」
なにー、マジか!そんなに有名だったのか。
(あ、あの、ひょっとして、今回のこと、もう話してたりするのかな?)
や、やばい。目立つようなことはするなて言われてるんだよな。
ドキドキしながら、和葉ちゃんの返事を待った。
「私からは話していないわ。これから話すところだったんだけど、まずいの?」
なんか微妙な言い方だな。
(あまり目立つようなことをしては駄目て言われてるんだ。出来れば、内緒にしてほしいんだけど無理だよね。)
すると、依澄ちゃんが手を合わせて俺に謝った。
「ごめんなさい。もう、両親に誘拐事件の?莖末を全部話したから、昨日のうちに電話で伝わってるんじゃないかな。」
なにー、最悪だ!
「ラッキーごめんね。南条家は山路財閥と懇意の関係にあるから、確実に伝わってると思う。」
(うおー、最悪だ。有希ちゃんに、また叱られる。)
「これは興味本位での質問だけど、これまでに何やったの?」
依澄ちゃん、顔が凄いウキウキしてるんだけど、面白がってるよね。
(今のご主人の楓ちゃんに各科目の勉強を教えたり、新人の獣医の先生が霊力に目覚めてたから念話を教えた。)
2人とも絶句した。
和葉ちゃんがなんとか立ち直り、俺に質問してきた。
「ちょっと待って。後半はまだいいとして、前半はおかしいよね!算数とかできるの?あと、あまりに自然で気づくの遅れたけど、なんで日本語理解できるの?」
(あ、そういえば言ってなかったね。和葉と依澄は信用出来るから話すよ。驚くと思うけど、俺、前世の記憶があるんだ。当時、大学2年だったから、小学校の算数なんて余裕だよ。と言っても、念話で話すのはまずいかなと思ったから、計算間違いしてたら足を噛んだり、寝そうになったらくすぐったりした程度だよ。この程度なら大丈夫だよね、ね、依澄ちゃん。)
あれ、依澄ちゃんが溜息をついてるぞ。
「ラッキー、十分駄目だよ。まだ、頻繁にやってないから大丈夫だろうけど、いくらなんでも目立つよ。ていうか前世の記憶があるの!」
「そうよ、ラッキー、前世の記憶を全部覚えてるの?」
(うん、ばっちり覚えてるよ。これは、有希ちゃんも知ってるよ。)
依澄ちゃん、和葉ちゃんが納得してくれたようだ。
「なるほど、納得したわ、ラッキー。記憶があるから、日本語を理解できるのね。姉さんはどう?」
「ええ、これで色々と納得できたわ。でも、私達にそんな大事な事、話していいの?話した途端、嫌われる可能性もあるのよ。」
(言ったろ。君達は信用出来ると思ったから話した。もし、それで嫌われたら、それは仕方ない事さ。こんな特殊な犬、普通いないからね。依澄ちゃんはどう思った?)
「そうだね、もし普通に出会っていたら、気持ち悪いて言うかもしれない。でも、誘拐事件もあって、ラッキーを信用しているから絶対に嫌ったりしないわ。」
「私も同じ気持ちね。普通に出会っていたら、まず間違いなく嫌悪感を出して軽くあしらったでしょうね。そもそも、前世の記憶に関係なく、得体が知れなかったわ。でも、依澄同様、誘拐事件の事を機に信用出来ると思ったからこそ、遠方憑依を許可したんだしね。」
(そう言ってくれると嬉しいよ。)
「でも、ラッキー、警察から犯人達の末路を聞いたけど、やりすぎなのでは?」
(何を言ってるんだ、和葉ちゃん!あいつらは自業自得だよ。)
「でも、有希ちゃんからは、間違いなくお叱りがくるわね。」
(う、仕方ない、覚悟を決めるよ。)
「姉さん、さすがに可哀想だよ。」
「ふふ、そうね、ラッキー達は私達の命の恩人なんだから。私と依澄でフォローしてあげるわ。」
(ありがとう!和葉ちゃん、依澄ちゃん~~~!)
この際、有希ちゃんにばれるのは、仕方ないか。
まあ、カイ・ランド・タロウの新たな飼い主が決まったから、良しとしよう。
会話を楽しんでいる時に、ドアのノックが聞こえた。
「失礼します。和葉お嬢様、依澄お嬢様、南条家の方々が来られ、今、リビングでお待ち頂いています。」
え、今なんて言った?
和葉ちゃん、依澄ちゃんが無事家に帰ってこれました。でも、俺の知らないところで、色々と動いているみたいです。
☆☆☆
あー、よく寝た。昨日は朝から大変だったからな。あ、楓ちゃんも今起きたみたいだ。
「みんな、おはよう」
「「「ワンワン」」」 訳『楓ちゃん、おはよう』
『アリー母さん、レオ、リルも日本語、大分理解出来てるんじゃないか。』
レオ『兄ちゃんのおかげだよ。簡単な言葉なら分かるようになったんだ。』
リル『私もだよ。』
『ラッキーのおかげで、私も大分理解できるようになったわ。おかげで、散歩する時が楽しみなのよ。』
レオ『母さん、いいなー。僕も早く公園とかに行って走り回りたいよ。』
リル『うん、あと2ヶ月も待たないといけないんでしょ。長いよ~。』
2匹の気持ちもわかる。俺は遠方憑依のおかげで間接的に散歩しているけど、やっぱり自分の身体を動かしたいよ。
『レオ・リル、散歩は、必ずしも良いことばかりだとはいえないんだぞ。』
リル『どういうこと?』
『本に書いてあったんだが、散歩する時はいくつか注意点があるんだ。』
1) 飼い主より前に行ってはいけない。必ず少し後方にいて、飼い主のペースに合わせる。守らないと、自分が怪我をする可能性あり!
2) 道路に出る時は要注意。ペースを守らず、急に飛び出すと車に轢かれて死亡する。
3) 公園デビューの時は、色々な犬がいるから必ず挨拶をして接していくこと。無闇やたらに近づくと、引かれて友達になってくれない。
レオ・リル『えー、お母さん、本当?』
『本当よ。ペースを守らない犬は、他の犬達から行儀が悪いと判断されて敬遠されるかもしれない。』
レオ『わかった、気をつけるよ。色々あるんだね。』
なんか、このほのぼのとした会話、久しぶりな気がする。というか、一昨日と昨日が異常なんだよ。「殺す」とか「奪う」とか殺伐とした会話ばっかりだったからな。でも、今日の昼には和葉ちゃん達に連絡しないと、カイ・ランド・タロウのことがあるからね。昼までは、このほのぼのとした会話を楽しもう。
☆☆☆
さて、お昼ご飯も食べたし一眠りしますか(見た目だけ)。まずは和葉ちゃんに念話だ。
(和葉ちゃん、聞こえますかラッキーです。応答をお願いします。)
(ラッキー、待ってたわ。隣に依澄もいるから繋いでくれない。)
(わかった、依澄ちゃん、聞こえますか。)
(えー、聞こえるよ、ラッキー、やっと普通に話せるね。)
(これまでが異常な雰囲気での話だったからね。せっかくだし、どちらかに遠方憑依していいかな?)
2人とも驚いてたけど、和葉ちゃんから許可を貰えた。
(和葉ちゃん、どうかな?もう、憑依してるんだけど?)
(なんかわかるわ。自分の中に、もう1人別の誰か、この場合ラッキーなのね。不思議な感覚だわ!)
(姉さん、いいなー。ラッキー、次は私にもやってみてね。)
(わかったよ。次、連絡する時は依澄ちゃんに遠方憑依するね。周りに誰も居ないみたいだし、普通に声を出しても大丈夫だよ。)
「あ、そうね。これまで周りが動物やら警察やら色々居たから、つい心の中で話してしまうわね。そういえば、依澄は怖くないの?幽霊苦手でしょ。」
「ラッキーは幽霊じゃないから大丈夫!」
なんだ、依澄ちゃん、幽霊苦手なんだ。話をする時は気をつけよう。それにしても、部屋が広い!ここが和葉ちゃんの部屋なのか、凄く豪華だ。なんか、西洋の人形も置いてあるし、見事な洋室だ。
(ここは和葉ちゃんの部屋なの?凄く広いんだけど。)
「ええ、そうよ。私達が住んでいる屋敷自体が凄く大きいから、カイ・ランド・タロウの3頭が来ても全く問題にならないわ。基本、犬達は防犯のため、外で放し飼いにしているわ。カイ達が来てくれたら、他の犬ともコミニュケーションがとれるし、ストレスも最小限に抑えれるでしょう。勿論、来てもらうからには、こちらの躾けに従ってもらいますけどね。」
(それが聞けて良かった。カイ達も喜ぶよ。いつ連れてきていいかな?)
「そうね、私達も学校があるから、2日後の夕方17時なら大丈夫よ。それまでに、準備を整えておくわ。」
(わかった、カイ達に伝えておくよ。)
よし、カイ達の飼い主決定だな。ふと、依澄ちゃんを見ると、何か考え込んでいるな。
(依澄ちゃん、どうしたの?)
「ねえ、ラッキーは生後1ヶ月なんだよね。新しい飼い主は見つかったの?」
あ、俺の心配をしてくれてるのか。ちゃんと言っておかないとな。
(大丈夫、見つかってるよ。今のご主人、楓ちゃんの友達で南条有希ちゃんていう子が、俺の新しい飼い主なんだ。2ヶ月後には、そっちに引っ越す予定だよ。)
あれ、どうしたんだ、依澄ちゃん?なんか凄い驚いてるんだけど?
「姉さん、南条有希ちゃんて、もしかして陰陽師の---。」
え、陰陽師!もしかして2人とも知ってるのか!
「ラッキー確認だけど、陰陽師の南条有希ちゃんで間違いないわよね?」
(うん、そうだけど、2人とも有希ちゃんのこと、知ってるの?)
「知ってるわよ。初めて会ったのは5年前のパーティーなんだけど、南条家は陰陽師として、とても格式の高い家なのよ。私達、財閥関係でも、とてもお世話になっているわ。昨日、話していた時に有希ちゃんて言葉を聞いたから、もしかしてとは思ったけど。」
なにー、マジか!そんなに有名だったのか。
(あ、あの、ひょっとして、今回のこと、もう話してたりするのかな?)
や、やばい。目立つようなことはするなて言われてるんだよな。
ドキドキしながら、和葉ちゃんの返事を待った。
「私からは話していないわ。これから話すところだったんだけど、まずいの?」
なんか微妙な言い方だな。
(あまり目立つようなことをしては駄目て言われてるんだ。出来れば、内緒にしてほしいんだけど無理だよね。)
すると、依澄ちゃんが手を合わせて俺に謝った。
「ごめんなさい。もう、両親に誘拐事件の?莖末を全部話したから、昨日のうちに電話で伝わってるんじゃないかな。」
なにー、最悪だ!
「ラッキーごめんね。南条家は山路財閥と懇意の関係にあるから、確実に伝わってると思う。」
(うおー、最悪だ。有希ちゃんに、また叱られる。)
「これは興味本位での質問だけど、これまでに何やったの?」
依澄ちゃん、顔が凄いウキウキしてるんだけど、面白がってるよね。
(今のご主人の楓ちゃんに各科目の勉強を教えたり、新人の獣医の先生が霊力に目覚めてたから念話を教えた。)
2人とも絶句した。
和葉ちゃんがなんとか立ち直り、俺に質問してきた。
「ちょっと待って。後半はまだいいとして、前半はおかしいよね!算数とかできるの?あと、あまりに自然で気づくの遅れたけど、なんで日本語理解できるの?」
(あ、そういえば言ってなかったね。和葉と依澄は信用出来るから話すよ。驚くと思うけど、俺、前世の記憶があるんだ。当時、大学2年だったから、小学校の算数なんて余裕だよ。と言っても、念話で話すのはまずいかなと思ったから、計算間違いしてたら足を噛んだり、寝そうになったらくすぐったりした程度だよ。この程度なら大丈夫だよね、ね、依澄ちゃん。)
あれ、依澄ちゃんが溜息をついてるぞ。
「ラッキー、十分駄目だよ。まだ、頻繁にやってないから大丈夫だろうけど、いくらなんでも目立つよ。ていうか前世の記憶があるの!」
「そうよ、ラッキー、前世の記憶を全部覚えてるの?」
(うん、ばっちり覚えてるよ。これは、有希ちゃんも知ってるよ。)
依澄ちゃん、和葉ちゃんが納得してくれたようだ。
「なるほど、納得したわ、ラッキー。記憶があるから、日本語を理解できるのね。姉さんはどう?」
「ええ、これで色々と納得できたわ。でも、私達にそんな大事な事、話していいの?話した途端、嫌われる可能性もあるのよ。」
(言ったろ。君達は信用出来ると思ったから話した。もし、それで嫌われたら、それは仕方ない事さ。こんな特殊な犬、普通いないからね。依澄ちゃんはどう思った?)
「そうだね、もし普通に出会っていたら、気持ち悪いて言うかもしれない。でも、誘拐事件もあって、ラッキーを信用しているから絶対に嫌ったりしないわ。」
「私も同じ気持ちね。普通に出会っていたら、まず間違いなく嫌悪感を出して軽くあしらったでしょうね。そもそも、前世の記憶に関係なく、得体が知れなかったわ。でも、依澄同様、誘拐事件の事を機に信用出来ると思ったからこそ、遠方憑依を許可したんだしね。」
(そう言ってくれると嬉しいよ。)
「でも、ラッキー、警察から犯人達の末路を聞いたけど、やりすぎなのでは?」
(何を言ってるんだ、和葉ちゃん!あいつらは自業自得だよ。)
「でも、有希ちゃんからは、間違いなくお叱りがくるわね。」
(う、仕方ない、覚悟を決めるよ。)
「姉さん、さすがに可哀想だよ。」
「ふふ、そうね、ラッキー達は私達の命の恩人なんだから。私と依澄でフォローしてあげるわ。」
(ありがとう!和葉ちゃん、依澄ちゃん~~~!)
この際、有希ちゃんにばれるのは、仕方ないか。
まあ、カイ・ランド・タロウの新たな飼い主が決まったから、良しとしよう。
会話を楽しんでいる時に、ドアのノックが聞こえた。
「失礼します。和葉お嬢様、依澄お嬢様、南条家の方々が来られ、今、リビングでお待ち頂いています。」
え、今なんて言った?
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