転生犬は陰陽師となって人間を助けます!

犬社護

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第6話 幽霊に遭いました-1 (生後1ヶ月)

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前回のあらすじ
ついに耳が聞こえ、会話ができるようになりました。しかも、犬や人間関係なく、全部日本語で聞こえます!

☆☆☆

高梨家の朝は早い。午前6時、桜さんがリビングに入ってきて朝食を作り始めた。ちなみに、俺達のご飯は母さんのミルクだ。ペットフードに切り替わるのはいつなのだろうか?

お、直哉さんもリビングに入ってきたな。最近の日課は、直哉さんの太ももの上に乗って、一緒に新聞を読むことだ。本当に読んでるとは、誰も思ってないだろうけど。

「ワウーン」   訳『乗せて』

「お、またお前か。あー、わかった。ほら。」

「ワン」  訳『やった、ありがとう』

お、今日の新聞はどんな内容かな~~。
ふー、新聞のいろんな面を読んだおかげで、ここ最近の時事関係に強くなったぞ!
昔も今も、政治家はみんな同じような感じだてことはわかった。

テーブルの上に置いてあるのは、広告かな。これも、あとで読もう。
色々と情報収集できたのはいいけど、凄い不満がある。

それは、娯楽がないことだ。楓ちゃんが見るアニメもいいけど、できればマンガや小説を読みたい。こればっかりは、新聞では駄目だな。

楓ちゃんの部屋に行けば、見れるんだろうけど2階だからな。
あ、直哉さんの朝食ができたみたいだ。

「ご飯を食べるからケージに戻すぞ。」

「ワン」   訳『ありがとう』

「それにしても、アリーの子供達は賢いな。もう、「お座り」や「伏せ」「待て」を覚えたんだよな。」

「そうなのよ。おしっこやウンチもきちんとシートの上でやってくれるのよ。こんなに楽でいいのかしら。友達は、はじめの数ヶ月は物凄く大変よて言ってたから。」

「そうだよな。アリーの時も大変だったしな。俺達以外の誰かが躾けてくれてるのかな?」

「まっさかー」

ふふふ、俺が教えているんだよ。犬同士、言葉が通じるからな。

  アリー母さんも疑問に思ってたんだよな。だから、散歩でみんないなかった時に、俺が躾けたこと、人間の言葉が理解できること、人間の常識をある程度知っていることを言ったら、凄いびっくりして褒めてくれたな。それ以降、アリー母さんやレオ・リルに人間の言葉や常識を教えている。言葉に関しては、直哉さん達家族団欒の話し合いを俺が翻訳して伝えてるだけなんだけど。アリー母さん達にとっては、それでも勉強になるらしい。

ただ、犬だから、日本語を完全にマスターさせるのは無理だ。何より、日本語話せないからね。だから、会話に時折出てくる車、テレビ、学校、会社などの固有名詞を教えている。

「それじゃあ、仕事に行ってくるよ。」

「ええ、いってらっしゃい。」

主婦も大変だな。この後は、楓ちゃんの準備だ。
お、入れ替わりで、起きてきたか。

「ファ~~、お母さん、おはよう。」

「楓、おはよう、朝ご飯出来てるわよ。」

「は~い」
うん、いつもの日常だな。さて、俺はもうひと眠りしよう。

☆☆☆

あれ、桜さんがいない。アリー母さんはいるから買い物に行ってるのか?
その時、俺は何か妙な気配がすることに気づいた。それに、部屋周辺の温度が少し下がってるぞ。

なんだ、この感じ。気配のする方向を向くと、そこには知らないお爺さんがいた。しかも、身体が半分透けてるんですけど!

全体的に細めで、眼鏡を掛けてて、古風な雰囲気を持ってるな。それでいて紳士て感じかする。年は、80代かな?アリー母さん達は気づいてないのか。

『母さん、テーブルに知らないお爺さんがいるよ。』

『どうしたの?そんな人いないわよ。』
『兄ちゃん、誰もいないよ。』

『えー、見えてないのか?』
とりあえず、話しかけてみるか。

すると、お爺さんの方がこちらに話しかけてきた。

「ほう、お前は私の姿が見えているのか?完全に気配を消したと思っていたが。」

うー焦るな。とりあえず、冷静になって、まずは

「ワンワン」   訳『貴方は誰ですか?』

「すまんな。幽霊でも、さすがに犬の言葉はわからんよ。ただ、お主から、強い霊力を感じるな。もしかしたら、」

やっぱり幽霊かー。はじめて見たよ!!!
不思議な言葉を聞いたな。霊力てなんだ?

(これならどうかな?聞こえて理解できていたら、ワンを2回言ってほしい。)

えー、何か頭に響いてきたぞ!とりあえず、
「ワンワン」

(おー、理解できてるようじゃな。安心しろ、私は桜の曽祖父で高梨明利という。ほれ、そこに写真立てがあるだろ。ちょっと待っとれよ、見せてやろう。)

え、え、写真立てが浮いてるんですけど!明利さんが指を写真立てに向けて、ちょっと動かしただけだぞ。これが、俗に言うポルターガイストてやつか。
写真を見てみると、確かに楓ちゃん、桜さん、直哉さん、明利さんだ。日付は、今から7年前か。

(信用してもらえたかな。)

ワンじゃ、わかりにくいから、頷いておいた。

(力も強いし、賢い犬だな。これは、探す手間がはぶけたな、ふふふ。)

探すて、なんのことだ。
まあ、いいや。それより、この力は何ですか。頭に直接響くんですけど。

(これは、念話というものじゃ。人や動物それぞれ異なる波長をしておるからな。それを霊力で合わせ、より精密な制御ができれば様々な動物と話すことも可能だ。もちろん、教えれば、ラッキーも使用することができるぞ。ふふ、時々、覗いていたからな。アリーやレオ、リルのことも知っておるよ。)

そうなんだ。それより念話だ、是非教えてくれー。人間や動物と会話がしたいー。

(わかりやすいのー。それだけ尻尾を振ってるところをみると、念話を教えてほしいてことかの。)

「ワンワン」

そう、是非教えて下さい。お願いします。
俺なりに、土下座のポーズをとりながら、必死に首を動かした。
明利さんから見たら、ただ伏せをして、首を振ってるだけに見えるだろうけど。

(わはは!面白い犬だな。良かろう、教えてあげよう。まず、己の中にある力を感じとるんだ。精神を集中して、自分の中を探ってみろ。)

むむ、自分の中の力を感じろか。どこかのマンガに似てるな。やってみるか。
目を閉じ、先程感じたものを自分の中にあるか探してみた。
うーーん、これかな。おへその辺りに温かいものを感じるぞ。

(お主、筋がいいな。もう感じとったのか。普通は不信感などの雑念で、感じ取るだけでも、かなり時間がかかるのだが、それだけ純粋ということか。次は、その力を身体全体に循環させるんじゃ。とりあえず、そこでストップじゃ。まずは、身体に力を慣れさせること。、また夜に来るからな。)


あ、消えちゃったよ。本当に幽霊なんだな。
とりあえず、練習あるのみか。身体全体に循環か。血液をイメージしてみるか。
お、少しずつだけど、動いてきたぞ。

よし、今日から練習していくぞ!!!
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