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第一章 姪との出会い
12話 力の開眼
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《異物》…魔術言語の残滓、痕跡、欠片とでも言いましょうか?
ジェイクと呼ばれた若い魔術師が胸元から小さい箱を取り出し、そこから《異物》を皆の死角となる位置に仕込んだのですが、その行為に誰一人気づいていません。この者は、犯人と繋がっているかもしれませんね。
さて、どう対処しましょう?
今の私は《浮遊霊》ではなく《精霊》…だと思いますが、精霊魔法なんて知りません。しかし、人に対して不可視となっている以上、もしかしたら精神干渉系の魔術に似た魔法を使えるかも知れません。私自身使用したことはありませんが、知識だけはあります。
私なりの手順で、ダメ元でやってみましょう。
隊長たちに知られる前に動かなければ!!
「隊…」
彼が言い出す前に、私は彼の脳となる位置に自分の右手を静かに入れ、彼の身体にほんの少し魔力を流し込みました。自分自身の正体が確定されていない以上、やり過ぎる行為だけは注意ですね。さて、互いの魔力を強引に繋げましたから、私の念話が通じるはずです。
『初めに言っておきます。これは念話ですので、あなたもそれを承知の上で私と話をするように』
周囲には王族貴族が勢揃いしていますから、この方も迂闊に行動を起こせないでしょう。
『あなたは…誰だ?』
あら、どう言うわけか、この方は小刻みに震えているわ。
『そのまま作業を続けなさい。私は、ただの浮遊霊ですわ。あなた、今皆の死角となる位置に異物を仕込みましたね?』
彼の口から、ヒュッと音が鳴りました。
『い…え…』
『言い訳しないでもらえます? 私自身がこの目で見ていましたから。正直に答えて頂ければ、私からは何もしません。何が目的ですか?』
ジェイクの顔色が少しずつ悪くなってきてますね。もしかしたら、負荷が脳にかかっているのかもしれません。魔力の出力をもう少し抑えましょう。
『それは…頼む、見逃してくれ!! 俺は、ただ指示されたことを実行しただけなんだ』
『誰からの指示ですか?』
『わからない。妻子を誘拐され人質にされてしまい、脅迫状に記載された指示に従うしかなかった。本当だ、信じてくれ!!』
嘘を言っている感じではありませんわね。この人にとっては気の毒なことですが、何が起きるのかわからない以上、私も容赦しませんわ。
『あの異物を指摘したことで、誰が被害を被るのですか?』
『それは…わからない。脅迫状には、《お前の妻子は預かった。返してほしければ、この魔力の残滓を陣の中に残せ》としか書かれていなかった。俺は、チェルシー嬢が《鳥類》の魔術言語について指摘するしないに関係なく、頃合いを見計らい、これを実行するつもりだった』
嘘を言っているような感じはしませんわね。
誘拐犯も、自分に繋がる内容を残しませんよね。
ニーナの行動を省みると、彼女が最も疑わしいです。あの卑しい笑みが、何よりの証拠ですわ。ただ、私の見た限り、あの異物に残っている魔力の性質と一致する者は、この場にはおりません。魔術師が発見し解析することで、最終的に誰に行き着くのでしょう?
それを知りたい自分もいますが、生前の私のように全てが手遅れとなってからでは意味がありません。それならば一層の事、あの魔力の残滓とやらをニーナのものと入れ替えてみましょうか?
先程陣を解析して以降、理由は不明ですが、この位置からでも自分の魔力を使用することなく、魔術陣を見ただけで瞬時に解析できるようになっていますし、多分ここからでも陣そのものを弄ることが可能なはずです。
何故か、《できる》と思ってしまうのです。(強調)
そして時間の経過とともに、私の中にある力がどんどん目覚め始めているのがわかります。このまま何もしなければ、相手の思惑通りに、事が進む。それだけは避けねばなりません。犯人が誰を標的として行動しているのかわかりませんが、ここは魔力の残滓と一致する人物をニーナへ変更させましょう。今私にできることは、不安要素を除去することです。
私の力を【異物】のみに集中させて……そこにあの異物と同等のものを作成し、手掛かりとなる魔力の欠片そのものをニーナのものにしてから、陣内にあるものと入れ替える!! 魔力そのものは、そこに本人がいるのだから気付かれぬよう、そっと貰えばいいわね。不可視の状態で作成していますから、誰にも気付かれていないようです。
『よし…いきなさい!!』
不可視の塊が陣内に飛び込み、異物を弾き飛ばし、私の制作した異物がそこに配置されました。弾き飛んだ異物を保存しておきたいところですが、今の時点でその術を知らないので、そのまま放置ですわね。時間の経過とともに、自然分解していくでしょう。
『馬鹿な‼︎ 異物が入れ替わった!?』
どうして、こんな力が私に備わっているのか不明ですが、今は盛大に利用しましょう。
『あなたにも見えるよう調整しましたわ』
呆然と異物が配置されている場所を見つめるジェイク、隊長がそれに気づいたのか声を掛けてきました。
「ジェイク、そこに何かあるのか?」
『あなたは、指示された通りに動けばいい。あなたの目的も達成されますから、妻子も無事に戻ってくるでしょう』
『恩に着る…ありがとう』
「隊長、先程の鳥類の刻まれた魔術言語の位置から正反対の位置に、僅かながら違和感を感じます。恐らく、手掛かりかと」
これでいいですわ。
《魔力》と《指紋》は個人特定に欠かせない存在ですから、カーディナル王国では生まれてすぐにこの二つを検査し、国に登録しなければなりません。そのため、事件が発生しても、どちらか一つを手掛かりとして入手していれば、犯人を絞り込むことが可能となります。
今回の場合、解析すればニーナの魔力が検出され、彼女は私と同じように犯人として疑われる。ただ、私と違って、そこ以降証拠が捏造されることもありませんから、治安部隊や魔術師たちは、《犯人がエクスランデ公爵家と王家の力を削ぐために実行したもの》と関連づけるかもしれません。
そうなったら、ニーナもすぐに解放されるでしょう。
○○○
魔術師たちが手掛かりを見つけると、それはすぐに陣から抽出され秘匿箱へと入れられました。この箱は魔力で練られた魔術言語を一切分解させずに保存できる代物で、使用している材質の影響もあって、外部から一切干渉されることもありません。魔術師たちはアルの命令で、急ぎ王城内にある研究室へと向かい、解析作業へと入るようです。
状況がやっと落ち着いてきたので、私がチェルシーとクリスティーのもとへ行こうと翡翠の間へ入ると、二人が遠ざかる魔術師たちを見つめており、私がチェルシーに声をかけると、彼女が小声で話しかけてきました。
「ルーテ、手掛かりが見つかったのはいいけど、私が冤罪を被せられるとかないよね?」
「大丈夫です。もし何者かがあなたに冤罪を被せようとするのなら、私がそいつらを叩き潰します!!」
姪にまで、私と同じ悲劇に遭わせてたまるものですか!!
たとえ相手がエクランデ公爵家であったとしても、容赦なく叩き潰しますわ!!
今の私なら物理的な意味合いで、それが可能な気がします。
「「ひ!?」」
「あら、二人共顔色が悪いですよ?」
そういえば、周囲の貴族たちも何故かキョロキョロと周囲を見渡していますね。
「よくわからないけど、何故か全身から寒気を感じたの。クリスティーは?」
「私も同じ、ルーテの言葉と同時に、背中に悪寒が走ったわ」
もしかして私の感情が昂ったせいで、目覚めつつある謎の力が瞬間的に漏れたのかもしれませんね。まずは、この力を制御させることが急務のようです。
アルの方も落ち着いたのか、庭園から翡翠の間へ入ってきました。
「たった今、魔術陣から手掛かりを押収した。私は立志の儀を汚した犯人を絶対に許さん!! 相手が、誰であろうともだ!! 私は全てを疑い、公平に判断するつもりだ。故に、今から一人一人尋問を開始する!! そこで怪しい動きをした者は、その場で捕縛し、嫌疑が晴れるまで隔離させてもらう。尋問を終えたものから帰るといい!!」
招待者の数は百人を超えています。
魔術師たちが分担して、尋問を開始していくのでしょう。
アルの気概が本物であることを理解したのか、貴族たちは誰一人文句を言いません。一部の者は、ニーナ・エクスランデに気づかれぬよう、彼女を睨みつけています。肝心のニーナに至っては、扇子で口元を隠しているようですが、明らかにほくそ笑んでいますね。目が笑っていますもの。
あなたのその余裕が、どこまで持つのか見ものですわ。
ジェイクと呼ばれた若い魔術師が胸元から小さい箱を取り出し、そこから《異物》を皆の死角となる位置に仕込んだのですが、その行為に誰一人気づいていません。この者は、犯人と繋がっているかもしれませんね。
さて、どう対処しましょう?
今の私は《浮遊霊》ではなく《精霊》…だと思いますが、精霊魔法なんて知りません。しかし、人に対して不可視となっている以上、もしかしたら精神干渉系の魔術に似た魔法を使えるかも知れません。私自身使用したことはありませんが、知識だけはあります。
私なりの手順で、ダメ元でやってみましょう。
隊長たちに知られる前に動かなければ!!
「隊…」
彼が言い出す前に、私は彼の脳となる位置に自分の右手を静かに入れ、彼の身体にほんの少し魔力を流し込みました。自分自身の正体が確定されていない以上、やり過ぎる行為だけは注意ですね。さて、互いの魔力を強引に繋げましたから、私の念話が通じるはずです。
『初めに言っておきます。これは念話ですので、あなたもそれを承知の上で私と話をするように』
周囲には王族貴族が勢揃いしていますから、この方も迂闊に行動を起こせないでしょう。
『あなたは…誰だ?』
あら、どう言うわけか、この方は小刻みに震えているわ。
『そのまま作業を続けなさい。私は、ただの浮遊霊ですわ。あなた、今皆の死角となる位置に異物を仕込みましたね?』
彼の口から、ヒュッと音が鳴りました。
『い…え…』
『言い訳しないでもらえます? 私自身がこの目で見ていましたから。正直に答えて頂ければ、私からは何もしません。何が目的ですか?』
ジェイクの顔色が少しずつ悪くなってきてますね。もしかしたら、負荷が脳にかかっているのかもしれません。魔力の出力をもう少し抑えましょう。
『それは…頼む、見逃してくれ!! 俺は、ただ指示されたことを実行しただけなんだ』
『誰からの指示ですか?』
『わからない。妻子を誘拐され人質にされてしまい、脅迫状に記載された指示に従うしかなかった。本当だ、信じてくれ!!』
嘘を言っている感じではありませんわね。この人にとっては気の毒なことですが、何が起きるのかわからない以上、私も容赦しませんわ。
『あの異物を指摘したことで、誰が被害を被るのですか?』
『それは…わからない。脅迫状には、《お前の妻子は預かった。返してほしければ、この魔力の残滓を陣の中に残せ》としか書かれていなかった。俺は、チェルシー嬢が《鳥類》の魔術言語について指摘するしないに関係なく、頃合いを見計らい、これを実行するつもりだった』
嘘を言っているような感じはしませんわね。
誘拐犯も、自分に繋がる内容を残しませんよね。
ニーナの行動を省みると、彼女が最も疑わしいです。あの卑しい笑みが、何よりの証拠ですわ。ただ、私の見た限り、あの異物に残っている魔力の性質と一致する者は、この場にはおりません。魔術師が発見し解析することで、最終的に誰に行き着くのでしょう?
それを知りたい自分もいますが、生前の私のように全てが手遅れとなってからでは意味がありません。それならば一層の事、あの魔力の残滓とやらをニーナのものと入れ替えてみましょうか?
先程陣を解析して以降、理由は不明ですが、この位置からでも自分の魔力を使用することなく、魔術陣を見ただけで瞬時に解析できるようになっていますし、多分ここからでも陣そのものを弄ることが可能なはずです。
何故か、《できる》と思ってしまうのです。(強調)
そして時間の経過とともに、私の中にある力がどんどん目覚め始めているのがわかります。このまま何もしなければ、相手の思惑通りに、事が進む。それだけは避けねばなりません。犯人が誰を標的として行動しているのかわかりませんが、ここは魔力の残滓と一致する人物をニーナへ変更させましょう。今私にできることは、不安要素を除去することです。
私の力を【異物】のみに集中させて……そこにあの異物と同等のものを作成し、手掛かりとなる魔力の欠片そのものをニーナのものにしてから、陣内にあるものと入れ替える!! 魔力そのものは、そこに本人がいるのだから気付かれぬよう、そっと貰えばいいわね。不可視の状態で作成していますから、誰にも気付かれていないようです。
『よし…いきなさい!!』
不可視の塊が陣内に飛び込み、異物を弾き飛ばし、私の制作した異物がそこに配置されました。弾き飛んだ異物を保存しておきたいところですが、今の時点でその術を知らないので、そのまま放置ですわね。時間の経過とともに、自然分解していくでしょう。
『馬鹿な‼︎ 異物が入れ替わった!?』
どうして、こんな力が私に備わっているのか不明ですが、今は盛大に利用しましょう。
『あなたにも見えるよう調整しましたわ』
呆然と異物が配置されている場所を見つめるジェイク、隊長がそれに気づいたのか声を掛けてきました。
「ジェイク、そこに何かあるのか?」
『あなたは、指示された通りに動けばいい。あなたの目的も達成されますから、妻子も無事に戻ってくるでしょう』
『恩に着る…ありがとう』
「隊長、先程の鳥類の刻まれた魔術言語の位置から正反対の位置に、僅かながら違和感を感じます。恐らく、手掛かりかと」
これでいいですわ。
《魔力》と《指紋》は個人特定に欠かせない存在ですから、カーディナル王国では生まれてすぐにこの二つを検査し、国に登録しなければなりません。そのため、事件が発生しても、どちらか一つを手掛かりとして入手していれば、犯人を絞り込むことが可能となります。
今回の場合、解析すればニーナの魔力が検出され、彼女は私と同じように犯人として疑われる。ただ、私と違って、そこ以降証拠が捏造されることもありませんから、治安部隊や魔術師たちは、《犯人がエクスランデ公爵家と王家の力を削ぐために実行したもの》と関連づけるかもしれません。
そうなったら、ニーナもすぐに解放されるでしょう。
○○○
魔術師たちが手掛かりを見つけると、それはすぐに陣から抽出され秘匿箱へと入れられました。この箱は魔力で練られた魔術言語を一切分解させずに保存できる代物で、使用している材質の影響もあって、外部から一切干渉されることもありません。魔術師たちはアルの命令で、急ぎ王城内にある研究室へと向かい、解析作業へと入るようです。
状況がやっと落ち着いてきたので、私がチェルシーとクリスティーのもとへ行こうと翡翠の間へ入ると、二人が遠ざかる魔術師たちを見つめており、私がチェルシーに声をかけると、彼女が小声で話しかけてきました。
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「大丈夫です。もし何者かがあなたに冤罪を被せようとするのなら、私がそいつらを叩き潰します!!」
姪にまで、私と同じ悲劇に遭わせてたまるものですか!!
たとえ相手がエクランデ公爵家であったとしても、容赦なく叩き潰しますわ!!
今の私なら物理的な意味合いで、それが可能な気がします。
「「ひ!?」」
「あら、二人共顔色が悪いですよ?」
そういえば、周囲の貴族たちも何故かキョロキョロと周囲を見渡していますね。
「よくわからないけど、何故か全身から寒気を感じたの。クリスティーは?」
「私も同じ、ルーテの言葉と同時に、背中に悪寒が走ったわ」
もしかして私の感情が昂ったせいで、目覚めつつある謎の力が瞬間的に漏れたのかもしれませんね。まずは、この力を制御させることが急務のようです。
アルの方も落ち着いたのか、庭園から翡翠の間へ入ってきました。
「たった今、魔術陣から手掛かりを押収した。私は立志の儀を汚した犯人を絶対に許さん!! 相手が、誰であろうともだ!! 私は全てを疑い、公平に判断するつもりだ。故に、今から一人一人尋問を開始する!! そこで怪しい動きをした者は、その場で捕縛し、嫌疑が晴れるまで隔離させてもらう。尋問を終えたものから帰るといい!!」
招待者の数は百人を超えています。
魔術師たちが分担して、尋問を開始していくのでしょう。
アルの気概が本物であることを理解したのか、貴族たちは誰一人文句を言いません。一部の者は、ニーナ・エクスランデに気づかれぬよう、彼女を睨みつけています。肝心のニーナに至っては、扇子で口元を隠しているようですが、明らかにほくそ笑んでいますね。目が笑っていますもの。
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