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最終章 邪王討伐編
最終話 次の目的地は日本です!
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ここは、テルミア王国王都入口から少し離れた位置にある森の中だ。私、サリア、テイル、春人、美香、夕実、真也君、義輝君がいる。アイリス達は、シルフィーユ王都で留守番だ。
私と春人君は分身体を作り、皆に見せた。
「分身だけあって、2人と全く同じだな」
「義輝君、分身が稼働していないからといって、あまりジロジロと見てはダメですよ」
「おっと、夕実の言う通りか」
うんうん、見た目は全く問題ないわね。
「それじゃあ、今からデータを加えて稼働させるわね。春人、やり方は大丈夫?」
「ああ、昨日の夜に教えてもらったから問題ない」
「おお、おお、見せつけてくれるわね。茜も春人と呼んでいるし、恋人通り越して、新婚夫婦みたいよ」
「な、なに言ってるのよ!と、とにかく始めるわよ!」
分身体のステータスを100万にセットし、魔力を充填だ。以前は運の数値があったけど、あまり意味がないので排除した。
「----よし、終わったわ」
「こちらも終わったぞ」
さて、上手く動いてくれるかな?
私と春人の分身体が目を開き、手足を動かしているわ。
《うん、全然問題ないな。本体、大丈夫だ、ステータスも100万になってる》
《こちらも問題ないわ。分身と本体の会話は、変な感じね》
《本当だな。違和感ありまくりだ》
うーん、全く同じ事を考えているわ。
「よし、これで大丈夫だ。分身、地球の事を頼んだぞ。それだけのステータスがあれば、なんでも出来るだろうからな」
《程々にしておくよ。地球でやらかしたら、全世界から注目を浴びるからな。まあ、銃弾が飛んで来ても軽くかわせるけどな》
「おいおい、それだけで十分やらかしてるぞ」
《あはは、確かに!》
なんなの、息が合いまくっているわ。本人同士なんだから当たり前か。
「私の分身もやらかさないようにね。料理を作っても、スフィアタリアみたいに夢中にならないでしょう?」
《地球で普段から作っているし問題ないわ。あれから2ヶ月くらい経過しているから、父さん達も心配しているわね。早く安心させてあげないとね》
うんうん、全く同じ考えだ。
「美香、春人同士、茜同士が話し合ってますよ。奇妙な光景ですね、一応本体の春人君と茜は、ここでお別れなんですよね?」
「うん、そうなんだけど、違和感ありまくりね。茜、春人」
「《なんだ?》」 「《なに?》」
「「「「うわあ!」」」」
「全く同じタイミングで、言葉が返ってきた!」
《真也、当たり前だろ。俺達は、一心同体だからな》
今からお別れなんだけど、そんな雰囲気には見えないわね。
「あーーもういい!分身も本体と繋がっているのなら、お別れじゃないわね。本体の茜と春人、スフィアタリアの事は分身から聞いておくから、あなた達は上手くやりなさないよ!」
「ええ、スフィアタリアの事は、私達に任せなさい。地球に帰ったら、美香達も騒がれるから注意してね」
「そうだぞ。先生以外のクラス全員が行方不明になって、今でも警察が捜査しているかもしれない。それが前触れもなく、突然教室に帰って来るんだから、確実に騒がれるぞ」
その通りだ。まあ、数週間は大変だろうね。私達は、スフィアタリアから見ておくね。
「そこなんだよな。どう説明すりゃあ良いんだよ?異世界に行ってましたと言っても、誰も信じないぞ?一層の事、俺達が魔法でもぶっ放すか?」
「真也君、そんな事したら、もっと騒がれますよ!全員が行方不明の間の記憶を喪失しているという事にしておくのが、一番無難です」
まあ、それが無難ね。魔法を公表なんかしたら、トンデモナイ騒ぎになるわ。
《なんか無難だけど、面白くないな。とりあえず、警察にそう言った後、ほとぼりが冷めたら、俺達6人がテレビでいう???レンジャーを作って、この平和を乱すものに天誅を与えるっていうのはどうかな?名前が薬物戦隊ドーピングレンジャーとかやったら面白そうだろ?》
「あはは、それ面白そうだな。もう、この世界でもドーピング勇者になったから、地球でドーピング呼ばわりされても問題ないよな~」
-----春人の分身と本体が、熱く語りあっているわね。
「「「「「問題あるに決まってるだろ!!!」」」」」
「春人、地球でドーピングレンジャーなんか結成して、多くの人々を救ってみろ。子供達全員がドーピングして、俺達は悪人のレッテルを貼られるぞ!」
「《あはは、義輝すまん、冗談だよ》」
本当にやらないでよ。スフィアタリアだから、ドーピング呼ばわりされても問題ないんだからね。
「美香、夕実、真也君、義輝君、ここでお別れよ。昨日話した通り、クラスメイト達には女神サーシャと清水茜は別人という事にしておいてね」
そう、昨日の夜、私達は私の救出方法と邪王の討伐方法について話し合った。辻褄が合うように話を作るのは、結構大変だったわね。【邪族から人間に戻す治療方法は見つからなかったものの、新たに降り立った女神サーシャと知り合った事で、彼女が私を春人達の元へ転移させ、瞬時に人間に戻してくれた】という設定にした。その後、女神サーシャのもと、ドーピングで強くなり、邪王を一撃で撃破したという事にしておいた。後半は嘘を付いていない。ドーピング勇者とドーピング聖女が広まっている時点で、嘘を付けれないからね。
「ええ、わかったわ。昨日の話通り、みんなに話しておくわ。----なんか変な感じだけど、-----じゃあね、バイバイ」
「本体の方の茜とは、これでお別れです。春人君と仲良く暮らしてね。分身がいるせいか、涙が出ません。でも、-----これだけは言っておきます。----さようなら」
真也君や義輝君も春人の本体にお別れを言っているようだ。4人とも泣いてないや。正確な別れとはいえないからね。
「美香、向こうで良い相手を見つけなさいよ。夕実には真也君がいるから大丈夫ね」
昨日、夕実が真也君と正式に付き合うことを告白してくれた。夕実と真也君なら、お似合いのカップルかな。
「わかってるわ。良い男を見つけてみせる!」
《本体、地球での俺達の生き様を見ていてくれ!》
「ああ、バッチリ見ておいてやる!」
「分身、みんながやらかさないように見張っておいてね」
《ええ、こっちでは私達がやらかしたけど、地球では春人達がやらかしそうだからね。きちんと見張っておくわ》
こうして、分身を含めたメンバー達はテルミア王国王都へと帰って行った。
「なんか、変な別れ方でしたね」
「こういう時って、お互い大泣きして抱き合うところじゃないの?」
「テイル、サリア、仕方ないでしょう?ここで私達と別れても、すぐそばに私達の分身がいるんだもの。やろうと思えば、今でも情報を共有出来るからね。お別れとは、少し違うわ。私だって、地球に転移可能だしね」
「茜は、つくづく神という存在になったな」
「強さで現すと、サリア様が中級神、ハルト様が上級神、サーシャ様が創造神になるんですかね?」
「ちょっとテイル、なんで私が中級神なのよ!」
「え~、だってサリア様も、レベルアップはしましたけど、それでも3000万前後ですよね?ハルト様は1億だし、サーシャ様は10億ですよ?」
「-----改めて、数値で言われると納得してしまうわ。もっと強くなって、せめてハルトと同じ強さになってやる!」
うーん、神をランク付けしたら、本当にそうなるわね。
「今日の夜にでも、テルミア王国の国王に通信して、国王のみに会いに行きましょう。謝罪も兼ねて、召喚魔法陣に魔力を充填しておかないとね」
「もう土下座は、嫌だからね!」
「もちろん、やらないわよ」
神になったんだから、土下座ばかりしたら、威厳が無くなるわ。
○○○
2日後、私達はシルフィーユ王国ハイエルフの王宮の謁見の間にいた。ここにいるメンバーは、佐江さん・努さん・私・アイリス・ジン・リッカ・サリア・テイルの8名だ。そして現在、セキュリティーバードを経由して、テルミア王国王城の地下では、クラスメイト達の地球への送還儀式が行われているところである。
「ねえ、魔法使い達が詠唱しているけど意味ないでしょ?2日前の夜、サーシャが魔力を充填したんだから、ささっと送還すれば良いじゃない?」
「サリア様、何事にも順序というものがあるんです。いきなり送還して【さようなら】では、雰囲気ぶち壊しですよ。あれは、まあ儀式みたいなものと思った方が良いです。ああやる事で、《この詠唱が終われば送還なんだ》と両者に思わせるんですよ。その後、お姫様がハルト様に告白して振られるパターンですね」
「ふーん、儀式ね。面倒くさいことをするわね」
テイルは想像力が豊かね。
「テイル、昨日の夜、お姫様は春人に振られたわよ」
「え、告白してたんですか!ああ~、そのシーンを見たかった!」
---これで地球に帰れるのね。ここまでの期間があっという間だった。長い様で短い期間だったな。
分身がみんなと再会した時、金子組の連中が何か言ってくるかなと思ってたけど、以外にもこれまでの行いを謝罪してきたのは驚いたわ。なんでもBクラスダンジョンで、1度死にかけたらしい。邪族が金子組の記憶を覗き、幻覚攻撃を行なったそうだ。邪族が私に見える様な幻覚を金子組に与え、偽物の私がこれまでの鬱憤を言いながら、金子組の奴らをボコボコにしたらしい。全滅かというところで、冒険者が助けてくれたそうだ。この時、精神的に追い詰められたせいもあって、自分達がこれまで私に行ってきた事をその冒険者達に暴露したらしい。抱えていたものを全て曝け出した事で、なんとか回復したようだ。
それにしても、私が金子組にされた事って、模擬戦以外大した事ないんだけど、邪族の攻撃の所為で、記憶があやふやになったのかしら?当然、分身も同じ事を思ったのか、普通に許して友達関係になったわ。
さあ、いよいよ送還ね。
「なんか泣いてる奴もいるな」
「みんな、色んな人達と出会ったんでしょうね」
「ここで、サーシャが登場したら、雰囲気ぶち壊しね」
「サリア、そんな事をするわけないでしょ!」
ああ、みんなが消えていった。
これで、全てが終わったんだ。
「行ったな」
「ええ、地球に帰ったわ」
管理システムも、正常に機能しているから、確実に帰れたわね。
「さあ、頭を切り替えないと!私達は、これから各国へ謝罪行脚しつつ、地球の料理を広めて行きましょう。これまでは基本の料理しか作れなかったけど、今は地球にも転移出来るようになった。数多くのラーメンや料理をいっぱい作れるわ」
「ふおおぉぉぉーーー、お姉様、本当ですか!」
「サーシャ様、今までの料理は基本なんですか!あれだけ美味しいのに!」
「あのラーメンで基本なの!地球には、どんな料理があるのよ!」
あちゃあ、アイリス・リッカ・サリアの目の色が変わったわ。
「ええ、謝罪行脚が終わったら、佐江さん・努さんと一緒に地球に転移して、本場のラーメンを食べさせてあげるわ!」
「サーシャ、絶対よ!早く謝罪行脚に行きましょう!そして、地球に行くわよ!」
「既に土下座謝罪していますから、ささっと行って終わらせてね。私と努も楽しみにしているから」
「はい、各王城入口に転移して、ちゃちゃっと終わらせて地球に行きましょう!」
「おいおい、一応謝罪なんだから、全員そのウキウキした顔は抑えろよ。全く、気持ちが入ってないぞ」
春人の言う通りだ。みんな、地球の料理の事しか頭に入っていない。もうクラスメイト達の送還儀式を完全に忘れたわね。まあ、私としても、早く地球に行きたいから、謝罪行脚を済ませないとね。
サリアに嫌われた事で邪神と遭遇したけど、その邪神を喰って異世界を救済する事になるとはね。まあ、そのサリアのおかげで、春人と互いの気持ちを知り得ることが出来たから、今は感謝しかないわね。。本当に濃密な2ヶ月だったわ。
「さあ、次の目的地は、地球の日本なんだから、早速謝罪行脚に出発するわよ!!!」
「「「「「「オオオォォォーーーーー」」」」」」
さあ、謝罪行脚のスタートだ!
○○○
清水茜の初期ステータス
レベル 1
攻撃 77
防御 60
素早さ 76
運 0
魔力 100
最終話のステータス
レベル 85
攻撃 10億4576万7342
防御 10億3298万2345
素早さ 10億6790万8712
魔力 10億9021万4194
スキルや魔法は、多過ぎるため省略します。
○○○
これにて、「邪神を喰った少女は異世界を救済します」は完結です。
ご愛読頂き、ありがとうございました。
犬社 護
私と春人君は分身体を作り、皆に見せた。
「分身だけあって、2人と全く同じだな」
「義輝君、分身が稼働していないからといって、あまりジロジロと見てはダメですよ」
「おっと、夕実の言う通りか」
うんうん、見た目は全く問題ないわね。
「それじゃあ、今からデータを加えて稼働させるわね。春人、やり方は大丈夫?」
「ああ、昨日の夜に教えてもらったから問題ない」
「おお、おお、見せつけてくれるわね。茜も春人と呼んでいるし、恋人通り越して、新婚夫婦みたいよ」
「な、なに言ってるのよ!と、とにかく始めるわよ!」
分身体のステータスを100万にセットし、魔力を充填だ。以前は運の数値があったけど、あまり意味がないので排除した。
「----よし、終わったわ」
「こちらも終わったぞ」
さて、上手く動いてくれるかな?
私と春人の分身体が目を開き、手足を動かしているわ。
《うん、全然問題ないな。本体、大丈夫だ、ステータスも100万になってる》
《こちらも問題ないわ。分身と本体の会話は、変な感じね》
《本当だな。違和感ありまくりだ》
うーん、全く同じ事を考えているわ。
「よし、これで大丈夫だ。分身、地球の事を頼んだぞ。それだけのステータスがあれば、なんでも出来るだろうからな」
《程々にしておくよ。地球でやらかしたら、全世界から注目を浴びるからな。まあ、銃弾が飛んで来ても軽くかわせるけどな》
「おいおい、それだけで十分やらかしてるぞ」
《あはは、確かに!》
なんなの、息が合いまくっているわ。本人同士なんだから当たり前か。
「私の分身もやらかさないようにね。料理を作っても、スフィアタリアみたいに夢中にならないでしょう?」
《地球で普段から作っているし問題ないわ。あれから2ヶ月くらい経過しているから、父さん達も心配しているわね。早く安心させてあげないとね》
うんうん、全く同じ考えだ。
「美香、春人同士、茜同士が話し合ってますよ。奇妙な光景ですね、一応本体の春人君と茜は、ここでお別れなんですよね?」
「うん、そうなんだけど、違和感ありまくりね。茜、春人」
「《なんだ?》」 「《なに?》」
「「「「うわあ!」」」」
「全く同じタイミングで、言葉が返ってきた!」
《真也、当たり前だろ。俺達は、一心同体だからな》
今からお別れなんだけど、そんな雰囲気には見えないわね。
「あーーもういい!分身も本体と繋がっているのなら、お別れじゃないわね。本体の茜と春人、スフィアタリアの事は分身から聞いておくから、あなた達は上手くやりなさないよ!」
「ええ、スフィアタリアの事は、私達に任せなさい。地球に帰ったら、美香達も騒がれるから注意してね」
「そうだぞ。先生以外のクラス全員が行方不明になって、今でも警察が捜査しているかもしれない。それが前触れもなく、突然教室に帰って来るんだから、確実に騒がれるぞ」
その通りだ。まあ、数週間は大変だろうね。私達は、スフィアタリアから見ておくね。
「そこなんだよな。どう説明すりゃあ良いんだよ?異世界に行ってましたと言っても、誰も信じないぞ?一層の事、俺達が魔法でもぶっ放すか?」
「真也君、そんな事したら、もっと騒がれますよ!全員が行方不明の間の記憶を喪失しているという事にしておくのが、一番無難です」
まあ、それが無難ね。魔法を公表なんかしたら、トンデモナイ騒ぎになるわ。
《なんか無難だけど、面白くないな。とりあえず、警察にそう言った後、ほとぼりが冷めたら、俺達6人がテレビでいう???レンジャーを作って、この平和を乱すものに天誅を与えるっていうのはどうかな?名前が薬物戦隊ドーピングレンジャーとかやったら面白そうだろ?》
「あはは、それ面白そうだな。もう、この世界でもドーピング勇者になったから、地球でドーピング呼ばわりされても問題ないよな~」
-----春人の分身と本体が、熱く語りあっているわね。
「「「「「問題あるに決まってるだろ!!!」」」」」
「春人、地球でドーピングレンジャーなんか結成して、多くの人々を救ってみろ。子供達全員がドーピングして、俺達は悪人のレッテルを貼られるぞ!」
「《あはは、義輝すまん、冗談だよ》」
本当にやらないでよ。スフィアタリアだから、ドーピング呼ばわりされても問題ないんだからね。
「美香、夕実、真也君、義輝君、ここでお別れよ。昨日話した通り、クラスメイト達には女神サーシャと清水茜は別人という事にしておいてね」
そう、昨日の夜、私達は私の救出方法と邪王の討伐方法について話し合った。辻褄が合うように話を作るのは、結構大変だったわね。【邪族から人間に戻す治療方法は見つからなかったものの、新たに降り立った女神サーシャと知り合った事で、彼女が私を春人達の元へ転移させ、瞬時に人間に戻してくれた】という設定にした。その後、女神サーシャのもと、ドーピングで強くなり、邪王を一撃で撃破したという事にしておいた。後半は嘘を付いていない。ドーピング勇者とドーピング聖女が広まっている時点で、嘘を付けれないからね。
「ええ、わかったわ。昨日の話通り、みんなに話しておくわ。----なんか変な感じだけど、-----じゃあね、バイバイ」
「本体の方の茜とは、これでお別れです。春人君と仲良く暮らしてね。分身がいるせいか、涙が出ません。でも、-----これだけは言っておきます。----さようなら」
真也君や義輝君も春人の本体にお別れを言っているようだ。4人とも泣いてないや。正確な別れとはいえないからね。
「美香、向こうで良い相手を見つけなさいよ。夕実には真也君がいるから大丈夫ね」
昨日、夕実が真也君と正式に付き合うことを告白してくれた。夕実と真也君なら、お似合いのカップルかな。
「わかってるわ。良い男を見つけてみせる!」
《本体、地球での俺達の生き様を見ていてくれ!》
「ああ、バッチリ見ておいてやる!」
「分身、みんながやらかさないように見張っておいてね」
《ええ、こっちでは私達がやらかしたけど、地球では春人達がやらかしそうだからね。きちんと見張っておくわ》
こうして、分身を含めたメンバー達はテルミア王国王都へと帰って行った。
「なんか、変な別れ方でしたね」
「こういう時って、お互い大泣きして抱き合うところじゃないの?」
「テイル、サリア、仕方ないでしょう?ここで私達と別れても、すぐそばに私達の分身がいるんだもの。やろうと思えば、今でも情報を共有出来るからね。お別れとは、少し違うわ。私だって、地球に転移可能だしね」
「茜は、つくづく神という存在になったな」
「強さで現すと、サリア様が中級神、ハルト様が上級神、サーシャ様が創造神になるんですかね?」
「ちょっとテイル、なんで私が中級神なのよ!」
「え~、だってサリア様も、レベルアップはしましたけど、それでも3000万前後ですよね?ハルト様は1億だし、サーシャ様は10億ですよ?」
「-----改めて、数値で言われると納得してしまうわ。もっと強くなって、せめてハルトと同じ強さになってやる!」
うーん、神をランク付けしたら、本当にそうなるわね。
「今日の夜にでも、テルミア王国の国王に通信して、国王のみに会いに行きましょう。謝罪も兼ねて、召喚魔法陣に魔力を充填しておかないとね」
「もう土下座は、嫌だからね!」
「もちろん、やらないわよ」
神になったんだから、土下座ばかりしたら、威厳が無くなるわ。
○○○
2日後、私達はシルフィーユ王国ハイエルフの王宮の謁見の間にいた。ここにいるメンバーは、佐江さん・努さん・私・アイリス・ジン・リッカ・サリア・テイルの8名だ。そして現在、セキュリティーバードを経由して、テルミア王国王城の地下では、クラスメイト達の地球への送還儀式が行われているところである。
「ねえ、魔法使い達が詠唱しているけど意味ないでしょ?2日前の夜、サーシャが魔力を充填したんだから、ささっと送還すれば良いじゃない?」
「サリア様、何事にも順序というものがあるんです。いきなり送還して【さようなら】では、雰囲気ぶち壊しですよ。あれは、まあ儀式みたいなものと思った方が良いです。ああやる事で、《この詠唱が終われば送還なんだ》と両者に思わせるんですよ。その後、お姫様がハルト様に告白して振られるパターンですね」
「ふーん、儀式ね。面倒くさいことをするわね」
テイルは想像力が豊かね。
「テイル、昨日の夜、お姫様は春人に振られたわよ」
「え、告白してたんですか!ああ~、そのシーンを見たかった!」
---これで地球に帰れるのね。ここまでの期間があっという間だった。長い様で短い期間だったな。
分身がみんなと再会した時、金子組の連中が何か言ってくるかなと思ってたけど、以外にもこれまでの行いを謝罪してきたのは驚いたわ。なんでもBクラスダンジョンで、1度死にかけたらしい。邪族が金子組の記憶を覗き、幻覚攻撃を行なったそうだ。邪族が私に見える様な幻覚を金子組に与え、偽物の私がこれまでの鬱憤を言いながら、金子組の奴らをボコボコにしたらしい。全滅かというところで、冒険者が助けてくれたそうだ。この時、精神的に追い詰められたせいもあって、自分達がこれまで私に行ってきた事をその冒険者達に暴露したらしい。抱えていたものを全て曝け出した事で、なんとか回復したようだ。
それにしても、私が金子組にされた事って、模擬戦以外大した事ないんだけど、邪族の攻撃の所為で、記憶があやふやになったのかしら?当然、分身も同じ事を思ったのか、普通に許して友達関係になったわ。
さあ、いよいよ送還ね。
「なんか泣いてる奴もいるな」
「みんな、色んな人達と出会ったんでしょうね」
「ここで、サーシャが登場したら、雰囲気ぶち壊しね」
「サリア、そんな事をするわけないでしょ!」
ああ、みんなが消えていった。
これで、全てが終わったんだ。
「行ったな」
「ええ、地球に帰ったわ」
管理システムも、正常に機能しているから、確実に帰れたわね。
「さあ、頭を切り替えないと!私達は、これから各国へ謝罪行脚しつつ、地球の料理を広めて行きましょう。これまでは基本の料理しか作れなかったけど、今は地球にも転移出来るようになった。数多くのラーメンや料理をいっぱい作れるわ」
「ふおおぉぉぉーーー、お姉様、本当ですか!」
「サーシャ様、今までの料理は基本なんですか!あれだけ美味しいのに!」
「あのラーメンで基本なの!地球には、どんな料理があるのよ!」
あちゃあ、アイリス・リッカ・サリアの目の色が変わったわ。
「ええ、謝罪行脚が終わったら、佐江さん・努さんと一緒に地球に転移して、本場のラーメンを食べさせてあげるわ!」
「サーシャ、絶対よ!早く謝罪行脚に行きましょう!そして、地球に行くわよ!」
「既に土下座謝罪していますから、ささっと行って終わらせてね。私と努も楽しみにしているから」
「はい、各王城入口に転移して、ちゃちゃっと終わらせて地球に行きましょう!」
「おいおい、一応謝罪なんだから、全員そのウキウキした顔は抑えろよ。全く、気持ちが入ってないぞ」
春人の言う通りだ。みんな、地球の料理の事しか頭に入っていない。もうクラスメイト達の送還儀式を完全に忘れたわね。まあ、私としても、早く地球に行きたいから、謝罪行脚を済ませないとね。
サリアに嫌われた事で邪神と遭遇したけど、その邪神を喰って異世界を救済する事になるとはね。まあ、そのサリアのおかげで、春人と互いの気持ちを知り得ることが出来たから、今は感謝しかないわね。。本当に濃密な2ヶ月だったわ。
「さあ、次の目的地は、地球の日本なんだから、早速謝罪行脚に出発するわよ!!!」
「「「「「「オオオォォォーーーーー」」」」」」
さあ、謝罪行脚のスタートだ!
○○○
清水茜の初期ステータス
レベル 1
攻撃 77
防御 60
素早さ 76
運 0
魔力 100
最終話のステータス
レベル 85
攻撃 10億4576万7342
防御 10億3298万2345
素早さ 10億6790万8712
魔力 10億9021万4194
スキルや魔法は、多過ぎるため省略します。
○○○
これにて、「邪神を喰った少女は異世界を救済します」は完結です。
ご愛読頂き、ありがとうございました。
犬社 護
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彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
捨て子の僕が公爵家の跡取り⁉~喋る聖剣とモフモフに助けられて波乱の人生を生きてます~
伽羅
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物心がついた頃から孤児院で育った僕は高熱を出して寝込んだ後で自分が転生者だと思い出した。そして10歳の時に孤児院で火事に遭遇する。もう駄目だ! と思った時に助けてくれたのは、不思議な聖剣だった。その聖剣が言うにはどうやら僕は公爵家の跡取りらしい。孤児院を逃げ出した僕は聖剣とモフモフに助けられながら生家を目指す。
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面白かったです。
とりあえず、リッチが(作者に?)忘れられる件。
後日談とかあるといいなあ。
スランさん、本作品を読んで頂き、ありがとうございます!!
リッチに関しては、私も忘れていました(๑>◡<๑)
現在、次作品を書いているところです。
来年1月中には、こちらにUPできると思います。
よければ、そちらも読んでみてください。
話はともかく〜〜多用しすぎてめちゃくちゃ間の抜けた会話してるように見える
かなかなさん、本作品を読んで頂きありがとうございます。
仰る通り、間の抜けた会話をしている箇所が多々ありますね。
いろんなものを参考にして取り入れているのですが、あまり多用するのもダメなのかもしれません。
今後は、そういったことを控えめにして、物語を面白く作っていきたいと思います。
またまた読み直してしまった、何度目だろう?多分消さない限り、なんどでも甦かえす、ちゃう読み返すだろうね!( ≧∀≦)ノ
コロナさん、何度も読み返して頂きありがとうございます(^○^)
《邪神》に関しては、消しませんよ。