加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ

犬社護

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11話 冷酷巫女マクレミーサ

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ここは狭い路地、その角から1人の男が僕たちの前に現れたけど、かなり警戒しているようで、何も喋らない。

「お兄ちゃん、この人は誰なの?」
「マクレミーサの放った殺し屋さ。目的は、君の暗殺」

多分、だけどね。
僕をターゲットとする暗殺者の可能性も捨てきれない。
相手側の反応は、どうかな?
男の視線は僕ではなく、ルティナを見ている。
どうやら、彼女をターゲットとする暗殺者のようだ。

「う~ん、なんか変だよ。怖い雰囲気を放つ人だけど、全然こっちに近づいてこないし、殺し屋って言ってるのに、緊張感がお兄ちゃんから全然伝わってこない」

おお、よく見ているじゃないか。さっきまで暗かったルティナも、状況を全て飲み込み、目的意識が芽生えたことで、ようやく本来の自分を出せたようだ。

「それはね、僕がこの男を既に捕縛しているからだよ」
「捕縛? 紐とかがないよ?」

宿屋から出た時点で、奴の存在に気付いていたから、僕は自分の魔力の一部を切り離し、大気と同化させてから気付かれないよう奴の呼吸に合わせて、内部に浸透させておいた。今回、同調を使っていないからこそ、相手も何らかの違和感を感じているから警戒を最大限に高め、何も語らず、僕たちの前に素直に現れてくれた。

「見ていればわかるさ。さあ、ここには誰もいない。暗殺には、絶好の場所だよ。殺しに来ないのかい?」

男は黙ったままだ。ルティナに付けた魔道具の恐ろしさを理解しているからこそ、それを簡単に外した僕のギフトを恐れているのかもしれない。

「一つ、聞いていいか?」
「いいよ」
「あの首輪は、マクレミーサ様の用意した特別製だ。どうやって、外した? それに…この全身に何かが絡んでいるような感覚、何かしたか?」

「君、いい勘してるよ。でも、答える義理はない。魔術【撹乱】!!」

追放された後、両親が僕に暗殺者を仕向けてくることを考えて、遅効性と即効性による殺傷度の極めて高い2つの無属性魔術を考案しておいた。

これは遅効性の方だ。

この術は、僕の魔力を相手の体内隅々にまで染み込ませないといけないから、発動するまで時間を要するけど、発動できれば、人や魔物を内部から苦しめ、死に至らしめることもできる。

今回は、染み込ませた僕の魔力を基点に、奴の魔力を撹乱させ、呼吸困難で気絶させればいいかな。目撃者のことを考慮すれば、ここでは殺せない。

「う…あ!!」

奴は目を見開き充血させ、両手を首付近に動かす。

「なに!? 急に苦しみ出したよ?」

奴自身、何が起きているのかわからず混乱しているな。暗殺者であろうと、突発的事象には対応できず、仰向けになって倒れ込み気絶する。

「え、もう倒したの?」

この手のタイプは暗殺に失敗したら、毒薬飲んで自殺するのが定番だから、速攻で終わらせないとね。

「尋問だっけ? しないの?」
「掌握してからやるつもりさ」
「掌握?」

「昨日言ったと思うけど、僕にはギフト【加工】がある。これを使い、奴の受けた命令を加工するのさ」

「ロッドを修繕したギフトだよね。あれって、人にも有効なの?」

女神様に質問した際、理論上可能と聞いているけど、果たしてどうなるかな?

「それを、こいつで試すのさ。何が起きるのかわからないから、人で試せなかったけど、丁度良いタイミングで現れてくれた。こういった悪人なら、加工しても良いでしょ?」

「良いのかな?」
「良いんだよ」

さて、僕の魔力で支配されているようなものだから、気を失い無防備な状態のまま直接魔力を入れれば、簡単に掌握出来るはずだ。

【暗殺者[マルケス]を掌握しました】

よし、掌握成功だ。

こういった手練れの場合、心身ともに鍛えられている分、掌握しにくいはずだ。本来なら一戦を交え、ある程度弱らせてから隙をついて僕の魔力を一気に混入させるのが正規の手段かもしれないけど、魔力差のせいで制御を誤ると、最悪爆散する可能性もある。7歳児に、そんなグロテスクなものを見せられない。

ここからマルケスを問い詰めないといけないわけだが、忠誠心のせいで僕の掌握から逃れる危険性もある。ここは、外と内の両方から声を低くして威圧的に質問しよう。どうせなら、魔王のように振る舞ってみるか。
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