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最終章 ティアナの夢
三十四話 ティアナの宣言
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「フハハハハハハハハ」
講義室中央に、不気味な黒いドラゴンの形をした影が出現する。大きさは1メートルほどだけど、その影からは恐ろしいほどに凝縮された魔力を感じるわ。それに当てられたのか、殆どの人々が恐慌状態になっているわ。
「ふん、我の分身を顕現させただけで、このざまか。相変わらず、今の人類は弱いな。その点、候補者に選ばられた者やその血縁者たちは、流石に耐えているようだ」
こいつ、この状況を面白がっている?
「ちょっと、私の卒論発表中に出てこないでよ!!」
私が文句を言うと、キューブは地獄の底でせせり笑う鬼のような声で喋り出す。
「別にいいだろう? 我はお前の企みを全て知っているぞ」
ちょ、ちょっと、突然何を言い出すのよ!?
「ウィンドルよ、ティアナは中等部卒業後、この国から出ていく。貴様は遠慮せず次期国王として励めば良い」
げ!!
こいつ、後で言おうと思っていたことを先に言ったわ!!
そもそも、この卒論の目的は兄を更生させることにある。でも、私が兄の監視映像を見せて、逃れようのない罪を晒し出したとしても、彼は屈辱を感じるだけで、絶対に更生などしない。だから、順を追って説明し、兄を納得させようと思ったのに!!
この後に及んで、キューブが全部暴露するなんて想定外だわ。
兄もキューブの言葉で混乱したせいか、先程までの怒気が消え失せて、私を凝視している。
まさか、キューブは兄の怒気を諌めるために出現したのかしら?
仕方ないわね、混乱させないよう、順を追って説明していきましょう。
「ティアナ、どう言うことだ?」
「私はこの国を愛しています。だからこそ、キューブに魅入られた私はこの国を出ていかねばなりません」
「なん…だと…」
今後、私がこの国いる限り、絶対に平和は訪れない。
何故なら、私自身がキューブに魅入られているから。
私が六歳の時に起きた突風事故、あの原因はお兄様の魔法暴走が起因している……と思われているけど、実は違う。
私に関与する事件事故は、いくつかある。
『突風事故による魔力欠損』
『事故によるキューブの解放』
『設計図の盗難』
『伏せられている私の誘拐』
『爆発事故』
私がそれらを連ねていくと、兄は顔を歪める。
「これらの事件……全て、デモンズキューブが裏で操作したものです」
私がはっきり告げると、兄だけでなく、見学者全員が度肝を抜かれる。想定外の事態があったけど、私の夢を叶えるためにも、このまま前へと突き進む。
講義室中央に、不気味な黒いドラゴンの形をした影が出現する。大きさは1メートルほどだけど、その影からは恐ろしいほどに凝縮された魔力を感じるわ。それに当てられたのか、殆どの人々が恐慌状態になっているわ。
「ふん、我の分身を顕現させただけで、このざまか。相変わらず、今の人類は弱いな。その点、候補者に選ばられた者やその血縁者たちは、流石に耐えているようだ」
こいつ、この状況を面白がっている?
「ちょっと、私の卒論発表中に出てこないでよ!!」
私が文句を言うと、キューブは地獄の底でせせり笑う鬼のような声で喋り出す。
「別にいいだろう? 我はお前の企みを全て知っているぞ」
ちょ、ちょっと、突然何を言い出すのよ!?
「ウィンドルよ、ティアナは中等部卒業後、この国から出ていく。貴様は遠慮せず次期国王として励めば良い」
げ!!
こいつ、後で言おうと思っていたことを先に言ったわ!!
そもそも、この卒論の目的は兄を更生させることにある。でも、私が兄の監視映像を見せて、逃れようのない罪を晒し出したとしても、彼は屈辱を感じるだけで、絶対に更生などしない。だから、順を追って説明し、兄を納得させようと思ったのに!!
この後に及んで、キューブが全部暴露するなんて想定外だわ。
兄もキューブの言葉で混乱したせいか、先程までの怒気が消え失せて、私を凝視している。
まさか、キューブは兄の怒気を諌めるために出現したのかしら?
仕方ないわね、混乱させないよう、順を追って説明していきましょう。
「ティアナ、どう言うことだ?」
「私はこの国を愛しています。だからこそ、キューブに魅入られた私はこの国を出ていかねばなりません」
「なん…だと…」
今後、私がこの国いる限り、絶対に平和は訪れない。
何故なら、私自身がキューブに魅入られているから。
私が六歳の時に起きた突風事故、あの原因はお兄様の魔法暴走が起因している……と思われているけど、実は違う。
私に関与する事件事故は、いくつかある。
『突風事故による魔力欠損』
『事故によるキューブの解放』
『設計図の盗難』
『伏せられている私の誘拐』
『爆発事故』
私がそれらを連ねていくと、兄は顔を歪める。
「これらの事件……全て、デモンズキューブが裏で操作したものです」
私がはっきり告げると、兄だけでなく、見学者全員が度肝を抜かれる。想定外の事態があったけど、私の夢を叶えるためにも、このまま前へと突き進む。
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