255 / 277
最終章【ハーゴンズパレス−試される7日間】
ネルマの意外な一面
しおりを挟む
ランダルキア大陸の形態は、地球のユーラシア大陸と似ている。
面積としては、ランダルキアの方が1.3倍程大きい。
現在、《大陸西側》の国々はアストレカ大陸の国々と、《大陸東側》の国々はハーモニック大陸の国々と国交を結んでいるため、ザウルス族と獣猿族以外の種族達がこの大陸内にも存在している。
ただ、アストレカ大陸とハーモニック大陸との国交が約200年断絶されていたこともあり、【人間・エルフ・ドワーフ・獣人】の4種族は《大陸西側》、【魔鬼族・ダークエルフ・鳥人族】の3種族は《大陸東側》に集中している。
その影響もあってか、大陸中央ともなると、【竜人族】の人口比率は90%を超えている。
【ハーゴンズパレス】は、そんな大陸中央の北方地方を支配するズフィールド聖王国内の物静かな場所で、ひっそりとそびえ立っている。遺跡としての規模は世界最大、現時点において聖王国の女王(聖女)ですら全貌を把握していない。その理由も勿論存在するのだが、ここでは割愛しておこう。
この広大な敷地内の何処かに、遺跡全体を見渡せることが可能な【展望エリア】というものが存在する。広さは約200坪程、エリア全体がその土地の【主人や使用人達】の住いとなっている。3階構成となっており、現在4名の者達が最上部の【とある部屋】にて、話し合いを行っていた。
『主人様、ノイズが激しく生じたものの、《異分子》と《その他》をパレス敷地内にある4つの棟へ迎え入れることに成功しました』
「ありがとう。シャーロットとフレヤは《異分子的存在》、1度話し合いたいと思っていたの。他の人達からも、話を聞いておきたいわ」
『主人よ……力の通用しない我が領域にて、シャーロットだけでも抹殺…』
主人とされる者がスッと目を細める。その圧を感じ取ったのか、機械音声の者が全てを言い終える前に、口を閉じる。
「その判断は時期尚早。彼女は神の身勝手な操作により、《規格外》となってしまった。他の者達の中には、彼女と関わり《規格外》となった者もいるわね。絶対に、早まってはダメ。これまでと同じく、手筈通りに皆を動かせてね」
『…御意。あなたの命に従います』
「ふふふ、良い子ね。さて、ここまでの話を聞いたことで、あなた方も状況を理解できましたね?」
部屋の入口付近で佇んでいた《人物達》が、ゆっくりと彼女の側へとやってくる。
「「…」」
2人は押し黙ったまま、何も喋ろうとしない。
そもそも、転移されてから5分後に事情を聞いたため、《内容を信じろ》という方が無理だろう。また現状の2人は…
『ハーゴンズパレス内では、転移された者全員が【全て】を封印されている』
と思い込んでいる。事実、これまで頼りにしていた《スキル》・《魔法》・《ステータス数値》全てが封印されているため、そう思い込むのも無理はない。
2人のうち、1人は似た事象を経験しているため、まだ落ち着いているものの、目の前にいる女性の機嫌次第で、自分達の命が簡単に潰えてしまう状況のため、迂闊な言葉を出せないでいる。
残る1人は混乱状態のため、状況を受け入れられていない。
「ふふふ、そんなに緊張しないで下さい。これまでの経験を見た限り、あなた方には何の問題もありません。ですから、先程全てをお話ししたのです。あなた方のお部屋をご用意しましたので、まずは自分達の置かれた状況を飲み込み、心を落ち着かせてから行動に移して下さい」
その女性は優しく微笑み、《とある人物達》に語りかける。冷静さを保っている1人が混乱している仲間の転移者に語りかけたことで、その者は落ち着きを取り戻す。そして、両者が静かに頷き、転移された者達の行動を信じ、《自分の成すべきことを成そう》と心に強く誓い部屋を後にした。
「ふふふ、まだ若いですけど、あの2人なら信用できそうですね。シャーロット・エルバラン、力が完全に封印された状態で、あなたがどこまで足掻くのか見せてもらいましょうか」
シャーロット一行にとって、忘れられない物語が今始まろうとしている。
○○○ シャーロット視点
部屋の内装が、先程までいた場所と全く異なっている。一見地味に見えるものの、質感がかなり上等な素材で出来ているソファーとテーブル、壁際には貴族用のキングサイズのベッドや化粧台、本棚が設置されている。《女性のお客様》を前提としたデザインが全ての家具に施されており、1つ1つ繊細かつ優雅だ。
ここは【寝室】かな?
窓から見える景色、私の真横にいるネルマ、状況から考えて何処かに転移されたことは間違いない。あのノイズ混じりの機械音声は【ハーゴンズパレス】と言い放ち、この領域内では《私達の強さは無効》とも言っていた。実際、ステータス画面を出せないし、ノーマルスキル・ユニークスキル・魔法全てが使用不可だった。
現在の私の力も、地球の10歳児とほぼ同じくらいだと思う。そもそも、私の力は神に近いし、【状態異常無効化】スキルもあるため、力を封印することは不可能なはず。
……今回の敵は、何者なのだろうか?
敵が神様なら、ミスラテル様が事前に教えてくれるはずだよね?
厄浄禍津金剛のように無断で入り込むことはシステム上不可能だし、仮に入れたとしても瞬時にミスラテル様が対処してくれる。
う~ん、わからない。
まずは仲間を探しつつ、情報を集めよう。
「ネルマ、あなたはステータス画面を出せる?」
「え?」
窓から景色を眺めていたネルマは、私の声で我に帰り、こちらを振り向く。
私は学生服だけど、ネルマは半袖と半ズボンという身軽な格好だ。一見庶民っぽい服装に見えるけど、服の生地を見た限り、かなり高級な素材を使用しているのが傍目から見てもわかる。こういった服装なら、緊急時にもすぐに対応できるね。
「普通に出せますけど?」
「は!?」
ネルマは、強さを封印されていない!?
え、私だけなの!?
再度確認してみたけど、やはり私の持つ力の全てが封印されている。
どうして、私だけ?
他の人達は、大丈夫だろうか?
「シャーロット様、どうしたんですか?」
ネルマが不安がっている。
現状、魔物が現れたら、頼れるのは彼女だけ。
事情を隠すよりも、全てを打ち明け、彼女の不安を少しでも解消させた方がいいかな?
でも、彼女は8歳の女の子、状況を深く考えすぎて【鬱症状】にならないか心配だ。
「ネルマ、私自身も何が起きたのかはっきりとわからないの。だから、転移直前に私の周辺で何が起きたのかを今から話すね。そこにソファーがあるから、座りながら話を聞いて」
「あ…はい!」
彼女は、聖女である私も状況を把握していないことに若干の驚きを示したものの、その顔には《これから冒険が始まる! ワクワクするよ!》という表情を表に出しながらソファーへと座る。
彼女の事情を考慮すればワクワクするのもわかるけど、時間の経過と共に不安も押し寄せてくるはず。
私が、しっかりとフォローしていこう。
私は、先程学園内で起きた現象をネルマに話した。その過程で、フレヤ誘拐事件の関しても話したが、オトギさんの秘密については打ち明けていない。一連の流れを話したにも関わらず、ネルマは憔悴するどころか、目がどんどん輝き出していき、若干興奮している。
何故、そんな反応となるかな?
「フレヤ様が誘拐されていたなんて…しかも、《オトギ》というカッコイイ男性が真犯人の竜人族達から彼女を劇的に救出する!」
うん?
私、《カッコいい》なんて言ったっけ?
「ネルマはオトギさんを知らないよね? カッコイイとは限らないよ?」
「え……それじゃあ、シャーロット様から見てどうですか?」
何故、そんな不安そうな顔をするの?
困るところそこなの?
転移されたんだよ?
「う~ん、カッコいい好青年……かな?」
「でしょ! でしょ! そういう時の展開って、絶対王子様が登場するんです!」
ネルマがテーブルに身を乗り出し、熱く語りだしたよ。
「フレヤ様がそんな彼を見て一目惚れ! 年齢差なんか関係なく、愛を紡ぎ出していき、シャーロット様という壁を乗り越えて、2人は結婚!」
「こらこら、なんで私がそこに登場するの!」
あ、いかん。
ネルマがおバカなことを言うものだから、つい漫才の相方のごとく、ツッコミを入れてしまった。
「シャーロット様でなくとも、フレヤ様は貴族のライバル的令嬢と争い、最終的に勝って結婚へと到るんです! 本にすれば売れますよ! 舞台化すれば、絶対当たります!」
出版化!?
舞台化!?
ネルマ、恋愛系の本を読みすぎだよ!
「シャーロット様! フレヤ様は、オトギさんに惚れましたよね?」
ネルマの熱~い語りが終わりそうにない。
この子、恋愛系の話にここまで惹かれるとは意外だよ。
「え…まあ…惚れたね」
あ…彼女の勢いに負けて、つい暴露してしまった。
フレヤ、ごめんね。
「やっぱり! 今回の転移事件も、恋愛イベントの一つなんですよ! ここでフレヤ様とオトギさんは仲を深めていくんです! もしかしたらキスまでいくかも!」
ネルマの想像が、どんどん肥大化していく。
そろそろ、止めよう。
「ネルマ、その続きはフレヤ自身から聞こうね。そろそろ、私達も動き出そうよ」
「あ…そうですね! 続きは、本人から聞きたいです!」
ネルマのおかげで、私の緊張も完全に解れた。
まず知りたいのは、仲間の安否だ。
フレヤ・コウヤ先生・オトギさん・フェルボーニさん・カビバラさん達も転移されたのかな?
そして、ネルマのように全く無関係の者も転移されているのだろうか?
ハーゴンズパレスに関しては、フェルボーニさんを構造解析したことで多少の情報を得ている。その情報を基に、行動を起こしていくべきかな。
《コンコン》
「「え!?」」
部屋の入口となるドアから聞こえてきた突然のノック音。
タイミングが絶妙すぎる!
相手は、誰なの?
○○○作者からの一言
皆さん、お久しぶりです。
本日から連載を再開します。
中2日おきの更新予定となります。
今後ともよろしくお願い致します!
面積としては、ランダルキアの方が1.3倍程大きい。
現在、《大陸西側》の国々はアストレカ大陸の国々と、《大陸東側》の国々はハーモニック大陸の国々と国交を結んでいるため、ザウルス族と獣猿族以外の種族達がこの大陸内にも存在している。
ただ、アストレカ大陸とハーモニック大陸との国交が約200年断絶されていたこともあり、【人間・エルフ・ドワーフ・獣人】の4種族は《大陸西側》、【魔鬼族・ダークエルフ・鳥人族】の3種族は《大陸東側》に集中している。
その影響もあってか、大陸中央ともなると、【竜人族】の人口比率は90%を超えている。
【ハーゴンズパレス】は、そんな大陸中央の北方地方を支配するズフィールド聖王国内の物静かな場所で、ひっそりとそびえ立っている。遺跡としての規模は世界最大、現時点において聖王国の女王(聖女)ですら全貌を把握していない。その理由も勿論存在するのだが、ここでは割愛しておこう。
この広大な敷地内の何処かに、遺跡全体を見渡せることが可能な【展望エリア】というものが存在する。広さは約200坪程、エリア全体がその土地の【主人や使用人達】の住いとなっている。3階構成となっており、現在4名の者達が最上部の【とある部屋】にて、話し合いを行っていた。
『主人様、ノイズが激しく生じたものの、《異分子》と《その他》をパレス敷地内にある4つの棟へ迎え入れることに成功しました』
「ありがとう。シャーロットとフレヤは《異分子的存在》、1度話し合いたいと思っていたの。他の人達からも、話を聞いておきたいわ」
『主人よ……力の通用しない我が領域にて、シャーロットだけでも抹殺…』
主人とされる者がスッと目を細める。その圧を感じ取ったのか、機械音声の者が全てを言い終える前に、口を閉じる。
「その判断は時期尚早。彼女は神の身勝手な操作により、《規格外》となってしまった。他の者達の中には、彼女と関わり《規格外》となった者もいるわね。絶対に、早まってはダメ。これまでと同じく、手筈通りに皆を動かせてね」
『…御意。あなたの命に従います』
「ふふふ、良い子ね。さて、ここまでの話を聞いたことで、あなた方も状況を理解できましたね?」
部屋の入口付近で佇んでいた《人物達》が、ゆっくりと彼女の側へとやってくる。
「「…」」
2人は押し黙ったまま、何も喋ろうとしない。
そもそも、転移されてから5分後に事情を聞いたため、《内容を信じろ》という方が無理だろう。また現状の2人は…
『ハーゴンズパレス内では、転移された者全員が【全て】を封印されている』
と思い込んでいる。事実、これまで頼りにしていた《スキル》・《魔法》・《ステータス数値》全てが封印されているため、そう思い込むのも無理はない。
2人のうち、1人は似た事象を経験しているため、まだ落ち着いているものの、目の前にいる女性の機嫌次第で、自分達の命が簡単に潰えてしまう状況のため、迂闊な言葉を出せないでいる。
残る1人は混乱状態のため、状況を受け入れられていない。
「ふふふ、そんなに緊張しないで下さい。これまでの経験を見た限り、あなた方には何の問題もありません。ですから、先程全てをお話ししたのです。あなた方のお部屋をご用意しましたので、まずは自分達の置かれた状況を飲み込み、心を落ち着かせてから行動に移して下さい」
その女性は優しく微笑み、《とある人物達》に語りかける。冷静さを保っている1人が混乱している仲間の転移者に語りかけたことで、その者は落ち着きを取り戻す。そして、両者が静かに頷き、転移された者達の行動を信じ、《自分の成すべきことを成そう》と心に強く誓い部屋を後にした。
「ふふふ、まだ若いですけど、あの2人なら信用できそうですね。シャーロット・エルバラン、力が完全に封印された状態で、あなたがどこまで足掻くのか見せてもらいましょうか」
シャーロット一行にとって、忘れられない物語が今始まろうとしている。
○○○ シャーロット視点
部屋の内装が、先程までいた場所と全く異なっている。一見地味に見えるものの、質感がかなり上等な素材で出来ているソファーとテーブル、壁際には貴族用のキングサイズのベッドや化粧台、本棚が設置されている。《女性のお客様》を前提としたデザインが全ての家具に施されており、1つ1つ繊細かつ優雅だ。
ここは【寝室】かな?
窓から見える景色、私の真横にいるネルマ、状況から考えて何処かに転移されたことは間違いない。あのノイズ混じりの機械音声は【ハーゴンズパレス】と言い放ち、この領域内では《私達の強さは無効》とも言っていた。実際、ステータス画面を出せないし、ノーマルスキル・ユニークスキル・魔法全てが使用不可だった。
現在の私の力も、地球の10歳児とほぼ同じくらいだと思う。そもそも、私の力は神に近いし、【状態異常無効化】スキルもあるため、力を封印することは不可能なはず。
……今回の敵は、何者なのだろうか?
敵が神様なら、ミスラテル様が事前に教えてくれるはずだよね?
厄浄禍津金剛のように無断で入り込むことはシステム上不可能だし、仮に入れたとしても瞬時にミスラテル様が対処してくれる。
う~ん、わからない。
まずは仲間を探しつつ、情報を集めよう。
「ネルマ、あなたはステータス画面を出せる?」
「え?」
窓から景色を眺めていたネルマは、私の声で我に帰り、こちらを振り向く。
私は学生服だけど、ネルマは半袖と半ズボンという身軽な格好だ。一見庶民っぽい服装に見えるけど、服の生地を見た限り、かなり高級な素材を使用しているのが傍目から見てもわかる。こういった服装なら、緊急時にもすぐに対応できるね。
「普通に出せますけど?」
「は!?」
ネルマは、強さを封印されていない!?
え、私だけなの!?
再度確認してみたけど、やはり私の持つ力の全てが封印されている。
どうして、私だけ?
他の人達は、大丈夫だろうか?
「シャーロット様、どうしたんですか?」
ネルマが不安がっている。
現状、魔物が現れたら、頼れるのは彼女だけ。
事情を隠すよりも、全てを打ち明け、彼女の不安を少しでも解消させた方がいいかな?
でも、彼女は8歳の女の子、状況を深く考えすぎて【鬱症状】にならないか心配だ。
「ネルマ、私自身も何が起きたのかはっきりとわからないの。だから、転移直前に私の周辺で何が起きたのかを今から話すね。そこにソファーがあるから、座りながら話を聞いて」
「あ…はい!」
彼女は、聖女である私も状況を把握していないことに若干の驚きを示したものの、その顔には《これから冒険が始まる! ワクワクするよ!》という表情を表に出しながらソファーへと座る。
彼女の事情を考慮すればワクワクするのもわかるけど、時間の経過と共に不安も押し寄せてくるはず。
私が、しっかりとフォローしていこう。
私は、先程学園内で起きた現象をネルマに話した。その過程で、フレヤ誘拐事件の関しても話したが、オトギさんの秘密については打ち明けていない。一連の流れを話したにも関わらず、ネルマは憔悴するどころか、目がどんどん輝き出していき、若干興奮している。
何故、そんな反応となるかな?
「フレヤ様が誘拐されていたなんて…しかも、《オトギ》というカッコイイ男性が真犯人の竜人族達から彼女を劇的に救出する!」
うん?
私、《カッコいい》なんて言ったっけ?
「ネルマはオトギさんを知らないよね? カッコイイとは限らないよ?」
「え……それじゃあ、シャーロット様から見てどうですか?」
何故、そんな不安そうな顔をするの?
困るところそこなの?
転移されたんだよ?
「う~ん、カッコいい好青年……かな?」
「でしょ! でしょ! そういう時の展開って、絶対王子様が登場するんです!」
ネルマがテーブルに身を乗り出し、熱く語りだしたよ。
「フレヤ様がそんな彼を見て一目惚れ! 年齢差なんか関係なく、愛を紡ぎ出していき、シャーロット様という壁を乗り越えて、2人は結婚!」
「こらこら、なんで私がそこに登場するの!」
あ、いかん。
ネルマがおバカなことを言うものだから、つい漫才の相方のごとく、ツッコミを入れてしまった。
「シャーロット様でなくとも、フレヤ様は貴族のライバル的令嬢と争い、最終的に勝って結婚へと到るんです! 本にすれば売れますよ! 舞台化すれば、絶対当たります!」
出版化!?
舞台化!?
ネルマ、恋愛系の本を読みすぎだよ!
「シャーロット様! フレヤ様は、オトギさんに惚れましたよね?」
ネルマの熱~い語りが終わりそうにない。
この子、恋愛系の話にここまで惹かれるとは意外だよ。
「え…まあ…惚れたね」
あ…彼女の勢いに負けて、つい暴露してしまった。
フレヤ、ごめんね。
「やっぱり! 今回の転移事件も、恋愛イベントの一つなんですよ! ここでフレヤ様とオトギさんは仲を深めていくんです! もしかしたらキスまでいくかも!」
ネルマの想像が、どんどん肥大化していく。
そろそろ、止めよう。
「ネルマ、その続きはフレヤ自身から聞こうね。そろそろ、私達も動き出そうよ」
「あ…そうですね! 続きは、本人から聞きたいです!」
ネルマのおかげで、私の緊張も完全に解れた。
まず知りたいのは、仲間の安否だ。
フレヤ・コウヤ先生・オトギさん・フェルボーニさん・カビバラさん達も転移されたのかな?
そして、ネルマのように全く無関係の者も転移されているのだろうか?
ハーゴンズパレスに関しては、フェルボーニさんを構造解析したことで多少の情報を得ている。その情報を基に、行動を起こしていくべきかな。
《コンコン》
「「え!?」」
部屋の入口となるドアから聞こえてきた突然のノック音。
タイミングが絶妙すぎる!
相手は、誰なの?
○○○作者からの一言
皆さん、お久しぶりです。
本日から連載を再開します。
中2日おきの更新予定となります。
今後ともよろしくお願い致します!
0
お気に入りに追加
11,318
あなたにおすすめの小説
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。