元構造解析研究者の異世界冒険譚

犬社護

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10歳〜アストレカ大陸編【戴冠式と入学試験】

フランジュ帝国の歴史

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神ミスラテル様からのナイスフォローにより、あの忌まわしき拷問事件は、無事解決した。ただ、リリヤさんにしても、ルルリア様にしても、今後の行動に注意しないといけない。リリヤさんの場合、過度のお仕置きをしたら、裏人格となる白狐童子の命が抹消されてしまう。ルルリア様に至っては、過度のイタズラをしようものなら、【拷問苛烈ババア】の称号が確定してしまう。まあ、過度の拷問やお仕置きの使用を控えるだけで防げるから、アッシュさんや国王陛下がいれば問題ないと思う。


【鳥啄み地獄】の講義に関しては、当面の間延期となった。国の拷問として正式に認められた後、習得希望者達を募集し、国王陛下や宰相様達の人選により、4名にまで絞り込む。人数が正式に決まり次第、リリヤさんが講義する予定となっている。グローバル通信機があるから、互いに何処にいても連絡可能であるため、アッシュさんとリリヤさんも気兼ねなく王都を散策できるし、ダンジョンにも入れる。


称号獲得後のリリヤさんとルルリア様は、皆からのお叱りと、神の怒りを受けたことで、すっかり意気消沈している。この悲劇を2度と繰り返さないよう、アッシュさんはリリヤさんを慰め、彼女の中にある狂気を自制するための方法をしっかりと話し合い、互いが納得したところで、王都観光に行き気分を解している。国王陛下は家族達を集めて、ルルリア様との馴れ初めを語り合い、家族の結束力を固めてから、ルルリア様の狂気を制御させるための方法を話し合っているので、今後拗れることもないだろう。


2人のことをアッシュさんと国王陛下に任せ、私はカムイとトキワさんを引き連れ、3人だけで王都観光を楽しんだ。王都の人達は、あの事件のことを知らないので、魔鬼族であるトキワさんを見て驚いていたけど、聖女シャーロット(私)がいることもあって、皆がトキワさんのことを好意的な目で見てくれている。冒険者ギルドにおいても、多くの冒険者達が私達に注目していたけど、小説のような諍いなどは起こらず、普通に冒険者登録にも成功する。


余計なことを考えず、リラックスして物事を楽しんでいる際の時間の進みは早い。ドレイクからの唐突な通信により、私は現実に引き戻されることとなる。戴冠式2日前の時点で、ハーモニック大陸全国家の王族達が、フランジュ帝国帝都王宮に到着し、全員が割り当てられた屋敷へ赴いたそうだ。帝王でもある鳥人族のソーマさんが、王達を出迎えてくれたので、次代の帝王でもある私も挨拶に行かねばならない。こういった祝典の場合、相手側が私の方へ出向くのが筋である。しかし、私は8歳の子供、アストレカ大陸出身でもあるので、相手側からも些か抵抗を感じるかもしれない。明日、私の方から挨拶へ出向いた方が、好印象を持ってくれるだろう。それをドレイクに伝えると……

『わかりました。その件に関しては、ソーマから各国の王族に伝えてもらいましょう。ただ……いえ、シャーロット様がこちらに転移次第、私の用件をお伝えします』

通信終了間際に言ったドレイクの意味深な言葉が気になるけど、いよいよ明日フランジュ帝国へ転移する。戴冠式に何が待ち受けるのか、私の心の中は不安と楽しみで半々だ。


……翌日……


ここは別邸のリビング。室内には、私、アッシュさん、リリヤさん、トキワさん、カムイ、お父様、お母様、マリルの8人がいる。ラルフお兄様は、学園の寮に住んでいるため、ここにはいない。私、アッシュさん、リリヤさんの3人は冒険者服、トキワさんは忍装束風の冒険者服を着用している。

「お父様、お母様、帝王になるため、フランジュ帝国へ行ってきます」
帝王という言葉を聞き、お父様もお母様もマリルも苦笑いだ。

「帝王…か。父と母が病気で急逝したことで、私は21の時に公爵となった。若輩者の公爵だから、エルサと共に色々と奮闘したものだ。野心や出世欲なども、当然ある。貴族として考えるのなら、息子や娘を由緒ある貴族の令嬢や令息と結ばせ、エルバラン公爵家の土台をより盤石に強くさせたいとも思っている。まさか、その娘シャーロットがハーモニック大陸の1国の王になる日が訪れるとは……喜ぶべきなのか、正直言葉が出てこない」

お父様にだって、そういった欲望はあって当然だよね。私は写真でしか知らないけど、お祖父様とお祖母様が急逝したこともあって、一時期エルバラン公爵家の土台がかなり揺らいでいた時期もあったと聞く。お父様とお母様がその土台を立て直し、ヒール系回復魔法や私の料理の件などもあって、現在では以前の公爵家としての力を取り戻しつつある。

でも、私が帰還したことで、事態が一変した。

私が世界最強の幼女になったことで、ハーモニック大陸との繋がりが強制的に出来てしまったのだ。お父様は、1ヶ月後に控える大陸会議に出席することが決まったし、今後大陸間の貿易が再開した場合、帝王の父である以上、前面に出てこないといけない。お父様の場合、事態の緩急が激しすぎて、心が戸惑っているのだろう。

「お父様、私の帝王という地位は、あくまで名前だけです。私自身、自分の力を理解しています。ですから、フランジュ帝国の政治経済にも触れません。私は彼らの背後に潜み、見張ることだけに徹します。権力を振りかざす行為だけはしませんから、あまり深く考えないでください」
お父様もお母様も、私を見て優しく微笑んでくれた。

「8歳の娘に、そこまで気を使われるのもどうかと思うが、私もエルサも先を見据えて行動しないといけないな」

「そうね。たとえ名ばかりの帝王であろうとも、シャーロットの力は絶大よ。その名は、ハーモニック大陸中に広まっている。大陸間の貿易が始まるまでに、私達も自分達の置かれる立場に慣れ、今以上に土台を広く大きく、固めておかないといけないわね」

私のせいで、両親には多大な迷惑をかけてしまっている。帝王になって以降、自分の力を再認識し、細心の注意を払い動いていこう。まずは、明日行われる予定の戴冠式に向けて、ハーモニック大陸の各国の王族達に挨拶しないといけない。

「トキワ、アッシュ、君達2人が頼りだ。娘をよろしく頼む」
お父様、カムイとリリヤさんを飛ばしたよ。

「トキワ、アッシュ、戴冠式では必ず何かが起こると思います。たとえ、娘が何もしなくとも、娘を慕う者達が良い意味で、何かを仕掛けてくるかもしれません。十分に注意して、式に望んでください」

お母様も、カムイとリリヤさんを見ていない。カムイは子供だからわかるけど、リリヤさんの場合、信頼度が拷問事件の影響で、底辺にまで落ちている。彼女も、自分の名前が呼ばれなかったことで、少なからずショックを受けている。でも、その理由をきちんと理解している以上、1歩ずつでいいから前に進んでほしい。

「俺自身も同じことを思っていました。このトキワ・ミカイツ、戴冠式が無事に終われるよう、周囲を警戒しておきます」

「僕も警戒しておきます。シャーロットが何もしなくても、従魔達が何か仕出かす場合もありえます。彼らとも、しっかりと話し合っておきます」

トキワさんもアッシュさんも、かなり警戒している。アッシュさんの言う通り、従魔達が何かを仕掛けてくる場合もありうる。ガーランド法王国のような国民全員気絶という悲惨な事態だけは避けたい。

「お父様、お母様、フランジュ帝国に転移します」

「ああ、気をつけてな」
「シャーロット、気をつけてね」
「お嬢様、いってらっしゃいませ」

私達は戴冠式に参加するべく、フランジュ帝国帝都へと転移した。


○○○


帝都王宮の上空100m付近に転移後、私達は王宮の敷地境界線となる宮門入口付近へと下り立つと、黒のフォーマルスーツを身に纏った人間形態のドレイクが王宮内から颯爽と現れ、私にお辞儀する。

「シャーロット様、到着早々申し訳ありませんが、各国の王達へ挨拶する前に、必要最低限で構わないので、この国やハーモニック大陸の歴史を知ってもらいます。トキワやアッシュは知っているだろうが、一応聞いてもらおう」

これから帝王に即位するのだから、ドレイクの言う通りに従おう。名ばかりの帝王とはいえ、ある程度の知識は必要だ。私の知らない国々の王族達だっているのだから舐められてはいけない。

私達はドレイクと共に、帝王が寝泊まりする王宮3階《帝王の間》へと移動した。部屋のインテリアに関しては、全ての家具が高級品となっており、壺や絵1つだけで、金貨数百枚(数百万円)の価値がある。こんな高級品だらけの部屋で、ソーマさんはよく眠れるなと思ったけど、今はどうでもいい事なので、ドレイクの語る内容を静かに聞くことに専念する。

リビングと思われる広い部屋に入ると、壁際にホワイトボードが設置されており、ボードにはハーモニック大陸の地図が貼られている。このボードに向けて、テーブルとソファーが設置されているので、私達全員はソファーへと座り、ドレイクがボード前へと移動する。

ドレイクが初めに語ったこと、それはハーモニック大陸内に現存している国の数だ。大陸内には、【サーベント王国】、【ジストニス王国】、【バードピア王国】、【フランジュ帝国】の4つしかないことを初めて知った。幾ら何でも少なすぎないかと思い、彼に尋ねると……

「千年前まで、ハーモニック大陸には大小26ヶ国程の国々がありました。詳しくはわかりませんが、何かがキッカケとなり、ハーモニック大陸全土を巻き込む戦争に発展した。最終的には、魔素を通常の数万倍にまで凝縮させた魔素爆弾が各地で使用されたことにより、大陸の環境が激変、多くの人々が死に、国々がいくつも滅びました」

3000年前、鬼人族達は神ガーランド様を怒らせた。神の鉄槌により、巨大な隕石がハーモニック大陸に落とされ、環境が激変した。当時の種族達の多くが死んだけど、ランダルキア大陸から移り住んできた人達と協力したことで、なんとか復興させた。

でも、今度は人類同士の戦争で、また環境を激変させてしまった。ハーモニック大陸内に住む人類達は、滅亡を回避すべく、何らかの方法で激変させる成分の多くをケルビウム山山頂へ集約させ、地上のバランスを保たてることに成功した。アストレカ大陸の歴史を知らないけど、ここよりはマシだろう。

「戦争によって生き残った国は全部で15、【サーベント王国】、【ジストニス王国】、【ルドウィーク王国】、【バードピア王国】の4つは周辺の小国を吸収することで大国へと成長し、残り11ヶ国については他国に吸収されませんでした」

ホワイトボードに貼られている地図には、1000年前の26ヶ国の領土分布が記載されている。現在の領土と比較すると、確かに4ヶ国共領土を大きく広げている。

「戦争終結以降、大国となった4ヶ国に限っては、ジストニス王国が主体となって、戦争の悲惨さを伝えていたこともあり、国家間に跨る大戦争を起こしていません。しかし、終結から約200年後、小さな国々で少しずつ戦争が起こり始めます」

地図で確認すると、11ヶ国全てが現在のフランジュ帝国の領土と重なっている。戦争の行く末が読めてきたよ。

「戦争が起こったことで、戦勝国が敗戦国を吸収し、領土を拡大させていく。それがいくつも繰り返されていき、最終的に【フランジュ帝国】という大陸一の国が出来上がります。人は愚かにも、戦争を繰り返す。この無限連環ともいえる地獄の苦しみを乗り越えたせいなのか、初代帝王は他の4ヶ国に対し、『不戦協和条約』を結ぼうと提案します。その名の通り、戦争を無くし、5ヶ国が協力し合う条約です」

人の支配欲には、制限がない。そのため、人は戦争を繰り返し、領土を拡大させていく。小さな国々が戦争し合い、初代帝王の国だけが生き残り、強大な国が誕生した。これにより、他の4ヶ国も焦ったはずだ。でも、初代帝王は大陸全土の支配を実行せず、平和を望んだのか。理由が気になる。

「この初代帝王の意見に、4ヶ国も賛成し、そこ以降、国家間に跨る大きな戦争は起きていません。帝王と呼ばれる男が、何故大陸の支配ではなく、平和を望んだのか、残された数少ない資料によりますと、11ヶ国全てが戦争を起こしたくて起こしたわけではないということです。野心溢れる数ヶ国が戦争を吹っ掛けたことで、11ヶ国全てが巻き込まれた。そして、野心の少ない国だけが生き残った」

なるほど、そういうことか。
元々、初代帝王の男性は野心がなく、平和を望んでいたのか。

ドレイクに情報の精度について問いただすと、彼は帝都にある国立図書館で歴史資料を拝見し、齟齬がないかを確認するため、ハーモニック大陸に棲む古参のドラゴン達に聞き回ったようだ。そのため、この情報の精度は極めて高い。今のフランジュ帝国の仕組みを聞いた限り、貴族といった爵位の身分制度が存在しているものの、現状の国の政治体制は日本とかなり近い。

また、帝国の領土は、現存する国の中で最も広く、28の領に分割されている。領主達は、日本でいう県知事に相当する。各領に関しても広大であるため、いくつかの地区に分割し、その地区の区長が切り盛りしているようだ。この区長というのが、日本の市長や町長になる。貴族の中でも種族や爵位に関係なく、政治・経済・経営関係の実力のある者だけが、領主に選ばれる。その下の区長に関しては、実力さえ示せば、貴族だけでなく、平民でもなれる。全てが実力主義に特化しているため、人種や身分差別も他国より薄い。

「国の成り立ちについては、ここまでです。次に、ハーモニック大陸の中には、どの国にも属されない地域が2ヶ所存在します」

これに関しては、場所だけ理解している。でも、内情に関しては、詳しく知らない。ハーモニック大陸の地図を確認すると、ジストニス王国は大陸中心部、ここを基点とし、西にルドウィーク、南から南西にバードピア、南東にサーベント、東から北東にフランジュ帝国がある。

「1つ目が、【元ルドウィーク王国】です。広大な土地のため、現在ではF~Sランク魔物達の宝庫となっており、数が膨大すぎるため、誰も統治できておりません。ただし、ルドウィーク王国の財宝が王都の何処かに眠っていると言われているため、屈強な冒険者達が、時折彷徨いているようです」

財宝か。私も、興味ある。
冒険者なんだから、皆危険を承知で潜入しているわけか。

「二つ目が【ケルビウム山の北側】」

各国の領土境界線を見ると、フランジュ帝国が大陸北側の海岸線地域を占有しているのか。そしてケルビウム山北側、Aランク以上の魔物達は知能も高く、自分自身に強い誇りを持っているため、縄張りから出ることは稀である。そのため、北側の海岸線地域や東側のフランジュ帝国一帯、西側の旧ルドウィーク王国一帯、各種族が治めている南側の地域にも、滅多に侵入してこないとイミアさんから聞いているけど、実際のところどうなのかな?

「魔素濃度が山の南側より、やや高いこともあって、凶悪な魔物達が住み着いています。これまでの魔物達は、広大な北側部分を縄張りとし、北の海岸線地域や東と南側などには弱者しかいないと誤認していたため、Aランク以上は興味を持っていませんでしたが、ネーベリックとシャーロット様の存在により、事態が急変しました」

聞いていた情報と、少し違う。続きが気になる。

「ネーベリックが北側に棲みつくSランクの魔物達を蹂躙した後、シャーロット様が南側にて、奴を討伐致しました。そのため、北側の魔物達の視点から見れば、化物が南側に住み着いたと思われ、全ての魔物達が尻込みし、南側を極度に恐れています」

南エリアに住む種族達にとっては僥倖だよ。私が暴れたせいで、山が活性化し、新たな川もできる。川跡に住んでいる人達も、気楽に引っ越しできるだろう。もし、AやSランクの魔物達が帝国側の街や村に這い出てきた場合、最悪私か私の従魔達が対処すればいい。

「現在、シャーロット様の行動により、全ての地域において、均衡が保たれています。ただ、《帝国の皆がシャーロット様に依存しないよう、何らかの対策を立てろ》と、私が大臣達に命令しておきましたので、後は臣下の者達が頑張ってくれるでしょう」

ドレイク、優秀な参謀だよ。あなたを従魔にして良かった。

「ドレイク、ありがとね。大まかな歴史だけど、流れを把握できたよ。次だけど、あの事件から現在までの国内の流れを教えて。特に、私の評価が気になる」
「わかりました」

ドレイクによると、私は191代目の帝王となる。本来、三年に一度開催される武闘会の優勝者が、新たな帝王となるため、今回の事態は異例中の異例といえる。そして、僅か8歳の幼女が王の座に就くことを、あの事件を直に見ていない者達は口にこそ出さないが、誰も納得していない。

《信用しろ》という方が無理だろう。

そのため、冒険者達は今回の戴冠式でその子供(私)を拝見し、【帝王】という強さに見合わない場合、今年開催される武闘会で優勝し、私と戦う権利を望もうと虎視眈々と狙っている。他国では国家反逆罪に相当する行為なのだが、ここフランジュ帝国においては許される。

ドレイクから聞いた限り、戴冠式自体は途中まで私の知るものと同一なんだけど、最後の箇所だけが大きく異なる。新たなに即位する帝王自らが、こういった不満を抱く者達を屈服させるべく、【私こそが最強の猛者だ!】とアピールしなければならない。これまでの帝王達も、皆がそれぞれのやり方で、強さを誇示していたようだ。私も、考えておかないといけない。

ユアラと厄浄禍津金剛の件に関しては、帝王ソーマさんがネーベリックで大きな被害を受けたジストニス王国の上層部にのみ、極秘裏に全てを伝え、残りの2ヶ国には、厄浄禍津金剛を除いた事件だけを伝えている。そのため、ドレイクは各国用に割り当てられた王族用の屋敷へ出向き、私が到着していない理由だけを説明した。バードピア王国以外の人達とは面識があるため、主役不在であっても、誰1人怒る者はいなかった。

「ジストニス王国のクロイス女王達は、何か言っていたかな?」

ガーランド様の離脱を知っているのは、私や従魔と仲間達の一部(トキワ・アッシュ・リリヤ)と限定されている。この秘密に関しては、絶対に漏らしてはいけない。ドレイクも、そのことを理解しているから話していないだろう。

「200年前の戦争の発端がガーランド法王国と聞いた時、クロイス女王、護衛のアトカも憤っておりましたが、現王族や貴族の末路を聞いた結果、体内の怒りが急速に霧散していき……『過去の王族達に関しては、絶対に許せません。しかし、現王族達は過去を清算し、私達との調和を図ろうとしている。それならば、大陸間の友好を取り戻せるかもしれません。アストレカ大陸の魔人族達も、こちらに戻って来ても、現状把握が大変でしょう。各国の王と話し合い、対策を練っていきます』と申しておりました。他の国々も、概ねクロイス女王と同じ意見となっております」

ふむふむ、こちらの方は比較的容易に、準備も整いそうだ。あとは、アストレカ大陸の国々だね。私は、大陸内の国家間の関係を知らない。来月開催予定の大陸会議で、どうなるかハッキリするだろう。

よし、ドレイクのおかげで、フランジュ帝国の歴史もわかったし、他国にアストレカ大陸の現状を知らせることもできた。今回は、それで十分だ。あとは、私が挨拶回りを行い、明日の戴冠式を成功させればいい。






○○○作者からの一言

次回更新予定日は、2/19(火)10時40分となります。


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