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《シャーロットが帝王となった場合のifルート》第2部 8歳〜アストレカ大陸編【ガーランド法王国
リーラの安否
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○○○ シャーロット視点
教会から別邸へ帰還した後、私は【引っ越しの件】をリビングにいるお父様達に伝えた。お父様もお母様も少し寂しそうな表情をした後、2人は私をそっと抱きしめてくれた。
「シャーロット、私達は遠くに離れていても、いつでも見守っている。娘が聖女として立派に成長することを願っている。だから、頑張れ」
「そうよ。教会に引っ越したら、早々会えないけど、何があろうとも私達はあなたの味方よ」
これが、両親の温もりなんだ。前世では、あまり味わえなかったな。この繋がりを大切にしたい。私が感傷に浸っていると、次のお母様の一言により、現実に引き戻されることとなった。
「私達はあなたの味方ではあるけども……もし、あなたが無許可でエルバラン領にいる私達に会いに来たら、アレを執行するから注意してね」
「え?」
抱きしめられている私は、そっと真上を向くと、お母様の両手が拳を作り、【グリグリ】の体勢に入っていた。それを見た瞬間、私は本能的に後ろに下がった。
「お、お母様!? その両拳は……まさか!?」
「うふふふ、シャーロット用お仕置きスキル【グリグリ】、私とジークも習得したのよ」
そう…だった。私の家族や仲間達に、私専用のお仕置きスキルが配られたんだ。
「あはは、シャーロット。【グリグリ】されるのは嫌か?」
お父様までも、グリグリの体勢に入っている。
「ついさっき、フレヤにやられたんです!! あの痛みは記憶に残るので、味わいたくありません!!」
前世の時、某アニメで見ただけで実際に味わったことがないからわからなかったけど、フレヤにやられたことで、どれ程の苦痛かがわかった!!
何故だろうか? お父様もお母様も、リビング入口に控えているマリルも、微笑ましい笑顔で私を見ている。
「なんですか?」
「その顔をみると、シャーロットも8歳なんだと思ってな。偶に、お仕置きするのもいいいかもしれないな」
お父様は、何を言っているんですか!?
「ふふ、私とジークは人様の前でやらないけど、家族だけの時はその顔見たさに、グリグリするのもいいかしら」
私は、今どんな顔をしているの!?
何もしていないのに、お仕置きされたくないよ!!
「大丈夫です!! きちんとヘンデル様の許可を貰ってから、長距離転移でお父様達のもとへ行きます」
なんだか、全員が私のやらかしを防ぐべく、結託しているかのような連携を感じ取れる。
「ふふ、約束よ」
皆にお仕置きされたくないし、何か行動を起こす時は要注意だね。
「しかし、ガーランド様はシャーロットのことを余程気に入っているんだな。シャーロット専用お仕置きスキル【グリグリ】か。子供のお仕置きとしては、丁度いいだろう。【シャーロットがやり過ぎないよう、君とエルサできちんと教育しろ】と記載してあったよ」
「ジーク、私にも似た文面が記載されていたわ。マリルは?」
急に振られたからか、マリルが困っている。この様子だと、何か別の文面があったのかな?
「あ…私の場合…【君は英雄となった。英雄だからこそ、聖女シャーロットが君の前で何かやらかした場合、必ず公衆の面前でお仕置きを執行しなさい。この約束を連続で守った場合、その都度ボーナス経験値を入手できる。逆に守らなければ、レベルが1つずつ減っていき、君は弱体化する】です」
「公衆の面前でお仕置きしろだと!」「公衆の面前でお仕置きしろですって!」
グリグリ攻撃をみんなの前で執行されるの!
そんなの嫌に決まってるじゃん!
「ジーク様、エルサ様……」
「ガーランド様からの指令である以上、逆らえん。マリル、許可する」
お父様、許可するの!
「ええ、これは仕方ないわ。英雄だからこそ、許される行為なのよ。マリル、遠慮なくシャーロットをお仕置きしなさい」
お母様も許可しちゃったよ。
「……わかりました。必ず遂行します!」
マリルは覚悟を決めたのか、言葉には強い意志が込められている。これまでのやらかし行為もあって、私はそういった面で信用されていないんだね。ちょっとショックです。
それにしてもガーランド様……帰還して以降、私を見張っていないかな? パーティーの件といい、お仕置きの件といい、何か裏で暗躍しているような気がする。な~んか、嫌な予感がする。こういう時の予感、大抵当たるんだよね。
そもそも、あの神は基本的に信用できない!
【神は、地上の人々に干渉してはいけない】
【今後、君にも干渉しないだろう】
とか言いながら、私に対してのみ、直接というより間接に入るのかな?
おもいっきり干渉してくる!
神があんな巫山戯た性格のせいか、精霊達も何処か似ている節がある。ナルカトナ遺跡とかが、良い例だ。アッシュさんとトキワさん、カクさんに振り回されていないかな? 今頃、何処で何をやらされているのだろうか?
落ち着いたら、仲間専用の【グローバル通信機】を簡易神具として製作しよう。霊宝樹の根が惑星全体に広がっているから、それらが魔素アンテナとしての役割を果たせるはずだ。あくまでネットワークとして利用するだけだから、霊宝樹の負担にもならない。完成すれば、何処にいても話せることができる。
そして、この簡易神具を使って、ガーランド様にお仕置きしてやる。ただ、あの神は神格としても高い位置にいるから、たとえ簡易神具であっても通じないかもしれない。【絶対必中】の効果を示す神具を製作してやる。
「シャーロット、良からぬ事を考えているだろ?」
「う…いえ、少しだけです。人様には、絶対に迷惑をかけません!」
お父様、鋭い! 3人が、ジト目で私を見ている。
人様には迷惑をかけませんよ。人様には!
神様には、多大な迷惑をかけますけどね!
○○○
お父様は国王陛下に自領に帰還することを報告するため、王城へと出掛けた。準備のことも考慮すると、私達家族(お兄様以外)の本邸への帰還は、明日になるだろう。そのため、私はカムイと共に自室に入り、ある作業を実行した。
作業内容は、【ガーランド専用お仕置きマシーン1号の開発】だ。
前世で見たあの器具を基に、改良していけば完成するはずだ。問題は、どうやってあの神を捕獲するかだ。制約に厳しい条件をつければつける程、簡易神具は強力となる。厄浄禍津金剛の時以上の条件が必要だ。とりあえず、試作機だけを製作しておこう。この試作機を、あとで誰かに試して、感想を聞こう。
おっと、グローバル通信機も開発しておかないとね。
……翌朝8時
うん? 何だろうか? 1階が妙に騒がしい。誰かが慌てながら、ドタドタと2階に上がりこっちに向かってくる。この気配はマリルかな?
「カムイ~起きて~、何かあったみたいなの」
「ふぇ? あ、もう朝なんだ。眠いよ~」
昨日、お仕置きマシーン1号とグローバル通信機を開発して、通信機の方だけカムイに試験運用してもらったんだよね。そのせいで、寝たのは深夜1時となった。8歳の私も、まだ眠い。
「シャーロット様~~大変です!!」
マリルが、ノックもなしに部屋に入ってくるとは珍しいね。
「どうしたの?」
「昨日の昼、ネクロマンサーがリーラ様のいるマクレン邸を襲撃しました!!」
その話を聞いた瞬間、私の眠気は完全に取り払われた。
「嘘、リーラ達は無事なの!?」
「詳しくは、ジーク様に聞いて下さい。私も、今聞いたばかりなんです。着替えて、一緒に行きましょう!!」
このまま飛び出したいところだけど、公爵令嬢として、その行為はダメだ。
急いで着替えよう。
「シャーロット、僕も行くよ! リーラって、パーティーで会った女の子だよね?」
「うん、緊急事態発生だ!」
私、カムイ、マリルは急いで執務室に出向き、お父様とお母様からマクレン領で起きた顛末を聞かされた。7日前から領都ベルンにて、魔物や人が海中から突然現れ、人を襲う事件が多発した。襲撃者の強さはE~Fランク程度、冒険者ギルドは原因を究明するべく動き出したことで、いくつかの事実がわかった。
1つ目《街に襲来する魔物と人の全てが、【亡者】である》
2つ目《自我の強い亡者達から話を聞いた結果、海から出現した人達全員が、過去の海難事故や犯罪で亡くなった故人である》
3つ目《ネクロマンサーが、リーラの住むマクレン邸を襲撃した》
この3つ目が私にとって、衝撃的な内容だった。
昨日、リーラの住むマクレン邸に、襲撃者が現れた。人数は6名、うち5名は海の亡者達であったため、リーラの【聖浄気】によって、すぐに浄化された。しかし、領都《ベルン》の何処かに潜んでいたネクロマンサーが亡者達の異変に勘づき、マクレン邸を急襲、屋敷の敷地内に入った瞬間、自分の身に起きていることを察知し、原因となるリーラを排除すべく動き出した。警備の冒険者やメイドのソニアさんがネクロマンサーに挑んだものの敗れてしまい、奴に屋敷内の侵入を許してしまう。そして、奴は全ての人達を昏倒させ、リーラの部屋と辿り着き、彼女を……
この時点で、私とカムイはリーラのもとへ急行しようと思っていたけど、お父様が『シャーロット、大丈夫だ。リーラは無事だ!』と強く断言してくれたため、足を止めた。
改めて話の続きを聞くと、ネクロマンサーがリーラの首を掴み、短剣で彼女の心臓を貫こうとしたところで………メイドのソニアさんが駆けつけ、奴の隙だらけとなっている後頭部に衝撃を与え、気絶させることに成功したらしい。リーラは頸部圧迫で気絶していたものの、後遺症もなく、怪我もない。
ネクロマンサー撃退後、ソニアさんは屋敷に保管されている捕縛道具と封印魔導具を使用し、奴のスキルと魔法、身動きを完全に封印させてから皆を回復させ、マーサ様に経緯を打ち明けた。
ソニアさんは、ネクロマンサーと一戦を交えた瞬間、直接的な戦いではどうあがいても勝てないと判断した。戦いの最中、相手から殺意を感じとれなかったため、自分を殺すつもりはないと判断し、一計を案じてから、わざと腹に一撃をもらった。倒れる瞬間、簡易型通信機を使用することで、リーラに【お嬢様、これはフリです。私を信じて下さい】と言いたかったが、腹への打撃が想定以上に強かったため、碌に喋れず、しばらく動けなかったようだ。
彼女の考えた策は、かなり危険なものだった。
ネクロマンサーも何らかの恨みを抱え込んでいるから、こんな事件を起こしている。そして、現在の【聖浄気】の力を最大限に発揮させるには、リーラの身体に直接触れるしかない。この2つの要素から、この強者を倒すには、リーラを囮にするしかないと考えたのだ。
《奴がリーラに触れた瞬間、聖浄気の力によって、身体に異変が生じる。その際、必ず大きな隙を生む》
この考えに、全てを賭けたわけか。そして、その賭けは成功した。ただ、どんな事情があるにせよ、仕える主人の娘を囮にしたことは事実であったため、ソニアさんはメイドを辞職する旨をマーサ様に伝えたが、当然マーサ様はこれを拒否した。リーラ自身からも、【ソニア、辞めないで!】と強く懇願されたこともあって、彼女は現在もメイドのお仕事を続けている。
そこまでの話を聞いて、私はホッと胸を撫で下ろした。
「そういえば、光精霊様はリーラに何も助言しなかったのですか?」
精霊様は、人の生き死にに基本介入してはいけないけど、加護を受けた人の場合に限り、生き残るためのヒントを助言してくれるはずだ。
「ネクロマンサーが屋敷の敷地内に侵入してすぐに、リーラに軽く助言した後、消えたそうだ」
なにそれ、薄情すぎないか?
お仕置きしてやろうかな?
「シャーロット、何を言いたいのか、顔に出ているぞ。光精霊様が簡単な助言をしただけで消えた理由、それは……【リーラ生存ルート】に行かせるためだ」
【リーラ生存ルート】?
何か考えがあってのことなの?
「《リーラがこの後どうなるのか?》、精霊様はその先の未来を見たんだ。このまま自分が何もせず、時が進んでしまうと、ソニアの策が失敗し、リーラは確実に死ぬ。そして自分達は……」
お父様は私を見たまま、何故か黙ってしまった。まあ、その通りになったら、私は間違いなく怒り狂って、光精霊様をお仕置きするだろうね。
「光精霊様にとって、リーラは大切な存在だ。彼女を救うには、彼女自身が生き残るための手段を考え、数分程の時間稼ぎが必要だった。最善の道に進ませるため、光精霊様は軽い助言だけを与え、彼女が自分に頼らないよう、あえて姿を消したんだ」
お父様、凄く綺麗に言い換えたよね?
光精霊様が、リーラのことを大切に思っているのは本当だと思う。でもさ、結局のところ、私のお仕置きを回避したいがため、リーラを生かすルートを選択したのね。
なんだかな~~。
「なるほど、理解しました。そういう理由であれば、仕方ないですよね。ところで、ネクロマンサーはその後どうなったのでしょうか?」
とにかく、リーラが無事で良かった。お父様の言い方だと、後遺症とかもなさそうだけど、やっぱり自分でリーラの姿を確認したい。ネクロマンサーの情報を聞いてから、私も動こう。
「ソニアが奴の魔導具を全て外したことで、正体は人間に化けた魔鬼族の女性と判明した。王城に侵入したネルエルのように、自害薬を仕込んでいる危険性もあるのだが、何処に薬を仕込んでいるのかもわからない。シャーロットを呼んでも、駆けつけるまでに気絶から復帰するだろう。そこで、リーラが気絶しているネクロマンサーの身体にずっと触れ続け、奴の中に潜む恨みの感情を完全に無くす手段をとった」
なるほど!
その方法なら気絶から復帰しても、いきなり自害する危険性も低くなる。
「現時点で自害は?」
「していない。それどころか、ネクロマンサーの心も穏やかになり、周囲に被害を与えていない。ハロルドも、マーサからシャーロットの転移後の生活を聞いていたこともあって、魔人族への忌避感を殆ど抱いていない。だから……彼は悩んだ末、ネクロマンサーを1人の客人として、丁重に迎えることにした」
「え…自分の娘が殺されそうになったのに!?」
リーラやマーサ様、他の使用人達が、その決断を快く思わないでしょ!?
「無論、独断ではない。リーラやマーサ、全ての使用人達を呼び集めて言ったことだ。本来であれば国王陛下に報告後、街の騎士団が魔鬼族の身柄をベルンから王都に移動させる。だが、魔人族の忌避感に関しては、まだ完全に取り払われていない。移動の際、ネクロマンサーの女性自身が不当に扱われた場合、恨みが再度蓄積され、最悪自害するだろう。そうなったら、彼女の持つ繋がりが全て絶たれてしまう。だからこそ、ハロルドは彼女をマクレン家の客人として、迎え入れることにしたんだ」
ハロルド様、また思い切った策を……ネクロマンサーが死ねば、全ての繋がりが断たれしまうのも事実だよね。恨みが消えた以上、彼女はリーラを殺さないと思うけど、それでも心配だよ。
「まず、ハロルドは彼女の警戒心を解きたいと考えているようだ。現在のところ、問題は起きていない」
恨みが消えたとはいえ、これまでの記憶が無くなったわけではない。過去の記憶から、消失した恨みも少しずつ心に蓄積していく。彼女の自害を防ぐためにも、客人として迎え入れ警戒心を解かせ、リーラの力で恨みの蓄積を最小限に抑え込み、彼女から情報を引き出すつもりなのか、もしくは……私が到着するまでの時間を稼ぐつもりなのかな?
「私の出番ですか?」
「そうだ。マリルと……できればネルエルもマクレン領へ連れて行きたい。同じ魔鬼族でもあるネルエルがいれば、彼女もエルディア王国に潜む他のネクロマンサー達や裏に潜む黒幕についても話しやすくなるだろう。まあ、それは表向きの話で、裏ではシャーロットが構造解析スキルを用いて、全ての情報を盗み取るのだが」
うわあ~、はっきり言うな。私1人で十分だけど、皆が不審がるもんね。マリルとネルエルさんを連れていけば、ネクロマンサーも私を信用するだろうし、表向きの情報も引き出せるかな。
「ネルエルさんは、現在牢獄内にいるのですか?」
「当然じゃないか。彼女にも事情があったとはいえ、我が国の情報をガーランド法王国に渡していたのだからね。ただ、彼女を【二重スパイ】という形で、こちら側に引き入れることができれば、行動を共にすることが可能となる。シャーロット自身の力をネルエルだけに披露すれば、まず間違いなく我々の味方となってくれるだろう」
それって力づくで、こちら側に引き入れることと同じような気がするのだけど? まあ、私がきちんと順序良く話していけば、ネルエルさんもわかってくれるかな。
「そうなると、早く動いた方がいいのでは?」
「マクレン領だけでなく、他の領でも似た様な事件が多発していたはずだ。この話に関しては、既にハロルドが大型通信機を通して、国王陛下、王妃陛下、ヘンデル様に伝えている。シャーロットとマリルはすぐ王城に行き、国王陛下と王妃陛下から長距離転移の許可をもらいに行きなさい。そこでネルエルと合流すればいい」
「わかりました。聖女としての初仕事、頑張ります!」
「マリル、シャーロットがやらかした場合、問答無用でお仕置きしろ。これは命令だ」
リーラ達もいるんだから、やらかさないよ!
それに、マリルにお仕置きされたくないしね。
「本当に……私がお仕置きしても宜しいのでしょうか?」
「ガーランド様から言われている以上、情けをかけるな! ただ、やらかしの判定基準は、マリルに任せる」
凄く行動しづらいんですけど!?
「……わかりました。心を鬼にして、シャーロット様をお仕置きします!」
その言い方、私がやらかすこと前提で言ってるよね? 私もカムイも、何がやらかしと判定されるのか、大凡わかっているし大丈夫…だと思う。
ガーランド法王国の内乱とかも気になるところだけど、まずはエルディア王国で起きている事件を解決させよう。
○○○
次回更新予定日は、11/6(火)10時40分です。
教会から別邸へ帰還した後、私は【引っ越しの件】をリビングにいるお父様達に伝えた。お父様もお母様も少し寂しそうな表情をした後、2人は私をそっと抱きしめてくれた。
「シャーロット、私達は遠くに離れていても、いつでも見守っている。娘が聖女として立派に成長することを願っている。だから、頑張れ」
「そうよ。教会に引っ越したら、早々会えないけど、何があろうとも私達はあなたの味方よ」
これが、両親の温もりなんだ。前世では、あまり味わえなかったな。この繋がりを大切にしたい。私が感傷に浸っていると、次のお母様の一言により、現実に引き戻されることとなった。
「私達はあなたの味方ではあるけども……もし、あなたが無許可でエルバラン領にいる私達に会いに来たら、アレを執行するから注意してね」
「え?」
抱きしめられている私は、そっと真上を向くと、お母様の両手が拳を作り、【グリグリ】の体勢に入っていた。それを見た瞬間、私は本能的に後ろに下がった。
「お、お母様!? その両拳は……まさか!?」
「うふふふ、シャーロット用お仕置きスキル【グリグリ】、私とジークも習得したのよ」
そう…だった。私の家族や仲間達に、私専用のお仕置きスキルが配られたんだ。
「あはは、シャーロット。【グリグリ】されるのは嫌か?」
お父様までも、グリグリの体勢に入っている。
「ついさっき、フレヤにやられたんです!! あの痛みは記憶に残るので、味わいたくありません!!」
前世の時、某アニメで見ただけで実際に味わったことがないからわからなかったけど、フレヤにやられたことで、どれ程の苦痛かがわかった!!
何故だろうか? お父様もお母様も、リビング入口に控えているマリルも、微笑ましい笑顔で私を見ている。
「なんですか?」
「その顔をみると、シャーロットも8歳なんだと思ってな。偶に、お仕置きするのもいいいかもしれないな」
お父様は、何を言っているんですか!?
「ふふ、私とジークは人様の前でやらないけど、家族だけの時はその顔見たさに、グリグリするのもいいかしら」
私は、今どんな顔をしているの!?
何もしていないのに、お仕置きされたくないよ!!
「大丈夫です!! きちんとヘンデル様の許可を貰ってから、長距離転移でお父様達のもとへ行きます」
なんだか、全員が私のやらかしを防ぐべく、結託しているかのような連携を感じ取れる。
「ふふ、約束よ」
皆にお仕置きされたくないし、何か行動を起こす時は要注意だね。
「しかし、ガーランド様はシャーロットのことを余程気に入っているんだな。シャーロット専用お仕置きスキル【グリグリ】か。子供のお仕置きとしては、丁度いいだろう。【シャーロットがやり過ぎないよう、君とエルサできちんと教育しろ】と記載してあったよ」
「ジーク、私にも似た文面が記載されていたわ。マリルは?」
急に振られたからか、マリルが困っている。この様子だと、何か別の文面があったのかな?
「あ…私の場合…【君は英雄となった。英雄だからこそ、聖女シャーロットが君の前で何かやらかした場合、必ず公衆の面前でお仕置きを執行しなさい。この約束を連続で守った場合、その都度ボーナス経験値を入手できる。逆に守らなければ、レベルが1つずつ減っていき、君は弱体化する】です」
「公衆の面前でお仕置きしろだと!」「公衆の面前でお仕置きしろですって!」
グリグリ攻撃をみんなの前で執行されるの!
そんなの嫌に決まってるじゃん!
「ジーク様、エルサ様……」
「ガーランド様からの指令である以上、逆らえん。マリル、許可する」
お父様、許可するの!
「ええ、これは仕方ないわ。英雄だからこそ、許される行為なのよ。マリル、遠慮なくシャーロットをお仕置きしなさい」
お母様も許可しちゃったよ。
「……わかりました。必ず遂行します!」
マリルは覚悟を決めたのか、言葉には強い意志が込められている。これまでのやらかし行為もあって、私はそういった面で信用されていないんだね。ちょっとショックです。
それにしてもガーランド様……帰還して以降、私を見張っていないかな? パーティーの件といい、お仕置きの件といい、何か裏で暗躍しているような気がする。な~んか、嫌な予感がする。こういう時の予感、大抵当たるんだよね。
そもそも、あの神は基本的に信用できない!
【神は、地上の人々に干渉してはいけない】
【今後、君にも干渉しないだろう】
とか言いながら、私に対してのみ、直接というより間接に入るのかな?
おもいっきり干渉してくる!
神があんな巫山戯た性格のせいか、精霊達も何処か似ている節がある。ナルカトナ遺跡とかが、良い例だ。アッシュさんとトキワさん、カクさんに振り回されていないかな? 今頃、何処で何をやらされているのだろうか?
落ち着いたら、仲間専用の【グローバル通信機】を簡易神具として製作しよう。霊宝樹の根が惑星全体に広がっているから、それらが魔素アンテナとしての役割を果たせるはずだ。あくまでネットワークとして利用するだけだから、霊宝樹の負担にもならない。完成すれば、何処にいても話せることができる。
そして、この簡易神具を使って、ガーランド様にお仕置きしてやる。ただ、あの神は神格としても高い位置にいるから、たとえ簡易神具であっても通じないかもしれない。【絶対必中】の効果を示す神具を製作してやる。
「シャーロット、良からぬ事を考えているだろ?」
「う…いえ、少しだけです。人様には、絶対に迷惑をかけません!」
お父様、鋭い! 3人が、ジト目で私を見ている。
人様には迷惑をかけませんよ。人様には!
神様には、多大な迷惑をかけますけどね!
○○○
お父様は国王陛下に自領に帰還することを報告するため、王城へと出掛けた。準備のことも考慮すると、私達家族(お兄様以外)の本邸への帰還は、明日になるだろう。そのため、私はカムイと共に自室に入り、ある作業を実行した。
作業内容は、【ガーランド専用お仕置きマシーン1号の開発】だ。
前世で見たあの器具を基に、改良していけば完成するはずだ。問題は、どうやってあの神を捕獲するかだ。制約に厳しい条件をつければつける程、簡易神具は強力となる。厄浄禍津金剛の時以上の条件が必要だ。とりあえず、試作機だけを製作しておこう。この試作機を、あとで誰かに試して、感想を聞こう。
おっと、グローバル通信機も開発しておかないとね。
……翌朝8時
うん? 何だろうか? 1階が妙に騒がしい。誰かが慌てながら、ドタドタと2階に上がりこっちに向かってくる。この気配はマリルかな?
「カムイ~起きて~、何かあったみたいなの」
「ふぇ? あ、もう朝なんだ。眠いよ~」
昨日、お仕置きマシーン1号とグローバル通信機を開発して、通信機の方だけカムイに試験運用してもらったんだよね。そのせいで、寝たのは深夜1時となった。8歳の私も、まだ眠い。
「シャーロット様~~大変です!!」
マリルが、ノックもなしに部屋に入ってくるとは珍しいね。
「どうしたの?」
「昨日の昼、ネクロマンサーがリーラ様のいるマクレン邸を襲撃しました!!」
その話を聞いた瞬間、私の眠気は完全に取り払われた。
「嘘、リーラ達は無事なの!?」
「詳しくは、ジーク様に聞いて下さい。私も、今聞いたばかりなんです。着替えて、一緒に行きましょう!!」
このまま飛び出したいところだけど、公爵令嬢として、その行為はダメだ。
急いで着替えよう。
「シャーロット、僕も行くよ! リーラって、パーティーで会った女の子だよね?」
「うん、緊急事態発生だ!」
私、カムイ、マリルは急いで執務室に出向き、お父様とお母様からマクレン領で起きた顛末を聞かされた。7日前から領都ベルンにて、魔物や人が海中から突然現れ、人を襲う事件が多発した。襲撃者の強さはE~Fランク程度、冒険者ギルドは原因を究明するべく動き出したことで、いくつかの事実がわかった。
1つ目《街に襲来する魔物と人の全てが、【亡者】である》
2つ目《自我の強い亡者達から話を聞いた結果、海から出現した人達全員が、過去の海難事故や犯罪で亡くなった故人である》
3つ目《ネクロマンサーが、リーラの住むマクレン邸を襲撃した》
この3つ目が私にとって、衝撃的な内容だった。
昨日、リーラの住むマクレン邸に、襲撃者が現れた。人数は6名、うち5名は海の亡者達であったため、リーラの【聖浄気】によって、すぐに浄化された。しかし、領都《ベルン》の何処かに潜んでいたネクロマンサーが亡者達の異変に勘づき、マクレン邸を急襲、屋敷の敷地内に入った瞬間、自分の身に起きていることを察知し、原因となるリーラを排除すべく動き出した。警備の冒険者やメイドのソニアさんがネクロマンサーに挑んだものの敗れてしまい、奴に屋敷内の侵入を許してしまう。そして、奴は全ての人達を昏倒させ、リーラの部屋と辿り着き、彼女を……
この時点で、私とカムイはリーラのもとへ急行しようと思っていたけど、お父様が『シャーロット、大丈夫だ。リーラは無事だ!』と強く断言してくれたため、足を止めた。
改めて話の続きを聞くと、ネクロマンサーがリーラの首を掴み、短剣で彼女の心臓を貫こうとしたところで………メイドのソニアさんが駆けつけ、奴の隙だらけとなっている後頭部に衝撃を与え、気絶させることに成功したらしい。リーラは頸部圧迫で気絶していたものの、後遺症もなく、怪我もない。
ネクロマンサー撃退後、ソニアさんは屋敷に保管されている捕縛道具と封印魔導具を使用し、奴のスキルと魔法、身動きを完全に封印させてから皆を回復させ、マーサ様に経緯を打ち明けた。
ソニアさんは、ネクロマンサーと一戦を交えた瞬間、直接的な戦いではどうあがいても勝てないと判断した。戦いの最中、相手から殺意を感じとれなかったため、自分を殺すつもりはないと判断し、一計を案じてから、わざと腹に一撃をもらった。倒れる瞬間、簡易型通信機を使用することで、リーラに【お嬢様、これはフリです。私を信じて下さい】と言いたかったが、腹への打撃が想定以上に強かったため、碌に喋れず、しばらく動けなかったようだ。
彼女の考えた策は、かなり危険なものだった。
ネクロマンサーも何らかの恨みを抱え込んでいるから、こんな事件を起こしている。そして、現在の【聖浄気】の力を最大限に発揮させるには、リーラの身体に直接触れるしかない。この2つの要素から、この強者を倒すには、リーラを囮にするしかないと考えたのだ。
《奴がリーラに触れた瞬間、聖浄気の力によって、身体に異変が生じる。その際、必ず大きな隙を生む》
この考えに、全てを賭けたわけか。そして、その賭けは成功した。ただ、どんな事情があるにせよ、仕える主人の娘を囮にしたことは事実であったため、ソニアさんはメイドを辞職する旨をマーサ様に伝えたが、当然マーサ様はこれを拒否した。リーラ自身からも、【ソニア、辞めないで!】と強く懇願されたこともあって、彼女は現在もメイドのお仕事を続けている。
そこまでの話を聞いて、私はホッと胸を撫で下ろした。
「そういえば、光精霊様はリーラに何も助言しなかったのですか?」
精霊様は、人の生き死にに基本介入してはいけないけど、加護を受けた人の場合に限り、生き残るためのヒントを助言してくれるはずだ。
「ネクロマンサーが屋敷の敷地内に侵入してすぐに、リーラに軽く助言した後、消えたそうだ」
なにそれ、薄情すぎないか?
お仕置きしてやろうかな?
「シャーロット、何を言いたいのか、顔に出ているぞ。光精霊様が簡単な助言をしただけで消えた理由、それは……【リーラ生存ルート】に行かせるためだ」
【リーラ生存ルート】?
何か考えがあってのことなの?
「《リーラがこの後どうなるのか?》、精霊様はその先の未来を見たんだ。このまま自分が何もせず、時が進んでしまうと、ソニアの策が失敗し、リーラは確実に死ぬ。そして自分達は……」
お父様は私を見たまま、何故か黙ってしまった。まあ、その通りになったら、私は間違いなく怒り狂って、光精霊様をお仕置きするだろうね。
「光精霊様にとって、リーラは大切な存在だ。彼女を救うには、彼女自身が生き残るための手段を考え、数分程の時間稼ぎが必要だった。最善の道に進ませるため、光精霊様は軽い助言だけを与え、彼女が自分に頼らないよう、あえて姿を消したんだ」
お父様、凄く綺麗に言い換えたよね?
光精霊様が、リーラのことを大切に思っているのは本当だと思う。でもさ、結局のところ、私のお仕置きを回避したいがため、リーラを生かすルートを選択したのね。
なんだかな~~。
「なるほど、理解しました。そういう理由であれば、仕方ないですよね。ところで、ネクロマンサーはその後どうなったのでしょうか?」
とにかく、リーラが無事で良かった。お父様の言い方だと、後遺症とかもなさそうだけど、やっぱり自分でリーラの姿を確認したい。ネクロマンサーの情報を聞いてから、私も動こう。
「ソニアが奴の魔導具を全て外したことで、正体は人間に化けた魔鬼族の女性と判明した。王城に侵入したネルエルのように、自害薬を仕込んでいる危険性もあるのだが、何処に薬を仕込んでいるのかもわからない。シャーロットを呼んでも、駆けつけるまでに気絶から復帰するだろう。そこで、リーラが気絶しているネクロマンサーの身体にずっと触れ続け、奴の中に潜む恨みの感情を完全に無くす手段をとった」
なるほど!
その方法なら気絶から復帰しても、いきなり自害する危険性も低くなる。
「現時点で自害は?」
「していない。それどころか、ネクロマンサーの心も穏やかになり、周囲に被害を与えていない。ハロルドも、マーサからシャーロットの転移後の生活を聞いていたこともあって、魔人族への忌避感を殆ど抱いていない。だから……彼は悩んだ末、ネクロマンサーを1人の客人として、丁重に迎えることにした」
「え…自分の娘が殺されそうになったのに!?」
リーラやマーサ様、他の使用人達が、その決断を快く思わないでしょ!?
「無論、独断ではない。リーラやマーサ、全ての使用人達を呼び集めて言ったことだ。本来であれば国王陛下に報告後、街の騎士団が魔鬼族の身柄をベルンから王都に移動させる。だが、魔人族の忌避感に関しては、まだ完全に取り払われていない。移動の際、ネクロマンサーの女性自身が不当に扱われた場合、恨みが再度蓄積され、最悪自害するだろう。そうなったら、彼女の持つ繋がりが全て絶たれてしまう。だからこそ、ハロルドは彼女をマクレン家の客人として、迎え入れることにしたんだ」
ハロルド様、また思い切った策を……ネクロマンサーが死ねば、全ての繋がりが断たれしまうのも事実だよね。恨みが消えた以上、彼女はリーラを殺さないと思うけど、それでも心配だよ。
「まず、ハロルドは彼女の警戒心を解きたいと考えているようだ。現在のところ、問題は起きていない」
恨みが消えたとはいえ、これまでの記憶が無くなったわけではない。過去の記憶から、消失した恨みも少しずつ心に蓄積していく。彼女の自害を防ぐためにも、客人として迎え入れ警戒心を解かせ、リーラの力で恨みの蓄積を最小限に抑え込み、彼女から情報を引き出すつもりなのか、もしくは……私が到着するまでの時間を稼ぐつもりなのかな?
「私の出番ですか?」
「そうだ。マリルと……できればネルエルもマクレン領へ連れて行きたい。同じ魔鬼族でもあるネルエルがいれば、彼女もエルディア王国に潜む他のネクロマンサー達や裏に潜む黒幕についても話しやすくなるだろう。まあ、それは表向きの話で、裏ではシャーロットが構造解析スキルを用いて、全ての情報を盗み取るのだが」
うわあ~、はっきり言うな。私1人で十分だけど、皆が不審がるもんね。マリルとネルエルさんを連れていけば、ネクロマンサーも私を信用するだろうし、表向きの情報も引き出せるかな。
「ネルエルさんは、現在牢獄内にいるのですか?」
「当然じゃないか。彼女にも事情があったとはいえ、我が国の情報をガーランド法王国に渡していたのだからね。ただ、彼女を【二重スパイ】という形で、こちら側に引き入れることができれば、行動を共にすることが可能となる。シャーロット自身の力をネルエルだけに披露すれば、まず間違いなく我々の味方となってくれるだろう」
それって力づくで、こちら側に引き入れることと同じような気がするのだけど? まあ、私がきちんと順序良く話していけば、ネルエルさんもわかってくれるかな。
「そうなると、早く動いた方がいいのでは?」
「マクレン領だけでなく、他の領でも似た様な事件が多発していたはずだ。この話に関しては、既にハロルドが大型通信機を通して、国王陛下、王妃陛下、ヘンデル様に伝えている。シャーロットとマリルはすぐ王城に行き、国王陛下と王妃陛下から長距離転移の許可をもらいに行きなさい。そこでネルエルと合流すればいい」
「わかりました。聖女としての初仕事、頑張ります!」
「マリル、シャーロットがやらかした場合、問答無用でお仕置きしろ。これは命令だ」
リーラ達もいるんだから、やらかさないよ!
それに、マリルにお仕置きされたくないしね。
「本当に……私がお仕置きしても宜しいのでしょうか?」
「ガーランド様から言われている以上、情けをかけるな! ただ、やらかしの判定基準は、マリルに任せる」
凄く行動しづらいんですけど!?
「……わかりました。心を鬼にして、シャーロット様をお仕置きします!」
その言い方、私がやらかすこと前提で言ってるよね? 私もカムイも、何がやらかしと判定されるのか、大凡わかっているし大丈夫…だと思う。
ガーランド法王国の内乱とかも気になるところだけど、まずはエルディア王国で起きている事件を解決させよう。
○○○
次回更新予定日は、11/6(火)10時40分です。
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