25 / 38
最終章 アキト、隣接する2つの辺境伯領の架け橋となる
25話 僕の前に、大きな壁が立ち塞がる
しおりを挟む
僕はケイナさんの案内のもと、辺境伯領で有名なレンヤ鍛治師工房に到着する。この工房では、主に冒険者向けの武器を製作していて、様々な金属が保管されている。おまけに、レンヤさんの奥さん-ミオンさんが錬金術を扱えるので、鉱石類も取り扱っているみたい。よくわからないので質問すると、錬金術を習得している者は、鉱石に含まれる金属だけを抽出(錬成)出来るみたいだ。
2人はティムランド辺境伯家お抱えの鍛治師と錬金術師、ガルーダ様とも親交があり、深く信頼されているから、僕のギフトのことを話しても、他人に漏らすことはないと、アーサム様もガルーダ様も断言していたから、僕も気軽に相談できそう。
ケイナさんが入口の扉をノックしても、返事がなかったので中へ入ると、そこには様々な武器が飾られていて、惚れ惚れとするくらいの輝きを放っていた。訪問予約制の武器屋も営んでいて、冒険者から絶大の人気があると聞いているけど、これらを見ただけで納得できちゃうよ。
「こいつとは、3年の付き合いなんだ。そこを何とか頼むよ」
あれ? 誰かいる。
今の時間は、僕とケイナさんで予約しているはずなのに。
「無理だ。3分割された上に、どうやってここまでの負荷を与えたのか知らんが、中身の構造がかなりいかれてる。新品を買うことをお勧めする」
来客中だから、話し合いが終わるまで待ってよう。
「ちょっとヘマして、大型に剣を踏まれたんだよ」
「そいつはお気の毒。だがな、金属自体が脆くなっている以上、たとえ修繕しても、戦闘中に壊れるのがオチだ。つうか、お前は剣より、自分の体を回復させろ」
多分、カウンター越しにいる気遣う発言をした人が鍛治師レンヤさんだ。年齢は23歳で、18歳の若さで鍛治の頂点へと昇り詰めた天才、今ではミオンさんと2人で工房を経営しているとケイナさんから聞いたけど、ミオンさんはいないようだ。
レンヤさんと話し合っている男性は、冒険者かな。
「仕方ないだろ。今回の依頼が、マジで大変だったんだよ。想定外の出来事が起こって、その対応に追われるわ、昼食であたって大型魔物と戦闘中に全員腹を下すわ、剣を壊されるわ、撤退後の後始末、任務達成による依頼主への連絡、そこからの説教、2日続けて一睡もせず移動したもんだから、身も心もボロボロなんだ」
なんか、気の毒な人だな。前方にいるから、顔色はわからないけど、声のトーンで、切実さがこっちにも伝わってくる。
というか、この声に聞き覚えがあるような? 気のせいかな?
「つうか、その状態でよく任務を達成出来たな。なぜ、依頼主から怒鳴られたのか知らんが」
「あ~、そっちはいいんだ。その後、すぐに解決したから、お咎め無しになった。依頼内容に関しても、全て達成したから依頼料も全額貰えたよ。けどな、相棒が破壊され、腹もまだ回復しきって…う!?」
「お、おい、待て。ここではやめろ!! 奥に、トイレがあるから使え!!」
「悪い、そうさせて」
全部言わずに、奥へと駆け込んでいった。忙しない人だなと思って見ていたら、レンヤさんと目が合う。
「ケイナ、待たせてすまん」
「あの男性、気の毒といいますか…」
「依頼中に想定外が起こるのは、日常茶飯事だ。お前も、元冒険者なんだからわかるだろ」
ケイナさんって、メイドの前は冒険者だったのか。
「わかりますけど、あれは悲惨ですね。私たちの依頼の件に関しては、旦那様から聞いていますか?」
「ああ、アーサム様から詳しく聞いている。アキトの持つ前世の記憶やギフト、誘拐騒動、シェリル様の件もな」
てことは、眼鏡製作のお手伝いをしてくれるのかな?
「アキトと言います」
「レンヤだ。結論から言うと、お前さんのギフトでメガネの製造はできない」
え、なんで!?
「お前、覚醒したばかりで、品質の意味を知らんだろ」
「詳しく知りませんけど、人の腸内環境の品質を低下させて、腹を壊させたり、病気になってる精霊の治療にも役立ちましたよ。僕はお金を持っていませんから、廃棄材料材料の品質を高めて、そこから使える部分だけを取り出して、最小限のお金でメガネを製造できないかなって…」
「そこだ」
「え?」
何を言ってるの?
「[使える部分だけを取り出す]は錬金術師、[それを使いメガネを製造する]は鍛治師や加工師の分野で、品質とは根本的に意味が違う」
え、そうなの?
「俺にとって品質は、一つの物品に対して客の求める性質や性能を指す。どれだけ優れていようが、客の求めるものでない品は劣悪でしかない」
その考えだと、一つのものに関しては、僕の求める品質を自由に作れるってことかな? マグナリアを助ける際に使った品質破壊、トウリに使った品質調整も、1つのもの(物・者)に使ってるもんね。
「それと、お前さんの求める眼鏡を作るには、ある程度の硬度があり、柔軟性の高い金属が必要だ。そんな都合の良いものは、この世に存在しない」
いきなり大きな壁にぶち当たったよ。もしかして、アーサム様はこうなることをわかっていて、僕にレンヤさんを紹介してくれたの?
ここで諦めたくない。
前世の記憶の中で、壁を壊す手掛かりはないかな?
「金属がないのなら、合金として作り出せませんか?」
「合金?」
この世界に存在しないのか、レンヤさんは合金を知らないようだ。
「前世の記憶だと、金属と金属を一定の比率で混ぜ合わせることで、それぞれの長所を引き出せる技術があるんです。1つの物として製造できれば、僕のギフトで調整できると思います」
僕の言葉を聞き、2人はポカンとしていたけど、レンヤさんだけが突然豪快に笑い出す。でも、僕を馬鹿にするような笑いじゃない。
「あはははは、そいつは思いつかなかったぜ!! 合金か、そのアイデアは採用だ!! 俺やミオンだけでは、最適な配合比率を理解するのに何年かかるかわからんが、アキトがいる以上、それも解決だ。俺とミオン、お前の共同製造で、シェリル様の眼鏡を作ってやろうぜ」
やった!!
僕1人だと無理でも、みんなと協力すれば作れるみたいだ!!
「あ~~~お前、あの時の子供じゃないか~~~~」
突然、声が聞こえたものだから、そっちを向くと、さっき話し合っていた男性冒険者が僕のことを指差していた。
2人はティムランド辺境伯家お抱えの鍛治師と錬金術師、ガルーダ様とも親交があり、深く信頼されているから、僕のギフトのことを話しても、他人に漏らすことはないと、アーサム様もガルーダ様も断言していたから、僕も気軽に相談できそう。
ケイナさんが入口の扉をノックしても、返事がなかったので中へ入ると、そこには様々な武器が飾られていて、惚れ惚れとするくらいの輝きを放っていた。訪問予約制の武器屋も営んでいて、冒険者から絶大の人気があると聞いているけど、これらを見ただけで納得できちゃうよ。
「こいつとは、3年の付き合いなんだ。そこを何とか頼むよ」
あれ? 誰かいる。
今の時間は、僕とケイナさんで予約しているはずなのに。
「無理だ。3分割された上に、どうやってここまでの負荷を与えたのか知らんが、中身の構造がかなりいかれてる。新品を買うことをお勧めする」
来客中だから、話し合いが終わるまで待ってよう。
「ちょっとヘマして、大型に剣を踏まれたんだよ」
「そいつはお気の毒。だがな、金属自体が脆くなっている以上、たとえ修繕しても、戦闘中に壊れるのがオチだ。つうか、お前は剣より、自分の体を回復させろ」
多分、カウンター越しにいる気遣う発言をした人が鍛治師レンヤさんだ。年齢は23歳で、18歳の若さで鍛治の頂点へと昇り詰めた天才、今ではミオンさんと2人で工房を経営しているとケイナさんから聞いたけど、ミオンさんはいないようだ。
レンヤさんと話し合っている男性は、冒険者かな。
「仕方ないだろ。今回の依頼が、マジで大変だったんだよ。想定外の出来事が起こって、その対応に追われるわ、昼食であたって大型魔物と戦闘中に全員腹を下すわ、剣を壊されるわ、撤退後の後始末、任務達成による依頼主への連絡、そこからの説教、2日続けて一睡もせず移動したもんだから、身も心もボロボロなんだ」
なんか、気の毒な人だな。前方にいるから、顔色はわからないけど、声のトーンで、切実さがこっちにも伝わってくる。
というか、この声に聞き覚えがあるような? 気のせいかな?
「つうか、その状態でよく任務を達成出来たな。なぜ、依頼主から怒鳴られたのか知らんが」
「あ~、そっちはいいんだ。その後、すぐに解決したから、お咎め無しになった。依頼内容に関しても、全て達成したから依頼料も全額貰えたよ。けどな、相棒が破壊され、腹もまだ回復しきって…う!?」
「お、おい、待て。ここではやめろ!! 奥に、トイレがあるから使え!!」
「悪い、そうさせて」
全部言わずに、奥へと駆け込んでいった。忙しない人だなと思って見ていたら、レンヤさんと目が合う。
「ケイナ、待たせてすまん」
「あの男性、気の毒といいますか…」
「依頼中に想定外が起こるのは、日常茶飯事だ。お前も、元冒険者なんだからわかるだろ」
ケイナさんって、メイドの前は冒険者だったのか。
「わかりますけど、あれは悲惨ですね。私たちの依頼の件に関しては、旦那様から聞いていますか?」
「ああ、アーサム様から詳しく聞いている。アキトの持つ前世の記憶やギフト、誘拐騒動、シェリル様の件もな」
てことは、眼鏡製作のお手伝いをしてくれるのかな?
「アキトと言います」
「レンヤだ。結論から言うと、お前さんのギフトでメガネの製造はできない」
え、なんで!?
「お前、覚醒したばかりで、品質の意味を知らんだろ」
「詳しく知りませんけど、人の腸内環境の品質を低下させて、腹を壊させたり、病気になってる精霊の治療にも役立ちましたよ。僕はお金を持っていませんから、廃棄材料材料の品質を高めて、そこから使える部分だけを取り出して、最小限のお金でメガネを製造できないかなって…」
「そこだ」
「え?」
何を言ってるの?
「[使える部分だけを取り出す]は錬金術師、[それを使いメガネを製造する]は鍛治師や加工師の分野で、品質とは根本的に意味が違う」
え、そうなの?
「俺にとって品質は、一つの物品に対して客の求める性質や性能を指す。どれだけ優れていようが、客の求めるものでない品は劣悪でしかない」
その考えだと、一つのものに関しては、僕の求める品質を自由に作れるってことかな? マグナリアを助ける際に使った品質破壊、トウリに使った品質調整も、1つのもの(物・者)に使ってるもんね。
「それと、お前さんの求める眼鏡を作るには、ある程度の硬度があり、柔軟性の高い金属が必要だ。そんな都合の良いものは、この世に存在しない」
いきなり大きな壁にぶち当たったよ。もしかして、アーサム様はこうなることをわかっていて、僕にレンヤさんを紹介してくれたの?
ここで諦めたくない。
前世の記憶の中で、壁を壊す手掛かりはないかな?
「金属がないのなら、合金として作り出せませんか?」
「合金?」
この世界に存在しないのか、レンヤさんは合金を知らないようだ。
「前世の記憶だと、金属と金属を一定の比率で混ぜ合わせることで、それぞれの長所を引き出せる技術があるんです。1つの物として製造できれば、僕のギフトで調整できると思います」
僕の言葉を聞き、2人はポカンとしていたけど、レンヤさんだけが突然豪快に笑い出す。でも、僕を馬鹿にするような笑いじゃない。
「あはははは、そいつは思いつかなかったぜ!! 合金か、そのアイデアは採用だ!! 俺やミオンだけでは、最適な配合比率を理解するのに何年かかるかわからんが、アキトがいる以上、それも解決だ。俺とミオン、お前の共同製造で、シェリル様の眼鏡を作ってやろうぜ」
やった!!
僕1人だと無理でも、みんなと協力すれば作れるみたいだ!!
「あ~~~お前、あの時の子供じゃないか~~~~」
突然、声が聞こえたものだから、そっちを向くと、さっき話し合っていた男性冒険者が僕のことを指差していた。
163
お気に入りに追加
406
あなたにおすすめの小説

加工を極めし転生者、チート化した幼女たちとの自由気ままな冒険ライフ
犬社護
ファンタジー
交通事故で不慮の死を遂げてしまった僕-リョウトは、死後の世界で女神と出会い、異世界へ転生されることになった。事前に転生先の世界観について詳しく教えられ、その場でスキルやギフトを練習しても構わないと言われたので、僕は自分に与えられるギフトだけを極めるまで練習を重ねた。女神の目的は不明だけど、僕は全てを納得した上で、フランベル王国王都ベルンシュナイルに住む貴族の名門ヒライデン伯爵家の次男として転生すると、とある理由で魔法を一つも習得できないせいで、15年間軟禁生活を強いられ、15歳の誕生日に両親から追放処分を受けてしまう。ようやく自由を手に入れたけど、初日から幽霊に憑かれた幼女ルティナ、2日目には幽霊になってしまった幼女リノアと出会い、2人を仲間にしたことで、僕は様々な選択を迫られることになる。そしてその結果、子供たちが意図せず、どんどんチート化してしまう。
僕の夢は、自由気ままに世界中を冒険すること…なんだけど、いつの間にかチートな子供たちが主体となって、冒険が進んでいく。
僕の夢……どこいった?

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる