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最終章 アキト、隣接する2つの辺境伯領の架け橋となる
22話 女の子たちと交流を深めよう
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シェリル様が僕に礼儀を教えることになったのだけど、リリアナや彼女の家族だけでなく、使用人たちも彼女を見て、優しげな笑みを浮かべている。何か変だなと思ったけど、こういうのって下手に踏み込まない方がいいって気がするから、今は様子を見よう。
「お父様、私が…アキトたちを部屋へ案内したい」
「え…あ…ああ、そうだな。シェリル、頼むよ」
「うん。アキト君、リリアナ、トウリ様、マグナリア様…」
「私はいい。ガルーダ様やアーサムたちと今後の事で話し合うから」
腸内環境を劣悪にして以降の悪党たちの足取りが、気になる。特に、僕を助けてくれた男性、任務を成功させたのかな? 僕は何もできないから、マグナリアたちに任せよう。
「わかりました。2人とも、まずはお部屋へ案内しますね」
僕は右肩にトウリを乗せて、シェリル様の後ろをついていくと、リリアナがそっと彼女のもとへ行き、小声で話し合うようになったから、内容を聞かないよう、少し距離をあけて、トウリの方を見る。
『アキト、あの女の子は両眼に何を付けているの?』
トウリが神妙な顔で、僕に話しかけてくる。
『あれは、眼鏡だよ。目の悪い人をサポートするための道具』
『ふーん、可愛い顔をしているのに、あのださい眼鏡のせいで、全てがだいなしだわ』
言いたいことはわかるよ。
僕が見ても、あの古めかしい黒縁眼鏡の形状は…ね。
『フレームが駄目なんだよ。もっと、ユニークなデザインにすればいいのに』
『たとえば?』
今の僕たちは精霊契約で繋がっているから、イメージを伝えられるかな?
『あ、貴方のイメージが伝わってきた。可愛い!! ねえ、これを作ってあの子にプレゼントしたら?』
『え、そんなお金ないよ』
『貴方にはギフトがあるから、材料だけ貰って、自分で調整すればいいじゃない』
品質管理だから、そういった事もできるかもしれない。これからお世話になるわけだし、ただで滞在するのは、流石に気が引ける。御礼の意味も込めて、僕にしか出来ない品を作り出して、シェリル様にプレゼントしよう。あとは、消費魔力の件だ。
『ギフトを使用する際、魔力を消費するんだけど、僕は43しかない。トウリは、いくらあるの? ステータスって念じれば、画面が表示されて、自分の強さがわかるよ』
『ああ、あの画面ね。ステータス……これね。文字が読めないけど、幾つか数字で記載されている箇所があるわね』
『僕と同じ構成だから、多分下から2番目の数字だと思う』
『それだと、22657ね』
『高!?』
僕の50倍以上もある。
なんか複雑な気分だけど、それだけあれば、なんとかなるよね。
ふと前を見ると、シェリル様と目が合った。
「今、リリアナから聞いたわ。本に書かれている内容は、真実だった。転生者だけが知る未知なる言語。それ、私にも教えて」
「え!?」
いきなりの発言で、僕は絶句する。
「僕とトウリで教えることはできますけど、覚えても使い道がありませんよ?」
「対等に話したいから、敬語いらない。未知の言語に、興味があるの」
それだけで、日本語を学びたいんだ。
「アキト、仲間外れは嫌だから、私にも教えて」
リリアナも日本語を知りたいの!?
「わ…わかったよ。その代わり、リリアナとシェリルは、僕に魔力の扱い方を教えて」
「うん、魔力循環くらいなら」
「私も、それなら教えられるわ」
やった、取引成立だ!! 僕とトウリが日本語の先生、リリアナとシェリルが魔力循環の先生になって、互いに交流を深めていこう。
○○○
僕たちは邸の2階に上がり、そのまま歩いていくと、シェリルが1つの扉の前で止まる。
「ここが、アキト君たちのために用意した客室」
「ドアを見てるだけで、気後れしそう」
「安心して。邸内に入ってから、ずっと気後れしてるわ」
邸内に入ってから、設置されている絵画や壺などの美術品やその場の雰囲気に終始圧倒されているのだから、気後れして当然だよ。生活環境が、平民の僕と何もかも違う。シェリルが扉を開けると…
「広い!? あ、僕だけじゃなく、リリアナやマグナリア、トウリもいるから、程良い広さなのかな?」
「ちょっと待って!! 女の子が男の子のいる部屋で、一緒に寝泊まりするわけないでしょ!! 私の部屋は、隣よ!!」
リリアナの顔が真っ赤になって、凄い剣幕で怒られた。
「え? 村だと、1つのベッドで一緒に寝ていたって、マグナリアが言ってたよ。僕は寝ていて何も覚えていないけど」
あの後、リリアナに怒られることもなかったから、友達同士なら一緒に寝てもいいのかと思った。
「わ~~いらん事を言わんでいいわよ~~。私だって起きたら、添い寝状態で驚いたんだからね!! 村長様の家に、余っている部屋が1つしかないから一緒に寝ただけで、本来は別々で寝るものなの!!」
理由が違うけど、突っ込まない方がいいよね。
そうなると、ここは僕たち3人の部屋になるんだ。
僕の家の寝室の3倍くらい広いと思う。
「気難しいリリアナが素で話せる程、アキト君と打ち解けているのね」
「え…そりゃあ…まあ、誘拐されて生き残った仲だし」
どんな仲だよ。
「シェリル、あなただって、ずっと塞ぎ込んでいたのに、急にどうしたのよ?」
「さっき答えたでしょ? 男の子がカーテシーするところを初めて見て、興味を持ったの。それに、トウリ様とアキト君から嫌な視線を感じない。だから、話し合いたいと思った」
嫌な視線?
初対面の女の子に対して、嫌な視線を向ける男の子っているの?
よくわからないけど、この調子ならシェリル様とも仲良く暮らしていけそうだ。
「お父様、私が…アキトたちを部屋へ案内したい」
「え…あ…ああ、そうだな。シェリル、頼むよ」
「うん。アキト君、リリアナ、トウリ様、マグナリア様…」
「私はいい。ガルーダ様やアーサムたちと今後の事で話し合うから」
腸内環境を劣悪にして以降の悪党たちの足取りが、気になる。特に、僕を助けてくれた男性、任務を成功させたのかな? 僕は何もできないから、マグナリアたちに任せよう。
「わかりました。2人とも、まずはお部屋へ案内しますね」
僕は右肩にトウリを乗せて、シェリル様の後ろをついていくと、リリアナがそっと彼女のもとへ行き、小声で話し合うようになったから、内容を聞かないよう、少し距離をあけて、トウリの方を見る。
『アキト、あの女の子は両眼に何を付けているの?』
トウリが神妙な顔で、僕に話しかけてくる。
『あれは、眼鏡だよ。目の悪い人をサポートするための道具』
『ふーん、可愛い顔をしているのに、あのださい眼鏡のせいで、全てがだいなしだわ』
言いたいことはわかるよ。
僕が見ても、あの古めかしい黒縁眼鏡の形状は…ね。
『フレームが駄目なんだよ。もっと、ユニークなデザインにすればいいのに』
『たとえば?』
今の僕たちは精霊契約で繋がっているから、イメージを伝えられるかな?
『あ、貴方のイメージが伝わってきた。可愛い!! ねえ、これを作ってあの子にプレゼントしたら?』
『え、そんなお金ないよ』
『貴方にはギフトがあるから、材料だけ貰って、自分で調整すればいいじゃない』
品質管理だから、そういった事もできるかもしれない。これからお世話になるわけだし、ただで滞在するのは、流石に気が引ける。御礼の意味も込めて、僕にしか出来ない品を作り出して、シェリル様にプレゼントしよう。あとは、消費魔力の件だ。
『ギフトを使用する際、魔力を消費するんだけど、僕は43しかない。トウリは、いくらあるの? ステータスって念じれば、画面が表示されて、自分の強さがわかるよ』
『ああ、あの画面ね。ステータス……これね。文字が読めないけど、幾つか数字で記載されている箇所があるわね』
『僕と同じ構成だから、多分下から2番目の数字だと思う』
『それだと、22657ね』
『高!?』
僕の50倍以上もある。
なんか複雑な気分だけど、それだけあれば、なんとかなるよね。
ふと前を見ると、シェリル様と目が合った。
「今、リリアナから聞いたわ。本に書かれている内容は、真実だった。転生者だけが知る未知なる言語。それ、私にも教えて」
「え!?」
いきなりの発言で、僕は絶句する。
「僕とトウリで教えることはできますけど、覚えても使い道がありませんよ?」
「対等に話したいから、敬語いらない。未知の言語に、興味があるの」
それだけで、日本語を学びたいんだ。
「アキト、仲間外れは嫌だから、私にも教えて」
リリアナも日本語を知りたいの!?
「わ…わかったよ。その代わり、リリアナとシェリルは、僕に魔力の扱い方を教えて」
「うん、魔力循環くらいなら」
「私も、それなら教えられるわ」
やった、取引成立だ!! 僕とトウリが日本語の先生、リリアナとシェリルが魔力循環の先生になって、互いに交流を深めていこう。
○○○
僕たちは邸の2階に上がり、そのまま歩いていくと、シェリルが1つの扉の前で止まる。
「ここが、アキト君たちのために用意した客室」
「ドアを見てるだけで、気後れしそう」
「安心して。邸内に入ってから、ずっと気後れしてるわ」
邸内に入ってから、設置されている絵画や壺などの美術品やその場の雰囲気に終始圧倒されているのだから、気後れして当然だよ。生活環境が、平民の僕と何もかも違う。シェリルが扉を開けると…
「広い!? あ、僕だけじゃなく、リリアナやマグナリア、トウリもいるから、程良い広さなのかな?」
「ちょっと待って!! 女の子が男の子のいる部屋で、一緒に寝泊まりするわけないでしょ!! 私の部屋は、隣よ!!」
リリアナの顔が真っ赤になって、凄い剣幕で怒られた。
「え? 村だと、1つのベッドで一緒に寝ていたって、マグナリアが言ってたよ。僕は寝ていて何も覚えていないけど」
あの後、リリアナに怒られることもなかったから、友達同士なら一緒に寝てもいいのかと思った。
「わ~~いらん事を言わんでいいわよ~~。私だって起きたら、添い寝状態で驚いたんだからね!! 村長様の家に、余っている部屋が1つしかないから一緒に寝ただけで、本来は別々で寝るものなの!!」
理由が違うけど、突っ込まない方がいいよね。
そうなると、ここは僕たち3人の部屋になるんだ。
僕の家の寝室の3倍くらい広いと思う。
「気難しいリリアナが素で話せる程、アキト君と打ち解けているのね」
「え…そりゃあ…まあ、誘拐されて生き残った仲だし」
どんな仲だよ。
「シェリル、あなただって、ずっと塞ぎ込んでいたのに、急にどうしたのよ?」
「さっき答えたでしょ? 男の子がカーテシーするところを初めて見て、興味を持ったの。それに、トウリ様とアキト君から嫌な視線を感じない。だから、話し合いたいと思った」
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