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第2章 もふもふ鳥の抱える苦悩
18話 初めての告白
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トウリを助ける上で、ガルーダ様には何か考えがあるようだ。
「アキトは、スキル[変化ルビへんげ]を知っているかな?」
「いえ、知らないです」
「精霊たちはある程度修練を積むと、人間族に変化できるようになる。その効果を現すスキルが[変化]。人としての身体を、スキルに内包させる」
「あ!?」
ガルーダ様の言いたい事がわかった!! そのスキルをトウリに付与させて、金鵄と八咫烏を[変化]の中に組み込めばいいのか!!
「本来、スキル[変化]は自分にしか使えないが、君の持つスキル[付与術]は付与の上位に位置しており、他者のスキルや魔法を他者に一時的に付与させることが可能だ。君の脳内で強くイメージすることで、スキルは発動される。変化を一時的に付与した状態で、彼女自身がその効果を真に理解し成功させれば、スキルとして取得出来る」
やった、光明が見えてきた!!
問題はギフト[品質管理]で、それを実行できるかだけど……。
[品質劣化][品質破壊]がスキルとして新規登録されているから、その時の効果を幅広く適用したいことも考慮すると、名称は[品質調整]が妥当かな。金鵄と八咫烏を分離させるには、トウリに自分の姿を強くイメージさせる必要があるよね。
「ガルーダ様、僕の持つ金鵄と八咫烏のイメージをトウリに伝えることは可能ですか?」
「ギフトを発動させている状態であれば可能だ」
そっか、特殊条件下にすればいいんだ!! 僕は改めて、ガルーダ様に自分のやりたいことを伝え、トウリには日本語で伝える。
『私の身体、みんなのようになれるの?』
『今から金鵄と八咫烏のイメージを君に伝える。君はそれを強くイメージして、100%成功することを信じるんだ。僕も必ず成功すると思って、ギフトを発動させるから』
『あなたを信じるわ。初めて会話が成立した相手だもん』
ここからが本番だ。金鵄と八咫烏に関しては、夢の中でも本や像でしか知らないから、しっかりイメージしておく。
この状態で、ギフトを発動させる。
『何か…伝わってくる。この金色が金鵄、真っ黒が八咫烏、どちらも凛々しくて威厳ある存在ね。どちらも、私なんだ』
『どちらかが表になるよう、イメージを強く保ってね』
『うん』
[アキト、ガルーダ様から事情を聞いた。私の魔力を使え]
これって、感応波による通信だ。
……あ、消費魔力のことを完全に忘れてた!!
マグナリアは1階で話をしながら、こっちの状況も聞いていたんだ。
[マグナリア、ありがとう]
ギフトを発動させているせいか、4人の存在が目を閉じても、手に取るようにわかる。対象者をトウリに設定して、僕の[付与術]で、ガルーダ様の[変化]を彼女に付与させるイメージを強く持つ。
「準備が整ったら、私のスキル[変化]をトウリに」
「はい……スキル[付与術]発動!!」
『何か画面が表示されたけど読めないわ』
『ステータス画面だけど気にしないで』
「[品質調整]発動!!」
その瞬間、僕、ガルーダ様、トウリの身体が光る。
『トウリ、言って!!』
『うん、スキル[変化]金鵄!!』
トウリの身体の光が強くなって、姿も見えなくなった。
眩しいせいで、目を開けられない。
お願い、上手くいって!!
○○○
目を開けると、そこには綺麗な金色の鳶がいた。
「これがトウリか?」
「やった、成功だ!!」
【新規スキル[品質調整]を取得しました】
僕はベッド脇に置かれている手鏡を持って、トウリの目の前に置く。
『これが私? これが金鵄? さっきと身体の感覚が全然違う。何かが、身体を駆け巡ってる』
『スキル[変化]を使えば、八咫烏にも変身できるよ』
『変化-八咫烏!!』
今度は、漆黒の3本足のカラスになった。
「金鵄は光属性、八咫烏は闇属性。これ程の霊鳥になるとは……トウリ、目を閉じて、身体から溢れる魔力を鎮めなさい。冷静になり、緩やかな流れで身体中を巡るイメージをするといい」
僕はガルーダ様の言った通りの内容をトウリに伝えると、彼女は目を閉じる。すると、漏れていた何かが嘘のように引いていき、身体の中に入っていった。
『ガルーダ様、アキト、ありがとう。身体に感じる違和感もなくなったわ』
カラスが僕に話しかけてくる。
何だか、変な気分だ。
『あとは、この世界の言語を学べば完璧だね』
『言語……アキト、よろしくね!!』
『え、よろしくって?』
『何を言ってるの? 今の私と会話できるのはアキトだけだから、あなたが教えてくれないと』
『あ、そうか!!』
そうだよ、教える人って僕しかいないじゃん。
「ガルーダ様」
「ははは、言っていることはわからなくても理解できたよ。トウリは、アキトにこの世界の言語を学びたいのだろう?」
「はい」
「君には、マグナリアがいるし問題ない。それに先程のギフト発動で、君はトウリと精霊契約を結んでいる」
「え!?」
「ギフト発動の瞬間、我々は一時的に繋がった。トウリの初めての理解者でもあるから、自然に絆が深まったんだ。君になら、トウリを任せられる」
あ、ステータスの契約欄に、トウリの名前が追加されてる!!
『トウリ、ガルーダ様が許可してくれたよ』
『ほんと!? やった~~~』
『家に帰れないけど、いいの?』
『一生帰れないわけじゃないでしょ?』
『うん』
『それなら、この世界のことを深く理解してからでいい』
本人も悲しんでいる様子もないから、僕と行動しても問題ないのかな。
『う~ん、アキトを見ていると、金鵄の方が合っているかな』
トウリが八咫烏から金鵄に変化した。もう、スキル[変化]を完全に使いこなしている。
『こっちの方がアキトと合ってる。八咫烏は、漆黒で逆に目立ちそうだし、夜の偵察用に向いているわ。ただ、この金色は派手よね。これでいいかな?』
金色に輝いていたトウリの毛色が、僕の知る鳶のものへと変化した。これなら、普通の鳥に見える。
「大したものだ。身につけたばかりのスキルを、もう扱えている」
『スキルを使いこなして偉いって、ガルーダ様が褒めてる。僕も、可愛さが増したからいいと思うよ』
『やった、2人から褒められた!! アキトに可愛いって言われた~。アキト~好き~~~これから宜しくね』
鳶となったトウリが僕にくっついて、すりすりしてきた。
結構モフモフしていて気持ちいい。
「アキトは、スキル[変化ルビへんげ]を知っているかな?」
「いえ、知らないです」
「精霊たちはある程度修練を積むと、人間族に変化できるようになる。その効果を現すスキルが[変化]。人としての身体を、スキルに内包させる」
「あ!?」
ガルーダ様の言いたい事がわかった!! そのスキルをトウリに付与させて、金鵄と八咫烏を[変化]の中に組み込めばいいのか!!
「本来、スキル[変化]は自分にしか使えないが、君の持つスキル[付与術]は付与の上位に位置しており、他者のスキルや魔法を他者に一時的に付与させることが可能だ。君の脳内で強くイメージすることで、スキルは発動される。変化を一時的に付与した状態で、彼女自身がその効果を真に理解し成功させれば、スキルとして取得出来る」
やった、光明が見えてきた!!
問題はギフト[品質管理]で、それを実行できるかだけど……。
[品質劣化][品質破壊]がスキルとして新規登録されているから、その時の効果を幅広く適用したいことも考慮すると、名称は[品質調整]が妥当かな。金鵄と八咫烏を分離させるには、トウリに自分の姿を強くイメージさせる必要があるよね。
「ガルーダ様、僕の持つ金鵄と八咫烏のイメージをトウリに伝えることは可能ですか?」
「ギフトを発動させている状態であれば可能だ」
そっか、特殊条件下にすればいいんだ!! 僕は改めて、ガルーダ様に自分のやりたいことを伝え、トウリには日本語で伝える。
『私の身体、みんなのようになれるの?』
『今から金鵄と八咫烏のイメージを君に伝える。君はそれを強くイメージして、100%成功することを信じるんだ。僕も必ず成功すると思って、ギフトを発動させるから』
『あなたを信じるわ。初めて会話が成立した相手だもん』
ここからが本番だ。金鵄と八咫烏に関しては、夢の中でも本や像でしか知らないから、しっかりイメージしておく。
この状態で、ギフトを発動させる。
『何か…伝わってくる。この金色が金鵄、真っ黒が八咫烏、どちらも凛々しくて威厳ある存在ね。どちらも、私なんだ』
『どちらかが表になるよう、イメージを強く保ってね』
『うん』
[アキト、ガルーダ様から事情を聞いた。私の魔力を使え]
これって、感応波による通信だ。
……あ、消費魔力のことを完全に忘れてた!!
マグナリアは1階で話をしながら、こっちの状況も聞いていたんだ。
[マグナリア、ありがとう]
ギフトを発動させているせいか、4人の存在が目を閉じても、手に取るようにわかる。対象者をトウリに設定して、僕の[付与術]で、ガルーダ様の[変化]を彼女に付与させるイメージを強く持つ。
「準備が整ったら、私のスキル[変化]をトウリに」
「はい……スキル[付与術]発動!!」
『何か画面が表示されたけど読めないわ』
『ステータス画面だけど気にしないで』
「[品質調整]発動!!」
その瞬間、僕、ガルーダ様、トウリの身体が光る。
『トウリ、言って!!』
『うん、スキル[変化]金鵄!!』
トウリの身体の光が強くなって、姿も見えなくなった。
眩しいせいで、目を開けられない。
お願い、上手くいって!!
○○○
目を開けると、そこには綺麗な金色の鳶がいた。
「これがトウリか?」
「やった、成功だ!!」
【新規スキル[品質調整]を取得しました】
僕はベッド脇に置かれている手鏡を持って、トウリの目の前に置く。
『これが私? これが金鵄? さっきと身体の感覚が全然違う。何かが、身体を駆け巡ってる』
『スキル[変化]を使えば、八咫烏にも変身できるよ』
『変化-八咫烏!!』
今度は、漆黒の3本足のカラスになった。
「金鵄は光属性、八咫烏は闇属性。これ程の霊鳥になるとは……トウリ、目を閉じて、身体から溢れる魔力を鎮めなさい。冷静になり、緩やかな流れで身体中を巡るイメージをするといい」
僕はガルーダ様の言った通りの内容をトウリに伝えると、彼女は目を閉じる。すると、漏れていた何かが嘘のように引いていき、身体の中に入っていった。
『ガルーダ様、アキト、ありがとう。身体に感じる違和感もなくなったわ』
カラスが僕に話しかけてくる。
何だか、変な気分だ。
『あとは、この世界の言語を学べば完璧だね』
『言語……アキト、よろしくね!!』
『え、よろしくって?』
『何を言ってるの? 今の私と会話できるのはアキトだけだから、あなたが教えてくれないと』
『あ、そうか!!』
そうだよ、教える人って僕しかいないじゃん。
「ガルーダ様」
「ははは、言っていることはわからなくても理解できたよ。トウリは、アキトにこの世界の言語を学びたいのだろう?」
「はい」
「君には、マグナリアがいるし問題ない。それに先程のギフト発動で、君はトウリと精霊契約を結んでいる」
「え!?」
「ギフト発動の瞬間、我々は一時的に繋がった。トウリの初めての理解者でもあるから、自然に絆が深まったんだ。君になら、トウリを任せられる」
あ、ステータスの契約欄に、トウリの名前が追加されてる!!
『トウリ、ガルーダ様が許可してくれたよ』
『ほんと!? やった~~~』
『家に帰れないけど、いいの?』
『一生帰れないわけじゃないでしょ?』
『うん』
『それなら、この世界のことを深く理解してからでいい』
本人も悲しんでいる様子もないから、僕と行動しても問題ないのかな。
『う~ん、アキトを見ていると、金鵄の方が合っているかな』
トウリが八咫烏から金鵄に変化した。もう、スキル[変化]を完全に使いこなしている。
『こっちの方がアキトと合ってる。八咫烏は、漆黒で逆に目立ちそうだし、夜の偵察用に向いているわ。ただ、この金色は派手よね。これでいいかな?』
金色に輝いていたトウリの毛色が、僕の知る鳶のものへと変化した。これなら、普通の鳥に見える。
「大したものだ。身につけたばかりのスキルを、もう扱えている」
『スキルを使いこなして偉いって、ガルーダ様が褒めてる。僕も、可愛さが増したからいいと思うよ』
『やった、2人から褒められた!! アキトに可愛いって言われた~。アキト~好き~~~これから宜しくね』
鳶となったトウリが僕にくっついて、すりすりしてきた。
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