僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護

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第2章 もふもふ鳥の抱える苦悩

17話 霊鳥トウリの正体

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あれから僕の知る日本の言葉を言っても、トウリは何一つ知らなかった。僕もガルーダ様も、トウリが転生者じゃないとわかり思い悩む。

「アキト、君たちの話す言語は、何語かな?」
「日本語です」

「日本、それは他の転生者たちの故郷と一致している。転生者は、記憶の全てを引き継ぐ者もいれば、化物扱いを避けるため、一部の知識だけを引き継ぐ者もいる」

マグナリアも言ってたけど、僕は後者に入る。

「この世界の文明を発展させるため、神はこういった形で転生者たちを呼び込んでいるが、彼らは良い意味でも悪い意味でも、この世界に刺激を与えている」

悪い意味? 異界の記憶を悪用して、世界に迷惑をかけたってことかな。

「だが、トウリの場合、転生者ではないのに、日本語を話せている。これでは、その言語を付与した意味がわからない。アキト、トウリを見て、他に気づいたことはあるか?」

う~ん、よくわからないから、本人に聞いてみよう。

『トウリ、君の事で話し合っているんだけど、何か自分のことで気づいたことはある?』

『あるわ。この身体、絶対おかしい。他の鳥達と違って、足が5本、目が4つもある。それに、茶色の足2つを動かしたら、黒色の足3本を動かせないの。目もそう、視界は広いけど、2つ動かすと、残り2つが動かないの。身体全体が年々少しずつ重くなっていくのを感じるわ』

まるで、トウリの中に身体が2つあるような言い方だ。実際、見た目が右半身と左半身でかなり違うんだよね。なんか、本当に2つの生物が無理矢理1つの身体に搭載されたかのような印象だ。右半身が金色の鳶、左半身が黒色の鴉…足が3本あるから八咫烏か。そういえば、金色の鳶って別名があったような? 

……あ、金鵄だ!!

え~と、前世の記憶だと、金鵄と八咫烏って、導きの神って言われていたような気がするけど、この2体って同一視されていたような? う~ん、あやふやでわかんないけど、ガルーダさんに今思ったことを伝えよう。

「導きの神…つまり、金鵄も八咫烏も導きの役目を担っているということか。これは、偶然ではないな。精霊花は天上の世界と繋がっている。病気だったこともあり、花のシステムが異常をきたし、転生システムと一時的に繋がり、そこから役目を担う生物を見つけ出したのかもしれない」

う~ん、天上の世界とかシステムとか言われても、僕にはよくわからないや。でも、今いった事が事実なら、金鵄と八咫烏を2つに分断できれば、トウリも普通に生活できるってことだ。人の身体も品質に該当するのなら、今のトウリは劣悪に近い状態だ。それを調整できれば、彼女を助けられる。

でも、やり方を間違えれば、トウリが死んじゃう。1つの身体に、2つの生物が生きられるようにするには、どうすればいいのだろう? 1人で悩んで何も出ないのなら、みんなで考えよう。

『トウリ、この世界にはギフト、スキル、魔法というものがあって、相性さえ合えば、君の身体を回復させることもできるはずなんだ』

『それは、なんとなくだけどわかるわ。仲間たちが何人も、私に手をかざしていたもの。でも、誰がやっても、私は回復しなかった』

『諦めちゃだめだよ。方法が間違っているだけなんだ。僕のギフトは[品質管理]といって、ものの品質を管理できるんだ。どんな事ができるのかは、僕の技量次第となっているから、これを使えば、君を理想的な身体に変えられるかもしれない』

『その力をどう使えば、私は治るの?』
『少し待ってね。僕の案をガルーダ様に提案してみるから』
『うん』

トウリを治療する方法は、必ずあるはずだ。
品質を破壊できるのなら、調整する事だってできるはずだ。

「ガルーダ様、僕の品質管理をトウリに使えないかな?」
「目覚めたばかりのギフトは応用性も多々あると言われているが、君はどうしたい?」

さっき考えた案を、ガルーダ様に話してみる。

「話を聞いた限り、理論上は可能だろう。1つの身体に2つの生物を宿している以上、アキトのギフトの効果で使い分ければ、トウリの身体も正常になるが、問題は、どうやって使い分けるかだな」

「僕はスキル[付与術]を持っていますので、品質調整でトウリにスキルを付与させることも可能だと思うんです」

「そうか、付与の上位スキル[付与術]を持っているのか。それならば、話は簡単だ」

え?
ガルーダ様が笑い、表情も緩んだような気がする。
何かトウリを救う手立てがあるの?
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