僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜

犬社護

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第1章 誘拐騒動ともふもふとの出会い

8話 禁忌の主従契約

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僕が転生者だと、希望はあるって言ってたけど、どういう意味なの? ここから抜け出せることが出来るの?

『それは、アキトのギフト次第』

ギフト? あれは、10歳の誕生日に神様からもらえるプレゼントだよ。
5歳の僕は、持ってない。

『普通はそう。でも、それは誤解。人が生まれた時点で、ギフトは、潜在的に組み込まれている。10歳という自我が強くなる時期に、ステータスとして覚醒し、人に見えるようになる』

そうなの? 初めて知ったよ。

『ここからが重要。我々のような高位精霊に属する者は、人の潜在的に秘めるギフトを年齢に関係なく、覚醒させることが可能。そして、前世の記憶を持つ転生者は、稀有な効果を持つギフトを取得しやすい』

だから、僕のギフト次第で、この状況を打破できるかもしれないって言ったんだ。でも、そのギフトの覚醒システムって、神様が作ったものだから、いくら聖獣でも、無断で人の秘める力を解放していいのかな? 神様から怒られるんじゃないの?

『聡いね、アキト。ギフトの中には、とびきり強力なものが存在する。そういったものは秘めている段階であっても、ほんの少し表に出て影響を及ぼす時がある。高位精霊がそういった者たちと遭遇した場合、ギフトの力と子供の心を観察し、世界に必要と判断した場合、精霊契約を結び、子供を死なせないよう、ギフトを覚醒させ、その制御方法を教える。この場合は、神の怒りに触れない』

それなら正当な理由だし、神様も怒らないよね。

『精霊の中にはイタズラ好きな者もいて、遊び半分で子供の秘めしギフトを覚醒させる奴がいる。この行為は神の逆鱗に触れ、その精霊はその子供と強制的に精霊契約とは異なる主従契約を結ばされ、子供が天寿を全うするまで、面倒を見ないといけない。もし、精霊が契約者に死などの大きな害意を加えようとした場合、その者は存在を抹消される』

怖!! 強制的に主従契約!? 契約者に害意を与えたら存在抹消!? つまり、10歳未満でギフトを覚醒させる行為は、正当な理由があれば罰せられないってことか。今回の件は、どうなるの?

『自分の命を優先させて、君のギフトを覚醒させるのだから、当然後者の主従契約に入る』

え、僕の同意があっても?

『それでも、アキトの人生を狂わせることに変わりない』

こんな危機的事態であっても、後者に入るのか。

『私は弱いけど、これでも白虎族の端くれ。君のギフトを覚醒させる以上、最後まで責任を持つ』

このまま何もしない場合、僕もリリアナもマグナリアも、碌な未来しか待ってない。最悪、死の可能性だってある。マグナリアと協力して、この状況を打破しないといけないってことか。

『その通り。私はこの牢屋と首輪のせいで、力や魔力自体の殆どを封じられているけど、アキトと触れることさえできれば、君の力を覚醒させることぐらいならできる』

話を理解できたけど、そもそも僕のギフトって何なの? 漏れ出てる様子もないから、そこまで強力なギフトじゃないことはわかるけど。

『それは、私にもわからない。だから、これは賭けだ。もし、ギフトを覚醒させて、この状況を打破できない場合、契約の関係上、悪党どもは必ず君を殺して、私を自由にさせる。どうする?』

ど、どうするって……マグナリアとの契約を断ると、そこから待つのは[奴隷]か[死]、契約すれば僕のギフト次第で、【解放】という選択肢が増える。

ここまでのことを、リリアナにも伝えよう。

「リリアナ、あのね…」

僕は、マグナリアから聞いたことを小声で話していく。

「危険な賭けだけど、やるしかないわね」

目覚めた当初は声も震えていたけど、今は希望が見えているからか、怯えている様子もない。

「だよね。このままだと、奴隷か死しか待ってないんだから」
「あなたのギフトに期待しているわ」

凄いプレッシャーが僕にのしかかるけど、もうやるしかない。
マグナリア、覚悟を決めたよ。

一応確認するけど、僕の力を覚醒させたら、君は僕と強制的に契約してしまう。人の寿命って、80~100年くらいあるんでしょ? 正直、そんな長い間、君を縛りたくないけど本当にいいの?

『アキトなら構わない。転生者の魂は初期こそ綺麗だけど、この世界に染まることで穢れやすい。君は目覚めたばかりだから、穢れないよう、私が聖獣として君を守る。ここでの出会いは、私にとっても奇跡に等しい』

僕は主従契約を結んでも、マグナリアを縛らないよ。
君とは、友達関係でいたいもん。

『いい答え』

どうすればいいの?

『簡単、私に触れればいい。牢屋に顔を近づけて』

僕は自分の顔を牢屋に近づけると、マグナリアが僕の口を舐める。その途端、僕の中にある何かが壊れ、目隠しされているのに、奇妙な画面が僕の目の前に出現した。
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