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第三章 雪の峠越え
雪の峠越え
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ヒョオオオッ。
雪が鳴っている。降り続く雪はまるで弱る気配を見せない。
九能がやってきた二日後、鶴は籠に入れられ、多田羅の屋敷を出て、豪雪轟く根尾の山谷道を大阪城に向かっていた。
その一行の中に、多田羅、班目親子ら従者たち、それに戸板に乗せられ布団で頑丈にくるまれた妙がいる。
大阪に鶴を運ぶと言う九能に、多田羅はこう言った。
「鶴を取り上げるというなら持っていけ。だが、俺は関白秀吉に直談判する。この鶴は妙のものだ。取らないでくれ」と。
そのために大阪城までついていく、と。
多田羅はすでに死ぬ気でいる。
鶴を食べなければ妙は死ぬ。妙が死んだら、自分も生きてはいけない。
大阪城に行き、秀吉に直談判したとして叶うはずもないだろう。せめて妙とともに大阪城で死に、秀吉とその子、鶴松に死の呪いをかけてやるという思いで、豪雪の中、妙の乗った戸板の柄を握り、足を進めていた。
大阪へ死にに行くという多田羅の気迫は、九能にも伝わるのだろう。
多田羅は、雪避けに手製の幌をかけた戸板に妙を乗せ、供の者と二人がかりで運んでいたが、九能は何度もその戸板の担ぎ手を申し出た。
降りやまぬ雪は絶え間なく顔を打ち、口を開けばすぐに口の中に雪が飛び込み、体の芯まで冷やす。そんな中でも多田羅は絶えず、妙に話しかけている。
「寒くはないか」
「腹は減ってないか」
「俺がついているぞ」
妙、妙、妙と、自分の体力が消耗するのにも構わず、多田羅は妙の名を呼び続けていた。
同行する誰もが、衰弱したこの童女はほどなく道中で死ぬだろうと思っている。そう思っているが、多田羅の気迫に呑まれて誰も何も言えずに、戸板の片方を担いでいた。
根尾村を発って二日目に、妙の意識がなくなった。
「妙、死ぬな!」
そう叫び、必死で妙の体を揺さぶる多田羅を押しとどめて、九能は懐からビードロの瓶を出すと
「南蛮渡来の気付け薬でござる。これをご妻女に」
と多田羅に差し出した。
口移しで飲ませよということなのだろう。受け取った多田羅はあおるように口に含んで、激しくむせた。
熱い!
その口から溢れたものが赤い。
「なんだ、これは!」
驚く多田羅に、九能は平然としている。
「珍佗酒(ちんたしゅ)でござる。滋養があり、体を温める効能がありまする。どうぞ早く」
何故このような物を持っているのだ、という言葉を飲み込んで、多田羅は再び瓶に口をつけた。やはり喉に熱い。それに舌がしびれるほどに甘い。
多田羅は顔を伏せ、口移しで妙にそれを飲ませた。
多田羅は伏せた顔を、なかなか上げなかった。力なく動かない妙の舌を、多田羅は自分の舌で揺り起こすように励ますように、何度も何度もなぶっていたのである。
とても見ていられぬわ……。
その場にいる誰もが、二人から目を逸らすように、降りしきる雪を見上げていた。
「目覚めぬ妙を置いては、どこにも行かぬ」
そう言い張る多田羅に折れ、その日、一行は近江の古寺に泊まった。
雪がひどい。
パチッと火が爆ぜる囲炉裏を挟んで、多田羅と斑目の主従は向かい合っていた。
火のそばには死んだように眠る妙と、班目が連れてきた彼の嫡男で十二歳になる助信が眠っている。
火を見つめる班目が、静かに口を開いた。
「此度のこと、申し訳もござりませぬ」
鶴を生け捕りしたことを班目が大阪に知らせたがために、このような事態になっている。
多田羅は、妙の寝顔を見つめて答えた。
「それほど、お前が関白かぶれとは知らなかったわ」
火に照らされた斑目の端整な横顔が、睨むように多田羅を見た。
「そんなものではございませぬ。男に生まれたからには立身出世を願うは必定。幼少の砌(みぎり)よりお傍にお仕えてしてまいりましたが、礼様には恐ろしいほどの胆力がございまする。あなた様なら関白殿下のお目に留まり、大阪で立身出世の本懐を遂げられると思っておりまする」
「買いかぶりすぎよ。俺は根尾の山猿で、俺の持っている宝といえば、この妙一人」
「買いかぶりではございませぬ!」
班目が悲壮な声を上げた。
「九能殿も、礼様ほどの度量の男が根尾の山奥に埋もれるのは惜しいと仰っておりました。なぜこのような……」
拾い児の童女にこだわっているのか、とはさすがに班目は言わなかった。
多田羅は「男子の本懐」と一つ呟くと言った。
「班目、お前は立身出世がしたいのか?」
「むろんでございまする。そうして子らにその繁栄を与えてやりたいと願うのは当然でございましょう」
そこで班目は一子、助信の寝顔を見た。斑目によく似た切れ長の一目瞼が、囲炉裏の火に照らされている。
たとえ自分は多田羅とともに根尾の山奥で朽ち果てる身だったとしても、せめて子の助信はどこか別の家へ士官させられればと願い、大阪城行きはその好機になるやもと、伴ってきていた。助信は賢い。立身の糸口さえつかめばという思いが班目にはある。
「くだらぬ親心と思われますか?」
斑目の問いに、いや、と多田羅は首を振った。
「その気持ちわかるが、子のない俺にはわからぬ」。
多田羅は火箸で薪をつついた。
翌日。
妙は回復したが、代わりに助信が死んだ。
凍死だった。
夜半に薪が尽きて囲炉裏の火が消えると、助信は妙の体を炉のそばに寄せ、多田羅と父の体を風よけにし、自分は薪を探しに、雪の吹雪く外に出た。
助信は寺から一丁ほど離れたところで、赤子のように丸まって雪にうずもれていた。自身の衣類を、ほとんど妙に着せてやっていた。
「助信は若輩にして、なんと忠義者よ」
九能の一行は口を揃えて誉めたたえたが、多田羅はある疑念に憑かれていた。
(よもや助信は、妙のことを女として見ていたのではあるまいか)という氷のような疑惑で
ある。
それは安堵したような顔で永遠の眠りについている助信への大きな怒りと、同時に助信の衣類に包まれている妙からすぐさまそれを引きはがしてしまいたいという激しい衝動に化けた。
だが、それを班目に言い、助信の思いを確かめるのは憚られた。
「これも宿世(すくせ)でござる」
班目は、そう言って、助信の遺骸を呆として見つめている。
遺骸の始末はすべて九能が取り仕切ってくれた。雪べらで雪を掘り起こし、少年の遺骸を深く埋めた。目印として旗を立てるよう指示し、雪解け後に掘り起こし、改めて埋葬するようにと、近くの寺に頼む使者まで出してくれた。
班目以下供の者がみな、雪を掻き、助信を葬る作業にあたる中、多田羅は九能に向かって、礼をのべた。
すると、思わぬ言葉が九能から返ってきた。
「なに、雪の行軍には慣れております。某はもともと佐々家、佐々成政様のところにおりましたので。越中富山から信濃口を抜けた、あのさらさら越えに比べればこれくらいの雪など、どうということもござりません」
「それは大変なご苦労をされましたな……」
かつて佐々が敢行した決死のさらさら越えといえば、この根尾のように雪深い地では伝説めいたものになっている。
「某は豊臣家に仕える者の中で、さらさら越えを経験している数少ない者として、此度の根尾行きの使者に抜擢され申した」
九能の主、佐々成政は秀吉に切腹させられ、すでに世にいない。九能の変遷ぶりといい、嫡男を失った斑目の焦燥ぶりといい、立身出世と男子(だんし)の命はまるでわからぬものだなと、多田羅は不思議な思いで、九能の話を聞いている。
ふと妙を救った珍佗酒のことを思い出し、尋ねてみた。
「九能殿は今、豊臣家でどのようなお役についておられるのか」
「献上品の検め役をしております。某はそういう内向きのことが性に合っているようでござる」
誰が見ても戦に向いたこの巨体で内向きとは……くすりと多田羅は笑いたくなった。
「佐々の殿に仕えた頃も越中で鶴を何度か見たものです。献上品でも幾多の鶴を見てまいりました。此度も『そちが本物の鶴を見極めてまいれ』と関白自らが、我が手を取ってお命じになられましてな」
――と、その時、風を薙ぐように不意に雪が止んだ。
白い空を仰いで九能が続けた。
「この様子なら、明日には過酷な雪峠も抜けられることでしょう」
「そうですか、だとすれば助信は運がなかった」
そう言った多田羅の声もどこか虚ろである。九能は空に何かを探すような目をした。
「そこもとは大阪で関白殿下に暴言を吐き、死ぬおつもりか?」
「おそらくそうなるでしょうな」
多田羅は白い歯を見せて笑った。
「妙を思うと、心が燃えるのをどうにもできません。妙に導かれて私の運命は動いている」
「何も死なずとも。もし運命(さだめ)というものを多田羅殿が信じるならば、某に一つ、知恵がござる」
雪が鳴っている。降り続く雪はまるで弱る気配を見せない。
九能がやってきた二日後、鶴は籠に入れられ、多田羅の屋敷を出て、豪雪轟く根尾の山谷道を大阪城に向かっていた。
その一行の中に、多田羅、班目親子ら従者たち、それに戸板に乗せられ布団で頑丈にくるまれた妙がいる。
大阪に鶴を運ぶと言う九能に、多田羅はこう言った。
「鶴を取り上げるというなら持っていけ。だが、俺は関白秀吉に直談判する。この鶴は妙のものだ。取らないでくれ」と。
そのために大阪城までついていく、と。
多田羅はすでに死ぬ気でいる。
鶴を食べなければ妙は死ぬ。妙が死んだら、自分も生きてはいけない。
大阪城に行き、秀吉に直談判したとして叶うはずもないだろう。せめて妙とともに大阪城で死に、秀吉とその子、鶴松に死の呪いをかけてやるという思いで、豪雪の中、妙の乗った戸板の柄を握り、足を進めていた。
大阪へ死にに行くという多田羅の気迫は、九能にも伝わるのだろう。
多田羅は、雪避けに手製の幌をかけた戸板に妙を乗せ、供の者と二人がかりで運んでいたが、九能は何度もその戸板の担ぎ手を申し出た。
降りやまぬ雪は絶え間なく顔を打ち、口を開けばすぐに口の中に雪が飛び込み、体の芯まで冷やす。そんな中でも多田羅は絶えず、妙に話しかけている。
「寒くはないか」
「腹は減ってないか」
「俺がついているぞ」
妙、妙、妙と、自分の体力が消耗するのにも構わず、多田羅は妙の名を呼び続けていた。
同行する誰もが、衰弱したこの童女はほどなく道中で死ぬだろうと思っている。そう思っているが、多田羅の気迫に呑まれて誰も何も言えずに、戸板の片方を担いでいた。
根尾村を発って二日目に、妙の意識がなくなった。
「妙、死ぬな!」
そう叫び、必死で妙の体を揺さぶる多田羅を押しとどめて、九能は懐からビードロの瓶を出すと
「南蛮渡来の気付け薬でござる。これをご妻女に」
と多田羅に差し出した。
口移しで飲ませよということなのだろう。受け取った多田羅はあおるように口に含んで、激しくむせた。
熱い!
その口から溢れたものが赤い。
「なんだ、これは!」
驚く多田羅に、九能は平然としている。
「珍佗酒(ちんたしゅ)でござる。滋養があり、体を温める効能がありまする。どうぞ早く」
何故このような物を持っているのだ、という言葉を飲み込んで、多田羅は再び瓶に口をつけた。やはり喉に熱い。それに舌がしびれるほどに甘い。
多田羅は顔を伏せ、口移しで妙にそれを飲ませた。
多田羅は伏せた顔を、なかなか上げなかった。力なく動かない妙の舌を、多田羅は自分の舌で揺り起こすように励ますように、何度も何度もなぶっていたのである。
とても見ていられぬわ……。
その場にいる誰もが、二人から目を逸らすように、降りしきる雪を見上げていた。
「目覚めぬ妙を置いては、どこにも行かぬ」
そう言い張る多田羅に折れ、その日、一行は近江の古寺に泊まった。
雪がひどい。
パチッと火が爆ぜる囲炉裏を挟んで、多田羅と斑目の主従は向かい合っていた。
火のそばには死んだように眠る妙と、班目が連れてきた彼の嫡男で十二歳になる助信が眠っている。
火を見つめる班目が、静かに口を開いた。
「此度のこと、申し訳もござりませぬ」
鶴を生け捕りしたことを班目が大阪に知らせたがために、このような事態になっている。
多田羅は、妙の寝顔を見つめて答えた。
「それほど、お前が関白かぶれとは知らなかったわ」
火に照らされた斑目の端整な横顔が、睨むように多田羅を見た。
「そんなものではございませぬ。男に生まれたからには立身出世を願うは必定。幼少の砌(みぎり)よりお傍にお仕えてしてまいりましたが、礼様には恐ろしいほどの胆力がございまする。あなた様なら関白殿下のお目に留まり、大阪で立身出世の本懐を遂げられると思っておりまする」
「買いかぶりすぎよ。俺は根尾の山猿で、俺の持っている宝といえば、この妙一人」
「買いかぶりではございませぬ!」
班目が悲壮な声を上げた。
「九能殿も、礼様ほどの度量の男が根尾の山奥に埋もれるのは惜しいと仰っておりました。なぜこのような……」
拾い児の童女にこだわっているのか、とはさすがに班目は言わなかった。
多田羅は「男子の本懐」と一つ呟くと言った。
「班目、お前は立身出世がしたいのか?」
「むろんでございまする。そうして子らにその繁栄を与えてやりたいと願うのは当然でございましょう」
そこで班目は一子、助信の寝顔を見た。斑目によく似た切れ長の一目瞼が、囲炉裏の火に照らされている。
たとえ自分は多田羅とともに根尾の山奥で朽ち果てる身だったとしても、せめて子の助信はどこか別の家へ士官させられればと願い、大阪城行きはその好機になるやもと、伴ってきていた。助信は賢い。立身の糸口さえつかめばという思いが班目にはある。
「くだらぬ親心と思われますか?」
斑目の問いに、いや、と多田羅は首を振った。
「その気持ちわかるが、子のない俺にはわからぬ」。
多田羅は火箸で薪をつついた。
翌日。
妙は回復したが、代わりに助信が死んだ。
凍死だった。
夜半に薪が尽きて囲炉裏の火が消えると、助信は妙の体を炉のそばに寄せ、多田羅と父の体を風よけにし、自分は薪を探しに、雪の吹雪く外に出た。
助信は寺から一丁ほど離れたところで、赤子のように丸まって雪にうずもれていた。自身の衣類を、ほとんど妙に着せてやっていた。
「助信は若輩にして、なんと忠義者よ」
九能の一行は口を揃えて誉めたたえたが、多田羅はある疑念に憑かれていた。
(よもや助信は、妙のことを女として見ていたのではあるまいか)という氷のような疑惑で
ある。
それは安堵したような顔で永遠の眠りについている助信への大きな怒りと、同時に助信の衣類に包まれている妙からすぐさまそれを引きはがしてしまいたいという激しい衝動に化けた。
だが、それを班目に言い、助信の思いを確かめるのは憚られた。
「これも宿世(すくせ)でござる」
班目は、そう言って、助信の遺骸を呆として見つめている。
遺骸の始末はすべて九能が取り仕切ってくれた。雪べらで雪を掘り起こし、少年の遺骸を深く埋めた。目印として旗を立てるよう指示し、雪解け後に掘り起こし、改めて埋葬するようにと、近くの寺に頼む使者まで出してくれた。
班目以下供の者がみな、雪を掻き、助信を葬る作業にあたる中、多田羅は九能に向かって、礼をのべた。
すると、思わぬ言葉が九能から返ってきた。
「なに、雪の行軍には慣れております。某はもともと佐々家、佐々成政様のところにおりましたので。越中富山から信濃口を抜けた、あのさらさら越えに比べればこれくらいの雪など、どうということもござりません」
「それは大変なご苦労をされましたな……」
かつて佐々が敢行した決死のさらさら越えといえば、この根尾のように雪深い地では伝説めいたものになっている。
「某は豊臣家に仕える者の中で、さらさら越えを経験している数少ない者として、此度の根尾行きの使者に抜擢され申した」
九能の主、佐々成政は秀吉に切腹させられ、すでに世にいない。九能の変遷ぶりといい、嫡男を失った斑目の焦燥ぶりといい、立身出世と男子(だんし)の命はまるでわからぬものだなと、多田羅は不思議な思いで、九能の話を聞いている。
ふと妙を救った珍佗酒のことを思い出し、尋ねてみた。
「九能殿は今、豊臣家でどのようなお役についておられるのか」
「献上品の検め役をしております。某はそういう内向きのことが性に合っているようでござる」
誰が見ても戦に向いたこの巨体で内向きとは……くすりと多田羅は笑いたくなった。
「佐々の殿に仕えた頃も越中で鶴を何度か見たものです。献上品でも幾多の鶴を見てまいりました。此度も『そちが本物の鶴を見極めてまいれ』と関白自らが、我が手を取ってお命じになられましてな」
――と、その時、風を薙ぐように不意に雪が止んだ。
白い空を仰いで九能が続けた。
「この様子なら、明日には過酷な雪峠も抜けられることでしょう」
「そうですか、だとすれば助信は運がなかった」
そう言った多田羅の声もどこか虚ろである。九能は空に何かを探すような目をした。
「そこもとは大阪で関白殿下に暴言を吐き、死ぬおつもりか?」
「おそらくそうなるでしょうな」
多田羅は白い歯を見せて笑った。
「妙を思うと、心が燃えるのをどうにもできません。妙に導かれて私の運命は動いている」
「何も死なずとも。もし運命(さだめ)というものを多田羅殿が信じるならば、某に一つ、知恵がござる」
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