交の鳥(こうのとり)
天正十九年、岐阜の根尾村に、天下人秀吉の使者、九能善次(くのうぜんじ)がやってくる。
かつて佐々成政に仕えていた彼は、佐々の埋蔵金百万両を隠し場所を知る男だった。
その根尾村には、妙という捨て子を見初め、妻にした豪族、多田羅礼(たたらあきら)がいた。
「秀吉のために、鶴を献上せよ」久能の口から、多田羅に告げられた命。
これが、すべての始まりだった。
100万両と言われた佐々成政の埋蔵金の行方とともに
種なしと言われた秀吉の、子作りの謎を解き明かす、壮大な歴史ミステリー
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序章 大阪の使者
第一章 女狂いの大童様
第二章 死の年
第三章 雪の峠越え
第四章 大阪城の猿踊り
第五章 天下一の姫君
第六章 新床の城
第七章 多田羅の嫁自慢
第八章 意外な恩賞
第九章 大阪城の友
第十章 大阪の憑き物
第十一章 秀吉の書状
第十二章 大阪城の捨て女たち
第十三章 茶室の謁見
第十四章 天蓋の下の名品
第十五章 九能の一日
第十六章 蔵の多田羅
第十七章 淀の参籠
第十八章 帰還
第十九章 菊の献上
第二十章 百万両の命
第二十一章 殺生関白
第二十二章 明の夢
第二十三章 名護屋城の鳥
第二十四章 九能の寝所
第二十五章 干支の蛇根付
第二十六章 疑惑の子
第二十七章 百万両の地図
第二十八章 三条河原の処刑
第二十九章 天下一の夫婦
第三十章 九能の海
第三十一章 九能と多田羅
第三十二章 醍醐の花見
第三十三章 海から来た男
第三十四章 大阪城落城
最終章 桜の鳥
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