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IF
逃げられない(凌辱行為を表す軽い描写があります。苦手な方は注意)
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これは夢なんじゃないだろうか。
眠っている私が見続ける最低な悪夢だと、誰か言ってちょうだい。
悪夢の始まりは酷いものだった。
仕事が終わる時間は暖かくなったとはいえまだ暗く、特に寄り道もせずに未だ実家住みな私はいつもと同じ帰り慣れた帰路についていた。
この角を曲がればもう家が見える。家まであと少し、そして最後の曲がり角を通った時だった。
全く知らない建物が立ち並ぶ道に、私は立っていた。
そこからは悪夢というに相応しい流れだった。
角を曲がったら初めてみる景色。何が起きたのか理解しきれず混乱し戸惑っている隙を突かれて、私は後ろから口を塞がれ無理矢理細い路地に引き摺り込まれた。
まだ最初はマシだった。私を襲っていたのは引き摺り込んだ犯人である二人の男だけだったからだ。
それが時間が経てば経つほど、どう嗅ぎつけたのか人が増えていくのだ。
私の必死の抵抗も空しく最初の二人が私の股ぐらで用を済ませ、これで終わったと安堵した瞬間に路地の入口から俺も混ぜてくれよと下卑た声が響く。
それからの詳細は覚えていない。ただ抵抗して殴られ突っ込まれ揺さぶられ吐き出され違う男が私の股に来る。それの繰り返しだった。最後は意識を失ったが殴られたからなのか首を絞められたからなのか、それとも心理的負荷に耐えられなかったからなのか、私には分からない。
目が覚めた瞬間、夢だったのかと心底ホッとした。目が覚めましたか? と声を掛けられ知らない男達に囲まれて居ることに気が付くまでは。
気が付いたら私は叫んでいた。悲鳴を上げていた。父と母、弟に必死に助けを求めていた。
でも誰も来てくれなくて、私の周りに群がる冗談の様な髪と瞳の色の得体の知れない生き物を追い払おうと必死に暴れた。
なのに少し遠巻きに引くだけで消えない生き物に耐え切れず、近くの窓から外に逃れようと右腕を全力で振り上げガラスを砕き、身体を滑り込ませようとした時に黒ずくめの何かが視界に掠めて。
そこでまた私の意識は途切れた。
次に気が付いた時、私の周りには今度は女達が居た。相変わらず冗談みたいな色彩を持っていたが。
彼女達はしきりに私を気遣い労わる言葉を発している。あまりよく状況は理解出来なかったがあれは夢だったんだ、と言った瞬間、女達は一斉に口を噤み目を伏せた。
またそこから記憶がぼんやりしていてどうしたのかよく覚えていない。
ただ、もうこれは夢としか言いようがないだろう。目を覚ました私の身体には傷一つなく、どこも痛くもなければ健康そのものだ。あんなことがあったとはとても思えない。
それと現実ではありえない瞳と髪の色の人間。しかも彼女達は何故か日本語を話している。なんて出来の悪いファンタジーだ。
あーあ、いつもなら頼んでなくても母さんが起こしに来てくれるのに、いつになったら私を叩き起こしてくれるのだろうか。
早く覚めないかと今日も私は祈りながら目を瞑り夢の中なのに寝るという不可解な行動をする。
ねえ、誰でもいいの。誰かそっちで寝こけている私の目を覚まさせて。
眠っている私が見続ける最低な悪夢だと、誰か言ってちょうだい。
悪夢の始まりは酷いものだった。
仕事が終わる時間は暖かくなったとはいえまだ暗く、特に寄り道もせずに未だ実家住みな私はいつもと同じ帰り慣れた帰路についていた。
この角を曲がればもう家が見える。家まであと少し、そして最後の曲がり角を通った時だった。
全く知らない建物が立ち並ぶ道に、私は立っていた。
そこからは悪夢というに相応しい流れだった。
角を曲がったら初めてみる景色。何が起きたのか理解しきれず混乱し戸惑っている隙を突かれて、私は後ろから口を塞がれ無理矢理細い路地に引き摺り込まれた。
まだ最初はマシだった。私を襲っていたのは引き摺り込んだ犯人である二人の男だけだったからだ。
それが時間が経てば経つほど、どう嗅ぎつけたのか人が増えていくのだ。
私の必死の抵抗も空しく最初の二人が私の股ぐらで用を済ませ、これで終わったと安堵した瞬間に路地の入口から俺も混ぜてくれよと下卑た声が響く。
それからの詳細は覚えていない。ただ抵抗して殴られ突っ込まれ揺さぶられ吐き出され違う男が私の股に来る。それの繰り返しだった。最後は意識を失ったが殴られたからなのか首を絞められたからなのか、それとも心理的負荷に耐えられなかったからなのか、私には分からない。
目が覚めた瞬間、夢だったのかと心底ホッとした。目が覚めましたか? と声を掛けられ知らない男達に囲まれて居ることに気が付くまでは。
気が付いたら私は叫んでいた。悲鳴を上げていた。父と母、弟に必死に助けを求めていた。
でも誰も来てくれなくて、私の周りに群がる冗談の様な髪と瞳の色の得体の知れない生き物を追い払おうと必死に暴れた。
なのに少し遠巻きに引くだけで消えない生き物に耐え切れず、近くの窓から外に逃れようと右腕を全力で振り上げガラスを砕き、身体を滑り込ませようとした時に黒ずくめの何かが視界に掠めて。
そこでまた私の意識は途切れた。
次に気が付いた時、私の周りには今度は女達が居た。相変わらず冗談みたいな色彩を持っていたが。
彼女達はしきりに私を気遣い労わる言葉を発している。あまりよく状況は理解出来なかったがあれは夢だったんだ、と言った瞬間、女達は一斉に口を噤み目を伏せた。
またそこから記憶がぼんやりしていてどうしたのかよく覚えていない。
ただ、もうこれは夢としか言いようがないだろう。目を覚ました私の身体には傷一つなく、どこも痛くもなければ健康そのものだ。あんなことがあったとはとても思えない。
それと現実ではありえない瞳と髪の色の人間。しかも彼女達は何故か日本語を話している。なんて出来の悪いファンタジーだ。
あーあ、いつもなら頼んでなくても母さんが起こしに来てくれるのに、いつになったら私を叩き起こしてくれるのだろうか。
早く覚めないかと今日も私は祈りながら目を瞑り夢の中なのに寝るという不可解な行動をする。
ねえ、誰でもいいの。誰かそっちで寝こけている私の目を覚まさせて。
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