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第17話
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踊り終えて父と別れ、テーブル席へと視線を送ったが誰もいなかった。
どこかへ行っているのかと軽く見回したがルーカス様の姿は見えない。
(……ちょっと疲れたな)
私が婚約者候補だという噂は知れ渡っている。
私の顔は知らなくても、この青髪のせいで目立つため、常に視線を感じるのだ。
一人でいたら、誰かに話しかけられるかもしれない。
(少し外の風に当たろうかな)
そう思い、庭へ向かった。
「あら」
噴水のところへ向かうと、ドリス様がベンチに座っていた。
「レベッカさんも休憩?」
「はい。……私は別の所に行きますね」
「いいのよ、ここに座って」
一人になりたくて庭に来ると言っていたのだから、私がいては迷惑だろう。
そう思って移動しようとすると、隣に座るよう促された。
「綺麗になったわね」
周囲を見渡してドリス様が言った。
赤竜の死骸も片付けられ、倒した時に壊してしまった噴水も綺麗になっている。
「何事もなかったみたいでしょう」
「……はい」
「何か事件が起きても、それを他に知られてはならないの。弱みにつけ込まれてしまうから。特にうちみたいな地位も財力もある家を狙う所は多いもの」
「大変ですね」
「そんな家と私を二回も助けてくれたレベッカさんにはとても感謝しているわ」
私を見るとドリス様は微笑んだ。
「いえ……私はただ魔術師として見過ごせなかっただけですから」
「それでも助けてもらったことには変わりないわ」
ドリス様は私の手を握りしめた。
「魔法は使えないけれど、貴族としての力ならあるから。困ったことがあれば遠慮なく言ってね」
「……はい、ありがとうございます」
「それに、あなたは妹になるんだもの。今度二人でお茶会をしましょうね」
「はい」
ルーカス様と婚約することには不安があるけれど、ドリス様と姉妹になるのはいいなと思った。
「さて、そろそろ戻らないと。レベッカさんはまだいる?」
「いいえ、私も戻ります」
ドリス様に続いて立ち上がると、私たちは大広間へと入った。
その瞬間、嫌な気配を感じた。
振り返ると、濃い緑色のドレスを着た女性が立っていた。
不快な色を滲ませた瞳が私を睨みつけている。
女性はしばらく私を睨むと、その視線をドリス様へと移した。
その唇が小さく動く。
(え……)
女性は身を翻すと立ち去って行った。
(あれは……)
「今のはエレオノーラ・アグレル侯爵令嬢よ」
ドリス様が言った。
「アグレル侯爵……」
聞いたことがあるような……って、そうか、さっき挨拶に来た黒い影の人か。
(親子揃って黒い影をまとわせているなんて)
しかも……。
「ずいぶんと酷い事を言うんですね」
「え?」
ドリス様が首を傾げた。
「エレオノーラ嬢がなんて言ったか聞こえたの?」
(あ、しまった)
ギルドで任務を行う時、魔物に気づかれないよう、小さな声と口の動きで会話ができるように訓練していた。
だから今のエレオノーラ嬢の言葉も理解できたのだけれど。
普通の人はあんな小さな声、聞き取れないのか。
「ええと……何でもないです」
「酷いことを言ったのでしょう?」
「私も聞きたいな」
背後から声が聞こえて、振り返るとエドヴァルド殿下が立っていた。
「え、あの……」
「アグレル侯爵令嬢はドリスに逆恨みしているんだ」
「逆恨み?」
「彼女はエドヴァルドの婚約者候補だったの」
ドリス様が答えた。
「アグレル侯爵は権力志向が強くて、娘を王妃にしたかったの。エレオノーラ嬢自身も同じね」
「私がドリス以外を選ぶはずはないのだけれどね」
にっこりと、エドヴァルド殿下は笑った。
「だからレベッカ嬢。彼女が何と言ったか教えてくれないか」
あ、これ目が笑っていないやつー。
「……ええと。『あの時死ねば良かったのに』と、言っていました」
「――へえ、そんな事を言っていたのか。後で彼女の行動と発言を全て確認させよう」
怖い! エドヴァルド殿下の目が怖い!
「あの時って、いつのことかしら」
ドリス様は冷静なのね。
「……二人とも、向こうへ」
エドヴァルド殿下が最初にいたテーブル席へと促した。
席へ移動すると、ちょうどルーカス様も戻ってきたところだった。
「兄上? 何かあったのですか」
ルーカス様は眉を寄せた。
「やはりアグレル侯爵が怪しい」
エドヴァルド殿下はルーカス様にさっきの件を話すと、私とドリス様を見た。
「前の赤竜の件も、シェルマン公爵家襲撃未遂の件も、アグレル侯爵が関わっている可能性が高いことが分かった」
「……そうなのですか」
「侯爵から教会所属の魔術師へ、過剰な献金を確認した。その魔術師は権力がある男だが黒い噂が多くてね。金に貪欲らしい」
そういえば教会が腐敗していると言っていたっけ。
金儲けのために魔術を使うなんて、ありえない。
「レベッカ。君は何もしなくて良いからな」
ぽんとルーカス様の手が頭に乗った。
「……まだ何も言っていないのに……」
「顔に書いてある、許せないから何とかしたいと」
そう言って、ルーカス様はエドヴァルド殿下を見た。
「ドリス嬢がいなくなれば、アグレル侯爵の娘がその代わりになると考えているのでしょう」
「ふん、ドリスの代わりなどいるはずがない」
ドリス様を見つめてエドヴァルド殿下は言った。
ゲームでも、婚約者を亡くした後、王太子は再婚約することがなかった。
聖女になったプレイヤーと、最後は結婚すると解説にはあったけれど……私はまだ全クリアしていなかったから、そこに至る過程は知らない。
(でも……多分、王太子の心の中にはずっと婚約者の存在があったはず)
仲睦まじそうに互いを見つめ合う二人にそう思った。
「レベッカが聞いた暴言から察するに、娘も侯爵の行動を把握している可能性が高い」
「ああ」
ルーカス様の言葉にエドヴァルド殿下も頷き、ため息をついた。
「早く証拠を見つけないと、ドリスが危険に晒され続けてしまうな」
証拠か……。
「あの、教会に行ってみたいです!」
私は三人にそう言った。
「レベッカ。何もしなくていいと言っただろう」
ルーカス様が呆れたような眼差しを向けた。
「でも! 魔術師である私が行けば何か分かるかもしれません」
「――それは一理あるかもしれないな」
エドヴァルド殿下が言った。
「兄上……」
「教会は閉鎖的だ、我々には手が出しづらい。レベッカ嬢、頼めるか」
「はい!」
眉をひそめたルーカス様を横目に私は大きく頷いた。
どこかへ行っているのかと軽く見回したがルーカス様の姿は見えない。
(……ちょっと疲れたな)
私が婚約者候補だという噂は知れ渡っている。
私の顔は知らなくても、この青髪のせいで目立つため、常に視線を感じるのだ。
一人でいたら、誰かに話しかけられるかもしれない。
(少し外の風に当たろうかな)
そう思い、庭へ向かった。
「あら」
噴水のところへ向かうと、ドリス様がベンチに座っていた。
「レベッカさんも休憩?」
「はい。……私は別の所に行きますね」
「いいのよ、ここに座って」
一人になりたくて庭に来ると言っていたのだから、私がいては迷惑だろう。
そう思って移動しようとすると、隣に座るよう促された。
「綺麗になったわね」
周囲を見渡してドリス様が言った。
赤竜の死骸も片付けられ、倒した時に壊してしまった噴水も綺麗になっている。
「何事もなかったみたいでしょう」
「……はい」
「何か事件が起きても、それを他に知られてはならないの。弱みにつけ込まれてしまうから。特にうちみたいな地位も財力もある家を狙う所は多いもの」
「大変ですね」
「そんな家と私を二回も助けてくれたレベッカさんにはとても感謝しているわ」
私を見るとドリス様は微笑んだ。
「いえ……私はただ魔術師として見過ごせなかっただけですから」
「それでも助けてもらったことには変わりないわ」
ドリス様は私の手を握りしめた。
「魔法は使えないけれど、貴族としての力ならあるから。困ったことがあれば遠慮なく言ってね」
「……はい、ありがとうございます」
「それに、あなたは妹になるんだもの。今度二人でお茶会をしましょうね」
「はい」
ルーカス様と婚約することには不安があるけれど、ドリス様と姉妹になるのはいいなと思った。
「さて、そろそろ戻らないと。レベッカさんはまだいる?」
「いいえ、私も戻ります」
ドリス様に続いて立ち上がると、私たちは大広間へと入った。
その瞬間、嫌な気配を感じた。
振り返ると、濃い緑色のドレスを着た女性が立っていた。
不快な色を滲ませた瞳が私を睨みつけている。
女性はしばらく私を睨むと、その視線をドリス様へと移した。
その唇が小さく動く。
(え……)
女性は身を翻すと立ち去って行った。
(あれは……)
「今のはエレオノーラ・アグレル侯爵令嬢よ」
ドリス様が言った。
「アグレル侯爵……」
聞いたことがあるような……って、そうか、さっき挨拶に来た黒い影の人か。
(親子揃って黒い影をまとわせているなんて)
しかも……。
「ずいぶんと酷い事を言うんですね」
「え?」
ドリス様が首を傾げた。
「エレオノーラ嬢がなんて言ったか聞こえたの?」
(あ、しまった)
ギルドで任務を行う時、魔物に気づかれないよう、小さな声と口の動きで会話ができるように訓練していた。
だから今のエレオノーラ嬢の言葉も理解できたのだけれど。
普通の人はあんな小さな声、聞き取れないのか。
「ええと……何でもないです」
「酷いことを言ったのでしょう?」
「私も聞きたいな」
背後から声が聞こえて、振り返るとエドヴァルド殿下が立っていた。
「え、あの……」
「アグレル侯爵令嬢はドリスに逆恨みしているんだ」
「逆恨み?」
「彼女はエドヴァルドの婚約者候補だったの」
ドリス様が答えた。
「アグレル侯爵は権力志向が強くて、娘を王妃にしたかったの。エレオノーラ嬢自身も同じね」
「私がドリス以外を選ぶはずはないのだけれどね」
にっこりと、エドヴァルド殿下は笑った。
「だからレベッカ嬢。彼女が何と言ったか教えてくれないか」
あ、これ目が笑っていないやつー。
「……ええと。『あの時死ねば良かったのに』と、言っていました」
「――へえ、そんな事を言っていたのか。後で彼女の行動と発言を全て確認させよう」
怖い! エドヴァルド殿下の目が怖い!
「あの時って、いつのことかしら」
ドリス様は冷静なのね。
「……二人とも、向こうへ」
エドヴァルド殿下が最初にいたテーブル席へと促した。
席へ移動すると、ちょうどルーカス様も戻ってきたところだった。
「兄上? 何かあったのですか」
ルーカス様は眉を寄せた。
「やはりアグレル侯爵が怪しい」
エドヴァルド殿下はルーカス様にさっきの件を話すと、私とドリス様を見た。
「前の赤竜の件も、シェルマン公爵家襲撃未遂の件も、アグレル侯爵が関わっている可能性が高いことが分かった」
「……そうなのですか」
「侯爵から教会所属の魔術師へ、過剰な献金を確認した。その魔術師は権力がある男だが黒い噂が多くてね。金に貪欲らしい」
そういえば教会が腐敗していると言っていたっけ。
金儲けのために魔術を使うなんて、ありえない。
「レベッカ。君は何もしなくて良いからな」
ぽんとルーカス様の手が頭に乗った。
「……まだ何も言っていないのに……」
「顔に書いてある、許せないから何とかしたいと」
そう言って、ルーカス様はエドヴァルド殿下を見た。
「ドリス嬢がいなくなれば、アグレル侯爵の娘がその代わりになると考えているのでしょう」
「ふん、ドリスの代わりなどいるはずがない」
ドリス様を見つめてエドヴァルド殿下は言った。
ゲームでも、婚約者を亡くした後、王太子は再婚約することがなかった。
聖女になったプレイヤーと、最後は結婚すると解説にはあったけれど……私はまだ全クリアしていなかったから、そこに至る過程は知らない。
(でも……多分、王太子の心の中にはずっと婚約者の存在があったはず)
仲睦まじそうに互いを見つめ合う二人にそう思った。
「レベッカが聞いた暴言から察するに、娘も侯爵の行動を把握している可能性が高い」
「ああ」
ルーカス様の言葉にエドヴァルド殿下も頷き、ため息をついた。
「早く証拠を見つけないと、ドリスが危険に晒され続けてしまうな」
証拠か……。
「あの、教会に行ってみたいです!」
私は三人にそう言った。
「レベッカ。何もしなくていいと言っただろう」
ルーカス様が呆れたような眼差しを向けた。
「でも! 魔術師である私が行けば何か分かるかもしれません」
「――それは一理あるかもしれないな」
エドヴァルド殿下が言った。
「兄上……」
「教会は閉鎖的だ、我々には手が出しづらい。レベッカ嬢、頼めるか」
「はい!」
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