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二ツ森の家に泊めてもらい、次の日には三内へ行く予定だったのだが、イケの足の痛みで、もう一日泊めてもらう事になった。
「ごめんなさい」
イケはそう言ったが、僕を含め、誰も責める人はいなかった。僕たちも泥濘に合い、疲れていたからだ。
それに、僕は湖に仕掛けられた罠の造り方を教えてもらいたかったし、ウドさんとラドさんは、石器用の石の残りを調べる事になった。
石は崖に埋まっているため、残りがどれくらいあるかわからず、崖の上から少し穴を掘り、目で見るしか方法が無かった。
「で、アラは朝から何処に行ったんだ?」
僕と一緒に、罠に使っている蔦の結び方を教えてもらっているロウさんが、不機嫌気味にリンに尋ねた。
「姉さんと一緒に、釣りに行ったみたいよ」
リンがそう言って、ため息をついた。
「釣るのは魚だけにしておけよ、アラ」
ロウさんはそう言って、湖の向こう側を眺めた。
「そう言えば、コシさんはどうしたんですか?」
湖で足を冷やしているイケが、きょろきょろと、村の中を見渡した。
「ああ、コシなら女性と子供に豊作祈願の歌と踊りを教えているぞ」
ロウさんが一軒の大きめの家を指した。そこからは、微かに歌の様な、何か音頭をとっている様な声が聞こえている。
「コシさんは、歌を創っているんですか?」
イケがロウさんに尋ねると、ロウさんは苦笑しつつ「即興だったろうよ。昨日の事を思い出そうとしても、思い出せるのかな」と言い、困惑しているだろうコシさんを見通すような目つきで、声のする家を見つめた。
二ツ森の家に泊めてもらい、次の日には三内へ行く予定だったのだが、イケの足の痛みで、もう一日泊めてもらう事になった。
「ごめんなさい」
イケはそう言ったが、僕を含め、誰も責める人はいなかった。僕たちも泥濘に合い、疲れていたからだ。
それに、僕は湖に仕掛けられた罠の造り方を教えてもらいたかったし、ウドさんとラドさんは、石器用の石の残りを調べる事になった。
石は崖に埋まっているため、残りがどれくらいあるかわからず、崖の上から少し穴を掘り、目で見るしか方法が無かった。
「で、アラは朝から何処に行ったんだ?」
僕と一緒に、罠に使っている蔦の結び方を教えてもらっているロウさんが、不機嫌気味にリンに尋ねた。
「姉さんと一緒に、釣りに行ったみたいよ」
リンがそう言って、ため息をついた。
「釣るのは魚だけにしておけよ、アラ」
ロウさんはそう言って、湖の向こう側を眺めた。
「そう言えば、コシさんはどうしたんですか?」
湖で足を冷やしているイケが、きょろきょろと、村の中を見渡した。
「ああ、コシなら女性と子供に豊作祈願の歌と踊りを教えているぞ」
ロウさんが一軒の大きめの家を指した。そこからは、微かに歌の様な、何か音頭をとっている様な声が聞こえている。
「コシさんは、歌を創っているんですか?」
イケがロウさんに尋ねると、ロウさんは苦笑しつつ「即興だったろうよ。昨日の事を思い出そうとしても、思い出せるのかな」と言い、困惑しているだろうコシさんを見通すような目つきで、声のする家を見つめた。
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