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5―11
僕たちを含む二ツ森の村のみなが、バクさんの弓の上手さに驚いていた。
「逃げる瞬間に、どっちに逃げるかは足を見ればわかるんで、そっちの方に放てば当たりますよ」
バクさんは簡単に言うけれど、そう簡単にいかないのが弓矢による狩猟だ。
「お前、こんな事が出来たんだな」
ウドさんが感心したように言うと、バクさんは「何だか信用されていない気がしますけど、俺が危険な事をした事ってありましたっけ?」と、少し口を尖らせて反論した。
「いや、昨日の朝には海の中に沈んでいたかもしれないって、お前自身が言っていたじゃないか」
ウドさんが思い出すように尋ねた。
「あれは、そうなる時もあるって話ですよ。俺はちゃんと地面を確認して、泥が来ない場所を確認してから野営の場所を決めたんですよ。その前の泥濘の場所も、俺が先に行って、危険な場所は避けて通ったじゃないですか」
バクさんの言葉に、僕たちは確かに危険な目に合わず、バクさんが安全な道を探しつつ、先頭に立って進んでいた事に気がついた。
「バクさんは最初からこの村に、少なくとも湖まで辿りつく自信があったんですか?」
「当り前じゃないですか。四人の命を預かっているんだから。俺は二度と、三内からの帰り道の様にならないと、海の神様に固く誓いましたから」
バクさんの言葉に、ウドさんは空を見上げた。
「なんて言ったらいいか、お前は少し言葉が足りないんだよ」
ウドさんの言葉に、ホウさんも頷いた。お兄ちゃんも「なんて言ったらいいのかわからない」と呟いた。僕も、同じ気持ちだった。
僕たちを含む二ツ森の村のみなが、バクさんの弓の上手さに驚いていた。
「逃げる瞬間に、どっちに逃げるかは足を見ればわかるんで、そっちの方に放てば当たりますよ」
バクさんは簡単に言うけれど、そう簡単にいかないのが弓矢による狩猟だ。
「お前、こんな事が出来たんだな」
ウドさんが感心したように言うと、バクさんは「何だか信用されていない気がしますけど、俺が危険な事をした事ってありましたっけ?」と、少し口を尖らせて反論した。
「いや、昨日の朝には海の中に沈んでいたかもしれないって、お前自身が言っていたじゃないか」
ウドさんが思い出すように尋ねた。
「あれは、そうなる時もあるって話ですよ。俺はちゃんと地面を確認して、泥が来ない場所を確認してから野営の場所を決めたんですよ。その前の泥濘の場所も、俺が先に行って、危険な場所は避けて通ったじゃないですか」
バクさんの言葉に、僕たちは確かに危険な目に合わず、バクさんが安全な道を探しつつ、先頭に立って進んでいた事に気がついた。
「バクさんは最初からこの村に、少なくとも湖まで辿りつく自信があったんですか?」
「当り前じゃないですか。四人の命を預かっているんだから。俺は二度と、三内からの帰り道の様にならないと、海の神様に固く誓いましたから」
バクさんの言葉に、ウドさんは空を見上げた。
「なんて言ったらいいか、お前は少し言葉が足りないんだよ」
ウドさんの言葉に、ホウさんも頷いた。お兄ちゃんも「なんて言ったらいいのかわからない」と呟いた。僕も、同じ気持ちだった。
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