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極甘彼氏を喜ばせる方法

欲しくてたまらなくなる

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 しんとした空間にぐちゃぐちゃと、ローションの粘ついたいやらしい水音が響いている。
 目の前にはギラギラとした欲を浮かべる目があり、視線をそらすことすら許してくれない。天希は恥ずかしさで、身体が燃えるほどに熱かった。

 恋人の前で脚を開いて、自慰をするところを見られている。膝を閉じようとしてもすぐに割り開かれ、続きを促された。

「あまちゃん、気持ちいい?」

「はぁっ、んっ……いい、きもち、いい」

「可愛い。そんなに気持ちいいんだ。もっと好きなように動かして良いよ」

 恥ずかしくてたまらないのに、伊上に見られていると興奮が増す。最初は天希にも躊躇う気持ちがあったけれど、いまは動かす手を止められなかった。
 言われるがままに、孔を広げて二本の指を激しく動かすと、イイところが擦れて腰が跳ねる。

 息を継ぐたびに甘ったるい声が漏れ、そのたびに天希は恋人の名前を呼んだ。すがるような声で呼べば、彼は蕩けてしまいそうなキスをくれる。

「駄目、も、イクっ、イキそう」

「イってもいいよ」

「こういちっ、イク、あ、あっ……っ」

 自分の内側がビクビクと痙攣したのを感じる。それとともに吐き出されたものが飛んで、天希の顔を汚す。

「へぇ、いつも僕の名前を呼びながらイクんだ? 可愛いね」

「もう……、挿れて」

「中でイったばっかりだから、いまはあまちゃんが辛いだけだよ」

「辛くても、いい。あんたの欲しい」

「意地悪するのは好きだけど、僕は優しくしたいんだけどな」

 汚れた顔を舌で舐められて、天希はそれだけで肩が震えた。キスをせがむと、代わりに首筋に甘噛みされる。

「ぁ、んっ、紘一、早く」

 最初からやり直すみたいに、たっぷりと身体を愛撫される。それは心をくすぐるけれど、ひどくもどかしい。しがみつくように背中を抱き込むと、耳朶を唇で撫でられ、小さな孔に舌をねじ込まれる。
 鼓膜に直接響くような水音と快感に、天希はひっきりなしに甘い声をこぼした。

「ごめんね。きっと身体が辛いと思うけど、僕もさすがに理性の限界だ」

「ぁ、すげぇ、ガチガチ」

「あまちゃんやめて、すぐにイキそうになるから」

 ゴムをつけるその仕草を見つめていた天希は、誘われるように恋人のものを撫でる。筋が浮くほど張り詰めたそれに、よだれがこぼれそうな気分になった。
 無意識に唇を舐めると、天希は腰を浮かせて伊上の膝に乗り上がる。

「今日は積極的だね」

「……今日はすげぇ、欲しい気分」

「自分で挿れられる?」

「ぅん」

 口先にキスをされ、天希は伊上の肩に手を置き、腰を上げる。張り詰めた彼のものは、支える必要もないくらいに硬く、天希の小さな孔を広げ押し入ってくる。
 ぎちぎちと彼の形に広げられる感覚。イったばかりで快感を拾えないが、それでも天希は腰を落とした。

「……っ、ぁ、あ、腹ん中、すげぇ」

「あまちゃん、キスして」

「動いて、も、いいのに」

「いま動いたら中、痛いでしょ」

「ふ、ぁっ」

 少しだけ強引に唇を塞がれて、天希は伊上の首筋にしがみつく。角度を変えながら何度も口づけされると、口の中がどんどんと気持ち良くなってくる。
 忍び込んできた舌に自分のものを絡めて、唾液でべたつくくらいキスを交わした。

「紘一、動いて、もういい。平気だから」

 散々口の中を荒らされて、吐き出す息が熱かった。視界は涙で潤んで、繋がった部分がじんじんとする。再び戻ってきた快感に、天希は腰を揺らす。

「あまちゃんが好きに動いてもいいんだよ」

「やだ、それ自分でしてんのと変わんねぇ」

「そんなに僕にいじめられたいの? また泣かせちゃうよ?」

「いい、いいから。早く」

「ほんと、君って小悪魔だよね。今日は嫌って言ったら、言った分だけするよ」

「あっ」

 ふいに身体を倒されて、天希の身体がベッドに沈む。片脚を担がれると、奥まで伊上のものを押し込まれ、圧迫感に息が詰まった。
 しかし身構える余裕もなく身体を揺さぶられる。

「んぁっ、はげしっ、……あっぁっ、すげぇ、きもち、い……い」

 押し込まれる感覚も引き抜かれる感覚も、どちらも肌がざわめいて仕方がない。身悶えるように身体をくねらせると、天希は必死でシーツを掴んだ。
 過ぎる快感に身体が逃げ出しそうになるけれど、すぐに腰を掴まれ引き戻される。

「ひ、ぁっ……ん、んっ、そこ、もっと、ぐりぐりして」

「エロ可愛くていいよ、その顔。ぐちゃぐちゃにしたい」

「や、ぁっ、あぁっ」

 獣が吐き出すみたいな呼気。口から漏れる声をシーツで抑えていたが、最奥をぶち抜かれそうな勢いに、天希は一際高い声を上げた。

「あまちゃんの中、すごい痙攣してる。もうイキっぱなしだ」

「ぁ、んっ、も、わかんねぇ。きもちいいの、止まんねぇよ」

 腰を無理矢理に引き寄せられ、何度も深く貫かれる。そのたびに快感が走り抜けて、頭が真っ白になった。
 声を抑える余裕がなくなると、天希の泣き声に似た喘ぎ声と、ぐちゃぐちゃとした水音が空間に響く。

「あまちゃん、今日は嫌って言わないね」

「んっ、だって、……気持ち、いい」

「もうお尻じゃないとイケなくなったんじゃない?」

「ケツ気持ちいい」

「くそ可愛いな、ほんと。……あまちゃん指、噛まないで、僕にキスして」

「キス、したい」

 身を屈めた伊上に髪を撫でられて、天希は齧り付いていた指を離し、彼を見上げた。じっと見つめれば、弧を描いた唇が近づいてくる。
 されるがままに受け入れると、やんわりと唇を食まれた。触れるだけの口づけがやけに甘く感じて、天希はうっとりと目を細める。

「あまちゃん、そろそろ僕もいい?」

「ん、……して」

「ん?」

「こないだみたい、に、……中に出して」

「……はあ、僕を萌え殺そうとするのやめてくれる?」

「駄目、なのか?」

「おねだりするその目、ほんと敵わないよね。一回、抜いてもいい?」

「ぅん、……っ」

 小さく頷くと、身体に埋められていた熱がずるりと抜けて、途端に腹の奥が物足りなくなる。思わず天希は腹を撫でてしまうが、目の前にある顔がなぜだか、険しい表情になった。
 その様子に疑問符を浮かべると、彼はひどく重たいため息をつく。

「なに?」

「僕は別にそういう嗜好があるわけじゃないけど。いまものすごく君を、繋いで閉じ込めたい気分になったよ」

「どういう、意味?」

「いいよ。君は一生知らなくても」

「こう、……いっ」

「これでも僕、基本セーフセックスを心がけてたほうなんだけどね」

 再び押し込められたものは、ゴム越しに伝わる熱よりも、はるかに熱くて、腹の奥でビクビクと震えているのまで感じる。
 いつものセックスが物足りないわけではないが、直に恋人の昂ぶりを感じると、興奮が高まった。

 ゆっくりゆっくりと中を擦られて、天希の腰が揺らめく。気持ち良さに涙が溢れて止まらなくなり、苦笑いを浮かべた伊上に拭われた。

「あまちゃんのエロさは底なしだな」

「あ、ぁっ、イキそ、う」

「たっぷり注いであげるから、ちゃんと受け止めてね」

「ま、待って、激し、いの、だ、めっ」

「無理、我慢できない」

 耳元で熱い息を吐いた伊上に、腰を鷲掴みされて何度も腰を打ち付けられる。普段の気遣いが抜け落ちた乱暴さに、天希は声が止まらなくなった。
 開きっぱなしになった口からこぼれる声に、伊上は恍惚とした笑みを浮かべる。

「……っ、あぁっ、腹ん中、あつ、い」

「癖になりそう」

 吐き出しながら、内側にすり込むように腰を揺すられて、天希はきつく伊上のものを締めつける。さらには注がれたものをすべて、しぼり取らんばかりに中がうねった。

「あまちゃん、平気? トんじゃった?」

 再び身体の内側から引き抜かれ、天希はその刺激でビクリと身体を震わせて果てた。ベッドに沈み込む身体は重く、もう指先一つ動かすのも辛い。
 覗き込んでくる気配に、まぶたを持ち上げるが、返事をする余力がなかった。

「起きたらお風呂に入れてあげるから、寝ていいよ」

「ん、……こ、いち」

「なに?」

「やっぱ、……触られんの、あんたがいい」

「あまちゃん、それどういう意味? やっぱりなにかあったの?」

「なんでもねぇ」

「ちょっと、あまちゃん!」

「あ、誕生日……、おめでと」

 意識が落ちる間際、力の入った手に揺さぶられたけれど、天希はそのまま心地の良い眠りに誘われる。
 しかし翌朝目が覚めると、ふて腐れた恋人に襲いかかられて、これ以上ないと言うほどに痕を残される羽目になった。
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