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《閑話》今日も明日もその先も
夜のお誘い?
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就寝前、明日のタスクを整理している俺の傍で、瑛冶が夕刻に取り込んだ洗濯物にアイロンをかけていた。
ジャケット類は別として、クリーニング代がほとんどかからないのはこの男のおかげだ。
歳の離れた弟たちの面倒を見たり、母親の代わりに家事をこなしたり。
そういった習慣が身についているからだと言っていたけれど、瑛冶がやって来るようになって、一度もよれたシャツを着たことがない。
「俺は嫁をもらったんだったか?」
「なんならウェディングドレス、着ましょうか?」
「やめろ、見た目がエグいわ」
ぽつりとこぼした独り言が届いたらしく、にんまりと笑った瑛冶が振り向いた。
百八十センチ台の俺が見上げるほどの高身長。最近は体格も大きくなった男のウェディングドレスなど誰も喜ばない。
「広海先輩はパンツスタイルのウェディングドレスがいいですね。トレーンを長めにしたらバックスタイルがきっと綺麗ですよ。黒髪にベールが映えるでしょうねぇ」
「お前は、勝手におかしな妄想をするな!」
「これは俺の心のアルバムにしまっておきますね。先輩、明日は出社でしょう? そろそろ休んだほうがいいですよ。俺は遅番だからいいけど」
「まだやることあるのか?」
「んー、朝ご飯の仕込みでもしようかなって」
「明日の朝はトーストと目玉焼きでいい。お前も寝るぞ」
「えっ? あー、はい」
パソコンの電源を落として立ち上がった俺を見上げて、瑛冶は戸惑いの表情で頷いた。
そして俺が歩いていった方向に気づいて驚きの声を上げる。
「え? え? 広海先輩。今日はそっち? 俺の部屋で寝るの?」
「悪いか?」
「いやぁ、全然悪くないですけど。えっと、真意を伺いたいなと」
「……今朝、お前がいなかった」
「は? はあ? やめてください! いきなりそんな可愛いこと言って、俺を萌え死にさせるつもりですか? 隣で生殺しにつもりですか?」
「嫌ならお前は向こうで寝ろ」
「ぜっ、全然っ、まったくっ、嫌じゃないですっ」
狼狽える瑛冶に対し俺が顎で自分の部屋を示すと、ものすごいスピードでアイロンをケースに戻してコンセントを引っこ抜く。
その勢いのまま近づいてきた瑛冶は立ち止まっていた俺を抱え上げた。
「興奮しすぎて怖いぞ」
「いやいや、鼻息も荒くなりますよ。一緒に寝たいとか、朝起きたら隣にいて欲しいとか。可愛すぎて鼻血でそう」
瑛冶の長身に合わせた大きなベッドに体を放られ、間を置くことなく持ち主が乗り上がってくる。
誰もヤるとは言っていないが、一緒のベッドに入ったら九割の確率で興奮した駄犬が襲いかかってくるので、予想の範囲ではあった。
昨日の夜は休みの前でテンションが上がった瑛冶に、ちょっとだけとリビングで襲われ、ベッドに連れ込まれたのだ。
「ほどほどにしろよ」
「ねっとりたっぷり、中に一回だけ」
「性欲魔人め」
いわゆる絶倫である瑛冶に任せると散々ねちっこいセックスをされて、こいつが一回イクまでにこちらは片手ほどはイかされる。
以前に比べたら頻度が上がっているはずなのに、まったく勢いが変わらないので我慢させている云々では絶対にないと思う。
「広海先輩が魅力的すぎるのがいけない」
「んっ……」
興奮を隠さない瞳で見下ろしていた瑛冶が、逃がさないと言わんばかりに俺の両手をきつく押さえ込み、食らいつく獣の如く唇を塞いでくる。
いきなり深いキスを与えられたかと思えば、人の唇をこじ開けて舌を滑り込ませてきた。
性急な行為に身をよじり抵抗を示すものの、ただ瑛冶の興奮を煽っただけなのか、唾液が滴るほど口の中を荒らされる。
舌が絡むたび、静かな空間に衣擦れの音とくぐもった俺の声が響く。
「はぁっ、しつ、こいっ」
散々貪られてから離れていった瑛冶の唇は唾液で濡れ、うっすらとした明かりのもとでもてらてらと光って見えた。
自然とそこへ視線が向いてしまい、気づいたのだろう瑛冶はゆっくりと舌で自身の唇を舐める。
「明日仕事があるから、あんまり激しくないようにしますね」
「お前のその前置き、不穏だ」
「大丈夫です。一応俺にも理性はあります」
「指でちぎれそうなぺらっぺらの理性だがな」
「はあぁっ、広海先輩の中がドロドロになるくらい、めちゃくちゃ出したい」
「理性はどこに行ったんだよ! 阿呆がっ」
目の色が変わった瑛冶は俺の体を押さえ込んで、さっさと身ぐるみを剥いでいく。
普段はあまり感じないがベッドの上では加減ができなくなるのか、こいつの力は俺では抗いきれない。
何度も何度も言い聞かせてようやくこれなのだから、猛獣を飼っている気分にさせられる。
「ん……っ」
素肌の上をゴツゴツとした大きな手が這い回り、肌を舐め尽くすのではと感じるくらい体を舌で撫でられた。
脇腹や腰の辺り、俺の性感帯を舌で丹念に舐りまくる瑛冶の手は太ももを撫で、尻をやわやわと揉み出す。
「指、入れていい?」
「いや、だって……言っても入れるんだろっ」
「うん」
次々与えられる快感に耐える俺などお構いなしに、にんまりと笑った瑛冶は腕を伸ばしてヘッドボードの棚にあるローションを掴む。
さらに体を起こして体勢を変えつつも、俺の脚を開かせ、その中心で昂ぶっていたものを扱き、愛撫を止めてくれもしない。
「ぁっあっ……もっとゆっくりっ」
「すごっ、だらだらこぼれて俺の手がびしょびしょ」
「やっ、離せっ」
「先っぽをぐりぐりされるの、たまんないよね? 中も擦ってあげる」
とろりとしたローションが中に塗り込められていく感覚で腰が震える。
孔のフチを拡げるように指の腹で撫でられ、気づけばあっという間に二本目が入り込んだ。
「先輩、気持ちいい? めちゃくちゃ指が締めつけられてる。もうイキそう? 中と外を一緒にぐりぐりしてあげるね」
「やぁっ、やっ、えい、じっ……んっ、んっ」
「駄目、ちゃんと唇、開いて」
昂ぶりと中をいっぺんに刺激されて腰がガクガクと揺れる。
口を開いたらあらぬ声が漏れそうで、ぶんぶんと左右に首を振ると微妙にずれていたポイントを的確に攻め立てられた。
「あぁっ、イクっ、イク、あっぁ……っ」
「広海先輩のイキ顔、すんごい可愛い」
こちらは乱れた息を整えられないくらいだというのに、ご機嫌な声でうっとりとした表情で瑛冶は人の顔を覗き込んでくる。
腹立たしさで睨み付けるとますます笑みを深め、再び口の中を蹂躙し始めた。
そのあいだ俺の体をまさぐるだけで飽き足らず、自身の昂ぶりをスウェットから取りだし尻に擦りつけていた。
「ここ、簡単にするって入っちゃいそうだね」
「挿れるなら、さっさと挿れて、出せっ」
「嫌です。中には一回しか出せないし」
「お、前はっ、余計な知恵ばっかり!」
恨みのこもった非難をものともせず、瑛冶はベッドに投げ出されていた両脚を掴み、ぐっと俺の体を折り曲げさせると太ももの隙間に昂ぶりを挿入する。
「怒っても、駄目ですよ。だって先輩、こうなるって本当はわかってたでしょう?」
俺の両脚を片腕で抱き込んだまま、遠慮無しに腰を振る瑛冶が唇を歪めて笑った。
確信を含んだあからさまな表情を見た瞬間、頬がカッと熱くなる。
「広海先輩にあんな可愛いこと言われて、俺がただ済ますわけないって知ってますもんね? だから、いっぱい気持ち良くしてあげますからね」
「や、だっ、あ――」
激しくしながらも俺の体を知り尽くしていると言いたげに、的確に追い詰めてくる。
指を噛みしめて声をこらえようとしても、隙間から隠しきれない甘やかさを含んだ声がこぼれてしまった。
「そんな目で見ないで先輩。もっとめちゃくちゃにしたくなる。あ、中をいっぱい突いて外に全部出せば何回でもできるね」
とんでもない発言をし出した瑛冶に、先ほどよりも否定を込めて首を振るが、俺の気持ちはちっとも届いていそうにない。
いい思いつきだと言わんばかりに笑い、腰を引いたかと思えば無防備な場所に昂ぶりを押しつけた。
「んっ、瑛冶……明日、しご、とあるからっ」
「あー、そうでした。じゃあ、やっぱりたっぷりねっとり一回だけ中で」
「ひぁっ」
油断していたところで奥まで突き入れられ、突然の圧迫感に顎がのけ反った。
だが昨日の夜も受け入れた場所は、俺の気持ちとは裏腹にすんなりと瑛冶を飲み込んだ。
ジャケット類は別として、クリーニング代がほとんどかからないのはこの男のおかげだ。
歳の離れた弟たちの面倒を見たり、母親の代わりに家事をこなしたり。
そういった習慣が身についているからだと言っていたけれど、瑛冶がやって来るようになって、一度もよれたシャツを着たことがない。
「俺は嫁をもらったんだったか?」
「なんならウェディングドレス、着ましょうか?」
「やめろ、見た目がエグいわ」
ぽつりとこぼした独り言が届いたらしく、にんまりと笑った瑛冶が振り向いた。
百八十センチ台の俺が見上げるほどの高身長。最近は体格も大きくなった男のウェディングドレスなど誰も喜ばない。
「広海先輩はパンツスタイルのウェディングドレスがいいですね。トレーンを長めにしたらバックスタイルがきっと綺麗ですよ。黒髪にベールが映えるでしょうねぇ」
「お前は、勝手におかしな妄想をするな!」
「これは俺の心のアルバムにしまっておきますね。先輩、明日は出社でしょう? そろそろ休んだほうがいいですよ。俺は遅番だからいいけど」
「まだやることあるのか?」
「んー、朝ご飯の仕込みでもしようかなって」
「明日の朝はトーストと目玉焼きでいい。お前も寝るぞ」
「えっ? あー、はい」
パソコンの電源を落として立ち上がった俺を見上げて、瑛冶は戸惑いの表情で頷いた。
そして俺が歩いていった方向に気づいて驚きの声を上げる。
「え? え? 広海先輩。今日はそっち? 俺の部屋で寝るの?」
「悪いか?」
「いやぁ、全然悪くないですけど。えっと、真意を伺いたいなと」
「……今朝、お前がいなかった」
「は? はあ? やめてください! いきなりそんな可愛いこと言って、俺を萌え死にさせるつもりですか? 隣で生殺しにつもりですか?」
「嫌ならお前は向こうで寝ろ」
「ぜっ、全然っ、まったくっ、嫌じゃないですっ」
狼狽える瑛冶に対し俺が顎で自分の部屋を示すと、ものすごいスピードでアイロンをケースに戻してコンセントを引っこ抜く。
その勢いのまま近づいてきた瑛冶は立ち止まっていた俺を抱え上げた。
「興奮しすぎて怖いぞ」
「いやいや、鼻息も荒くなりますよ。一緒に寝たいとか、朝起きたら隣にいて欲しいとか。可愛すぎて鼻血でそう」
瑛冶の長身に合わせた大きなベッドに体を放られ、間を置くことなく持ち主が乗り上がってくる。
誰もヤるとは言っていないが、一緒のベッドに入ったら九割の確率で興奮した駄犬が襲いかかってくるので、予想の範囲ではあった。
昨日の夜は休みの前でテンションが上がった瑛冶に、ちょっとだけとリビングで襲われ、ベッドに連れ込まれたのだ。
「ほどほどにしろよ」
「ねっとりたっぷり、中に一回だけ」
「性欲魔人め」
いわゆる絶倫である瑛冶に任せると散々ねちっこいセックスをされて、こいつが一回イクまでにこちらは片手ほどはイかされる。
以前に比べたら頻度が上がっているはずなのに、まったく勢いが変わらないので我慢させている云々では絶対にないと思う。
「広海先輩が魅力的すぎるのがいけない」
「んっ……」
興奮を隠さない瞳で見下ろしていた瑛冶が、逃がさないと言わんばかりに俺の両手をきつく押さえ込み、食らいつく獣の如く唇を塞いでくる。
いきなり深いキスを与えられたかと思えば、人の唇をこじ開けて舌を滑り込ませてきた。
性急な行為に身をよじり抵抗を示すものの、ただ瑛冶の興奮を煽っただけなのか、唾液が滴るほど口の中を荒らされる。
舌が絡むたび、静かな空間に衣擦れの音とくぐもった俺の声が響く。
「はぁっ、しつ、こいっ」
散々貪られてから離れていった瑛冶の唇は唾液で濡れ、うっすらとした明かりのもとでもてらてらと光って見えた。
自然とそこへ視線が向いてしまい、気づいたのだろう瑛冶はゆっくりと舌で自身の唇を舐める。
「明日仕事があるから、あんまり激しくないようにしますね」
「お前のその前置き、不穏だ」
「大丈夫です。一応俺にも理性はあります」
「指でちぎれそうなぺらっぺらの理性だがな」
「はあぁっ、広海先輩の中がドロドロになるくらい、めちゃくちゃ出したい」
「理性はどこに行ったんだよ! 阿呆がっ」
目の色が変わった瑛冶は俺の体を押さえ込んで、さっさと身ぐるみを剥いでいく。
普段はあまり感じないがベッドの上では加減ができなくなるのか、こいつの力は俺では抗いきれない。
何度も何度も言い聞かせてようやくこれなのだから、猛獣を飼っている気分にさせられる。
「ん……っ」
素肌の上をゴツゴツとした大きな手が這い回り、肌を舐め尽くすのではと感じるくらい体を舌で撫でられた。
脇腹や腰の辺り、俺の性感帯を舌で丹念に舐りまくる瑛冶の手は太ももを撫で、尻をやわやわと揉み出す。
「指、入れていい?」
「いや、だって……言っても入れるんだろっ」
「うん」
次々与えられる快感に耐える俺などお構いなしに、にんまりと笑った瑛冶は腕を伸ばしてヘッドボードの棚にあるローションを掴む。
さらに体を起こして体勢を変えつつも、俺の脚を開かせ、その中心で昂ぶっていたものを扱き、愛撫を止めてくれもしない。
「ぁっあっ……もっとゆっくりっ」
「すごっ、だらだらこぼれて俺の手がびしょびしょ」
「やっ、離せっ」
「先っぽをぐりぐりされるの、たまんないよね? 中も擦ってあげる」
とろりとしたローションが中に塗り込められていく感覚で腰が震える。
孔のフチを拡げるように指の腹で撫でられ、気づけばあっという間に二本目が入り込んだ。
「先輩、気持ちいい? めちゃくちゃ指が締めつけられてる。もうイキそう? 中と外を一緒にぐりぐりしてあげるね」
「やぁっ、やっ、えい、じっ……んっ、んっ」
「駄目、ちゃんと唇、開いて」
昂ぶりと中をいっぺんに刺激されて腰がガクガクと揺れる。
口を開いたらあらぬ声が漏れそうで、ぶんぶんと左右に首を振ると微妙にずれていたポイントを的確に攻め立てられた。
「あぁっ、イクっ、イク、あっぁ……っ」
「広海先輩のイキ顔、すんごい可愛い」
こちらは乱れた息を整えられないくらいだというのに、ご機嫌な声でうっとりとした表情で瑛冶は人の顔を覗き込んでくる。
腹立たしさで睨み付けるとますます笑みを深め、再び口の中を蹂躙し始めた。
そのあいだ俺の体をまさぐるだけで飽き足らず、自身の昂ぶりをスウェットから取りだし尻に擦りつけていた。
「ここ、簡単にするって入っちゃいそうだね」
「挿れるなら、さっさと挿れて、出せっ」
「嫌です。中には一回しか出せないし」
「お、前はっ、余計な知恵ばっかり!」
恨みのこもった非難をものともせず、瑛冶はベッドに投げ出されていた両脚を掴み、ぐっと俺の体を折り曲げさせると太ももの隙間に昂ぶりを挿入する。
「怒っても、駄目ですよ。だって先輩、こうなるって本当はわかってたでしょう?」
俺の両脚を片腕で抱き込んだまま、遠慮無しに腰を振る瑛冶が唇を歪めて笑った。
確信を含んだあからさまな表情を見た瞬間、頬がカッと熱くなる。
「広海先輩にあんな可愛いこと言われて、俺がただ済ますわけないって知ってますもんね? だから、いっぱい気持ち良くしてあげますからね」
「や、だっ、あ――」
激しくしながらも俺の体を知り尽くしていると言いたげに、的確に追い詰めてくる。
指を噛みしめて声をこらえようとしても、隙間から隠しきれない甘やかさを含んだ声がこぼれてしまった。
「そんな目で見ないで先輩。もっとめちゃくちゃにしたくなる。あ、中をいっぱい突いて外に全部出せば何回でもできるね」
とんでもない発言をし出した瑛冶に、先ほどよりも否定を込めて首を振るが、俺の気持ちはちっとも届いていそうにない。
いい思いつきだと言わんばかりに笑い、腰を引いたかと思えば無防備な場所に昂ぶりを押しつけた。
「んっ、瑛冶……明日、しご、とあるからっ」
「あー、そうでした。じゃあ、やっぱりたっぷりねっとり一回だけ中で」
「ひぁっ」
油断していたところで奥まで突き入れられ、突然の圧迫感に顎がのけ反った。
だが昨日の夜も受け入れた場所は、俺の気持ちとは裏腹にすんなりと瑛冶を飲み込んだ。
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