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第2話 夏のはじまりと再会
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ミサキと初めて会ったのは、一真が高校生の頃だった。そこから付き合いが十年以上も続くと、知られていることも多い。
元カノ、元彼、フラれた相手まで。
「相変わらず繁盛しているな」
とりあえず話を変えようと、一真は視線をほかの場所へ移す。
店は大きな間取りではないため、コの字のカウンターに席が八つ。ボックス席が四つある程度。
周囲を気にせず会話を気楽に楽しめるよう、照明を絞ってあるものの、テーブルごとに間接照明があるので暗すぎることはない。
いつものように落ち着いた洋楽が流れ、曲に紛れて人の話し声がかすかに聞こえる、穏やかな雰囲気だ。
時刻は二十一時を回ったところ。営業は深夜一時までしているけれど、すでにボックス席は埋まっていた。カウンターもあと数人、座ればいっぱいだろう。
「ありがたいことに、常連さんが新しいお客さんをたぁくさん、連れて来てくれるから。ほら、そこにいる彼も常連さんの紹介でね」
ミサキの声につられて、一真は彼女の背後、向かい側のカウンター席へ視線を向ける。
そこにいるのは見覚えのある常連と、もう一人――
「希壱?」
座っていてもわかる長身。黒髪の短髪。
やや細い目は一真の友人によく似ている。こちらのほうが、愛嬌のある顔立ちをしているが――それはどうでもいい。
(なぜここにいるんだ?)
一真の声に気づいたのか、友人の弟である三島希壱と、まっすぐに視線が合った。
瞬間、細い目が驚きで見開かれ、そのまま数秒ほど彼は固まる。
「み、峰岸さん?」
しばらくして、希壱はようやく言葉を紡いだけれど、わずかに緊張で声が震えていた。
「希壱くん、彼と知り合いなの?」
「えっ? あ、うん。えっと、兄の友人で」
希壱の隣にいた青年が、一真に気づいて目を瞬かせた。
何度か見かけた覚えがある彼は、細身のいまどき風な子で、可愛い顔立ちをしているため男たちに人気だ。
ただ見た目に寄らず、ものをはっきり言うタイプ。可愛い子を愛でたい男には、敬遠されがちでもあった。しかしそれを差し引いても、性格は悪くないと一真は記憶していた。
(彼に連れてこられたのか? 歳は近そうに見えるが、希壱のセクシャルって)
頭でものを考えながら、じっと見ていた一真のせいで、ひどく凝視する状況になっていたようだ。視線の先で、希壱が落ち着かない表情になっていく。
(確かめてみるか)
普段であれば、一真は他人にあまり関わらない。それでも友人の弟となれば、気にせずにはいられなかった。
しかし椅子から立ち上がった途端、店内が一瞬だけざわっとする。よく来る客が多い日だったらしく、一真を見知っている者も多かったのだろう。
酒を飲んで帰っていくだけの男が、店の客に――知人ではあるが――声をかけ、なおかつ足を向けるなど、珍しく思えたはずだ。
とはいえ客の心情など、どうでもいい一真は黙って希壱がいる、向かい側のカウンターへ足を進めた。
「あ、あの峰岸さん? えっと、その、ここの常連さん、なんだね」
「たまに来る程度だ。弥彦も知ってる」
「えっ? 兄さんは知ってるの?」
なぜか兄が知っているという点に、やたらと反応を示す希壱は、小さな声で「そうだったんだ」と呟いた。
「弥彦になにも聞いていないのか? 悪い虫がつくって、言われてなかったか? あいつは希壱を、あまり俺に近づけたがらなかっただろう?」
「それは俺が人見知りして、なかなか……」
「ああ、確か、初めて顔を合わせて一年くらいは、随分と警戒されてたな」
希壱の兄。友人の弥彦と一真の付き合いは、高校三年の頃からだ。
実際に友人と呼べるようになったのは、高校を卒業してからだが、そのあとは何度か、一真は三島家に出入りしている。
最近は忙しさもあり、わざわざ彼らの家へ行く機会もなかった。
(そういえば、希壱はいまいくつになったんだ? ここにいるってことは)
出会った時はまだ中学生だった。それから八年か九年は経つので、大学四年生になった頃合いだろうか。
「ここへは彼と?」
「へっ? あっ、違うよ。夏樹くん……彼はさっき、一人だった俺に声をかけてくれたんだ。約束してた人が来られなくて、一人でどうしようかと思ってたから、話に付き合ってもらっていて」
夏樹へちらりと一真が視線を向けたら、彼は少し居心地の悪い顔をする。
「希壱くん、知り合いがいるなら大丈夫そうだね。また今度ゆっくり話そう」
「えぇっ、あー、うん」
あっさりと席を立った夏樹に、希壱は慌てた様子で彼を見上げた。その表情はどこか捨てられる寸前の動物を彷彿させる。
もしや邪魔だったろうかと思ったが、一真が引く前に、夏樹は希壱に手を振り去って行った。
残された希壱はゆるりと一真を振り返る。
「俺は邪魔をしたか? ここへは友人と飲みに、ではなくて」
「だ、大丈夫! なにごとも縁だから」
失敗に気づいた一真が、申し訳なさから眉を寄せれば、希壱は大げさに両手を横に振って見せる。しかし彼の言葉で、せっかくの出逢いを邪魔したのが良くわかった。
「悪い。知らなかったから、ついお節介な真似をした」
「あっ、あの、峰岸さん。一人だと落ち着かないから、一緒に飲まない?」
ここに自分がいては誰も近寄らない。そう思い、一真はその場を離れようとしたけれど、ぱっと希壱に袖を掴まれた。
「……どうせなら、場所を変えるか」
「うん!」
いまはここでのんびりと飲むのはいささか難しい。周囲の視線を感じて、一真が提案すると、希壱はひどく嬉しそうに返事をする。
場所を移すなら帰路が、お互いに楽なほうがいいだろうと、電車に乗って少しばかり移動することにした。希壱の家と、一真の住むマンションはさほど離れていない。
現在、一真の職場は母校だ。住む場所も自然と職場に近くなる。ゆえに元同級生の兄を持つ、希壱の家はわりと近い。
「二駅隣。峰岸さんって、結構近くに住んでたんだね。知らなかった」
店を出て電車に乗る前、希壱に最寄り駅を聞かれた。想像以上の近さだったのか、一瞬彼の口があんぐり開き、一真は苦笑してしまった。
「弥彦が俺の話をするなんてないだろうし、知らなくても仕方ないだろ」
「……というか。もうしばらく峰岸さんと会っていなかったから、兄さんと友達をやめたんだと思ってた」
電車で吊革を掴み、並び立っていた希壱は、思いがけないことを呟いた。だが一真が兄の弥彦に頻繁に会っていても、希壱にはまったく会っていなかった。ならばそう考えても仕方がない。
希壱と最後に会ったのは、彼の姉の結婚式で、話をするのもそれ以来だ。いつの話だったろうかと考え、三年ほど経つと気づく。
「兄さんや姉さんの友達ってだけじゃ、なかなか会えないものなんだな」
「ん?」
「もし良かったら、これからは俺とも会ってほしい、な」
「……ああ、いいけど」
(思っていたよりも好かれてたのか?)
人見知り、というよりも内弁慶な希壱。
出会ったばかりの頃、彼は警戒して一真に近づいてこなかった。それでも一年を過ぎたら、少しずつ話しかけてくるようになったのを覚えている。
ごく稀に二人で話した覚えもあるけれど、そこまで好かれる真似をした記憶が、一真にはない。
まっすぐな黒い瞳を見て、思わず了諾してしまったと気づいたのは、数秒後だ。
元カノ、元彼、フラれた相手まで。
「相変わらず繁盛しているな」
とりあえず話を変えようと、一真は視線をほかの場所へ移す。
店は大きな間取りではないため、コの字のカウンターに席が八つ。ボックス席が四つある程度。
周囲を気にせず会話を気楽に楽しめるよう、照明を絞ってあるものの、テーブルごとに間接照明があるので暗すぎることはない。
いつものように落ち着いた洋楽が流れ、曲に紛れて人の話し声がかすかに聞こえる、穏やかな雰囲気だ。
時刻は二十一時を回ったところ。営業は深夜一時までしているけれど、すでにボックス席は埋まっていた。カウンターもあと数人、座ればいっぱいだろう。
「ありがたいことに、常連さんが新しいお客さんをたぁくさん、連れて来てくれるから。ほら、そこにいる彼も常連さんの紹介でね」
ミサキの声につられて、一真は彼女の背後、向かい側のカウンター席へ視線を向ける。
そこにいるのは見覚えのある常連と、もう一人――
「希壱?」
座っていてもわかる長身。黒髪の短髪。
やや細い目は一真の友人によく似ている。こちらのほうが、愛嬌のある顔立ちをしているが――それはどうでもいい。
(なぜここにいるんだ?)
一真の声に気づいたのか、友人の弟である三島希壱と、まっすぐに視線が合った。
瞬間、細い目が驚きで見開かれ、そのまま数秒ほど彼は固まる。
「み、峰岸さん?」
しばらくして、希壱はようやく言葉を紡いだけれど、わずかに緊張で声が震えていた。
「希壱くん、彼と知り合いなの?」
「えっ? あ、うん。えっと、兄の友人で」
希壱の隣にいた青年が、一真に気づいて目を瞬かせた。
何度か見かけた覚えがある彼は、細身のいまどき風な子で、可愛い顔立ちをしているため男たちに人気だ。
ただ見た目に寄らず、ものをはっきり言うタイプ。可愛い子を愛でたい男には、敬遠されがちでもあった。しかしそれを差し引いても、性格は悪くないと一真は記憶していた。
(彼に連れてこられたのか? 歳は近そうに見えるが、希壱のセクシャルって)
頭でものを考えながら、じっと見ていた一真のせいで、ひどく凝視する状況になっていたようだ。視線の先で、希壱が落ち着かない表情になっていく。
(確かめてみるか)
普段であれば、一真は他人にあまり関わらない。それでも友人の弟となれば、気にせずにはいられなかった。
しかし椅子から立ち上がった途端、店内が一瞬だけざわっとする。よく来る客が多い日だったらしく、一真を見知っている者も多かったのだろう。
酒を飲んで帰っていくだけの男が、店の客に――知人ではあるが――声をかけ、なおかつ足を向けるなど、珍しく思えたはずだ。
とはいえ客の心情など、どうでもいい一真は黙って希壱がいる、向かい側のカウンターへ足を進めた。
「あ、あの峰岸さん? えっと、その、ここの常連さん、なんだね」
「たまに来る程度だ。弥彦も知ってる」
「えっ? 兄さんは知ってるの?」
なぜか兄が知っているという点に、やたらと反応を示す希壱は、小さな声で「そうだったんだ」と呟いた。
「弥彦になにも聞いていないのか? 悪い虫がつくって、言われてなかったか? あいつは希壱を、あまり俺に近づけたがらなかっただろう?」
「それは俺が人見知りして、なかなか……」
「ああ、確か、初めて顔を合わせて一年くらいは、随分と警戒されてたな」
希壱の兄。友人の弥彦と一真の付き合いは、高校三年の頃からだ。
実際に友人と呼べるようになったのは、高校を卒業してからだが、そのあとは何度か、一真は三島家に出入りしている。
最近は忙しさもあり、わざわざ彼らの家へ行く機会もなかった。
(そういえば、希壱はいまいくつになったんだ? ここにいるってことは)
出会った時はまだ中学生だった。それから八年か九年は経つので、大学四年生になった頃合いだろうか。
「ここへは彼と?」
「へっ? あっ、違うよ。夏樹くん……彼はさっき、一人だった俺に声をかけてくれたんだ。約束してた人が来られなくて、一人でどうしようかと思ってたから、話に付き合ってもらっていて」
夏樹へちらりと一真が視線を向けたら、彼は少し居心地の悪い顔をする。
「希壱くん、知り合いがいるなら大丈夫そうだね。また今度ゆっくり話そう」
「えぇっ、あー、うん」
あっさりと席を立った夏樹に、希壱は慌てた様子で彼を見上げた。その表情はどこか捨てられる寸前の動物を彷彿させる。
もしや邪魔だったろうかと思ったが、一真が引く前に、夏樹は希壱に手を振り去って行った。
残された希壱はゆるりと一真を振り返る。
「俺は邪魔をしたか? ここへは友人と飲みに、ではなくて」
「だ、大丈夫! なにごとも縁だから」
失敗に気づいた一真が、申し訳なさから眉を寄せれば、希壱は大げさに両手を横に振って見せる。しかし彼の言葉で、せっかくの出逢いを邪魔したのが良くわかった。
「悪い。知らなかったから、ついお節介な真似をした」
「あっ、あの、峰岸さん。一人だと落ち着かないから、一緒に飲まない?」
ここに自分がいては誰も近寄らない。そう思い、一真はその場を離れようとしたけれど、ぱっと希壱に袖を掴まれた。
「……どうせなら、場所を変えるか」
「うん!」
いまはここでのんびりと飲むのはいささか難しい。周囲の視線を感じて、一真が提案すると、希壱はひどく嬉しそうに返事をする。
場所を移すなら帰路が、お互いに楽なほうがいいだろうと、電車に乗って少しばかり移動することにした。希壱の家と、一真の住むマンションはさほど離れていない。
現在、一真の職場は母校だ。住む場所も自然と職場に近くなる。ゆえに元同級生の兄を持つ、希壱の家はわりと近い。
「二駅隣。峰岸さんって、結構近くに住んでたんだね。知らなかった」
店を出て電車に乗る前、希壱に最寄り駅を聞かれた。想像以上の近さだったのか、一瞬彼の口があんぐり開き、一真は苦笑してしまった。
「弥彦が俺の話をするなんてないだろうし、知らなくても仕方ないだろ」
「……というか。もうしばらく峰岸さんと会っていなかったから、兄さんと友達をやめたんだと思ってた」
電車で吊革を掴み、並び立っていた希壱は、思いがけないことを呟いた。だが一真が兄の弥彦に頻繁に会っていても、希壱にはまったく会っていなかった。ならばそう考えても仕方がない。
希壱と最後に会ったのは、彼の姉の結婚式で、話をするのもそれ以来だ。いつの話だったろうかと考え、三年ほど経つと気づく。
「兄さんや姉さんの友達ってだけじゃ、なかなか会えないものなんだな」
「ん?」
「もし良かったら、これからは俺とも会ってほしい、な」
「……ああ、いいけど」
(思っていたよりも好かれてたのか?)
人見知り、というよりも内弁慶な希壱。
出会ったばかりの頃、彼は警戒して一真に近づいてこなかった。それでも一年を過ぎたら、少しずつ話しかけてくるようになったのを覚えている。
ごく稀に二人で話した覚えもあるけれど、そこまで好かれる真似をした記憶が、一真にはない。
まっすぐな黒い瞳を見て、思わず了諾してしまったと気づいたのは、数秒後だ。
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