悪役令嬢のハズが気づいたら女帝になってたんだが?-推しを助けるために悪役令嬢になったったw…筈なのだが…おや?様子が…?-

5歳の時、庭園を婚約者と散歩中にうっかり足を滑らせて池に落ちてしまったユリア。
 薄れゆく意識の中、ここが大好きだった恋愛ゲームの中だということに気づいてしまった。

 それだけではなくこのゲームの特徴は、ヒロインが誰かと結ばれた場合、他の攻略対象は敵としてヒロインたちと対立し、死んでしまうという胸糞システム。かといって誰とも結ばれないままストーリーが進行すると必ず全員が死ぬ。ヒロインも当然死ぬ。なんだこの地獄ゲー。

 生前箱推しガチ恋勢だったユリアとしても、そんなことは何としても回避したい。

(強く生きるのよユリア、こんなところで死んじゃ駄目よユリア、生きて、そして…)

 生き物というものは、どんなにいがみ合っていても共通の巨悪を前には手を取らざるを得ない。

(私が悪者になるの、そしていい感じに倒されればいいのよ…!)

自分になびかないヒロインに逆上して返り討ちにされる従兄弟、仲間にそそのかされ裏切られ自殺する婚約者、復讐の為に人生すべてを失う恩師…愛する者のために全てを捨ててなお報われないヒロイン。普通にやっていては、誰かは必ず死んでしまう。

全世箱推しガチ恋勢にはあまりにも辛すぎる。
どんな手を使ってでも、彼らを幸せにしてみせる、私の心の健康のためにも。
そして最期は、全員が手を取り合って私に立ち向かってきたところを拝みながら心穏やかに人生の幕を下ろす!!!!!


…筈だったのだが…?
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