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4、ルカ登場

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  放課後、北山に声をかけられた

「三嶋!」

「おー、北山どうした?」

「今からどこ行くんだ?」

  これから俺は事務所に行ってレコーディングする予定だった

「駅の方だ」

「俺も同じ方だから一緒に行こうぜ!」

「おう」

  でも確か、北山の家は真逆だった気がする

「あれ、北山こっちだっけ?」

「今日は特別なんだよ」

「へぇ」

  少し違和感はあったが、それ以上は何も感じなかった

  しばらく歩いていると向こうから大声で

「ユートさん!」

  と声をかけられた
  あれは、大斗だ
  あんな遠くから、よく俺だって気づいたな

「一緒に行きま、せん、か、って誰ですか」

  北山をみた大斗は警戒して聞いた

「あぁ、こいつは北山。俺と同じクラスだ」

「あ、この前のイケメンくんだ」

  大斗は軽く会釈した
  ん?なんか服引っ張られているような気がする……?
  あ、大斗が引っ張ってる
  なんか子犬みたいで可愛いな

「ユートさん、俺お腹痛くなっちゃいました」

「は!?大丈夫かよ、おい」

  北山も少し驚いていた

「ねぇ、ユートさん。お腹痛いからちょっとコンビニ寄っていいですか?」

「あぁ。すまん、北山。先に帰っといてくれ」

「あー、うん。でも俺別に帰るわけじゃ……ってもういない」

  北山の話を最後まで聞かずに大斗は俺を引っ張って行く

「お、おい。大斗?」

  しばらく行ったところで大斗は急に止まった

「……ユートさん、あの人、本当にクラスメートってだけですか?」

  何言ってんだ、当たり前だろ?

「本当だよ」

「本当に本当ですか!?」

  なんでそんなに心配そうな顔してんだ

「当たり前だろ」

「はー、良かった。俺、もしあの人とユートさんが付き合ってたらどうしようって思って……」

  俺と北山が!?ないないないない

「てかそんな心配してたのかよ」

「だってユートさんは俺の好きな人だから」

  こいつ、こういうのハッキリ言えちゃうのすごいよな

「ほら、早く事務所向かうぞ」

「はいっ」





「こんにちは」

「よろしくお願いします」

  俺達は関係者に挨拶してレコーディング室に入った
  軽く今日の喉の調子をみて、軽く合わせる

「よう、お前ら」

「社長、よろしくお願いします」

  社長がレコーディング室に入ってきた
  どうしたんだ?

「今日はお前らにこの前みせた高低差のある歌を歌ってたやつ、ルカっていうんだけどそいつに合わせてやろうと思ってな」

  おぉ!あのすごい人に会えるのか

「え、いや、結構です」

  大斗はまだあのこと気にしてんのか?

「大斗、大丈夫だって。俺がそいつを選ぶわけないだろ?」

「でも……」

  大斗はまだ納得のいってない表情だ

「おい大斗、お前のためでもあるし、ユートのためでもあるんだぞ?」

  社長が話だした

「ユートさんの、ため……?」

「そうだ。確かに、お前の方がルカより高い声はだせる。だがな、お前の教え方じゃ多分ユートは上手くならない」

「……っ」

  社長の直球な言葉に少し大斗は傷ついていた

「どういう、意味ですか?」

「お前の教え方が下手なんじゃなく、ユートに近い低さまでだせるルカの方がお前よりユートの気持ちを分かれるってことだ」

  確かに。俺も納得した

「分かり、ました。でも、ユートさん!俺よりルカさんの方がいいとか、言わないでくださいね!?」

「昨日の言葉、忘れたのかよ。俺を信じろ」

「……っはい!」

  大斗は満面の笑みで答えた

「ルカ、入ってこい」

「はい」

  返事をしながらドアを開け入ってきたルカの顔をみて俺はあいた口が塞がらなかった
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