4 / 13
4、ルカ登場
しおりを挟む放課後、北山に声をかけられた
「三嶋!」
「おー、北山どうした?」
「今からどこ行くんだ?」
これから俺は事務所に行ってレコーディングする予定だった
「駅の方だ」
「俺も同じ方だから一緒に行こうぜ!」
「おう」
でも確か、北山の家は真逆だった気がする
「あれ、北山こっちだっけ?」
「今日は特別なんだよ」
「へぇ」
少し違和感はあったが、それ以上は何も感じなかった
しばらく歩いていると向こうから大声で
「ユートさん!」
と声をかけられた
あれは、大斗だ
あんな遠くから、よく俺だって気づいたな
「一緒に行きま、せん、か、って誰ですか」
北山をみた大斗は警戒して聞いた
「あぁ、こいつは北山。俺と同じクラスだ」
「あ、この前のイケメンくんだ」
大斗は軽く会釈した
ん?なんか服引っ張られているような気がする……?
あ、大斗が引っ張ってる
なんか子犬みたいで可愛いな
「ユートさん、俺お腹痛くなっちゃいました」
「は!?大丈夫かよ、おい」
北山も少し驚いていた
「ねぇ、ユートさん。お腹痛いからちょっとコンビニ寄っていいですか?」
「あぁ。すまん、北山。先に帰っといてくれ」
「あー、うん。でも俺別に帰るわけじゃ……ってもういない」
北山の話を最後まで聞かずに大斗は俺を引っ張って行く
「お、おい。大斗?」
しばらく行ったところで大斗は急に止まった
「……ユートさん、あの人、本当にクラスメートってだけですか?」
何言ってんだ、当たり前だろ?
「本当だよ」
「本当に本当ですか!?」
なんでそんなに心配そうな顔してんだ
「当たり前だろ」
「はー、良かった。俺、もしあの人とユートさんが付き合ってたらどうしようって思って……」
俺と北山が!?ないないないない
「てかそんな心配してたのかよ」
「だってユートさんは俺の好きな人だから」
こいつ、こういうのハッキリ言えちゃうのすごいよな
「ほら、早く事務所向かうぞ」
「はいっ」
「こんにちは」
「よろしくお願いします」
俺達は関係者に挨拶してレコーディング室に入った
軽く今日の喉の調子をみて、軽く合わせる
「よう、お前ら」
「社長、よろしくお願いします」
社長がレコーディング室に入ってきた
どうしたんだ?
「今日はお前らにこの前みせた高低差のある歌を歌ってたやつ、ルカっていうんだけどそいつに合わせてやろうと思ってな」
おぉ!あのすごい人に会えるのか
「え、いや、結構です」
大斗はまだあのこと気にしてんのか?
「大斗、大丈夫だって。俺がそいつを選ぶわけないだろ?」
「でも……」
大斗はまだ納得のいってない表情だ
「おい大斗、お前のためでもあるし、ユートのためでもあるんだぞ?」
社長が話だした
「ユートさんの、ため……?」
「そうだ。確かに、お前の方がルカより高い声はだせる。だがな、お前の教え方じゃ多分ユートは上手くならない」
「……っ」
社長の直球な言葉に少し大斗は傷ついていた
「どういう、意味ですか?」
「お前の教え方が下手なんじゃなく、ユートに近い低さまでだせるルカの方がお前よりユートの気持ちを分かれるってことだ」
確かに。俺も納得した
「分かり、ました。でも、ユートさん!俺よりルカさんの方がいいとか、言わないでくださいね!?」
「昨日の言葉、忘れたのかよ。俺を信じろ」
「……っはい!」
大斗は満面の笑みで答えた
「ルカ、入ってこい」
「はい」
返事をしながらドアを開け入ってきたルカの顔をみて俺はあいた口が塞がらなかった
37
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品
ギャルゲー主人公に狙われてます
白兪
BL
前世の記憶がある秋人は、ここが前世に遊んでいたギャルゲームの世界だと気づく。
自分の役割は主人公の親友ポジ
ゲームファンの自分には特等席だと大喜びするが、、、
周りが幼馴染をヤンデレという(どこが?)
ヨミ
BL
幼馴染 隙杉 天利 (すきすぎ あまり)はヤンデレだが主人公 花畑 水華(はなばた すいか)は全く気づかない所か溺愛されていることにも気付かずに
ただ友達だとしか思われていないと思い込んで悩んでいる超天然鈍感男子
天利に恋愛として好きになって欲しいと頑張るが全然効いていないと思っている。
可愛い(綺麗?)系男子でモテるが天利が男女問わず牽制してるためモテない所か自分が普通以下の顔だと思っている
天利は時折アピールする水華に対して好きすぎて理性の糸が切れそうになるが、なんとか保ち普段から好きすぎで悶え苦しんでいる。
水華はアピールしてるつもりでも普段の天然の部分でそれ以上のことをしているので何しても天然故の行動だと思われてる。
イケメンで物凄くモテるが水華に初めては全て捧げると内心勝手に誓っているが水華としかやりたいと思わないので、どんなに迫られようと見向きもしない、少し女嫌いで女子や興味、どうでもいい人物に対してはすごく冷たい、水華命の水華LOVEで水華のお願いなら何でも叶えようとする
好きになって貰えるよう努力すると同時に好き好きアピールしているが気づかれず何年も続けている内に気づくとヤンデレとかしていた
自分でもヤンデレだと気づいているが治すつもりは微塵も無い
そんな2人の両片思い、もう付き合ってんじゃないのと思うような、じれ焦れイチャラブな恋物語
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談? 本気? 二人の結末は?
美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる